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2025年10月23日 イイね!

鬱屈から生まれる狂気

鬱屈から生まれる狂気KTMの692cc単気筒!というかなり極端なエンジンのオートバイを入手した。私としては初めてのオフロード形態をしたオンロードモデル、つまりモタード/スーパーモトというジャンルのもの。

持論として「乗りやすいオートバイなんぞ滅んでしまえ!」という極端すぎるものを持っている私なので、乗りやすさは100%無視して選んだ。LC4というコードのエンジンを搭載している。

今でさえDucatiが追従し698monoという類似品(味付けはかなり違う)を2024年に上市してはいるが、それまでこのLC4は世界唯一の高性能単気筒エンジンで歴史はドカのものより圧倒的に長く、約30年にもなる。

ドカのそれは試乗経験があるので暇だったら私の書いた試乗記を読んでみてほしいが、そのシンプルな車体構成からくる楽しみはとても大きく、軽量な車体・右手直結で即発するトルク・スリム・ある程度の高重心からくるその乗り味は、ロックのリズムに乗ったダンスのようだった。

ただしドカのエンジンは昔のドカのものとは様変わりしており、妙によく調教されている。おそらくAudiの血が混入してしまった為だと思うが、整然としすぎており元気で脳天気なイタリア娘という雰囲気ではなく、どこか真面目さ、説教臭さを感じる。最近のノンデスモのV2など、その代表のようなもので僕は買うことはないだろう。デスモはブランドのシンボルであった。

(最近発表されたMonster V2は SV900? VT900? と感じるようなモデルだった…)

さて698monoに試乗してから悶々と考えていた。「このエンジンのオンロードモデルを出してくれないだろうか」しかし、出ない。噂すら出ない。KTMには690DUKEシリーズというモタードとネイキッドの中間みたいなものがあったのだが製造をやめてしまった。



なぜだろう?



KTMもドカも本来こだわりの強いメーカだ。俺たちが乗って楽しいバイクだけを作る。理解できない奴は乗るな、というキャラクターで、特に日本車のH,K,Sのようにマーケティング先行型のオートバイ作りには背を向けたメーカだったはずだ。ドカはその色が最近急激に褪せてしまったが、内部にはまだ気骨のある技術者もいるはず。

そういう「うるさい」連中が出した回答がモタードだという事実には一考の余地がある。私のようなミーハーは過日のSuperMonoみたいなオンロードウエポンを!と妄想してしまうが当然KTMもDUCもそれは検討はしたんだろう。しかし他の多気筒オンロードスポーツと比べると突出した面白みがあまり出せなかったのではないだろうか。特にドカのMonster、YのMT07あたりはおそらく強力なコンペチで、やはりそこそこスリムで軽く、速い。こことガチンコしても馬力表示で劣るし、オンロード構成にすれば重量も増えてしまい面白みはそがれる。また、マーケティング屋としてのAudi目線だと、690DUKEが撤退した市場はダメで、コンペチ(690SMC,701SM)がいる市場のモタードのほうがシェア食えるからそっちだね、と言う臭い話でもあるんだろう。

しかしながらモタードという乗り物はオンロード屋から見るとダサく見えはするが乗ってみると極めて面白い。視界の広さ、単気筒エンジンに由来する軽量スリムさ、タンデムをほぼ無視できるから軽い車体、エンジンのレスポンスの良さとその制御性。

日本車の並列4気筒モデルとLC4を比べると、木刀とサバイバルナイフくらい切れ味が違い、いつもきわめて俊敏に反応する。低速から発生するトルクがクソでかいのがLC4、低速はあえてトルクを絞りスムーズさを演出してるのが698monoと言う感じだが、双方4気筒なんか比較にならないほどシャープに右手に応えてくれる。低速トルクがでかすぎて、3000rpm以下で使いづらいところを修正したのが698monoという感じ。

ただし、2,3,4気筒で700ccくらいあれば、100~130ps位は表示馬力が出せてしまうので、カタログスペック75馬力と言うのはしょぼく見えはする。これは乗ってみないと面白さがわからないので、購買層に対しそこは弱い。

