タイヤ選びは車好きにとってうれしい悩みのひとつ。グリップ、耐久性、乗り心地のベストバランスを求めてあーでもないこーでもないと考えるのが楽しい。
春を前に夏タイヤに交換する整備手帳が増えてきたので、トレッドウェア(耐摩耗性)別に一覧を作ってみた。560から80まで91種。
●トレッドウェア560〜420/高耐久タイプ
●トレッドウェア400〜320/耐久タイプ
●トレッドウェア300/スタンダード
●トレッドウェア280〜220/ハイスタンダード
●トレッドウェア200/ハイグリップ
●トレッドウェア120〜80/ハイグリップ
※トレッドウェアはタイヤ側面に刻印してある耐摩耗性能【TREADWEAR】のこと。数値が高ければ高いほど減りにくく、逆に低ければ減りやすいがハイグリップと言われている。アメリカで販売されるタイヤにはすべてこの評価が付いている。【TRACTION】ウェットグリップ、【TEMPERATURE】耐熱性と合わせてUTQGと呼ばれる。
●トレッドウェア560〜420/高耐久タイプ
かなり長持ち。
ハイグリップの対極にある長寿命グループ。駆動輪で3万km、ローテーション含めて5万km以上走ることを想定して作られた長持ちタイプ。
トレッド面のゴムを硬くして耐久性を持たせる一方、溝を多くしたり構造をやわらかくすることで乗り心地やウェットグリップとのバランスを取っている。
良い製品を選ばないと摩耗より早くゴムがひび割れて終了になる心配が残る。
2025年ミシュランがトレッドウェア420の新製品プライマシー5を投入してきた。460のダンロップDZ102は海外製だが価格が安く手に入れやすい。
●トレッドウェア400〜320/耐久タイプ
やや長持ち。

ジワジワと製品数が増え、新たなスタンダードとなりつつあるのがこのクラス。耐摩耗性を上げながらある程度走りも楽しめる性格付けがされている。
「普通に走る分には何ら問題ない」というレビューが多いのが特徴で、このクラスのタイヤを言い表している。格安タイヤは走り方により数値ほど長持ちしないことがある。
トレッドウェア340のミシュランパイロットスポーツ5、320のクムホエクスタPS71などが人気。
●トレッドウェア300/スタンダード
持ちとグリップのバランス点。
一般ドライバーに走る楽しみを与えてくれるのが300のタイヤ。サーキットは無理でも峠ならそこそこ走れてライフも長い。ドライブ中ちょっといい道に入った時、高速ワインディングを楽しみたい時に期待に応えてくれる。
グリップを活かしたキビキビした走りができる反面、製品によっては乗り心地に固さを感じることもある。
ヨコハマアドバンフレバV701、ハンコックベンタスS1evo3は、みんカラユーザーにかなり選ばれている。グリップ力はミシュランのPS4sがひとクラス上かと。
●トレッドウェア280〜220/ハイスタンダード
グリップ高め。

サーキット用に近いグリップ力をそなえていて、公道に限れば最強といえる玄人好みのジャンル。パッと見は普通のタイヤで溝もちゃんと刻まれている(写真のシバタイヤR23を除く)。
300ps(225kW)以上のハイパワー車、大径ブレーキ搭載のハイストッピングパワー車の足元にピッタリ。耐久レース、練習走行など連続周回、高速をよく使う、時々サーキットにも行くといった用途に向いている。
フラッグシップモデルという点ではトレッドウェア240のブリヂストンポテンザS007A、コンチネンタルスポーツコンタクト7、ヨコハマアドバンスポーツV107。売れ筋はR23 280、595EVO、ポテンザRE004。
●トレッドウェア200/ハイグリップ
ハイグリップ系代表。
トレッドウェア200はサーキットの常用域、走り屋の憧れカテゴリー。名前を聞くだけでワクワクする。公道では使いきれないほどのグリップがあり、サーキットでタイムアタックに使われることが多い。寿命は当然短い。
ユーザーのグリップ評価が縦、横、斜めの3つに分かれるところが面白い。溝が少なく浅いので水たまりには弱いが、ゴム部分のウェットグリップはかなり高い。熱が入りやすいタイプと、しっかり温めないとグリップを発揮しないタイプに分かれる。
各社力を入れているのでどの製品も人気があり、アジアンでさえ価格は高め。ADVAN A052は最小14インチでも22,000円から。みんカラパーツレビュー数は71RS、ZIII、R23、CR-Sが多い。
格安系で次々と新製品が出てくるが、期待はずれに終わるパターンになりがち。
●トレッドウェア120〜80/ハイグリップ
速攻で減る。グリップは高い。
セミスリック的なハイグリップカテゴリー。見た目のインパクトもすごい。
摩耗スピードは早いがその分グリップするかというと一概にはいえない。レビューにはトレッドウェア200のタイヤに劣るとか、高性能なだけに車種を選ぶといった記載がある。ここまでくるとタイヤに合わせて車側をセッティングしないともったいない領域なのかもしれない。
ピレリPZero CorsaはBMW M2のオプション「Mレーストラックパッケージ」に装備されているらしい。
まとめ
トレッドウェアは規格の性質上同じ数値でも耐久性が同じとは限らない点がちょっとややこしいが、大まかなグループに分けてみると世界観がそろっているように感じた。
↓
●トレッドウェア560〜420/高耐久タイプ
安全運転のパートナー
●トレッドウェア400〜320/耐久タイプ
長持ち+爽快ドライブ
●トレッドウェア300/スタンダード
走りのツボを押さえた万能型
●トレッドウェア280〜220/ハイスタンダード
ストリートの覇者
●トレッドウェア200/ハイグリップ
コンマ1秒請負人
●トレッドウェア120〜80/ハイグリップ
サーキット専用接着剤
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ドライビングテクニック | クルマ
Posted at
2025/03/25 19:07:17