
私が何故ポルシェの開発の一員になれたかと言うと当時ドイツにもアメリカにもアルミビーダーは殆んどいない状態だったからなのです。
さてこのボクスターのプロトタイプを作るに当たって提示されたデザインスケッチ以外は例の涙目のヘッドライトだけでしたが私はこのヘッドライトが好きでなかったのです。
エクステリアデザイナーがこのユニット化したヘッドライトは将来のポルシェデザインの軸になると先走りして作ったものだったのです。
更にこのボクスターのデザインは当時別の部門で進められていた996プロジェクト(次期911)と多くの点で共有する事とのお達しが出て986プロジェクトの連中はがっかりしたものでした。
事実フロントクリップ(ドアから前の部分は寸分違わずに次期911に取り入れられたものでした、勿論涙目のヘッドライトも・・・・・・・。
ところでこれは初めてこのブログを見ている人達だけが知る事になりますがこのプロトを作っている時から現在の718の様にフラット4を積む構想があったのですよ。
さて、プロダクションモデルの試作を勧める中でプロトに見られたお遊びなどもどんどん削られていく中で私が最後まで死守したものにリヤの一本出しエキゾーストが有ったのです。
上の方の人も最後には折れてOKを出してくれたのです。
出来上がったエキゾーストは奇妙なデザインで私はPIG NOSE(豚鼻)とニックネームを付けましたよ。
この様に一つの車を開発するのには実に多くの人が知恵を出し合うのですが中には如何しようも無いモノもあるのですよね。
鳴り物入りで登場した例の涙目ヘッドライトも6代目の911にはポルシェらしい楕円形のモノになりましたよね。
更にデザインの問題だけでなく省力化や特に最大のマーケットであるアメリカで4万ドルを切る価格で売り出すと言ったプレッシャーは大きかったですね(汗)。
Posted at 2016/09/25 13:10:47 | |
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