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2025年11月16日 イイね!

誠実で愉快な相棒 GSX-8S 試乗

誠実で愉快な相棒 GSX-8S 試乗いいバイクとは何だろうか。趣味性の極めて高い製品だけに、いい悪いの尺度はないに等しく僕にとっては醜悪な、足を前に投げ出して爆音マフラーをつけたHDでも良いとする層があるのだから回答が一つあるわけではない。

大きな括りのモビリティについて考えると、気持ちよく安全に移動できる、という要素は重要だ。もうすこし具体的に言うと、タイヤが道路をつかんでいる感触が分かりやすく、さらに入力に対してなるべくダイレクトに反応を返してくれるものが好ましいと僕は考える。これはどんなオートバイにも、そしてクルマにも当てはまる基礎の基礎だと思う。ただしこれがないがしろにされている製品は極めて多い。

乗り物の操縦には危険が伴う。機械との間に信頼関係が成立しなければ心地よく安全な移動はできない。入力に対する反応の素直さと接地感の高さはこの信頼関係の構築のために、モビリティがどこまで進化しようが重要だ。

さてV-Strom800と同じエンジンということで、GSX-8Sの試乗はあまり期待していなかった。Vスト800のライトスポーツバージョンね、あっそう、ってなもんだが、馬は乗ってみよ、人は添うてみよという格言のとおり、これは乗ってみないとわからなかった。これは佳作である。いや佳作というより傑作である。

スリムな並列2気筒は、SVの系統のV型が高コストになるために作り出された新世代ということで、ああコストダウンね、と思ってしまうが決してそれだけではなく、マスが集中化され、幅は単気筒に近く、構成部品が減り購入価格は抑えられる。何と駄作のDR-Z4SMより安いのだ!

そしてその特性はいたずらに主張をしないマナーの良さとともに扱いやすく十分以上のパワーを持つ。振動はほぼないとの話を聞いていたがそんなことはなく、ライダーにその存在を伝える不快さのないものをきちんと残してある。回していけば中高速回転域では相応の盛り上がりも見せてくれる。コンパクトなエンジンでカウル類も最小でモーメントが小さいため運動性は相当に高く、意のままに操舵できる。

そしてこのバイクのハイライトは、前後輪の接地感の高さだ。特にフロントの安心感は絶大で、今にもズルっとなりそうな場面でも「いけるよ」と教えてくれる。グリップがライダーに伝わりやすく、逆にダメそうならそれも素直に伝えてくれるので、マシンとの信頼関係の構築が容易であり、それが安心感につながっている。



これは恐れ入った。このようなハンドリングは今までヤマハのレーレプ(TZR250,1KT)でしか経験したことがない。スズキもやればできるじゃん。DR-Zで感じたちぐはぐ感はどこにもなく、エンジン、デザイン、パワー特性、サスペンション、ハンドリングにおいて全て特殊な(高価な)構成はどこにもないにもかかわらず大変に高いバランスにある。

結果、800ccの決して小さいとは言えないエンジンのパワーをある程度使い切れる(という錯覚か)し、リスクを取らずに公道の速度域でスポーツできてしまう。乗車後は心地よい疲労感に包まれた。

惜しむべきはブランド性というかアイコン性がこのバイクにはないことか。伝統のカタナでもないしハヤブサ(これはちょっと中二病っぽい名称とは思うが)でもない、平凡な並列2気筒中排気量のローコストお手軽バイクとみられてしまう危惧がある。

そんなことはない、これを手にした人はきっと濃密な心地よい時間を共に過ごせるはずだ。それは人生を輝かせてくれるだろう。
Posted at 2025/11/16 06:54:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | オートバイ | 日記
2025年11月15日 イイね!

