先週末、とある事情で2日連続でBayを訪れました。
土曜はプログラム通りの試乗。まだ乗れていなかったX3と5シリーズに乗りました。
日曜は父親の次のクルマであるM135の改めての試乗。
後者はいずれ我が家にもやってきますので、後日詳細に触れるつもりです。
予めのお詫びなのですが、今回は写真の割に文章量が多いです。
関連する写真を撮り忘れた結果ですがお許しくださいませ。

さてさて新しいX3。私も乗っていた3代目 G01型の次代、G45型です。
デイタイムランニングライトが遂に丸でもなくヘキサ型でもなく眉でもなく、ますますよくわからない形状になりました笑
先代X3に乗っていた時から常々、次のクルマはどうしようと思案していておりました。ブログでも何度か宣言していたと思います。
時日は経ち、ありがたく現行X5のご縁に恵まれましたが、厳しければこのX3に乗るという選択肢でした。
X5購入に向けて最初の連絡をとった日、ちょうどこのX3が本国発表された日でした。

こうして改めて間近で見てみて。。。
う~ん、やっぱり今までのBMWとは大きくテイストが変わっていますよね。

3代目G01型は、2代目F25と比べてプラットフォームはガラッと変わり、FRベース全てで共通のプラットフォームが採用されました。

ただ、見た目は意外と変わっていなくて、どこか従来の面影を残している側面がありましたね。
乗った感想ですが、まず乗り心地やエンジンフィールなど中身の話。
G01に乗り換えてE70より乗り心地よく上質に感じたのと同じように、G45はF15よりも上質な乗り味を持っていました。
広い意味での「上質な乗り味」というのは、主に以下要素で感じることが出来ると思っています。
・乗り心地が良いかどうか
・ロードノイズが抑えられているかどうか
・段差等での振動収束が出来ているか
・エンジン振動が伝わらないか
・ブレーキタッチがカックンとしていないかどうか
久しく縦置きのガソリンエンジン車に乗っていませんが、本当に静かですね。
縦置きは縦置きでも直6ディーゼル(X5)、ガソリンエンジンはガソリンエンジンでも横置き(M135i)しか乗れていないので、ここは素直に凄いなと思いました。
U06 X1に乗ったときもG01 X3より上質な乗り味を持っているなと思いましたが、予想通り新しいX3は先代のX3どころか先代のX5までも超えてきたわけですね。
今回乗ったのはM50なので、まさにピュアなシルキーシックス。普段は静粛性高いのに、アクセルを踏み込んであげると一気にキャラが変わり、心地の良いサウンドを聴かせてくれます。
私も幸い最初の2台は直6ガソリンだったので、懐かしい官能的なサウンドが頭によぎってきました。
ステアリングもMパフォらしくそれなりに重たくて、この図体でもワインディングに持ち込んだら楽しいんだろうなぁと想像してしまいました。
振動収束も非常に良くて、安っぽく図体全体に振動が変に響くことはなく、綺麗に収まっていたと思います。
正直、走りだけで言えばX3でも良かったのではと思ってしまうぐらいです。
ただ、BMWの場合4シリーズ以下と5シリーズ以上とでは越えられない壁というのがあります。
それは恐らく、前輪がストラットかダブルウィッシュボーンかの違いと、エアサスを採用するか否かの違いです。
国内外問わず幅広く採用されているストラットでも、ダブルウィッシュボーンと比べて遜色ない剛性感の高さを出せるようになってきているのは事実です。
一方で、エアサスの方が乗り心地とロードノイズといった面で有利なのも事実です。
SUVがセダン/クーペに絶対敵わないのと同じように、物理的な壁って完全に乗り越えられないと思っています。
それでも新型X3は3シリーズのSUVであるという看板のまま、よりX5のような上質さを味わえるようにもなってきたと思います。
ただ、今回気になったのはインテリアの造りです。
外装もまだ違和感ありありですが、少しずつ見慣れてきてはいます。
一気に3つ並べてみましたがいかがでしょうか?
これらの写真で見えない部分ではあると思うのですが、
・内側ドアノブの材質(E36頃に逆戻り?)
・助手席前のダッシュボードの分厚さ
・オフィスチェアのようなダッシュボードの材質
・ドアを開け閉めしたときの何ともいただけない音
・ゲーミングチェアのようなインタラクションバー
X3は先代から5シリーズにかなり近づいたなと思っています。
事実、先代X3 G01のインテリアって先代5シリーズ G30のインテリアに結構似てるんですよ。
ただ、ウッドを始めとしたトリム加飾が少なかったり、センターコンソールの質感がイマイチだったりと、敢えて差別化しているのかコストカットされたのかはわかりませんが、それでもE83やF25の頃と比べてラグジュアリー路線に振ってきたなという印象を受けていました。
一方で、BピラーやフロントドアのAピラー付近に「X3」という刻印があったりと、さりげない遊び心があったんですよね。
ただ、今回のX3は乗り味は上質になったのにインテリアは遊び心満載になってしまって、どっちつかずになってしまったなという印象を受けています。
G05の方がベースの設計は当然古いですが、インテリアの造りで言えば全然G05は負けていないと思います。
という感じでインテリアはかなりけちょんけちょんに書いてしまったのですが、極めつけはiDriveでした。
1シリーズ、2シリーズアクティブツアラー、X1、X2、いわゆる前輪駆動ベースの車種から先行的にiDrive9.0(OS9.0)が先行導入されました。
iDrive8.5までのLinuxベースから脱却し、他メーカーでも採用されているAndroid Automotive OSをベースにしたシステムに様変わりしました。
iDrive8.5はiDrive7.0までのスキームからガラッと変わったiDrive8.0を改良し、動作がかなり安定してきた印象があります。
また、iDrive8.5は下部のショートカットキーはiDrive9.0のインタフェースを先行導入しているような印象も受けますね。
後輪駆動ベースの車種はiDrive9.0をすっ飛ばして既にコンセプトデザインが出ているiDrive Xに置き換わるのかと思いきや、G45 X3はコントローラーを搭載したiDrive9.0をひっさげて登場しました。
残念ながら、いずれiDriveコントローラーは消えゆく運命なのかなと思っています。それこそ次のX5はノイエクラッセベースになると思うので、そういうことになるかなと。

