
間もなく開幕のNYショーでアウトバックが発表されるそうです。
先日はB4がお披露目されました。
残念ですがTWはラインナップから落とされました。
B4は日本でも一応売るのでしょうが、実質レガシィは北米を中心とした
輸出専用モデルに移行ですね。
では国内市場は?
そう、皆様ご存知のレヴォーグが登場して牽引することになっています。
ここで私が思ったことはレヴォーグの出来の良し悪しとはまったく無関係に
『あぁ、スバルは国内はインプ一本でやっていくんだな。』
でした。
現行のインプがG4とスポーツでデビューして以来、スバルのモデルの
フェイスリフトは基本『インプ顔』へ移行していました。
このあたりも『インプ一本』の意図にそったものだったのでしょう。
もとはテントウ虫と呼ばれた360からスタートし1000で一斉を風靡し
レオーネでその地歩を固めてきたメーカーです。
軽自動車-1000ccクラス前半のベーシック-2000ccクラスのレギュラーサイズ
これがずっとスバルのラインナップでした。
今後のスバルの国内屋台骨となるインプももとは1300-1500ccの B~Cセグ
のファミリーカーからスタートしています。
1000でFF確立し技術的に数々のエポックを語られる地位を生かし小さな会社の
業績を大きく助けたのは当時の提携先の日産の初期のFF(チェリー)の生産請負
でした。
日産の元を離れたあとGMの世界戦略の一端に組み込まれGMヨーロッパ(オペル)
のザフィーラをエンジンスワップして2200ccのエンジン積んだモデルもあったり
したけど、これはGMタイからの輸入だったはず。
どこでどう話が持ち上がったのかアルシオーネでは宇宙船か、というような
デザインにレオーネのエンジン押し込んで、所謂コンセプトカーのようなモデルを
そのまま売ったり、次のSVXでは『ポルシェか?』というようなフラット6-3.3Lを
ジウジアーロデザインのGTボディに積んで、しかもジウジアーロをして
『まさかそのまま生産型にするとは思わなかった』と謂わせ、生産現場や部品
メーカーをそのチリ合わせの難しさで辟易とさせたサイドウィンド周りの凝った
デザインのまま市場投入する、といった無茶もしていたよね。
でも、今はトヨタグループの一角でちょっとプレミアムでトヨタとは味の違う
パーソナルカーをつくる部門として機能することが会社の役目になっているみたい。
軽はダイハツ製だし、1000cc前半のベーシックはトヨタからバッチと名前替えて
持ってきてるし。 大きいほうのレガシィは輸出専用、となれば国内インプ一本
は必然でもあるし、そして合理的でもある。
そのインプを所謂インプ、XV、フォレ、そしてWRXとレヴォーグとそれぞれの
ユーザー層に適合するようにチューンして衣装を替えてだせばきっとうまくいくはず。
少なくともコストの観点からはすばらしい展開でしょう。
このあたりはトヨタが昔、海外へはレクサスES、国内にはウィンダム、そして
そのプラットフォームをまんまといただいてハリアーをつくった手法から来ている
のかもしれないね。
あ、断っておくけど現在のスバルをこき下ろしているのでもなければ
昔はよかった、と嘆いているのでもないですからね。
今の世界できちんと生き残り、そして成長していこうとすればこうした合理性は
なによりも必要なことで、その合理性に胡坐をかいてお面変えただけ、みたいな
安直な車ではなく、プラットフォームは共通でもそれぞれのユーザー層に向けて
真剣にそれぞれの『独自』の車に磨き上げて市場投入しているのだから、
凄いね、って言ってるんです。
そして今度デビューの新レガシィ。
B4はどこをどう見ても、特に7:3で後ろ斜めから見るとどうみてもカムリにクリソツ。
もっとも今の現行BMだって実は私はカムリと見間違えたことがあるくらいですけどね。
で、邪推すると新レガシィは北米生産のカムリのトヨタKプラットフォームを共有している、
なんてことがあっても驚かないくらい似た印象。
もっともKプラットフォームは先代カムリからの継続使用だからこれからデビューの
レガシィとしてはちょっと古いでしょ。
それに直4やV6を横置き搭載のKプラットフォームにフラット4/6が縦にそのままのるのか、