仕立てのいい旅のジャケット V-Strom800 試乗

仕立てのいい旅のジャケット V-Strom800 試乗DR-Z4SMがガッカリの出来だったので次はツアラー乗ろうか、と1050DEにまたがってみた。足はつかないことはないのだがツンツンだし、でかくて広くて重心が高いので何かの時にぐらりと来たらリカバーできんなと考え取りやめにし、かわりにVストローム800の試乗をお願いした。

これも相変わらずワイヤークラッチかぁ、悪いわけじゃないけどこれメンテをきっちりやらないと重くなりがちだし、いざというときに切れるんだよね。でもまぁ、DR-Z4SMから5万円も値上がってない激安ともいえる価格設定だからしょうがないか。

走りだす。お!これなかなかいいぞ。パワーはさすがに十分過ぎる寄りの必要十分。前評判よりも活発なエンジンで振動も完全に殺してあるわけではない。そしてなかなか感心したのがそのハンドリング。アドベンチャーは重量物が重心から遠く前輪も大きいのでドッコラショになりがちなんだが、こいつは神経質ではなく鈍重でもないイイ線を行っており、あえて表現するならシルキー。

リアサスに若干の動きの悪さは感じるものの、サスペンションには相当お金をかけていると思う。その分、各部の仕上げはプレミア感があるものではなく実用の道具に徹するレベル、だがすぐに錆が浮いたりするような粗末さはなく、手慣れた日本品質の標準機構部品を多用してコストを下げている。当然、モデル間での共通部品も多い。

余談だがインド製のV-Strom250SXを観察したところ、こちらはさすがにもう一段品質が落ちる印象で、鉄の材質と表面処理(めっき)に若干不安を覚える。しかしあの価格なんだから文句は言えまい。入門からベテランまで親しめる万能バイクとして実にありがたいモデルだ。

さて800に戻ろう。この後で乗ったGSX-8Sと比べると若干低速寄りのチューニングがされており、追い越し加速で低回転からスロットルを開けた時は頼もしい。ただし重量分加速力はそがれるが、旅バイクに過剰な刺激は不要だろう。

このバイクであればどこへでも行ける。タンクも大きく燃費もおそらくいい。足つきはとてもよく車体はスリム。アドベンチャーバイクは仕事場目前の巨大なタンクと風防に圧倒されることがあるが、これにはそういった威圧感はなく、晴れた休日の朝に目覚め「さぁ今日はどこへ行こうか」と乗り出せる気軽さがある。

旅の主役は移動そのものであってバイクではない。あえて刺激や趣味性を控えつつ、安価で信頼性が高くわかりやすいこのキャラクタは、成熟した大人にこそ愛されるものだろう。
Posted at 2025/11/15 18:04:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月14日 イイね!

KTM 690SMC R 初期インプレ


というわけで私のところに来てくれたMY2019のKTM 690SMC R。中古車と言えばいろいろとノーマルベストを出す整備が山ほどある。これが面倒というよりも僕にとっては楽しみ。8000kmしか走っていないとはいえKTMはレーサーだからそれなりのチェックと整備が必要。

そこで購入後は自分でノーマル戻しとともに車体を腕の良いオートバイ屋さん(S-Factory)に渡し、全体的な確認とタンクの軽微なガス漏れの修理をしてもらった。一般的な整備は自分でも何でもできるが、やはりプロの目は素人とは違い、お金を払う価値がある。

一通り整え終わった690に早速乗ってみた。想像通り!698monoよりもはるかに乱暴というかパンチが強い。その代わりに低速で高ギアに入れるとスナッチが出る。でもそんなの当たり前じゃないのか?シフトダウンすればいい。ただし698ではこういう挙動はなかった、それがいいのか悪いのか、少なくともドゥカらしくはないと思う。

爆発の粒が立っており、低回転から引っ張るとドッヴァヴァヴァヴァ!!と凄く歯切れのよい鼓動とともに背中をジャンボマックスに蹴っ飛ばされたように加速する。中回転域までうっかり引っ張ってしまうと前輪はいとも簡単に離陸しようとする。2000回転程度からの加速だと、約15Hzのパルスという事で、クッソ速いドラマーならこのくらい叩くんじゃないかな?まさに生き物が持つリズム通りのビートを刻んでくれ、これが極めて気持ちがいい。

エンブレはスリッパークラッチのおかげか案外きつくない、スロットルを戻すだけでサスペンションが縮んで姿勢が作れるしブレーキはシングルだがブレンボのためか制御性も制動力も十分でとても容易に止まる。減速によりフロントを低く保ったまま進入、完全にブレーキをリリースする前にバンクして一気に方向転換、すぐにスロットルを開けていくと脳を突き抜けるような加速とともに爽快にコーナーを駆け抜ける。

このオートバイの難点があるとすれば足つき性だろう。ノーマル状態のシート高は実に890mm。この個体は前オーナが僕の体格と近く、ローダウンを施してあった。おそらく30~40mm下げてある。それでも足はべったりは着かないが軽くてスリムなので信号停止での不安感はないのであった。
Posted at 2025/11/14 13:49:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月14日 イイね!

