たい焼きと言えば粒あんが定番だが、クリームの入ったたい焼きも存在する。シビック タイプRとWRX STIを乗り比べるとまさにそんな比喩が浮かんできた。
僕が思うに、WRX STIは粒あんのたい焼きだ。口に入れた時、たい焼きと言えばこれこれ!と納得する。もちろんたい焼きの皮とあんこの組み合わせは定評があって美味しい。
対して、シビック タイプRはクリームのたい焼きだ。たい焼きなのにクリーム。そんな斬新さと、口に入れた時に意外といける!と新たな発見を感じる。カスタードのまろやかさや親しみやすさはあんこよりむしろ万人受けさえするかもしれない。
そんな粒あんとクリームのたい焼きを食べ比べしてきた。どちらも美味しいけれど、全く別の味がして好みが分かれるところ。さて、スバル好きあんこ好きの僕の結論は最後にまとめるとして、各テーマごとにシビック タイプRとWRX STIを比較していくことにする。
[エクステリア]

シビック タイプRはチャンピオンシップホワイトでまさにタイプRのイメージカラーだ。

WRX STIはタイプSという上級グレードで、クリスタルブラック・シリカ。個人的にはアイスシルバーが好みだ。
シビックタイプRのまさにガンダムのような勇ましいフロントフェイスはインパクト抜群で、WRX STIが大人しく感じてしまう。
それもそのはず、なんとシビックタイプRは全幅1875mm!も取られていて、ノーマルのシビックからWRCを彷彿とさせるオーバーフェンダーが目を惹く。
全幅だけでいえば、欧州のEセグメントセダン並だ。昔のシビック タイプRを想えば全く別モノになってしまったとホンダの方も仰っていた。
一方WRX STIは1795mmと個人的には丁度いい車幅なのかなと思う。
ロアグリルとバンパー脇のエアインテークからフロントフェンダーにかけて、またボンネットのエアインテークからエンジンルームに風を通して冷却させているのは両者とも同じだ。

シビック タイプRはエアロダイナミクスも専用開発され、Cd値を小さくしつつ、高速安定性や旋回性能を向上させダウンフォースを意識している。
ルーフ後端にはボルテックスジャネレーターも備える。この当たりはアメリカ人受けを狙っているのだろうか。
シビック タイプRは全体的にゴツっとしていてのに対して、WRX STIはD型のビックマイナーチェンジでより大人っぽく洗練された顔つきになった。
[インテリア]

インテリアについても、シビックタイプRは赤黒の華やかな内装で、レッドメタリックのラインやカーボン調パネルの使い方などこだわりが感じられる。アルカンターラの質感もいい。

対してWRX STIは黒を基調として、ピアノブラックの加飾で大人っぽい仕立て。
ステアリングの質感はステアリングスイッチも含めWRX STIの方が好みだった。シビック タイプRのステアリングはイタリア製スムースレザーを使用しており最近のトヨタ車でも採用しているタイプだった。

メーターは、ノーマルのシビックと共通の全面デジタルメーターで、演出や機能はタイプR専用品。
ブースト計やレブインジケーター、アクセル開度、ブレーキ圧計、Gメーター、ストップウォッチなど表示できる。

対してWRX STIは、視認性のいいホワイトルミセントのタコメーターとスピードメーターが、水平0指針としたアナログで構えており、その間には3.5インチのMID(マルチインフォメーションディスプレイ)を備え、距離やシフトインジケーター、DCCD、SIドライブ、瞬間燃費などを表示させられる。

それとは別に、インパネ中央にはD型で5.9インチに大型化したMFD(マルチファンクションディスプレイ)でブースト計や燃費記録、先進安全装備の作動状況などを表示出来る。
シートについてはシビック タイプRのものがよく出来ていた。ホールド性の高さはもちろん、長距離でもおしりや腰が痛くならないよう高密度ウレタンを使用し、底づき感を軽減しているそうだ。
WRX STIの試乗車にはMOPのレカロが装着されていたが、15分もない試乗で既に腰が痛くなりかけていた。
インテリアからも、最新のトレンドを取り入れたシビックタイプRと、伝統を継承しつつもマニア心のツボを押さえたWRX STI。好みが分かれるところである。

シビック タイプRは電動パーキングブレーキなので、ブレーキホールドも付いている。
MT車とは言え、信号待ちなどでいちいちブレーキを踏んだり、わざわざサイドブレーキをかける必要がなく楽だった。あ、ブレーキランプ付いているか確認し忘れたな…。
WRX STIも次期型では採用してくるだろう。
後編では店の回りをちょっと走ってみての味見程度な試乗インプレッションをお届けする。
お楽しみに。
Posted at 2018/01/23 10:40:05 | |
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