ということ考えれば概観が似ているだけ、と思うほうが自然だけどね。
そしてカムリに似ているのは確かだとしても、実はそのカムリにしてからが
先代あたりからどうもヒュンダイのソナタあたりと区別がつきづらい外観しているしね。
だからこのあたりのセグメントを北米市場を中心に売っていこうとするとこうした
アピアランスになるのはある種の最大公約数なのかもしれない。
だから、問題は中身がどうか、乗って走ってどうか、だね。
さて、ここで国内でスバルに関連してよく耳にするフレーズがあります。
『レガシィはBRで大きくなりすぎた。』
『あのサイズは国内では使いづらい。』
『だからレヴォーグはレガシィTWの25年ぶりのモデルチェンジ』
はじめにことわっておきますがこれらのフレーズに共感する方々、
そしてこんどのレヴォーグを買おうかなぁ、と考えている方々にあれこれ
言う意図はまったくないですからね。
あくまでも私のまったくの個人的な主観。
上のフレーズ、私はまったくそうは思わないんだよね。
大きくなった、それは事実。
今のBRは全長*全幅はなんと4790*1740。
全幅はともかく4790の全長は確かに長い。
でも取り回しに苦労するほど長いか、といえば別にそんな風には思わない。
日本で使いにくいサイズだから売れ行きが芳しくない。
そうなのかな?
たしかにでかいが4790の全長の車はいくらでもあるしどこだって走っている。
もちろん狭い路地や、軽自動車しかすれ違えないような林道では不自由だろうが
そんな場所に持ち込めば今の普通乗用車はみな不自由する。
それは全長が100mm余計だから、ではないと思っている。
そしてなによりもこれが輸入車だったり、所謂VIPカーと呼ばれる(嫌いな言い方だ)
車たちを欲しがる人の数はかなりの数になる。
だから私はBRが大きすぎるとは思わないし、BPからBRへのモデルチェンジも
嘆かない。
たしかにBPのボディデザインはすばらしくカッコいい。
デザインのカッコよさ、に限定したら今でも、私ですらBPのほうがカッコいいと
思う部分もある。
もっと正直に言えばBRのデザインを受け入れられるようになったのはD型で
フロントグリルが代わってからのことだ。
A~C型までのBRはサイズは納得できたし、乗っての性能も好感を持っていた。
でも、どうしても肯定的になれなかったのはそのエクステリアデザイン。
時間の経過とともにようやく私の眼も『慣れ』、そしてD型へのMCでようやく
受け入れることができるようになった、というのが正直なところ。
でも現行BRのサイズはあのクラスを考えたときには輸出では必然のサイズと思うし
国内にあってもどうしてもあれじゃ大きすぎる、という場面や利用者も居るだろうが
あれでOK,あれこそ最適、と感じる人もいると思っている。
だからちょっと感情的かもしれないが
レヴォーグの性能やデザインに好感をもちつつも
BR/BMが大きくなりすぎたからその反省で、というようなBR/BMを否定するかの
如き表現はいまでも接するたびにあまり愉快にはならない。
繰り返すけど、レヴォーグがいい車で売れたらいいよね、って思いとはまったく
別の話ね。 そこ大事だから。
きっとスポーツ性はレヴェーグのほうがずっと高いんだろうと思う。
でも私には+100mmのホイールベースの差が大きな意味なんだろうとおもう。
今は最終型のBR意外眼中にない私だし、
PVを見る限りそのデザインは上述のとおりカムリ? という部分を含め多少の
違和感はかんじていうるのだけど、性能はレガシィとしての正常進化と考えると
今の時点で否定する気にはなれない。
多少の違和感のあるデザインだってBRのときのように数年の時間を要して
受け入れるようになるかもしれない。
TWがなくてアウトバックしかないことで私が次に次期レガシィに移行するのは
ちょっと考え辛いけど、でもたとえば3年くらいして、アウトバックをベースに
STIあたりがサスジオメトリィを全部再設計してターマック専用GTとして車高も
下げて限定版のS40Xなんてやったらグラっと来ない保証はない。
と、いうよりもそうなったらいいのに、って思っている自分が居ます。
あ、あと数年は間違いなくBRでいくけどね。