クレアスクーピーの故障診断

　さて、回収したクレアさんですが、コンプレッション計っても全く圧縮がありません。ネットで検索するとキャブレタークリーナーなどをプラグの穴から注入してバルブに付着したカーボンの剥離を期待する。とあったので、それを習いました。
　一週間放置して再度キック！コンプレッションの数値が少しでもアップしていれば希望が持てるのですが全く反応がありません。ドーピングの効果は得られませんでした。
　仕方ないのでエンジン降ろしてヘッドを分解することにします。まあ、やることはわかっているので手順よく分解してヘッドを外してバルブとご対面です。って、その前に「どわぁ！」なんだ！このピストン！
　ピストンヘッドが裂けてます（画像）。これではいくら蹴ろうが薬剤投入しようが圧縮出る訳がありません。その前に、どうしたらこうなってしまうのか原因がわかりません。ヘッド廻りはスラッジもなく非常にキレイな状態でした。
　ドナーエンジンは二機あます。1号：始動確認済でクランクベアリングがＮＧ、2号：外見キレイだけど結構欠品がある始動未確認
ここでの選択肢は

①１号からピストンだけ移植→1号とクレアのエンジン２機を分解する手間があります。（新品買え！って気もしますが・・・）
②２号の欠品を修理してエンジンのスワップ→掛からなかったら①になる＆将来的な不安
　
　思案の末、①を実施しました。AF55Eエンジン整備の深層部分に近い作業になります。このエンジンはクランクケースとシリンダーがワンピース構造になっているので、ピストンを交換するにはクランクケースの分解が伴います。まあ、車のエンジンや４気筒の大型バイクに比べるとかなりシンプルなのでサービスマニュアルなくても組立できます。ガスケットは新品に交換しますが、ピストンは中古を洗浄して再利用です。
　ピストンがあんな状態だったのでコンロッドの曲がりを心配しましたが大丈夫なようです。リングは既存のものを使用して再組み立てをします。
・・・モタモタしてたら日が暮れてしまった。