
2026年6月30日(日本時間2026年7月1日0時)、5代目のBMW X5(G65)が遂にお披露目されました。

既にリーク画像が複数出回っており、iX3に似たデザインになるのは明確でしたので、大きな驚きは正直ありませんでした。
ザッと見た感じの感想ですが、一つの大きな転換点になるX5だと思います。
今回のG65は、単なるフルモデルチェンジというより、X5というクルマの立ち位置そのものを再定義するモデルに見えます。
これまでのX5は、良い意味で「大きく、重厚で、上質なプレミアムSUV」という印象が強かったですが、G65ではそこにNeue Klasse由来のデジタル体験、電動化、ソフトウェア定義車両としての考え方が一気に入ってきました。
つまり、G05までの延長線上にあるX5というより、次世代BMWの思想をX5サイズに落とし込んだモデル、という方がしっくりきます。

キドニーグリルは、もはやICEモデルでもこれまでの通気口としての役割は無く、一つのデザインアイコンになっています。後ほどICEモデルの写真も載せますが、基本フロントバンパー下部から空気は通す構造のようです。

リアビューはフロントフェイスに比べるとかなり保守的ですが、ナンバープレートの位置が下に移動したのと、後述のとおり上下分割式テールゲートが廃止されたため、全体としては大きく変わったイメージです。

フェンダー部分はモデルを重ねるごとに分厚くなっており、それでもG05はかろうじて若干のオーバーフェンダーが残っていましたが、あまりその想定がなさそうですね。

サンルーフは近年はめ殺しのタイプが増えてきてしまっていますが、X5については開閉可能なスライド式が継続採用。面積も大きくなっているみたいです。

フロントバンパーの造形は、若干ですがG05LCIの面影があります。

デイタイムランニングライトは遊び心満載で、Xの文字をかたどった形状に。ただしこれは設定でiX3のような斜めラインだけにすることも出来るみたいです。

全長は4,994mm(日本仕様ベースで+59mm)
全幅は2,000mm(日本仕様ベースで-5mm)
全高は1,748mm(日本仕様ベースで-22mm)
全長が少し長くなり、全高がソコソコ下がっています。
困るほど大きなサイズ変化はありませんが、ボンネットの厚みがかなり増しているようなので、正面はより迫力を感じるであろうということとフロントウィンドウが寝ているんだろうなと言う想像は容易につきます。
全体としては、単純に大きくなったというより、より低く、長く、面で見せる方向に振っている印象です。
ドアハンドルも従来のグリップ式ではなく、BMW Wingletsと呼ばれる新しいギミックになっており、サイド面を滑らかに見せる狙いはかなり強そうです。
空気抵抗やデザイン上のメリットは理解できますが、日常的に必ず触る部分だけに、個人的にはやはり普通のグリップ式が一番使いやすいと思ってしまいます。真夏の炎天下や雨の日、洗車後などでどう感じるかは、実車で確かめたいところです。

今回のX5は、幅広く5つのパワトレを準備しています。
恐らくこれまでのiXはiX5に統合されるものと思います。

①ガソリンエンジン+MEHV
X5 40 xDriveという新しい命名規則に倣ったモデル名になります。
新しいターボチャージャーにより出力は19hp向上して394hpとなり、最大トルクは383lb-ftから428lb-ftに増加しています。(Bimmerpostより)
②ディーゼルエンジン+MHEV
X5 40d xDriveです。私のX5 xDrive40dの後継ラインに該当します。
このマイルドハイブリッドディーゼルエンジンは、308馬力と670Nm(494lb-ft)のトルクを発揮します。エンジンは、旧型X5 xDrive40dと比較して、約40馬力と50Nm(37lb-ft)のトルクを失っている。(BMWBLOGより)
恐らく、現行740dもX5でいえばxDrive35dと同じエンジン(286ps/650Nm)を搭載する代わりに48V電源の出力を向上させて740dと名乗っていますので同じ流れだと思います。
エンジン出力は低下し、重さも上がっているため、0-100加速が先代比0.5秒ほど遅くなっているようです。

