
我が家の缶詰置き場には日本で買って来た鯨の大和煮や好物の鯖の水煮、そして宮津の先生から頂いたオイルサーデン等が詰まっています。
懐かしい日本の味を遠く離れたアメリカで手軽に楽しめるこんな缶詰は本当に有難いですね。
ところで今日の缶詰は余り楽しくない缶詰の話しです。
昔日本の出版社に一生懸命寄稿をしていた頃は日本に帰ればお世話になっている出版社に顔出しをしておかなければならないのですよね。
「先生いつお帰りですか、ちょうど良かった、ちょっと原稿用紙60枚分書いていってください」。
この先生と言う言葉とちょっとと言う言葉で仕方が無いなあと思うとどさっと100枚綴りの原稿用紙を渡されるのです・・・・・当時はPC何か無くて原稿用紙の升目を埋めて行くのですよね。
元々早書きの私にとってはこれ位の原稿を書き上げるのは左程苦痛ではないのですが各社からちょっと書いていってよと言われるとその数も多くなり何の為に日本に帰って来たのやら・・・・(汗)。
そして担当編集者が私が泊っているホテルに夜討ち朝駆けが始まるのです。
他社の仕事をしているとそれこそ目くじらを立てて (ところでこの目くじらってどんな鯨なのかと思って調べてけれど分かりませんでした) 怒るのですよね。
ここで缶詰と言う事になるのですが一度だけ神田の出版社が山の上ホテルを3日間取りましたからゆっくり当社だけの原稿に取り組んで下さいと言われました。
山の上ホテルは池波正太郎など有名な作家達が缶詰になった所と言うので大作家先生達と同じ缶詰を経験するのも良いと思って潔く缶詰にしてもらいましたが・・・・・・。

大先生達も缶詰と言うと特別の部屋なのですよね。
これは山の上ホテルのWEBから取った写真なのですがこんなに広くないですよ。

何と言っても狭い! 勿論女を連れ込む何て事は出来ない独房みたいなものなのですよ。
しかもこの独房群はフロントから曲がりくねった廊下をくねくねと歩いて行くので自分の部屋が何処にあるか分からなくなってしまうのです。
スーツケースなどを置いてあると自然に小さな机の前に座る様になってしまうのですよね。
この貧相な机だけは本物ですよ(苦)。

このホテルはその名の如く山の上にあるので抜け出して外に出て行っても帰りはエッコラエッコラときつい坂を登って来なければならないのですよね。
只でさえ酒が好きで不養生な大先生達にはきつい坂で二度と抜け出さなかっただろうなあと納得しました。
しかし良い経験をさせてもらいましたね(笑)。
Posted at 2015/12/17 13:35:10 | |
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