新婚家庭とかによくある光景なんだろうけどさ、旦那さまがつらい一日を終えてクタクタで家に帰ってきて、「ただいまあ。今日ご飯なに?」って言ったときにさ。
玄関まで勢いよくザーッと廊下すべって来たミクちゃんがさ、
「おかえりー!・・・今日はあ、うふふ、
野菜ゴロゴロ森のキノコたちのおしゃべりハンバーグでござるよっ」
・・・
もうどっと疲れるよね。
わかるわかる。
こういう女の子ってほんとに疲れるな。
どうにかならんのかな。友だちになりたくないな。
さて、今日はわたしはお休みで、思いつきで、ちょっと変わった朝食をつくってみた。
え?何をつくったかって?
いや、まあメニューの名前とかどうでもいいんだけどさ。
でもまあ書かなきゃわからないか。
「りさ姫特製!気分もウキウキ!わがままハートのパリふわフレンチトースト」だよ。
え?いや、これ以上は簡単にならん。どう考えても。
この
「りさ姫特製!気分もウキウキ!わがままハートのパリふわフレンチトースト」は、まずフライパンでフレンチトーストを焼く。
それをいったん引き上げて、改めてフライパンにバターを入れて溶かしたところに砂糖を入れる。
煮詰まって焦げちゃう前にフレンチトーストをフライパンに戻して、フレンチトーストでフライパンのシュガーバターを拭き取るような感じでぐりぐりする。
そうしてお皿に移して1分くらい冷ますと、表面のシュガーバターがカリカリパリパリになってくる。
もちろんフレンチトースト自体はふんわりしっとり。
どお?手が込んでるわりに
「りさ姫特製!気分もウキウキ!わがままハートのパリふわフレンチトースト」なんてじつにシンプルなネーミングにまとまってるでしょ。
初めてつくってみたけどこれはおいしい。
外がザクザクしてて中が柔らかい食感って大好き。
朝食っていうより、これにアイスクリームのせたらもうスイーツだ。
夕食はどうしようかなあ、あんまり食欲がない。
それで久しぶりに串カツをつくってみることにした。
その名も・・てゆーか串カツは串カツでしょ。
何言ってんだよ。
でも串カツといっても串は刺してないので、
「りさ姫特製!串なしの白い花 おまえのような花だった串カツ」。まあ強いて言えばだよ。
ウインナーの下にあるのはちくわの穴にチーズを詰め込んだもの。
このちくわは、
「りさ姫特製!ただのちくわじゃございません この世は老いも若きも穴の空いたちくわばかり そんなちくわの穴をチーズでおうめいたします いいええお金は一銭もいただきません お客様がイイねをくれたらそれが何よりの報酬でございます オーホッホちくわ」っていうけど。
ちょっと長いか。
「CX-5 エクスクルーシブモード」くらいに長いな。
そして串カツといえばキャベツ。
以前はソースもつくってたけど、今は
「ダイコク なにわ名物 串かつソース」。
このキャベツだけでもさ、わたしはお酒飲めないのでピルクルだけど、冷たいビールにいい気がするのだよ。
わたしってさあ、もういつでもお嫁に行けるよな。
「ただいまー あー疲れたあ りさちゃん、今日のご飯なに?」
ああ、言いたい!言いたい!!言いたい!!!
やっぱり言いたい!どーしても!!
森のきのこのにぎやかハンバーグ」って!
サーっと廊下を滑って最後はトリプルアクセルで!
わたしは若い頃の結婚はするべきではないと思ってきた。
現代の20代なんかお金もないし、男も女もただの子どもである。
しかし最近、やっぱり結婚は若いときにするべきかもと思う。
ある程度年齢を重ねると男も女もそこそこお金を持っている。
そうではなくて、夫婦のスタートは貧乏で始まるべきだと思うようになった。
ZEHの家で冬でも20℃が保たれてるのに「寒い」とエアコンをつけ、ベッドで互いの体が触れ合うと「ちょっと暑いから!」と離れるパワーカップルよりも、外気温とそう変わらないアパートで電気代を節約し、たった1枚の毛布にくるまって、手のひらで互いの顔を包み込み、その冷たさに「凍ってる?」と笑い合う夫婦が好きだ。
わたしは寒い地方が好きで、北海道、信州、北陸に好んで行く。
北海道も札幌から富良野へ向かう列車の窓には大きな三角屋根の住宅ばかりだ。
「屋上ガーデンって素敵ね」なんていうふざけた夫婦を北海道の自然は許さないのだ。
旅先では夜中まで1人で歩き回るんだけど、寒い地方はナンパもとても礼儀正しかった。
東京みたいに「あれ?前会ったことあるよね?」なんていう知能指数の低いナンパではない。
すすきのの若い男性は「東京からいらっしゃったんですか?よろしければ札幌の街を案内させてください。いいええお金は一銭もいただきません。あなたが喜んでくれたらそれが何よりの報酬でございます。おーほっほ」という礼儀正しいナンパだったので、わたしも歩道できちんと正座して「ふつつかではございますがどうぞよろしくお願いします」と言ったのだ。
名古屋の栄では一言「あ?」って言っただけのわたしがだよ!
寒い地域の人は礼儀正しい。
それは自然の厳しさが、せめて人と人が助け合い、つながり合うことの温もりや幸せを教えるからだろう。
同じように物質的に恵まれていると、不満ばかりが出てくる。
もっとこうしたい、こうなればいいのに、と。
お金のない2人はお休みの日もどこにも行けない。
手をつないで、お弁当を持って、近くの公園に行くのが精一杯だ。
途中に大きな家があっても見向きもしない。
「この家は坪単価150万円くらいかなあ」なんて思わない。
2DKのアパートに引っ越すのが夢な2人なのだ。
こういう2人を包む毛布は、薄っぺらいけど、その中に2人の世界をつくる。
ミサイルが飛んできて、隣の耐震等級3の長期優良住宅が粉々になっても、その薄い毛布は2人を守るだろう。
若いとき家もなく車もなく、タクシーに乗るお金もない生活の中で微笑みを忘れなかった二人だから、その先の幸せが約束される。
「結婚したんだから家でも建てたらどうだ。1000万円なら贈与も特例があるから援助してやる」・・・こんな親が子どもを骨抜きにする。
もしもハンバーグに、塩や胡椒や七味をパラパラかけて、そのぶつかり合いを「おしゃべりハンバーグ」と称した精一杯考えたおしゃれメニューだったとしたら、わたしはこの夫婦を抱きしめたい。
Posted at 2025/08/01 19:56:35 | |
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