岐阜県海津市にある月見の森。
養老山地の中間に位置し、道の駅月見の里の裏側にあるこの場所は展望台や温泉があるカントリーなスポッツ。
なんどか道の駅月見の里には訪れているが、そのたびにこの月見の森が気になっていた。
焼肉の時間まで余裕があるし天気も良いのでちょっと散策してみようと結構軽い気持ちで入ってみたのだが、
その軽い気持ちが大きな大冒険の始まりはよくある話で - ・・・
~~~~~
「この駐車場から遊歩道を通って景色がよさそうな月見台ってところに行こう。」
「ちょっとのぼりがきつそうですけど、そんなに遠いわけではなさそうですね、
でも、ケガしてるんですから無理しないでくださいね。」
まあ一応遊歩道として整備されているし大した山でもなさそうではあるが
念のため冒険セットの入ったリュックとステッキを持って階段をのんびりとのぼりはじめる。
おおっ結構いい雰囲気やないか。
なまじ整備された歩道かとおもったけどそこそこなオフロードコース。
楽しくなってきた、冒険が始まった感じ・・・。
しばらく登って開けた場所に出た。
中間地点だろうか、現在地を示す看板が立っている・・・
おいしいもり
なにが おいしい のかまったくわからない。
周りを見渡してもおいしそうなものは何一つなかった。おいしいもり。
意味が分からないのでそのまま進むことにした。
~~~~~
のんのんしながら登っていく。でも、風が強く寒い。
土の壁が凍っているのに気が付いた。
あーひょっとしたら雪も残ってるかもなぁと思っていた矢先・・・
案の定・・・残雪および氷が姿を現した。
「だいぶ奥まで来たぜ・・・人気配もなくなってきたし、そろそろゴムつけるか・・・ぐへへ」
「あ、靴に滑り止め装着するんですね、その手じゃやりにくいと思うのでお手伝いするですよ?」
「・・・いや、いいよ・・・自分でやる・・・」
大げさかとおもったけどリュック持っておいてよかった。
展望台までまだちょっとありそうだし、登るにつれて残雪も増えてそうだ・・・
・・・思ったそばからけっこう白くなってきた。
でもこれを抜ければすぐに展望台みたいなので慌てずにザクザク歩いて行く。
~~~~~
「到着ですね!すごく見晴らしがいいですよ!!!」
「あばばばばかっぜつえええええぇぇ・・・・」
見晴台に到着した・・・のはいいが季節的に風が強く寒い。
とりあえず一番高いところに腰かけて買っておいた缶コーヒーでも飲もう。
月見台・・・と呼ばれているこの場所は文字通り夜景がきれいなスポットらしい。
たしかになにも遮るものがないし、夜景用にしっかりとライトアップもするみたい。
眼下には濃尾平野が広がり、かなり広範囲に見渡すことができる。
もちろん名古屋の高層ビルもみえるし、遠くに恵那山脈もみえる。あー昨日行ったところだ・・・・。
いやはや、実にいいものを見れた。
もう少し眺めていてもいいけどぉ・・・寒いから引き上げの準備を始めよう。
~~~~~
「最標高地展望台・・・ですって。」
月見台から引き返している途中の丁字路分岐にそのようなことが書かれていた。
どうやらまだ先に登ることもできるらしい。どれだけ登るのか把握できないが時間に余裕もあるしいってみるか。
登り始めて数分・・・
道の状況はあきらかに先ほどまでの遊歩道とは違う。ちょっと本気で行こう。
なるべく露出している指を冷やさないように腕を組みながらそろそろと進んでいく・・・
「あれ?ガードレールじゃないですか?」
ん・・・ここは・・・
道路に出た、と言いたいところだが正確には道路の終点に出た、といったところか。
残念ながらこの道路はここで終わっている。こちらはその脇にある山道をまたもや登っていくことになる。
ここまでくると人の気配は本当になく、冬なので動物の気配もない。
そして風が強く聞こえる音は木々の揺れる音、風の摩擦音・・・
案内看板が無いと不安になってくるパターンである。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「大丈夫ですか?結構歩いてますけど・・・」
「ああ、疲れてるわけじゃなくて、ちょと寒いのと緊張がつづいたからな・・・」
気が付くと、看板が見えていた。展望台を案内している。
ああよかった・・・もうすぐなんだ。
何とか無事、展望台にたどり着く・・・が・・・
先ほどの月見台よりさらに風の攻撃が激しい。寒いっつってんだろ。
~~~~~
写真を数枚撮ったがこの強風の中で休憩したら余計体力を奪われそうなのでさっさと退散。
ここからは下り道になる。バランスに気を付けましょうねぇ。
「この道を下っていけば「さぼう遊学館」ってところに出られるらしいですよ。」
「へえ・・・砂防ダムの資料館かな?ついでだしそこも行ってみるかねぇ。」
「そうですね、とりあえずそろそろ人里が恋しくなってきましたよ。・・・あ。」
展望台を降りてさぼう遊学館へ向かっていると、大きな道が山道を横切っている。
なるほど、先ほどの行き止まり道路がこの道だったのか。
いやしかし・・・車で走りたいなこれ・・・
~~~~~
なごりおしき未舗装路を後にしてさらに山道を下ると沢(タックインじゃないよ)にぶち当たった。
沢のところどころに砂防堰堤が設置されていて、山の上にもかなり古めの堰堤が確認できる。
そんなに地盤が緩い場所なんだろうか・・・。
沢をみわたしながらザクザク下っていくとだんだん道が明るくなってきた。
木々の隙間から建物が確認できるようになった、人里が近い。
「見えました!公園と道路ですよ!!人里に降りてきたんですね!!!」
森林が終わりついに公園にたどり着いた。・・・正直すごく安心。
ここからすぐ南へ向かうと「さぼう遊学館」がある。
きっと暖房も効いてるだろうしそこでゆっくり休憩しよう・・・
なにより砂防ダムの資料館なんてめずらしいから、そちらもかなり楽しみだ。
とりあえずこれで冒険は終わったって・・・思ってた。
まだ、この時は。
つつく