〖12日目:6月20日(火)〗
この日の走行ルートです。
釧路市から根室市までの走行距離は346 kmでした。
今回の北海道旅行で最も走行距離が伸びた一日でした。
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釧路市阿寒町の宿で午前6時に大浴場へ。
7時に併設の「道の駅 阿寒丹頂の里」のレストランで朝食。
前の日の夕食が中途半端だったので、がっつりいただきました。
8時前に出発し、山の中の国道274号線を東に走ります。とても楽しかったです。
標茶(しべちゃ)町でやや北寄りのルートとなる道道13号線へ。
ホクレンセルフで給油です。
晴天、気温18℃で空気がカラッとしていて気持ちいいです。
道道13号線→国道272号線と進み、海(泊湾)につきあたって右へ折れ、「野付(のつけ)半島」へ。
10時すぎに「ナラワラ展望スペース」に到着です。
「ナラワラ」は、ミズナラやダケカンバなどの木々が海からの浸食により立ったまま枯れていった場所です。
ちょっと遠いですが、立ち枯れた多くの木々の姿がはっきりと見えます。
めずらしい景色でした。
さらに10分程走ると「野付半島ネイチャーセンター」があります。
ここから「トドワラ」を見に行く方法は、徒歩(25分)とトラクターバス(7分)の2つがあります。
天気もいいし景色もよさそうなので、徒歩で行くことにしました。
この時は、団体客に巻き込まれて前後にたくさんの人がいます。
トラクターバスが歩いている私たちを追い抜いて行きます。
歩き始めて17分で「トドワラ広場」に到着です。
太陽が照り付けていて結構暑かったです。
ここからは湿地の上に作られた木道を歩きます。
木道の幅は人がすれ違うのには少し狭いので、ところどころにすれ違い用の広いスペースが設けられています。
木道を最後まで行きつくと「トドワラ」がありました。
「トドワラ」では、立ち枯れたトドマツやエゾマツなどの木々が見られます。
先ほど見てきた「ナラワラ」とは対照的にかなり風化が進んでおり、目の前に残っているのは数本でした。
全て朽ちてしまうのは時間の問題なので、立ち枯れた木々を間近で見られて良かったです。
歩いてネイチャーセンターに戻り、センターのすぐ横の「津波避難タワー」に登ってみました。
平常時は展望タワーとして公開されています。
「国後(くなしり)島」が見えました。
これほどはっきりした島の姿を見るのは初めてで、その距離の近さに驚きました。
展望タワーからネイチャーセンターを見たところ。
海に挟まれたこの半島の狭さがよくわかります。
せっかくなので、GR86で行けるところまで半島の先に向かってみます。
「道道950号線終点」にある駐車場から「野付埼灯台」が見えました。
ここで折り返して、正午に出発。
数分走ったところで鹿の群れを見つけました。
立派な角を持ったオスはカッコイイです。
国道244号線まで戻って海沿いを南下しながらお昼ご飯を食べるところを探していたのですがお店がまったくありません。
進路を内陸に変えて別海(べつかい)町の市街地へ行ってみることにします。
午後1時半、なんとかお店を見つけることができました。
「豚丼」です。
しびれる辛さの花椒(ホアジャオ)がよく利いていて大変おいしかったです。
午後2時過ぎ、「奥行臼(おくゆきうす)歴史の里」に到着です。
このエリアには「旧奥行臼駅逓(えきてい)所」、「奥行臼駅」、「旧別海村営軌道風蓮(ふうれん)線奥行臼停留所」という3つの交通遺産が残っています。
案内板の近くの線路をたどって歩いて行きます。
「奥行臼駅」のホーム側です。
1933年(昭和8年)に開業し、1989年(平成元年)に廃止された標津(しべつ)線の駅です。
正面に回ってみるとこんな感じ。
駅舎の中に入ることもできます。
外観も内部も当時の姿がそのままで、すばらしい(^^)
次は「旧別海村営軌道風蓮線奥行臼停留所」。
昭和30年代終盤に、別海村内の人とモノの交通手段として使われていた車両が展示されています。
「内燃機関車」と木製貨車の「ミルクゴンドラ車」です。
牛乳の入ったたくさんの集乳缶を運ぶ姿が想像できます。
下の写真はおそらく車両の向きを変える「転車台」の跡だと思うのですが説明がなくわかりませんでした。
最後に国指定史跡の「旧奥行臼駅逓所」です。
ここにはボランティアガイドの方がいていろいろと説明していただきました。
駅逓所は、“駅”の文字がありますが鉄道とは無関係で、馬で物資を運ぶルートの中継点のような役目だそうです。そのための馬・人などが各駅逓所にいて次の駅逓所までの輸送を担当するというイメージです
1階の廊下です。
大正時代の建物ですが数年前に大規模修復工事が行われ、内外装ともにきれいです。
旅客が泊った2階の部屋です。相部屋だったそうです。
寒冷地らしく、各部屋に囲炉裏があります。
古いランプが吊ってありました。
とてもいい雰囲気です。
この駅逓所を管理していた家族が使っていた居間です。
生活感があって見ていておもしろいです。
野付半島から根室半島へのルートの途中にあるので何となく寄ってみた「奥行臼歴史の里」でしたが、思いがけずとてもいいところでした。来てよかったです。
午後3時過ぎに出発して国道243号線を南下→国道44号線を東へ向かい、日本最東端の駅、JR北海道根室本線「東根室駅」へ。
午後4時到着。
駅周辺の道はでこぼこだらけでストレスのたまる運転でした。
ホームにも上ってみましたが、“日本最東端”で異常に盛り上がっているおじ様・おば様の集団に占拠されているのを見て、この写真だけ撮りました。
根室半島の南側の海岸線を走る道道35号線で「納沙布(のさっぷ)岬」を目指します。
30分程度で到着です。
夕方ですが、駐車場にはたくさんの車が並んでいました。
視界が良く海がとてもきれいに見えました。
納沙布岬は北方領土「歯舞(はぼまい)群島」と非常に近い距離にあり、「水晶島」と思われる島影がはっきりと見えます。
北方領土返還祈念シンボル像「四島のかけ橋」です。
幅35メートル、高さ13メートルと大きくてめちゃめちゃ迫力のあるモニュメントです。
午後5時に出発し、半島をぐるっと回るように道道35号線で北側の海岸線近くを西に戻ります。
この北側の道は車も少なく、とても走りやすい道でした。
ここで小さなトラブル発生。
GR86のナビにこの日の宿を最終目的地として設定したつもりが、間違えてある道の駅を入力してしまっていたため、15 kmほど行き過ぎてまた戻るという羽目になりました。
宿の近くの「タイエー」さんで夕食用に焼き鳥とビールを購入しました。
この店の焼き鳥は、旧奥行臼駅逓所でお世話になったガイドの方のオススメです。
結局、宿へは午後6時半到着となりました。
部屋は新しくてきれいでした。
温泉ではありませんが、大浴場で疲れを癒して夕食としました。
ニンニクのきいたもも肉と絶妙な塩加減の軟骨がビールとよく合って大変おいしかったです(^o^)
原 宗一郎