③PHEV
BMW X5 50e xDriveは、改良された直列6気筒エンジンと、194馬力の同期式電気モーターを組み合わせています。8速ステップトロニックトランスミッション内部のパワーエレクトロニクスと統合されているため、モーターの設置スペースは不要です。(Bimmerpostより)
新型BMW X5 M60eは、M760eと同じプラグインハイブリッド直列6気筒パワートレインを採用している。
ターボチャージャー付き3.0リッターエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム全体の出力は603馬力、トルクは800Nmとなる。(Bimmerpostより)

④BEV
第6世代(Gen6)BMW eDrive 800Vテクノロジーを搭載。デュアルモーター構成により、iX5 60 xDriveは合計570馬力、593lb-ftのトルクを発揮します(電動励磁式同期リアモーターから325馬力/369lb-ft、非同期式フロントモーターから245馬力/225lb-ft)。0-60mph加速は推定4.4秒、航続距離は推定435マイルです。(Bimmerpostより)
iX5で注目すべきなのは、単に航続距離が長いことだけではなく、Gen6 eDrive、800Vアーキテクチャ、双方向給電、そしてEV/Hydrogen系に搭載される「Heart of Joy」といった制御系まで含めて、かなり力が入っている点です。
G65全体が電動化前提の思想に見えるのは、このあたりの技術の盛り方にも表れていると思います。
もちろんマンション住まいとしては充電環境が最大の課題ですが、あと3年、5年でインフラがどこまで進むか次第では、次期X5としてBEVを選ぶことはかなり現実的になってくるかもしれません。

⑤水素自動車
BMWは、新開発のBMW水素フラットストレージシステム(詳細は後述)が高電圧バッテリーと統合され、航続距離750キロメートル(466マイル)を実現したと主張しています。ちなみに、これはBMWが公表している電気自動車の航続距離(645~845km/401~525マイル)のちょうど中間値です。BMWは、iX5 Hydrogenは5分未満で燃料補給が可能だと述べています。(BMWBLOGより)

どのパワトレを選ぶか?ですが、今回のX5は明確に電気自動車が前面プッシュされていて、ガソリンはまだしもディーゼルについては明確にトーンダウンしています。いや、ガソリンについてもMパフォーマンスモデルの心臓がV8から直6にサイズダウンし、電動化の流れは避けられません。
V8が通常ラインに残るかどうかは現時点ではわかりませんが、残るとしてX5Mぐらいだと思います。
私の見立てとしては、言い方悪いですが完全に「電動プラットフォーム前提に造りついでにガソリンエンジンを載せている」ように見えてしまいます。

日本導入モデルは恐らく以下のあたりですかね。
X5 40d xDrive
X5 M60e xDrive
iX5 60 xDrive
50eはM60eとの棲み分けが難しいので何とも読み切れません。
そして大穴のiX5 Hydrogenですが、可能性としては5分5分だと思っています。BEVに比べて多少航続距離は落ちるようですが、満充電のスピードが格段に速いのが魅力的。ただ、日本の場合は水素ステーションが限りなく少ないので、、、
私が狙うとしたら、思い切ってiX5 60 xDriveを狙ってしまうと思います。ここまで来ると、次もディーゼルにするというより、素直に電気へ行く方がこの世代の思想には合っているように感じます。
例えるなら、MacBookで動画編集をするならFinal Cut Proを使うのが一番自然、という感覚に近いです。もちろんICEやPHEVも選べますが、G65という新しい器を最も自然に味わえるのは、やはりiX5なのではないかと感じます。
G05 40dは直6ディーゼルX5としてかなり完成された存在でしたが、G65で40dが出力・トルクともに下がるのであれば、あえて同じ延長線を選ぶ理由は少し薄くなります。