さて本題に戻る。オーストリアという本邦からは「音楽の国」くらいしか知られていない国からなぜこんなに極端なモデルが上市されたのだろうか。本邦にもSRX6というモデルがあったにはあったが、愚鈍なSRの血統であったため一触即発のような緊張感に満ちたレスポンスがあるものではなく、「あの当時(バブル前夜)のSRの再解釈」のようなテイスティとかオシャレに振ったものだった。

オーストリアは極めて苦しいバランスの上で大国に翻弄され続けてきた歴史を持つ。以前は広い領土と強固な力を持つ帝国であった。東をむけば常に侵略の意図を持ったロシア、西と南には同じく覇権を求めるドイツとイタリア。これらの国の間で時には占領されたこともあった波乱の歴史を持つ国だ。しかし帝政オーストリアの血は流れ続けている。本来俺たちはこんな扱いを受ける国じゃないんだ!

内陸欧州は土がやせており作物が乏しく、常に食糧不足の圧力もあったと聞く。そんな中で鬱屈し、だがその誇りと情熱はいかんともしがたく文化・学問へと発散される方向に花開いたのがモーツアルト、シューベルト、ワーグナーなどの音楽の巨人たちだ。また、フロイト、アードラーなど心理学を拓いた偉人、シュレーディンガー、パウリ、ボルツマン、マッハなど近代物理学の天才たちも生んできた。



だが音楽や学問はインテリ層のもので、労働者層はオートバイに乗ってぶっ飛ばしたかった。そのエネルギーは上記した有名人と変わらないものだったろう。果たして、その狂気にも近いものがKTMを生み出したと考えている。

LC4は世界でも類を見ない、そのKTMの中でも極端なエンジンなのだと思う。
Posted at 2025/10/23 04:18:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 690SMC R | 日記
2025年10月04日 イイね!

がっかりの構造

先日、ある趣味のお店で小規模な講演会があると聞いた。興味のあるジャンルだったので即申し込みし、若い営業さんが質問事項も考えてくれというので一番疑問に思っていることを短文にまとめて送ると、これで質問を是非と仰り、私自身全く問題ないだろうと当日30分前に入った。

講演者とお店の主人が会話していたので簡単に挨拶。「ぜひ最前列でお話を聞かせていただきたい」『大事なことですね!』(演者)と、受け入れた頂いたように見えた。主人さんは特にコメントなし。少し違和感を感じた。

その後、そのお店の常連さんと思しき方が入ってくると主人さんは”やあどうもXXさん、ぜひ一番前に!”と。その後次々同じように常連さんらが入ってきたがその方々が主人さんとにこやかに挨拶をしながら最前列を全部埋めてしまった。すこし僕が離れている間に。

感情をコントロールする訓練を行っているので怒ることはない。ただまだ初心者なので怒りのエネルギーをうまくそらすことができなかった。虚脱状態になってしまった。呆然という奴。

主人さんが私にNegativeな感情を持った?それはNoだろう。「よくお金を払う常連さんに座らせるはずだった席をよく知らない=大して金払いもよくはない客が取った」というところだろうね、ゴメンナサイあまり可処分所得ないんです、払いたい意欲だけはあるんですけど。

そういう経営(トップカスタマに手厚く)は間違いじゃない、短中期的には最も利益を大きくする可能性がある。

ただ、そういうマーケティングをこうむる側の僕は、受け入れられない場に居続けるのは難しく、そっと立ち去ることにした。若い営業さんがどうしたんですかと言うので「僕は常連でもないんで帰るよ」とだけ。

ミスマッチ、これが原因なんだろうな。
だがとてもとても寂しい出来事だった。
短時間だけどかなり落ち込んだ。(感情制御の失敗)
でももう解析して納得して復活した。

通常、ひとは受け入れられなかった場所を憎むことで自我を守るが、自分は事象の構造をただ観ることにしている。感情は全く入れない努力をしているが、そうすると事象とその構造、結果として生じるであろう因果がクリアに見通せるようになる。ニューカマーに冷たい店はどうなる?

因果は関数のように冷徹だ。
Posted at 2025/10/06 05:40:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年03月02日 イイね!

