グロムのECUリセットについて
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
(2024年11月15日追記あり)
今更ながらECUリセットについての記事を書いてみようかなと。
散々紹介されているので必要かしら?と思いつつもやり方も一応書いておきますが、本題は後半です。
・サービスチェックカプラー
シート外してバッテリーの横(車体右側)に赤いキャップ付きのコネクターが収まっています。
手前に引っ張り出してきてキャップを外すんですが、画像で言うと右側奥に爪があって外側に引っ張るとポコッと抜けます。
配線の長さ足りねえ!てのは皆思ってます。
サービスチェックカプラーのうち使用するのは縦?に並ぶ「青」「緑黒」の線だけですのでお間違えなきよう。マジックとかでカプラーにマーキングがオススメ。
以下「繋ぐ=青線と緑黒線を繋ぐ」
・実はキーON/OFFでもキルスイッチOFF/ONでもどちらでも作業はできます。
自分はキルスイッチでやってますが混ざると紛らわしいので、以下の説明では「使用するのはキーON/OFFのみ」「キルスイッチはOFF固定(エンジン掛かる)状態」として判断してください
2
写真はパンの袋絞める時に使う針金。
差し込む線はこんなんでも十分です。
・ECUリセット手順
①キーOFF
②繋ぐ
③スロットル全開固定
④キーON
⑤FI警告灯が点滅してたら5秒以内にスロットル全閉に戻す
⑥FI警告灯の点滅が止まって3秒以上経ってからチカチカっと点滅
⑦キーOFF
⑧外す
FI警告灯がコレ以外の挙動したらエラー履歴入ってますんでリセットできません。
普通にキーONした時にFI警告灯が点滅したらエラー発生間違いないのでとりあえずDTC消去(エラー履歴消去)どうぞ
・DTC履歴消去手順
①キーOFF
②繋ぐ
③キーON
④外す
⑤FI警告灯点灯したら5秒以内に繋ぐ
⑥FI警告灯点滅確認したらキーOFF
で、もう一度ECUリセット。
これでまだエラー発生してたら本当にトラブル起こって可能性高いんでバイク屋持って行くなり分解整備なり各部のコネクターや配線チェックなりの対処が必要です。ご注意を。
大事なの書き忘れてました。
・スロットル開度センサーリセット
①キーOFF
②カムカバー下の油温センサーを外してコネクタを針金等で短絡
③キーON
④FI警告灯点灯を確認したら10秒以内に短絡を外す
⑤FI警告灯点滅したのを確認したらキーOFF
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はい、本題です。
ECUリセット、なんか万能に思われがちですが使うべきタイミングとオススメしないタイミングがあります。
使うべきタイミング
・エアクリ交換
・サブコン装着直前
・マフラー交換
・スロットルボディ交換(これはスロットル開度センサーリセットも必須)
・インジェクター交換
・オイルポンプ交換
・純正O2センサー交換
・なんかエラー出た?って時(DTC消去と共に再現チェックのため)
・腰上弄った後
上記の条件は基本のセッティングが変化するためですね。物理的な要因で燃調が変わる要素あるならリセット掛けておいて損はないです。
ECUに既に入っている学習を一旦リセットして再学習しないといけない奴です。
ちゃんとリセットしてやると前後で大体アイドリングが安定したり吹け上がりが良くなったりしますね。
地味〜に大事です。
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オススメしないタイミング
・サブコン等でセッティング中
・季節ごとのリセット
追記:
・エニグマ系サブコン、FIコン系サブコン、imap(O2フィードバックキャンセラー付)装着中
はい。サブコンでセッティング中にリセット掛けるとめっちゃ狂います。
ECUが本来出したい状態に再学習されるまで、10分位ベース側の燃調が変わり続けます。
これはO2センサー外してようが一緒ですね。
(センサーから0〜1V入力がなくなる(=0V)とECUがやべえ!薄い!って自動で1番濃い状態に調整する)
豆知識ですが敢えてO2センサーの配線を抜いて特濃ベースから燃調弄るのがFIcon2。
だからFIcon2だと最初に1回ECUリセットしたらその後燃調のセット番号変更が理由でリセットする必要はないです(もちろん他の吸排気パーツ変更後は必要)
エンジン掛けてる最中でもセット番号変更して燃調弄れるの地味に便利でした。
あとは…例えばimapで2番めっちゃええ感じに走るわ!ECUリセットして次のセッティング試してみよう!3番や!
