
全日本ラリー選手権のJN3クラスに2リッターBRZで参戦している1人に鈴木尚(すずきひさし)選手がいます。
このクラスの主流は今や2.4リッター8型となっていますが、2024年最終戦ハイランドマスターズ(岐阜県高山市)で、6型に乗る鈴木選手は最後まで首位争いを続け3位表彰台を獲得しました。
全12本中10本目まで0.8秒差のトップだったので、優勝して下剋上を果たすのではないかとめちゃくちゃ期待しましたが、11本目でトラブルによりタイムを落とし14秒6差で3位となりました。無念!
ゼッケン30番 スマッシュダンロップItzzコマツBRZ(ZC6)
ドライバー:鈴木尚 コドライバー:島津雅彦
◎初日(10月19日)天気:雨
天気はあいにくですが、車の差が出にくいので逆にチャンス。滑りやすい路面でライバルがミスすればジャンプアップの可能性も十分あります。
SS1 あたがす 1 = 9.54km
1 曽根崇仁 7:04.6
2 長﨑雅志 +0.8
3 鈴木 尚 +2.0
4 上原 淳 +3.5
5 山口清司 +10.9
まずは3位とオープニングから2.4リッター勢に割って入ることに成功
SS2 牛牧上り 1 = 6.16km
1 鈴木 尚 5:11.9
2 上原 淳 +3.0
3 曽根崇仁 +4.0
4 長﨑雅志 +8.3
5 窪 啓嗣 +14.5
トップタイムでクラス1位に躍り出ます!マジか!
SS3 アルコピア-無数河(むかご) 1 = 6.08km
1 曽根崇仁 5:23.0
2 長﨑雅志 +4.8
3 上原 淳 +5.9
4 鈴木 尚 +6.0
5 窪 啓嗣 +7.8
5.9秒差とやや差をつけられクラス2位に
一旦サービスパークに戻って整備。雨がひどくなっていくなか、午前中と同じコースへと向かいます。
SS4 あたがす 2 = 9.54km
1 上原 淳 7:03.2
2 曽根崇仁 +4.4
3 長﨑雅志 +5.6
4 鈴木 尚 +7.2
5 窪 啓嗣 +15.7
1本目よりタイムを落とす。クラス3位に後退
SS5 牛牧上り 2 = 6.16km
1 鈴木 尚 5:10.8
2 上原 淳 +4.1
3 長﨑雅志 +8.6
4 山口清司 +11.0
5 山本悠太 +13.0
牛牧上りを連取!曽根選手が大きくタイムを落とす。
SS6 アルコピア-無数河 2 = 6.0km
1 長﨑雅志 5:25.8
2 曽根崇仁 +0.6
3 鈴木 尚 +1.3
4 上原 淳 +4.0
5 山口清司 +4.8
1走目よりタイムを上げ1日目をトップでフィニッシュ。
初日リザルト
1 鈴木 尚 35分35秒8
2 上原 淳 +4秒0
3 長﨑雅志 +11秒6
4 曽根崇仁 +13秒7
5 山口清司 +59秒4
6 窪 啓嗣 +1分1秒7
トップから4位までが秒差で優勝争いに残っています。これ、鈴木選手以外はZD8かZN8の2.4リッター勢なので大健闘なんです。
しかし2日目に雨が止んで路面が乾けば苦戦が予想されます。
◎2日目(10月20日)天気:くもり
一夜明け、雨は止んだもののまだ路面はハーフウェット。タイヤ選択に悩む中2日目がスタート。
SS7 大山線 1 = 5.35km
1 長﨑雅志 3:42.5
2 上原 淳 +3.2
3 窪 啓嗣 +3.7
4 山本悠太 +4.7
5 加納武彦 +5.3
8 鈴木 尚 +7.2
コース前半の上りで苦戦したのか7.2秒をはき出してしまう。
SS8 駄吉上り 1 = 5.36km
1 曽根崇仁 4:40.4
2 窪 啓嗣 +2.7
3 山本悠太 +5.4
4 山口清司 +8.4
5 渡部弘樹 +9.7
6 上原 淳 +10.1
6 鈴木 尚 +10.1
超上り坂ながら上原選手と同タイムで首位キープ。緊張が高まる!レブリミットを叩く走りで攻めます!
SS9 無数河-アルコピア 1 = 6.06km
1 鈴木 尚 5:03.1
2 上原 淳 +5.7
3 曽根崇仁 +6.1
4 山本悠太 +6.9
5 山口清司 +8.2
SS9は数少ない下りのコース。ここで会心の走りを披露!リードを広げる!一つ上のJN2クラストップと比べてもわずか2.5秒差のすごいタイム。
サービスパークに戻り最後の整備。残り3本!
SS10 大山線 2 = 5.35km
1 上原 淳 3:42.1
2 曽根崇仁 +0.2
3 山口清司 +1.7
4 山本悠太 +2.7
5 窪 啓嗣 +2.8
7 鈴木 尚 +4.9
上り坂でまたもやリードを失ってしまう。
SS11 駄吉上り 2 = 5.36km
1 上原 淳 4:33.0
2 曽根崇仁 +2.9
3 窪 啓嗣 +5.1
4 山本悠太 +6.3
5 山口清司 +8.2
8 鈴木 尚 +16.5
ここで神様の非情ないたずらが!吹け上がり不良が発生しペースダウン。一気に16.5秒差がついてしまう。最後までがんばれZC6!!
SS12 無数河-アルコピア 2 = 6.06km
1 山口清司 5:02.4
2 鈴木 尚 +0.5
3 曽根崇仁 +1.6
3 上原 淳 +1.6
5 山本悠太 +3.7
最後に1秒縮める走りをみせるが及ばず
最終結果
1 上原 淳(ZD8)1時間2分43秒9
2 曽根崇仁(ZN8)+6秒3
3 鈴木 尚(ZC6)+14秒6
4 山口清司(ZN8)+1分7秒3
5 窪 啓嗣(ZN8)+1分9秒5
6 山本悠太(ZN8)+1分22秒5
7 渡部弘樹(ZN6)+2分35秒7
優勝はなりませんでしたが、3位表彰台を獲得しました!
過去に3位は何度か獲得していたので、ついつい次こそ今度こそと勝手に期待してしまいましたが、400㏄の差を埋めるのはやっぱり大変だそうで。
少しお聞きしたところ、排気量差を補うために上りはがんばらざるを得なくて、逆に下りは丁寧に無駄な操作がないように走っていたということでした。
特に今回のコースは上りSSが多かったので、どこかで無理をしないとここまでの成績はのこせなかったのでしょう。
また、ウェットコンディションの大変さをうかがった時聞いた「自然と戦うのがラリー」という言葉がとても印象的で、本物のラリーストはやっぱり違うなと思いました。(自分だったらさっさとあきらめて家に帰るので...)
もし2.4リッター車があれば無双なのでは・・・と思いますが、今の6型BRZで優勝して、ZC6・ZN6に乗る車好きの夢を実現してほしいとも思います。
鈴木・島津ペアはイニDで有名な碓氷峠最速記録ホルダーでもあります。2024年のラリーモントレー、JN3クラスでマークしています。タイムは7分12秒3。
下りの速さは光るものがあって奴田原選手や大竹選手に通じるものがあると思っています。ハンデを物ともせず新型を追いかけ回す走りが来年も楽しみです!
※画像はダンロップさん、コドラの島津さんのXから拝借しました。ご本人の投稿はFacebookがメインです。
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Posted at
2024/10/21 21:31:39