恥ずかしい話し、今の時代パーキングブレーキを
ギギギと手で引いたり、足でペダルを
ギギギと踏み込んだりしないのだと言うことを知らなかった。
その名もAUDIエレクトロパーキングブレーキ(EPB)といい下の写真Aのスイッチを人差し指で引けばブレーキONで押せば解除となる。
足がつってブレーキが踏めないとか、缶ジュースの缶が足下に転がってブレーキペダルに噛み込んで、
「ブレーキが踏めない!!!」
という緊急時にも、走行中このスイッチを引き続ければフル制動でブレーキを掛けてくれるらしい。
個人的には怖くて試してないが・・・・
まあ普通なら大事故になる様な事態でも車を止めることは出来るし、これは同乗者も是非知っておいて欲しい機能だが、例えば運転者が急性脳梗塞で意識を失ったとかの場合、助手席からハンドルを持ってこのスイッチを引き続ければとりあえず車を止めることが可能だ、多分高速でも車の運転に慣れている人ならば助手席からでもハンドル操舵は可能だが、普通助手席からブレーキは踏めないがこのEPBなら操作できるので、これを知ったときは非常に感動した。
もっともマニュアルには緊急時助手席からも操作できるとは書いてないが、書くべきだと思うし、オーナーは奥さんとかに教えておくべき機能だとも思う。
しかし、走行中EPBがONした場合エマージェンシーが自動点灯するのかは確かめてないし、マニュアルにも書かれてないようなので、「あ~助かった」と思った瞬間後方から追突されない保証は無い。
首都圏の高速で緊急停止すればタダでは済まないのも当然なので、ハンドル操作しながら路肩に寄せるテクニックは要るだろう。(首都高の場合どーするのかとの突っ込みは無しと言うことで)
パニック時にそこまで出来るかは 神のみぞしる か
それと喧嘩している奥さんとか彼女に、報復措置として使われない注意は必要かと。
もっとも、今では自動でハンドル回したりブレーキ掛けてくれる車の方が普通らしいので、お金があればそれを選択するのがベストだろう。
で、もっと便利なのがホールドアシストという機能
先ほどのAのスイッチの下のボタンを押しておくと、車が停止すれば自動でパーキングブレーキを掛けてくれる。
解除は必要ない。 普通にアクセルONにして走り出せば自動的に解除される。
まあ、人間が操作するよりギクシャク感はあるが都市部のスタートストップが多い場所では非常に便利なギミックだ。
ホールドアシストがONになってブレーキが効いているかはインパネ内に緑のPマークが表示されるので、運転者はこれをみてブレーキから足を離せばよい。
ところが・・・・
私の車は緑のPマークが点灯してから瞬時にブレーキペダルを離すと、ジリジリジリと前進するのだ。
焦ってブレーキを踏もうとすると、それよりも早くS4君は
しまった うううう 動いてる
と、強力な制動力でブレーキをガツーンと掛けてくれるのである。
衝撃と言うほどでは無いが、非常に不快な動作音とショックである。
回避策は緑のPマークが出て1秒程度待ってブレーキを離せば良いのだが、
「じゃ、なんの為のインジケータなのよ!」 との疑問は当然である。
この車は1年走行無制限の保証が付いているので、早速ディーラーへ
点検の結果は
システムからのエラーが何も出てませんので問題ありません!
とのこと
問題があるから見てくれと頼んでるのではないか?
