
ラリー飛鳥初日は強めの雨に襲われ、スリッパリーな路面に翻弄される車両が続出。こんな時こそ頼れるのが選手とマシンが備えているレースペースではないでしょうか?
ラリー競技にアクシデントは付きものですが「もしトラブルなく普通に走れたら誰が速いのか」を「レースペース順位」として算出しました。ラリー飛鳥で3戦目を迎えたので、これまでの順位とも比べています。
●算出方法
・リザルトからペナルティやタイム加算をカット
・リタイヤカット
・63位以下の成績カット(選手権対象が62台のため)
・最低順位カット
・残った順位の平均値を計算
・小さな赤文字は全体順位
【JN-1】レースペース順位
1位の新井大輝/立久井大輝組が完璧なレース運びで優勝。ヘビーウェットからウェットに変わる難しいコンディションで6連続1位は見事。マックスパワーをかけられなくてマシンに優しい状況だったのも幸いしたかもしれません。
2位は体調不良のコバライネン選手。ピッタリ0.4差で2位につけてますが、低グリップな路面だと何かネガティブが出るのか思い切り攻められない様子。ドライになった2日目に長いSSが残っていなかったのも不利に働きました。でもまずは勝田選手に勝てたので当初の目標は達成。
3戦目にして各選手レースペースが安定。新井大選手はまだ一波乱ありそうですが、誰も現状に満足していないと思うので次戦モントレーでの変動に期待です。
新井大輝選手うれしい今季初勝利(Xより)
コバライネン選手 SS5でホイールヒット
体調不良は後に肺炎と診断。よく走ったなあ
鎌田選手もコースアウトに泣く
待機中の一コマ。選手ならではのツイート!
【JN-2】レースペース順位 
1位の山田啓介/藤井俊樹組は、SS2でタイヤをカットしてしまいクラス最下位まで後退。その後1分以上あった差を徐々に縮め逆転優勝。平均7.6位のレースペースは群を抜いていて、今回の逆転劇を現実のものに。
惜しくも3.7秒差で2位となった貝原選手や、3位小泉選手、4位内藤選手、6位石川選手らもレースペースが上がっていて、SS順位を細かく見ると一桁台の順位をとっています。これは上位クラスのJN-1に食い込む速さを意味しています。
5位には新規参入の吉原選手。ヤリスに乗り換えた三枝選手は7位とやや落ちましたが、彼らによってかき回される事になると思うのでJN-2はますます激戦になりそうです。
山田選手のツイート。大逆転優勝したのに謙虚です
貝原選手は反省と強い決意
小泉選手も悔しい結果が続きます
【JN-2MCC】レースペース順位

1位に稲葉摩人/竹下紀子組が初めてランクアップ。雨の中を積極的に攻めた成果ですが、その分ミスもあり正式結果では大竹選手に3連勝を許す事になり惜しかった。
3位に最上選手がランクイン。5位松原選手が後続を引き離したり、米林選手が10位から7位にジャンプアップするなどMCCは動きが出てきて登竜門らしくなってきました。
SS順位のところで15位以上の成績が出ると速さも本物です。モリゾウチャレンジカップはライブ配信もライブ速報もあって恵まれています。
稲葉選手の自分に言い聞かせてるようなコメントがいい
長尾安藤組のペースノート。川や砂など注意事項に◯
優勝した大竹選手でさえノントラブルではなかった
【JN-3】レースペース順位

JN-3では突如として窪 啓嗣/城野真輝組がレースペース1位となる異変が起きました。SS1で全体14位、SS2では8位と異常な速さです。窪選手だけブリヂストンポテンザ(RE-12Dor71RS)を履いていたことと関係があるのでしょうか。残念ながらSS3で水たまりに捕まり、リタイヤとなりました。
2位には優勝した山本悠太/立久井和子組。前半のコンスタントな走りが見事です。下口紘輝/小林一貴組もペースでは3位と健闘。山本選手と同じチームに所属しているので今後さらに上がってくるかもしれません。
4位曽根選手、5位山口選手はあと一歩速さが欲しい感じ。前線唐津で山本選手に迫った上原漆戸組は絶不調の上リタイヤと散々な結果に。次戦の復活を祈ります。
窪選手の86にはRE-12D TYPE Aのステッカー
山本選手の優勝コメントにはマシンへの労りが
【JN-4】レースペース順位
1位に藤原友貴/宮本大輝組が圧倒的な速さで君臨。初戦三河湾の雪辱を果たしました。ペースも圧倒的で全体でも16.0位のスピード。JN-3、JN-2MCCを飛び越え、JN-2に匹敵する速さでラリーストリームの速報見ながらビックリしてました。
2位の高橋悟志/箕作裕子組も決して遅いわけではありません。全体24.3位はJN-3のトップクラスと同等の速さです。SS4芋峠では藤原選手より速く走っています。
それだけ藤原選手が速すぎたということでしょう。また一人スイスポの達人が現れた感じです。
藤原選手のチームのツイートが面白い
全日本デビュー2戦目で優勝の衝撃
【JN-5】レースペース順位

1位の松倉拓郎/山田真記子組ヤリスは今シーズン初戦にも関わらず絶好調で飛鳥の林道を駆け抜けました。しかし優勝確実と思われたSS7の名阪スポーツランドでまさかの横転。リタイヤとなりました。残念すぎます。
2位の河本拓哉/有川大輔組デミオは2連勝。他の選手に比べて十分に速いので、今後いかに松倉選手に追いつくか見ものです。
3位の中溝悠太/佐々木裕一組ヤリスは今回やや不調でペースが落ちました。6位の阪口知洋/野口智恵美組マーチは3位表彰台と堅実なレース運び。
衝撃の1回転!
河本選手(左)の勝ちどき
応援への恩返し
【JN-X】レースペース順位

1位は天野智之/井上裕紀子組。RAV4のパワーを活かして上り坂メインの飛鳥を攻め切りました。各日の走り分けも完璧で、午前は抑えめに走り、午後にペースアップする走りを徹底しています。
2位の清水選手ヤリスや3位海老原選手CR-Zはやはりヒルクライムでは不利。ほとんどのSSで天野選手に遅れをとっています。
木村謙治/多比羅二三男組のインプレッサHVは、車格的にJN-Xに丁度いいんじゃないかと密かに期待していましたが、まだまだこれからのようです。
JN-Xクラス定番のツーショット
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次戦は会場を群馬に移し2025年6月7(土)8(日)で“ラリーモントレー”が行われます。赤城山、榛名山、妙義山の“三つの山”を語源とするモントレー。今回お山は走りませんが
去年に続き聖地”碓氷峠”SSはあります。誰が最速の称号を得るのか今から楽しみです。
Posted at 2025/05/21 21:44:27 | |
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