ベルハンマーにかかる疑問

いわゆる「案件」なんだろうけど、Youtubeを見てもブログを見てもベルハンマーなる高価な油のインプレがたくさん上げられています。私は小学生のころ…モータロイとかマイクロロン全盛のころ…から父親のオートメカ誌を読んでいたせいかオイル添加剤に興味がある変な少年でした。のちに自分で車両を所有し整備しいろいろ試した結果、ガチなのはGRPだけかなぁと。ただ、現在は大メーカ製(石油メジャーや潤滑油専業メーカ)の油脂類の性能もバリエーションも大きく広く向上しているため、特殊な嗜好でもない限り安価で信頼性に富む一般市販の油脂を用い、あえてスペシャルな要求を満たすならその中でも高級品を使うだけで十分すぎるのではないかと考えるに至りました。

偏愛嗜好のためにはオイルにはGRPとグリスにはチキソグリースの使用でもう添加剤遊びはいいかなと思っていたところに、数年前からベルハンマーなる添加剤の名を目にするようになりました。当然昔からの添加剤オタクの私は調べ、使ってみました。感想は「??」よくわからない。

効果を「体感」で評価することは不可能で、アルミテープとかアーシングとかSEVみたいな宗教の話になってしまう(ちなすべての宗教は洗脳装置です Byゴータマ・シッダルタ)。

いやしくも技術者を生業としている私は、性能は「規格」にのっとって「測定」して「数値」で表現するのが最も正確な評価方法だと考えます。特に機械装置に用いる油脂類の性質はASTM手法とかNLGIなどの規格で測定・評価方法が定まっています。

私は今グリースについていろいろ調べているので、グリスの話に絞りましょう。ベルハンマーグリス2について定量的な性能を調べると、極圧性を表すシェル4球試験と摩耗試験の結果が見つかりました。潤滑には様々な状況があるけれど極圧性とは金属同士が高い圧力で押し付けられ、グリスでは潤滑が油膜ではなく極圧添加剤の作る膜が主に潤滑を担う過酷な状況を言います。この性能を測るにはいろいろなやり方がありますが、グリスでよく用いられるのは「シェル高速四球耐摩耗試験」というもの。



この試験は4つの鋼球をグリスの中で力をかけ続ながら摺動させ、焼き付く寸前の力を測るもので数値が大きいほど性能が良いとされます。ベルハンマーグリス2のシェル高速四球耐摩耗試験WLでの結果は2452N(ニュートン:力)。

一方、広く一般的に使われている極圧性を備えたリチウムグリース(ホームセンターで500円くらいで売られているアレ)相当のエピノックグリスAP(N)2だと、この数値は3090Nでベルハンマーより優秀。同じくホムセンで売っているモリブデングリス同等の、モリノックグリースAPでは3923N。

私が使用しているチキソグリースでは7350N以上です。正確には改良版のウルトラスーパーチキソグリースを愛用しているのでもっといいと思いますが、測定限界で測れないとのこと。

潤滑は極圧性能だけで決まるものではないものの、安価なホムセングリスよりも極圧性が低いというのはどうかと思います。価格は数倍するのです。例えばホイールベアリングなどに用いられる軸受けに充填される場合、極圧性は重要です。

次に耐摩耗性能ですが、ASTM D2266で規定され、四球試験のときにできる傷の大きさ。当然小さい方がよい。

ベルハンマーグリース #2  0.41
idemitsu エポネックスIM  0.40 (一般的なリチウム極圧グリース)
チキソグリース #2     0.30

Youtube「カーネルヨンダース」さんの動画のなかに、ベルハンマーグリスをサーキットでテストしたものがあるのですが、むしろパフォーマンスが若干落ちていることがわかります。

これはさもありなんと思います。日本製のベアリングに用いられるグリースは非常に高性能なエステル系などの基油+高性能な添加剤が使われて日本製ベアリングの高い信頼性を支えています(例えばマルテンプSRL)。そこらの安いグリースが入ってる訳じゃないのです。

