先日、トヨタ博物館で開催されていたクラウンの企画展へ行ってきました。
私の周りでは、校長先生をされていた近所の遠戚の方が150系を長く所有しておりました。平成中期頃までの「ザ・校長先生」という雰囲気の方で、毎朝出勤される姿に心のどこかで「ああいう大人になりたい」と感じたものです。
他にも130系はほぼ毎日見るくらいには走っておりましたし、140系以降は乗られている方が身の回りにもたくさんいらっしゃいました。
逆に言えば、120系以前のモデルは既に現役から外れ始めた頃の様で、見かけなくなり始めていたイメージです。
私自身もやはり一度はクラウンを所有してみたいと思っており、今回の企画展は参加しておきたいところ。
丁度、高辻にあるTHE CROWNにより、初代クラウンとの写真撮影のイベントがトヨタ博物館で催されることを知り、抽選に応募したところ幸運にも当選したため、せっかくなら見てみたいという妻と共に出かけました。
イベント自体は第二駐車場の半分を貸し切って行われる規模のもので、おまけ程度に考えていましたが、実車を前にするとやはりテンションは上がります。
今回使用されていたのは、ATグループでレストアされたクリーム色の個体で、リアガラスにはしっかりATグループのステッカーが貼ってありました。
また、顧客層を反映してか私達の前後の参加者は、クラウンクロスオーバー、スポーツそして300ランクルを持ち込んでおり、シエンタは少数派の様な雰囲気でした(笑)
撮影後はご厚意で駐車場一周の同乗体験をさせていただきました(私達の回は、他の参加者と運転士を含めた四人)。
乗り込んでみると、マイカー時代以前の車ということもあり、デザインや質感はまさに高級車という趣でした。
一方、乗り心地自体は少しの操舵でクタっとなるような感覚があり、黎明期の日本車ということを意識すればという感想が正直なところでした。
ただ、大人四人が乗っても比較的軽快に走り、粘りながら加速する様、クラシカルなデザインや全体的な雰囲気に吞み込まれ、趣味車として所有してみたくなってしまいました。
さて、本題(?)のクラウン展です。
展示台数が多めということもあってか、他の企画展に比べると並べるだけで精一杯という様子です(それだけ長い年月の歴史を紡いできたという事でしょう)。
歴代のクラウンが並べられているため、こちらにも初代クラウンがありました。本館三階の個体を含めると、この日三回目の対面ではありましたが、赤色というだけで全く違う車に見えます。
個人的に最高傑作と思っているのがこちらの130系です。トヨタが当時持っていたクラウン像を最も突き詰めることのできたモデルではないかと思っています。
120系からの正常進化やバブル景気の追い風など、まさに時代をも味方につけたことを考えれば、その後のモデルが超えられないのも無理はないでしょう。
逆に言えばありとあらゆる要素が逆風になってしまったのが140系かなと思います。
シーマ現象やそれに対抗したセルシオの国内投入、翳りを隠せないバブル景気は、トヨタの販売やリサーチ力を以てしても、130系を越えるクラウン像にピントを合わせきれなかったようです。
170系は、トミカ化されたロイヤル(しかもマイルドハイブリッド)とアスリートを両方手にしていたこともあり、個人的には最も手を伸ばそうとしたモデルです。
少しだけ古いという雰囲気で気が付けば四半世紀を迎えられる強いデザインで、普段使いできる様々な性能を持ち合わせているという意味では、趣味と実用を兼ねられると考えたためです(結果的にかなわずに終わりそうですが)。
180系は、当時名古屋モーターショーで見た際に、良い意味で「クラウンだけどクラウンじゃない」と、小学生ながら衝撃を受けたモデルでした(後から考えれば、時代に対応すべく名前以外は全て刷新するには、この位の変化は必然的ですね)。
さて、200系から220系はスペースの都合か新館一階に置かれており、企画展にはいきなり現行クロスオーバーが置かれていました。廃止すれば楽なのに敢えてブランドを残した以上、クラウンの歴史で最も大きな変化が宿命だったのではないかなと思い、デビュー前には若干の期待もしていました。
90年代後半、トヨタはセダンイノベーションの名の下でモデルチェンジ等を行いました。10系プリウスや50系ビスタ、そしてプログレはその成果でもある傑作だと思っています。
そんな変化をSUVセダンチックになりつつも真面目にしてくれるのであれば、将来のクラウンが開けるのではないかと。
しかし、いざデビューしてみるとどこを向いているか分からないモデルチェンジにとどまった挙句、保険をかけるかの様な大家族化となり、見事に期待は裏切られてしまいました。
変化によって代謝が良くなれば新たな顧客が生まれるかもしれませんが、その一方でそのブランド像は曖昧なものになると思います。
ブランドを維持するという選択をした以上、そこにあるブランド像は顧客にはっきりと伝わるものであるべきですが、現行のクラウンシリーズに残念ながらそれがあるとは思えません。
「なぜ70年生き続けているのか」
今回の企画展の副題は、トヨタ博物館からトヨタ自動車への問いかけではないかと、勝手に解釈することになった一日になりました。
帰宅後、イベントでもらったお土産を開封しました。
クラウン仕様の水やレトルトカレー等々、無料のイベントであるにもかかわらず、これほど良くしてもらえてありがたい限りです。
いつの日かクラウンを持つことができるよう、そしてその時までクラウンが名門ブランドとして生きながらえていますように。
Posted at 2025/09/11 20:42:04 | |
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