ってやるとなんかめっちゃ遅くなった…ってなる事があるかもしれません。
実際は3番+走行セット後ECUがベストでもです。
これは3番+ECU初期状態と2番+走行セット後ECUの燃調の濃さが逆転してたりするために起こる現象でする。
なので、セッティング中はECUリセット掛けずに走って比較しましょう(装着して最初の1回は除く)。
上記の理由でセッティング中のECUリセットは感覚も燃調も狂うのでやらない方が良いわけです。
エニグマでも散々やらかしました…やればやるほどセッティング狂っていくという泥沼な罠。
季節ごとのリセットは…直後に燃調変わったら調子良くなった気がすることありますけど時間経ったらリセット前に元通りしちゃうんですよね、とだけw
とはいえ別にデメリットあるわけではないんですけどね。各部増し締めやパーツの組み直ししてからのリセットであれば意味あると思います。
追記:
最後の3種類は組んだ状態でECUリセットしたらサブコンが壊れます。
エニグマ系はメーカー問い合わせの結果判明した事で、FIコンはエニグマ派生版の武川仕様なので確実にアウト、説明書にコレ書いてくれてるのはimapだけでした。
いくら面倒でもリセットする前に絶対に車体から外しましょう。
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ただしECUの自動補正バグ(?)は例外です。
経験上インジェクターを濃いのにするとバグりやすくなります。突然極薄になってパワーダウン、数分後に元の燃調へ戻る症状です。エンジン焼いた事もあります。怖い。
フル純正であってもスロットル全開巡航してたら急にパワーダウンする症状も多分コレが起こってるんでしょうね。結局なんなのかよく分からんけど。怖い。
コレはエニグマセミフルとFIconタイプX以外のサブコンでは解決した話聞かないです。
何故上の2つが起こらないかっていうと、ほぼ全域で純正ECUの燃料噴射設定を無視してサブコン側で直接噴射量を設定してるからですね。そら補正無視なら影響もないわ、と。
追記:普通に起こりました(複数事例確認)。
最後発のimap(O2フィードバックキャンセラー付)については解消しているようです。
自分は悩みに悩んで最初から余計な補正全部なくせるECU書き換えだヤッホイ!になりました。
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さらにさらに脱線ですが、数万km走ったO2センサーは新品交換オススメです。
たった一個のセンサーの劣化(主にカーボン詰まり)で意外と燃調狂っちゃうんですよ…エンジンOH時期に一緒に交換しておくと安心です。
特に、サブコンで燃調変えてる人はカーボンでセンサーの先が詰まりやすいのでご注意を。汚物は洗浄じゃー!とパークリとか使うと潰れます。せめてエアブローで…
詰まるとね、ECUが濃いと勘違いして薄い方に補正かけてしまうのですよ…怖い怖い。
KOSOの純正O2センサーから検知する空燃比計で常時R(リッチ=濃い)になった時に最終的にO2センサーがカーボンぎっちりになってたのが原因と判明して、新品交換したら即本来狙ってた燃調の数字に変わってました。
この時に詰まったセンサーにパークリ洗浄も試して…結果は上に書いた通りですw
ああ、そうそうJC61前期の人はJC61後期/JC75センサーに交換オススメです。ケーブル一体式になってて組みにくいけど「微妙に」精度向上してるらしいですよ。
えーと、ECUリセットはガンガンやれとか書いてた時期もありました。
過去に言ってた事と違うくね?となった人につきましては、ごめんなさい。
サブコン一通り試したりECU複数個入れ替えたり色々検証して機能構造の理解が進むにつれ間違いに気付きました。
この場を借りてお詫びさせていただきます。
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