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peaceofmind2の愛車 [アウディ A4 (セダン)]

整備手帳

作業日:2010年9月25日

クランツ・ジガベーシック

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

初級

作業時間 3時間以内
1
すっかりごぶさたしてしまいました。思い出したように約3年ぶりの更新です。
早いもので、わがA4(B7)2.0もあと5ヶ月で5年目の車検を迎えます。そんな折、ふとブレーキパッドの交換を思い立ちました。
この車はリヤのパッドの摩耗がとても早く、すでに3年目で一度交換していますが、このままだと今度の車検でまた交換されてしまいます。ダストを出しまくる上に、効きすぎてカックンブレーキを誘発する純正パッド。このパッドにまた交換されるのは、もう避けたい。

そういえばゴルフⅢに乗っていた十数年前、当時よく通っていた世田谷のDというお店で「クランツ・ジガベーシック」というパッドに交換したらダストが激減したことを思い出しました。
そこで今回も迷わずジガベーシックに決めて、クランツの直営ファクトリーである扇大橋の「K-Factory」に作業予約をしてみました。
http://www.kranz-automotive.co.jp/k-factory/index.htm

作業当日は休日。ファクトリーに着いたら、カジュアルないでたちの気さくなおじさん(失礼)と真面目そうなメカニックの方が登場です。
この陽気なおじさん(たびたび失礼)、なんとクランツ社長の山岡さんでした。
2
さっそくメカニック氏がリフターで車体を持ち上げ、タイヤを手際よく外していきます。作業を興味深く見つめる私に、社長はパッドやローターの状態を詳しく説明してくれた後、矢継ぎ早に足回りの解説を始めてくれました。

・アーム類はアルミですね。真っ黒でアルミに見えんけどね、ワハハハ!
・フロントローターは、内側から外側への空気の流れを考えた放熱性の高い形になってます。
・リヤのキャリパーはサイドブレーキと兼用になってます。ワーゲンと共通の部品ですね。
・リヤ左側の青い部品見えます?(写真2枚目参照)アレで荷重を測って、ブレーキに送る油圧を自動調節してるんですよ。 つまり、1人乗車でも4人乗車でもブレーキフィールが変わらないように設計してあるんです。これは高級車しかついてないです。アウディはA4以上で左側に、ベンツは両側についてます。
・この純正ホイール、鍛造ですね。鋳造でこのデザインやったら強度が絶対もちません。 えっ、鍛造なんてカタログに書いてない?きっとアウディは当たり前やから書かんのや、ワハハハ!
・色々と考えて設計してあって、金かかってますわ。だからアウディはパーツ高いんですわ、ワハハハ!
3
…等々、社長は機関銃のように解説を続けてくれます。おかげでA4のブレーキシステムの設計思想もよく理解できました。
このクルマは、アウトバーンで200km/hの領域からガツンと一瞬で安全に減速できるように設計されている。
それはオーナーにとっては性能面・心理面ともに余裕を得られるということでもありますが、よく考えると日本の一般的な道路事情にはベクトルが向いていないということでもあります。
だからこそ社長は日本のストリートユース向けにジガシリーズを開発したようです。ダストの出ないパッドを思いついたきっかけ、パッドの素材のメーカーや含有物…などなど、開発秘話も含めて色々教えてくれました。

また、社長は足回りだけでなくエンジンルームも隅々までチェックして、パーツの状態やメンテ上の注意事項も色々解説してくれました。多くはK-Factoryのビジネスに直結しないにもかかわらず、メンテ知識として伝授してくれるのです。他にも、軽のレースの話、ディーラーとのおつきあいの話、タイヤの真円度の話などなど、1時間半の作業の間に信じがたいほど広く多くの情報をうかがうことができました。
クランツのパッドを検討中で扇大橋まで行ける方は、ぜひK-Factoryで作業依頼してみてください。工賃もリーズナブルですし(メーカー直営なのにパッドは定価販売なので元は取っているでしょうが)、運良く社長にお会いできれば楽しく色々なことを教えてもらえて本当に勉強になりますよ。