気になったのがカーネルさんの動画にあるように油分が分離している様子が見て取れること、またカタログデータの稠度(柔らかさの程度)データの値が柔らかすぎるように思う。#2稠度を謳う割に柔らかさは325という数値で、これは稠度の規格でいうと本来なら#1。

以下は私の妄想。以下はベルハンマーグリスの話じゃないです。
大手メーカの作る極圧性のあるリチウムグリスに、油状の減摩剤(有機モリブデンとかZnDTPとか)を混ぜたものを作る。ベースがしっかりしているから致命的なクレームは来ない。でも混ぜてるだけでベースから調合してる訳じゃないから稠度が下がるし、油分離も悪化しちゃう。稠度が低ければ粘度が低いことに近く、低荷重状態での見かけの粘度が下がって抵抗が減り性能がいいように「見える」。

私の意見としては一般的な軽い極圧リチウムグリス相当の性能であって特に尖った特性はないがおそらく致命的な欠点もない。ただ価格は高いので同じ金額を出して協同油脂とか日本グリースとか出光やENEOSの高レベルのグリス(たとえばマルテンプシリーズなど)をモノタロウやAmazonで買った方がよいのではないか、ということで冒頭の見解に帰着してしまいました。偏愛趣味者はチキソグリースをどうぞ。
以上妄想終わり。

売り方はうまいと思わせる。ガチ性能のGRPの真逆の戦法で、実戦で性能が劣れば即クレームか取引停止のBtoBのシビアな世界ではなく曖昧なコンシューマを相手にする(GRPは工業用途しかほぼ相手にしてない)。インフルエンサーに製品を渡し、Positive評価をしてもらう、ホムセンに売り込み棚を確保して目につかせる、など。今どきの売り方というかTEMUなんかと同じですね。

この売り方には既視感があります。ちょっと前までサビ転換塗料について調べていたんだけどサビ〇〇ーoooとそっくり。OEM元は歴史と技術のある塗料メーカ。BtoCに力を入れてやっぱりサビ取り系Youtuberに無償提供して売り込んでる。よく調べてみてください、同じ性能のものが2/3の値でひっそりと売られてますよ。
Posted at 2025/03/07 13:39:54 | コメント(1) | トラックバック(0) | 整備 | 趣味
2025年01月01日 イイね!

これからのオートバイに望むこと

これからのオートバイに望むこと2025年をなんとか迎えられました。また一つ年をとり健康寿命が短くなるわけですが、身体もケアしながらなんとかDucatiを楽しんでいこうと考えております。

さて、昨年試乗したオートバイや、試乗が動画等で提供されているオートバイのインプレを見ると、気になる傾向がある。それは「乗りやすい」と言うこと。果たしてオートバイは乗りやすい方向に進化してゆくべきなのか?!

乗りやすさ、とは何だろう。むろん様々な技術要素の着地点の総合でこの言葉が生まれるのではあるが、私は以下の点が大きいのではないかと考える。主にエンジン特性だ。

①エンジン1回転の特性にトルク脈動がなく、スロットルを開けただけスムースに出力が出てくること。
②振動が極力抑えられていること。
③エンジンの低回転から高回転まで1つのギアでの守備範囲が広いこと。
④操舵や体重移動に対する車体の反応がリニアで予測をしやすい。
⑤ブレーキの絶対的な制動力と制御性が良いこと。
⑥操作が簡単で、面倒がないこと。

我が国では未だに直列4気筒(IL4)信者のような人がいる。好みにケチをつける気はないが自分は1気筒当たりの容量が大きければ大きいほど面白いという考えなので例えば250ccのIL4なんかはふけ上りのかったるさやアクセル小開度時のギクシャクの大きさが許容できない。さらに大型クラスになると今度はクランクマスも大きくバンクがドッコラショとなる。ただIL4は一般的に乗りやすいと言われる。それはそうだ、気筒容積が小さいので1燃焼での発生トルクが小さいうえにフライホイールマスが大きいのでトルク変動はさらに小さくなり御しやすく感じる。1次振動もない。ただ巨大な2次振動はバランサーで抑えるしかないし、スロットル開閉でのフリクションによるギクシャク感は消し難い。
正直言うと私はIL4には飽きてしまった。