今回のモデルチェンジで、X5らしさを失ったものがいくつかあります。
今回のG65を見て、逆にG05後期の立ち位置がかなり面白くなったように感じます。
G05後期はカーブドディスプレイや最新世代の見た目を取り入れながらも、iDriveコントローラー、普通に握れるドアハンドル、スプリットテールゲート、重厚な内装といった、従来のBMW高級SUVらしさをまだしっかり残していました。
そういう意味では、G05後期は「旧来の上質なBMW」と「新世代BMW」のちょうど中間にいる、かなり美味しい世代だったのかもしれません。
①スプリットテールゲートの廃止
先祖レンジローバーから続き、初代から一貫していた上下分割式のテールゲート。
E70から上部がオプション次第で電動化、G05から下部も電動化されたことにより、上部のスイッチを押すだけで全てを閉められるようになった素晴らしいギミックなのですが、何とG65では残念ながら廃止されてしまいました。
(以下、BMWBLOGより)
BMW X5のプロジェクト責任者であるマイケル・アラーズ氏はBMWBLOGに対し、分割式テールゲートを廃止した主な理由はデザイン上の理由だと語った。BMWは、テールゲートが2つに分かれる水平方向の継ぎ目をなくしたかったのだという。アラーズ氏はまた、分割式デザインでは荷室後部へのアクセスが難しくなるとも述べた。さらに、背の高い人でもテールゲートに座ることができ、その下の雨風から身を守ることができると付け加えた。
企業が次世代製品を発売する際、顧客を惹きつけるために新機能に焦点を当てます。変更に伴って導入された機能に注目が集まるのは当然ですが、企業は廃止した機能について言及すべき部分を都合よく省略しがちです。BMWが愛用されていたiDriveロータリーコントローラーを廃止した時や、5シリーズツーリングのテールゲートの独立開閉式ガラスを廃止した時も、まさにそうでした。
またしても同じことが起こっている。今回は、新型X5が数十年にわたって維持してきた2つの重要な機能を削除した。その中には、発売当初から受け継がれてきた特徴も含まれている。 1999年にE53が登場して以来、この高級SUVは、BMWがランドローバーを所有していた時代のレンジローバーにインスパイアされた分割式テールゲートを採用してきた。その後のE70、F15、G05にも引き継がれたが、新型G65には採用されなかった。
②3列目シート
こちらは正直そこまで大きな影響はないです。
下記のとおり、X5の3列目シートはあまり実用に耐えず重さが増すのみでした。
(何なら外したいぐらい笑)
(以下、BMWBLOGより)
BMWはG65への移行に伴い、オプションの3列目シートを廃止する。7人乗り仕様は2006年のE70で初登場したが、今や姿を消した。次世代モデルが2列シートのみとなる理由については、BMWからの回答を期待したい。推測では、3列目シートの足元スペースが限られていたため、あまり人気のないオプションだったのではないか。
G67とされている2代目X7にはこれらの装備は残ると思います。
必要ならグレードアップせよという圧力でしょうか笑

また、こちらは最近の登場モデルから見て既定路線ですが、iDriveコントローラーが廃止されています。テスラがいかに先を行っていたか、というのがよくわかってしまう流れです。
ただ、個人的にAndroid Automotive(つまりiDrive9)とBMW独自のコントローラーは明らかに相性が悪いというのがわかっているので、もういいかなと笑(iDrive8.5までは独自のLinuxベースでコントローラーも最適化されて相性が良かった)
(以下、BMWBLOGより)
BMWはiDriveロータリーコントローラーを廃止しました。実際、同社はほとんどの物理的な操作系を撤去しています。それだけでも十分ひどいのに、BMWは手動で調整できる一体型通気口レバーを廃止したため、ドライバーは17.9インチのタッチスクリーンを使って風向きを調整しなければなりません。
他のモデルも徐々に追随してきたため、2021年にiXがデビューした時から、私たちはこの事態を予見していました。