その後、別件でドアロックのハンドルのタッチスイッチの感度不良でも同じ事を言われたりで理解したが、システムログにエラーが無ければ正常との判断が前提らしいし、それ以上の突っ込みをしようと思ったら相当な覚悟が必要になる。
AUDI等の外車は整備マニュアルを見るのが大変だ
一体EPBの仕組みはどうなってるのかとモンモンとしているとAUDIやVWは電子版の整備マニュアルが出ていることを知った。
ELSA-Winと言う名称でどこぞのオークションなどを調べればすぐに見つかる。
値段も安い。
買うしかないと思い購入したが、買って
ビックリ
こりゃ正規板の横流しじゃないのというしろもの
正規板はネット接続で最新のリーコール情報や故障事例等も見れるらしいが、当然そこは使えない。街のショップでAUDIやVWの修理をやってるところは当然持っているらしく、なかば暗黙の了解なのだろうと言うことで話を進める(AUDIさん捕まえないでください・・・)
ざーーーと見ればエンジンの載せ降ろしからミッションのバラシ方までディーラーレベルで行う重整備まで事細かに書いてあり、メカ好きなら見てるだけでも楽しい。
で肝心のホールドアシストの構造だが下図のようなもの。後輪両方に付いている。
当然だが問題があれば2のアクチュエータ交換なので、内部構造は分からない。
ネットを色々調べたが、BMのものみたいだが下記が一番似てるのだろう
写真で2の数字が引き出されている部分がモーターで、その先が減速機(多分スパーギアの単純な減速)でキャリパーに接する部分がボールネジか台形ネジで回転運動を直線運動に変換しているのだと思う。
どうやらキャリパーを裏から直接押してるようなので、押された際の油圧減圧分をどう処理しているのかは疑問。
と、ここまで分かって逆に分からなくなったのは、このアクチュエータで止めてるだけなのか? という疑問
というのは間違ってEPBをつまり正規のパーキングブレーキを掛けて、ギアを入れたままアクセルを踏んだことがあるのだが、S4の強力なトルクを全身で受け止め微動だにしなかったのである。
ま、パーキングブレーキなので当然だが、昔ながらのメカニカルなパーキングブレーキなら車の発進を完全に止めきることは出来ないので、後であれは何だったのかとの疑問になった。
考えればEPBはブレーキ系の油圧を制御しているのだろうと言う推測。
多分ABSユニットを操作してるかと。
ホールドアシストのあの柔なアクチュエータで止めているとはとても思えない。
では何のためにこのカワイイアクチュエータが必要なのかと考えれば・・・
別にブレーキ油圧系を使えばいいし、その方が単純だしコストダウン出来るのに
と悩んだが
一番それらしい理由は、エンジンがOFF時にはブレーキ系の油圧も低いので、その状態でも確実に掛けられるブレーキとして独立したアクチュエータを持たせたと考えるのが妥当だろう。
2番目には、多分操作の自由度を上げるためなのかと、詳しくは分からないがABSの操作系はONかOFFのデジタル的な制御、油圧をスプールバルブでON/OFFしてるだろうからそうとしかならない。
にしても、車両が停止してからホールドなので、別にそれでも構わないと思うのだが、問題は発進時である。
Elsa-Winを見るとEPBのECUは駆動輪の軸トルクを見てブレーキを解除しているような書き方をしており、トルクを検出してブレーキをガンっと離すとショックが出るから、より微妙な制御が出来るアクチュエーターで制御しようと。
あの構造のアクチュエータならモータへの印可電流で制動力を制御することが出来るし・・・
さすがドイツ人 日本人並みに細やかな心遣いと 感心してはいけない!
ホールドアシストのブレーキ解除は結構ショックがあるのである。
同乗者が居るときには使いにくい。
「こいつ運転へたやな」 と思われる可能性大である。
で、問題のホールドアシストだが、どうしたかというと、原因が分からない部分でアクチュエータの動作不良が一番疑われるのが現状であり、交換してみて欲しいと要望したところ、あっさり交換となった。
で、良くなったか?
結論は気持ち改善で症状はやはり出る。
あの緑Pのインジケータね、点灯まで後1秒ディレイを入れられない?
そういう要望が実現するはずもないが、それで解決する問題ではあった。
ECUのプログラムの1変数を書き換えるだけの話だが・・・
ある意味ディーラーも可愛そうである。
本当の心臓部にはアクセスできないし、整備マニュアルを見ても動作の基本原理や構造の説明はどこにも書いてない。
そう言う意味でブラックボックス化した最近の車はやっかいであり不便なものだと思った次第。
便利の反対語が不便なのは言葉だけにして欲しい・・・
同じ症状で悩んでいる方がおられたら、コメントお願いします。