好評連載中の「ケイマンGT4 所感」シリーズ。
前回までの「〜パフォーマンス編〜」は全3回で終了、今回から「装備・仕様」についての所感をお送りします。
今シリーズは何回になるかわかりませんが、まずは「〜ボディ編〜」から。
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【ボディ・デザイン】
前にも書きましたけど、これまで私はケイマンという車にあまり関心がなく、その理由は、911と較べてアイデンティティが曖昧で、ミッドシップらしからぬ中途半端なボディ・デザインがあまり好きになれなかったからです。
中途半端に911のデザイン・コンセプトを受け継いでいるが故に、せっかくのミッドシップ・レイアウトの利点がボディ・デザインに活かされていない。
それが、GT4 の写真を見た時に「これだ!」と思えたのは何故か?
それはGT4が、ミッドシップ・レイアウトの純粋なスポーツカーだと、見ただけでわかるクルマになっていたからです。
飾りじゃなく、技術的・機能的な目的で装備された、スポイラー類やダクト類、低い車高などによって、オリジナルのケイマンとは一線を画す「レーシング」な外見イメージ。
前方に低く伸びたフロント・スポイラーによって、フロント・セクションはその低さが強調されて、ようやくミッドシップ車らしいスポーティな印象になりました。
丸っこくストンと落ちてるだけで、やっぱり「ちょっと物足りない」感じだったリア周りの造形も、大きなウィングが付くことで、リア・フェンダーの張り出しも強調されて、非常にアグレッシブな印象に変わっています。
GT4のボディ・デザインにおいて「ポルシェらしさ」というものが全く無くなってしまったら、それはそれでまた物足りなかったでしょうから、充分にスポーツカーのテイストが出ているGT4のボディ・デザインは、ある意味ベスト・バランスだと言えるのかも知れません。
【ボディ・カラー】
GT4 に用意されているカラーは、レッド、ブルー、イエロー、グレー、ブラック、ホワイトあたり。
GT4の広報車にブルーの車両が使われてることから、メーカーのGT4 の「推しカラー」はブルーなのか?
「ブルー? いや、違うでしょ!」
都会のお上品な場所なら映えるのかも知れませんが、そういうのは、高級イメージの911カレラとかに任せとけばいいシチュエーション。
走りのステージがサーキットや峠道であるべきGT4は、ブルーとかレッドとかブラックでピカピカにして乗ってても、全然イメージと合いません。
私的には、ケイマンGT4に相応しいのは、断然「シンプルなホワイト」です(←超主観)
なので、クルマを探してもらう時に「白→イエロー→グレーの順で」と頼んで、初めてホワイトの実車を見た時「あ、やっぱりカッコいい!」と思いました。
でも、さすがに真っ白のままでは、あまりに芸がない。で、取り急ぎ、納車前に小細工をお願いしました。
前からも横からも目立つ、ドアミラー、サイドのダクトカバー、リアウィング両端ののエンド・プレートを、ホイールと合わせたメタリック仕上げに。
これで、私のGT4 だと一目で見分けられるようになりましたが、このままで満足してる訳でもありません。
ラッピング加工などで、もっとレーシング・イメージにすべく今「色々」考えています。
【ボディ・サイズ】
GT4のボディ・サイズは、長さ4,438mm・幅1,817mm・高さ1,266mm。
私のアルピナB3Sクーペ(E46) と較べると、長さは52mm短く、幅は逆に50mm広くなってますが、乗っててもあまり車格が違う感じはしません。
一番違うのは高さで、GT4はB3Sより104mmも低い。
こんなに車高が低いのに、GT4 のヘッド・ルームはやたらに高さに余裕があって、ヘルメットを被ってもルーフに当たらない高さが確保されてます。
ということは、「どれだけシート位置が低いんだ?」って話です。
で、実際のシート高さを測ってみました。
まずB3Sを測ってみると、地面からシート座面までの高さは約33cm。
「33cmかぁ、結構低いじゃん。車高調+バケットでかなり下がってるからなぁ」
これよりGT4 が大幅に低いとは思えませんが、一応GT4 を測って見ると、何と約21cm!
「低っ!」
GT4 はB3Sより12cmも低い!
確かにこの差は、実際ドライブしても感じてるところではありました。
混んだ一般道なんかを走ってると、GT4 は周りのクルマからのかなりの「囲まれ感」があります。
逆に、峠道などをハイ・スピードで走るときには、目線の低さに非常な安心感があります。
この、車高の低さからくるシート位置の低さが、GT4 に座るだけで「あ、このクルマはスポーツカーだ」と思わせる主要因なんだと思います。
【車重】
ケイマンGT4 :1,340kg、991カレラ:1,450kg、B3S:1,510kg。
この車格でそれなりの電装品も付いてて1,340kgは、ポルシェの技術者が相当頑張ったんだと思います。
B3Sよりも170kg、991カレラよりも110kgも軽いんですからね。
この差は歴然で、B3Sとはクルマの動き(機敏さ)が別物のように違いますし、100kg以上重いカレラは、グラン・ツーリスモというか、もう違うカテゴリーのクルマになってるんだと思いました。
(次回「~インテリア編~」に続く…)