インテリアは全般G70LCI 7シリーズと似た印象です。サブモニターはオプションのようですが、正直必要性は感じないです笑
これまでのように上質なウッドパネルとレザー内張で高級感を出すのではなく、G05までの高級感は、ウッド、レザー、金属調パーツ、物理スイッチの節度といった、かなり分かりやすい素材感で成り立っていました。
一方でG65は、光、面、ディスプレイ、アンビエント、隠された操作系で高級感を演出する方向に大きく変わっています。
これは単純に安っぽくなったというより、高級感の根拠が「素材の重厚さ」から「空間演出とデジタル体験」に移った、という方が正確かもしれません。とはいえ、G05のウッドとレザーに囲まれる感じが好きな身としては、少し寂しさもあります。
悪く言えば少し無機質な如何にもサスティナビリティ配慮の素材感があります。
ただ、前面的に推されているカラーがホワイト内装なだけで、ブラックやブラウン系の内装もあるようです。その色になれば少しイメージ変わりそうです。

グリップ式でもフラップ式でもない、もはやドアハンドルですらない新しいギミックになりました。ソフトクローズドアは一律標準装備、7シリーズの様なオートドアはオプションとのことですが、日本市場だと標準装備かもしれませんね。
いわゆるフラップ式ではなく、完全に新しいドア操作系として作り込んでいる点は面白いです。
ただ、ドアハンドルはクルマに乗るたび必ず触るUIなので、個人的には変に凝りすぎないグリップ式が一番だと思っています。
空力やデザインのためにフラッシュ化したい意図は分かりますが、荷物を持っている時、雨の日、夜間、真夏の炎天下など、実際の使い勝手がどうなのかは少し気になります。
(以下、BMWBLOGより)
BMWウィングレットの使い方は簡単です。ウィングレットに軽く触れるだけでドアが開き、軽く押すだけで閉まります。フロントのロック面に指を約1秒間当てると、ご想像のとおり、ドアがロックされます。ウィングレットはライトアップされているので、夜間でもハンドルを見つけるのに困ることはありません。また、フラッグシップセダンである7シリーズと同様に、自動ドアはオプションで選択可能です。
近い将来、BMWのウィングレットをさらに多く見かけるようになるでしょう。少なくとももう1つのモデル、2027年登場予定の第2世代X7(G67)には、同じデザインが採用される予定です。スパイ写真では、このフルサイズ高級SUVに新しいドアハンドルデザインが装着されているのがすでに確認されています。2028年登場予定の次期X6(G66)はまだパパラッチに捉えられていませんが、同じレイアウトが採用される可能性が高いと推測されています。
というわけで、ザッと見える部分だけ簡単にお伝えしました。
日本で乗れるようになるまで恐らくあと半年以上かかるかもしれませんが、実物見たらきっとカッコいいなって思うでしょうし、乗ってみたらきっと欲しくなるんだと思います。
今の私の愛車も、最初乗ったときはだいぶX5としては随分高級路線に振ってきたな、と感じていましたが、今乗るとまだまだ良い意味での泥臭いSUV感は何となく残っているように感じます。
それでいうと、今度のX5はますます乗用車、いや高級車の乗り味になっているかもしれませんね。
ただ、ディーゼルモデルが完全にメインストリームから逸れているなという印象を強く受けます。
個人的にiXの乗り味は高く評価していて、その後継にあたるiX5ですから、次の乗り換えで電気自動車に移行するのも私は全然アリだと思っています。
今のX5は明後日で納車からちょうど2年ですが、あと3年少々でもう少し充電インフラが発達してくれればな、と願うばかりです。
もっとも、次にG65へ行くとしても、どのタイミングで買うのかは全く読めません。
現実的には、今のG05が5年目を迎える2029年7月、あるいは7年目の2031年7月あたりが一つのマイルストーンになると思います。
ただ、X3からG05へ乗り換えた時も、まさかあんなに早くX5を迎えることになるとは思っていませんでした。条件、在庫、下取り、そして気持ちが噛み合った瞬間に、一気に動いてしまうのがクルマ選びの怖いところです笑