ところがこのiDrive9.0、動作が激重なんです。。。
Bayで試乗したときも出発早々にフリーズ、音量ノブ長押しで再起動をかけました。
スマホ黎明期のAndroid(2.3 Gingerbreadや4.0 ICSあたり)、SHARPのテレビにAndroidが搭載された初期の頃もそうだったみたいですが、Androidってどうも特定のハードに搭載される初期は動作が本当にダメダメなんですよ。
今でこそ、Androidのバージョンも15まで進み、iOSと遜色ないぐらいになりましたが、どうも抜け出せないジンクスのようです。
X3に搭載されたiDrive9.0、パッと見の見た目は8.5にそっくりなんですが、細かいメニュー構成などがアイコンを並べたような、タッチ操作前提のような造りになっています。
また、iDrive9.0でダメなのがUSB音源をまともに再生出来ない点。
前輪駆動ベースの車種に至っては遂にUSB音源を再生することすら出来なくなりました。AUX端子が消えた6年ぐらい前はまだ許容範囲でしたが、USBを消してしまうのは。。。
X3のiDrive9.0にはかろうじてUSB音源再生機能は残っていますが、なんとアルバム単位で曲を再生したときにトラック順ではなくABC順に再生されるという。。。
一昔前のCIC(OS3.0)の頃に逆戻りです(この対策のため、曲名に連番を逐一振っていました)。
Android AutoやCarPlayを使えというメッセージなのかもしれませんが、これまで出来ていたことがこうして改悪されていくのは何とも言えない気持ちになりますね。
といったところで、ざっと1時間弱乗ってみての感想です。
評論家先生はしきりに褒めちぎっているみたいですが、だからこそ細かく気になるところを挙げてみました。気を悪くされたらスイマセン。でも現行X5乗りからするとありとあらゆるところが気になる結果になりました。