どれを買ったら? 690SMC R

690を買うとなったらいくつかのバリエーションがある。LC4エンジンは案外多くのモデルに積まれている/いた。
・701 SuperMoto HAS
・701 Enduro HAS
・701 Vit/Svalt piren HAS
・SM700 GASGAS
・690 SMC R KTM
・690 Enduro KTM
・690 Duke KTM



この中からあえてモタードを選ぶことにした。さらに条件として以下を追加。
・EURO4以前の規制
・コーナリングABS装備

EURO5以降は改造を監視する要件が入っており、SS950Sの場合はスプロケを換えるだけでECUエラーを吐き、クイックシフターなどが停止するし、警告灯がついているから車検に通らない。これには参った。Fスプロケを14Tにしたかったのに。

コーナリングABSは私にとっては必須。これにより命が救われる場面は確実にある。概ねどうでもいい私の命ではあるが、もう少しやりたいことが残っている。

上記仕様をすべて満たすモデルは、MY2019/2020の690SMC R、MY2020の701 SuperMotoしかない。Goonetなどで中古を探したがどこにもなく、レッドバロンでも探したが無い。結局、個人売買サイトでMY2019の690SMC Rの良いものを発見し、購入となった。売主の人柄を重視し、実車はエンジン音を聞いただけで試乗はあえてしなかった。
Posted at 2025/11/14 13:12:14 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月14日 イイね!

購入動機 690SMC R

購入動機 690SMC Rいろいろすでにブログに残してはいるが、この特異なKTMの作品、690SMCRについてその乗車感、購入動機などを書いてみようと思う。恐らく、もうこれから何台もバイクを増やすこともないだろうから。

1年前にドカの698monoに試乗し、その軽快・スリム・いつでも呼び出せるパワー/トルク、見晴らしのよさに代表される解放感に感激した。もっと言うとストロークの長いサスペンションと、高めの重心を使い、走行状況に合わせた「操縦者と一体となった車体の姿勢」を作ってリズミカルに駆け抜けるその活発さ、陽気さに好意を持った。



このキャラクタは、大排気量の単気筒エンジンによるところが大きい。それは、小型軽量は無論のこと燃焼のたびにパルス的に地面を蹴るトラクション特性、そしてもっと言うとそのパルスの粒が立っており、走行時にそれがハイテンポなロックのドラムのようなビート感をライダーに与える。これが酷く快感なのだ。本当に1発1発が数えられるくらいのテンポで、いいかえると人間のリズム感とリアルに同期できる、生き物のような周期の「鼓動」を持つ。

270度クランクのツイン、ハーレーなどの狭角Vツインも同様な特性を持つ。ただし伝統的なLツインのドゥカの場合は元来高回転を好み低速でのマナーはあえて無視していたため、このビート感は味わいづらいが、ハーレーはまさにその真骨頂という事だろう。しかし、あの車体では軽快さやコーナリング姿勢を作り上げる楽しみはない。まっすぐ走ってアクセルを開け閉めするくらいしか面白がり方がなく、僕には退屈。

さて話を戻そう。ドカもKTMもモタード形式での表現しかしていないという事は、実はあのエンジンを100%楽しむには必然の車体形式なのではないか。それが本当か、試してみたい!

そう考えだしたらもう止まらない。まずドカにするかKTMにするかだが、口コミなどを調べるとKTMのほうが個性が強いとわかった。それにドカの場合新車しか手に入らずいじったり整備する楽しみに欠ける。貴族のように高級ディーラーに全部お任せ♪は僕のスタイルじゃない。SS950Sはほぼそうしてるけどね、やめようとも考えてるけど(自分で整備して車検通す)。

KTMは今年前期には経営危機にあった。だがあまり気にしなかった。ファンがいる限り、会社はなくなっても製品はなくならない。設計は受け継がれる、Kawに買われて死んでしまったbimotaがVyrusに生き残っているように。

(続く)

Posted at 2025/11/14 12:46:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 690SMC R | 日記

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