そうこうしているうちに作業は終盤。タイヤ取付前にメカニック氏がホイールを洗ってくれます。
「当たり前ですやん、汚れません言うて売ってるのにホイール汚れとったら違いが分からんもん」
その心意気、さすがです。

作業は無事終了し、いよいよ出庫です。おおっ、発進の瞬間からフィーリングが全然違う!全然カックンしないし、停止・発進の瞬間の「ゴゴッ」という摩擦音も解消されています。
「すごい!スムースさが全然違いますね!」という私に、社長が最後の一言。

「あ、もう違いわかります?でも走り出して止まらんかったらゴメンね、ワハハハ!」

…というわけで、まずはブレーキの効き方そのものが劇的に変わりました。
踏んだ瞬間からガツンとは効きませんが、踏力に応じた強弱のコントロールが可能になったうえ、特に停止の瞬間のカックンが完全に解消されてスーッと止まれるようになりました。まるで車格がアップしたようなイメージの挙動になり、家族にも「乗り心地が全然違う」と大好評。もちろん、所期の目的である「ダストの低減」は昔ゴルフⅢで実証済なので、こちらも大いに期待できます。

---

以前このブログにも少しだけ書きましたが、もともとわがA4はどうしても欲しかったというわけでなく、事のなりゆき(要するに営業氏からのプッシュ)で買い換えに至ったものでした。
その後は年月とともに少しずつ惚れ込んできて、満足度はどんどん高くなってきています。しかし一方では、私は恥ずかしながら「時代とともにクルマはどんどんブラックボックス化している」と嘆くだけで、今まで愛車を自ら積極的に知ろうと努力してきませんでした。
今回の山岡社長との話から得られた構造やメンテに関する知識と改善されたブレーキフィールで、わがA4への愛着が数倍高まったことは本当に大きな収穫でした。
これで、このままあと5年以上は乗っていこうという気持ちになりました。めざせ10年選手!
4
#余談ですが、リフターで持ち上げられてタイヤを外され、ボディだけになったA4は本当に流麗です。 風洞実験中のクレイモデルのような、見るからに空力特性の良さそうなシルエットに惚れ直しました。
実はB7型A4のデザインが一番美しく見えるのは「斜め下から見た時」だった…!?
5
<補足>

取付後、深夜はクルマが通らない自宅近くの某工業団地エリアに行き、可能な範囲でフルブレーキを試してみました。
降雨後のウェット路面ですが、50km/hからのフルブレーキングで制動距離は7~8m程度(※)と申し分ない制動力です。
ガーンと全力でペダルを踏み込んでもクルマはガツンとならず(自分の腰にはガツンときますが)、タイヤやブレーキの音も一切なく「スッ」と一瞬で止まります。何度か試しましたが、制動距離が短いためかウェット路面でもABSやブレーキアシストは作動しませんでした。
(ちなみに純正パッドの頃は、似たような状況でABSとブレーキアシストが作動したことがあります。)

一方、街乗り時の急制動に加えて気になるのは下り坂など連続使用時での耐フェード性です。が、これは公道ではテストのしようがないので何ともいえません。
ジガベーシックは200km/h領域からの急制動力や耐フェード性は純正パッドに劣るという情報もあり、販売側もそういう使い方をするドライバーにはお勧めしていないそうです。
そもそも、パッドの種類云々以前に公道上で一番大切なのは「基本に忠実な安全運転」であり、フェードの心配が生じるような運転をしないことです。ジガベーシックは日本の公道での使用に的を絞って設計されているので、法規やマナーを守って日常運転する限りにおいてはメリット大(ダスト抑制や制動フィール改善)といえるでしょう。

(※)一般的なブレーキテストとは異なり、空走距離は考慮していません。乗員数1名、装着タイヤは215/55R16ミシュランPrimacy LC。

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