話がのっけから逸脱した。振動などのことだ、私が言いたいのは。

たとえばGSX-8Rのエンジンは新開発のパラ2で、スズキとしては廉価版エントリースポーツと言う位置づけ。上位にはIL4のモデルを持つからだ。これ、270°クランクの設計ながら"新開発"バランサーにより実用域での振動がほとんどないそうだ。また、カワサキの650ccも振動が同じく小さい。これは実際に試乗したのでその通りだ。またW800はあのスタイルから想像もつかないが、異様と表現してよいほどにスムーズかつ振動がない。これらオートバイ、皆さん乗りやすい乗りやすいとおっしゃる。

私が気になるのは、この低振動・無振動・ウルトラスムーズなオートバイが果たして良いものなのか?ということ。この特性はもうお気づきの方もいるかもしれないが電気モーターを使えば完璧に実現できる。サウンド?はマツダ車みたいにスピーカーから出せばよい(笑)。

しかし、それでは内燃機関を操る楽しみというもっとも根源的なものを置き去りにしてしまうことにならないか。本来内燃機関は乱暴で非線形でうるさくて振動もひどいもの。だが大昔から我々の先輩はこのエンジンを掌中とし御していくことに喜びを感じていたのだ。だから実用車以外の多種多様な自動車・2輪車が世に出てきた。

モビリティの実用面だけ考えれば4輪車にかなうわけがなく、2輪車市場は急速かつ明確にある程度のオトナが趣味嗜好で購入する楽しみの道具になっている。趣味のものなんだから少しハゴタエがあるモデルのほうが面白いんじゃないか?低速でギアが合わずエンジンが文句を言うならシフトダウンして正確に車速に合わせるよう操ればいいし振動で手がしびれれば休息をとって景色を眺めればよい。クラッチ操作に疲れても同じことだ、第一ツーリングなんて走る合間の休息が目的になっているようなものだ。

趣味の道具は面倒くさい方が絶対的にいい。プリウスは趣味車足り得ないが、MTの軽トラはそれなりの楽しみがある。あんがい軽トラは味わい深い。

だからメーカーのマーケッターたちよ、ライダーから楽しみを奪わないでほしいのだ。スムースなエンジン、超低速から引っ張っても何も文句を言わない特性、勝手に変速するミッション、何の振動もなく音でごまかす偽の鼓動感、こういったものはユーザフレンドリーと言いつつその実内燃機関を操るという根源的な楽しみをライダーから奪い、バイク文化を蝕みいつか破壊してしまう危険なものだとさえ思うのだ。

ヤマハのMT09に試乗した時、その音と振動に好感を持った。ざらざらとした振動を残し、吠えるが決してうるさくない吸気音の作りこみなど、さすが楽器会社をDNAに持つ組織が作ったものだ、と感じた。MT09はスタイルが好きではないが、XSRは購入したいモデルだ。
一方トライアンフ765の試乗では、エンジンへの感慨は何もなかった。爆発間隔なども違うが、こうも差が出るものかと思った。

(私は楽器の方のYに十数年勤務したがあそこの企業文化は独特。一言でいうと「脳筋が浮く職場」。半分趣味で楽しみながら自分の好きなものを緻密に作りこんでいくことが好きな連中が多い。2輪のYも話は聞いていたがやはり似た文化)

ドゥカティのテスタストレッタ系のエンジンも実に面白い。なかなかいうことを聞かないが、きちっと操れた時の楽しさは格別。弾けるようなエンジンだ。

逆に、もっともっと「感性・官能」に訴えかけるオートバイづくりはできないものだろうか。奇抜だったりメッキピカピカなどの見た目の美しさも結構だが、振動や癖までもを作りこんだらそれはきっと熱狂的なファンがつくと思うのだがどうだろうか。逆にそれができないメーカーは早晩死に絶えるように思う。むろんそれだけではダメなのがHDを見ても悩ましいところではあるが。
Posted at 2025/01/03 14:21:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | オートバイ | クルマ
2024年12月27日 イイね!

代車

代車ちょっと車を調整する機会があり、ディーラーに預けた際に代車としておそらく最新型のアクアをお借りした。以前もコガネムシみたいな色のアクアを借りたが、おそらく今回の方がグレード上だと思う。

私は先代アクアのデザイン、特にあのカリアゲみたいなテールゲートのラインと意味不明なリアコンビランプのデザインが醜悪に感じそれだけでこの車はないなと感じていたが、FMCされてあのいやらしさは少し減った。それでも吊り上がった目のようなブレーキランプはフリードと並びやはり好きになれないが。(フリードはさらに荒っぽいPWM制御の照度コントロールのせいでゴーストが生じてきわめて醜い)

ただし乗ってみると、優秀なコンパクトカーだなあというポジティブな印象。とにかく違和感が全くない。カロツーHVで感じられるTHS2の完成度の高さのまま、小さく軽くなった印象で、加速も減速も変な段付き感やディレイのようなものがなくナチュラルで人間の感性に合う。

ハンドリングもこの手の車にしては比較的タイトな作りになっており、ダンパーが若干緩いかなとは感じるがそれでも節度のあるものでハンドル操作から回頭を始めるまでの過渡特性は比較的クイックでソリッドより。ZC31Sからの劣化に衝撃を受けたZC33Sなどのグニャグニャボディとは一線を画すTNGAのしっかり感に終始する。

唯一嫌だなと感じたのがプリウス型のシフトノブ。あれは従来型のシフトを使っていた身からすると混乱しやすい。ヤリスのように従来型がよかった。ここはユーザへの不便の押し付けであると感じる。

細かいところではエンジン音が若干ざらついていたりタイヤのグリップとダンピングがもう少しあればなぁとか椅子表皮が今一つとか細かいところにコストダウンは感じられるものの、走りの組み立てに無理のある部分や変な演出、デザイン優先のユーザへの不便の押し付け(マツダに顕著)のようなものもあまりなく、日常の足としてはとても質の高い乗り物だと感じた。

走る止まる曲がる見るがナチュラルにできていると運転時に余計な思考力を使わずに済むので安全だし疲れない。

軽のハイトワゴンが全盛だが、あれはそう運転しやすいものではない。サスペンションやタイヤがプアーな割に重く重心も高いので操舵のたびにふらつきが出るし横風にも弱い。ブレーキング時のノーズダイブも大きいので視線を動かされる。エンジンは回転数で出力を稼ぎをCVTで大きく減速してトルクとしているためふけ上がるまでに時間がかかる。これは大きく加速するときのみならず細かな速度制御時にも起き、大きな出力タイムラグとなって現れる。椅子はホールド感の全くないベンチなのでG入力があるたびに身体が揺すられる。視線や三半規管の揺れは認識誤差を増大させる。

人間はラグや揺れを学習し慣れてしまうが、ラグを予測し先取り操作するか、ラグに任せて緩慢な運転になるかする。前者は脳の処理能力を使うので疲れるし後者はそういうダラーっとした運転手が公道上にあふれ、こういう運転手は積極的に操作をしない空走時間が長いので危険。

同じようなネガは今はやりのSUVとか高級wミニバンにもある。これらは総じて視線を移動させられる機会がおおく重く長いので挙動の時定数が大きい。

アクアはセダンを切り詰めたような昔ながらのコンパクトカーだが低く座り視線の揺れが少ないというその昔ながらの良さを基盤として持ち、さらにしっかり考えぬかれたナチュラルな特性を持つ。価格は比較的安く装備は特に不満を感じることもない。特に女性ドライバーや若い方、お年寄にも積極的に勧められる、よいベーシックカーであると思う、シフトパターンさえ問題なければ。
Posted at 2024/12/27 07:45:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | くるま諸々 | 日記

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「おお、禁酒ですか!素晴らしい。すごくいい世界が開けますよ!」
何シテル?   10/11 04:00
無言フォロー歓迎です(自分もしちゃいますが)。 家族入れて六人猫一名。写真はうちのねこ。保護猫です。 高貴な元野良猫のご主人様の食い扶持を稼ぐため額に汗...

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