2022年08月01日
生まれ来る子どもたちのために
わたしは支持政党もないどころか、政治にも経済にも疎い。
それでも今回の参院選については関心が強かった。
憲法改正、核の共有を始めとする軍備、経済の問題もあるけど、今回は消費税についての議論が野党から投げかけられた。
もっとも強く発言してたのはれいわ新選組の「消費税の廃止」。
「れいわ」のロジックは「消費税は社会保障には使われず法人税の穴埋めに使われている。法人税を本来の姿に戻せば消費税は要らなくなる」というようなもの。
これに対して自民党は「でたらめを言うな。消費税法を知らないのか」と反論し、消費税を引き下げるとか、まして撤廃なんかしないと自民も公明も選挙前に明言した。
ここだけを切り取って語るなら、わたしは「れいわ」のほうが正しいと思ってる。
自民党が言う「消費税法を知らないのか」というのは同法第1条第2項の「制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てる」としていることを指しているんだろうけど、ところが消費税は目的税と見せかけながら一般財源に組み込まれている。
社会保障に充てるとしながらも、何に使ったか検証できない仕組みになっているのだ。
3パーセントから5パーセント、8パーセントと上がるとき、テレビはバカの一つ覚えみたいに、「消費税がどう使われるのか国民はより厳しく監視する必要がありますね」と言ってきたが、一般財源の使途を一体どうやったら国民が監視できるんだろう。
しかし。
ここまでは「れいわ」が正しいのだけど。
たしかにわたしも不思議に思うからね。
だって法人税は下がり、社会福祉の支出も下がり、上がってるのは消費税だけというのは事実なんだ。
でもね。
法人税と消費税がワンセットなのだとすれば、撤廃はほんとに国民にとってメリットだろうか。
消費税がなくなると家計は楽になる。
引き換えに法人税が上がれば会社はたいへんになるけど、それはざまーみろという痛快感も労働者としてあるのはあるけど、会社の支出が増えると経営が厳しくなり、それは社員の給与や雇用に直接響く。
非正規雇用の人たちってどうなる?
おそらく自民党は、ほんとに消費税を法人税の穴埋めにしてきた証拠が出てきたとしてもたじろがないんだろう。
今後しばらく日本の社会保障は民間の会社で支えられていくんだ。
年金の支給開始は70歳からで15万円ということになったら、65歳からの5年間どうすればいいのか。
65歳定年が定着して年300万円の生活としても、ここの5年で1500万円が消える。
老後2000万円足らないといってきたけど、それが3500万円になる。
そもそも1500万円の貯蓄がない人もいて、生活保護に走るが、そこにもお金はない。
だとしたらなんとか定年を70歳まで引き伸ばしたい。
そこには企業の理解を得なければならない。
また、物価が上昇し、円安が拍車をかけている。
ここんとこ嘘のように円高になってるけれど、つい先週は140円(たしかいったよね?)。もちろん再び円安に転じるだろう。
けれども、消費税が10パーセントで、物価が上がっても、それを上回る勢いで賃金が上がるならよいではないか。
よいではないかっていうより、そこでのインフレこそ「好景気」というんだ。
それを呼び込むためには、ここでも企業に賃金を引き上げる努力をしてもらわなければならない。
そのための法人税引き下げであるなら、その原資に消費税が使われてもそれは間接的にではあるけれど社会保障のためだったとは言えるし、同時に全労働者のためでもあり、さらには好景気に転じる可能性まである。
そう考えると自民党は正しいかもしれない。
でも、、、そうはなってない。
ブルジョワジーはプロレタリアートに法人税の減税分をリターンしなかった。
だから内部留保が過去最高になっている。
risaSpecもそっち側なんじゃないのかという声が聞こえてきそうだけど、わたしの仕事ってはっきりとみんカラでが言ってなくて、確かに代表者ではあるけれどうちの組織はもともと内部留保を許されていない。(鋭い人にはだいたいわかっちゃうかもだけど)
利益は予算であらかじめ決まっていて、それ以上の利益については手離さなきゃいけない。そういう法律なんだ。
そのかわり、そもそも、、あ、まあいいか。このへんにしとく^^;
まあだからわたしは組織の代表ではあるけど、この辺の話には関係ないんだよ。
業績が良くてもわたしのお給料が上がるわけでもない。
ここが自民党の失敗だった。
そんなに日本人はもう善良で公平なんかではなくなったんだ。
そしてもうひとつ自民党のシナリオがほんとにそうなら、ベーシックインカムで社会保障に期待してるとこがあるだろう。
だからお金持ちには今はご機嫌取とらなきゃいけない。
ベーシックインカムは実現するかもしれない。
みんなも喜ぶ。
しかしこれと引き換えに格差はくっきりとなって、新たな差別というのが生まれ始めるだろう。
戦後、女たちが米兵に媚を売るかのような姿だ。
わたしは法人税はいったん引き上げて、消費税も5パーセントに戻し、賃金を上げた企業にだけ法人税を優遇するという措置をとれないのかなと思う。
法人税なんて別に一律じゃなくてもいいでしょ。
10年前からから公益法人とかって優遇受けてるんだし。
日本経済はもうだめかもしれない。
円安だったら、輸出関係はよくなるはずで、家電とか自動車産業なんかは儲かるはずだが、もう既に海外での生産に切り替えちゃってる。
もうウォークマンとか液晶とかに変わるものもない。
少子高齢化は、今、少子といわれる人たちが歳をとったら高齢者の数は少ない。
だから今子どもをたくさん産んでくれたら。将来は逆転できる。
だけども、結婚どころかTDLやUSJに行くお金がないからデートもできない。
むりすると今日の晩御飯が食べられなくなる。
お給料が上がらないから。
ここで南海トラフや首都直下地震が起こったら、、もうほんとにアウトなんだ。
今の、たぶんみんカラやってる、わたしと同じ世代、そしてそのすぐ上と下の世代。。
バブルに浮かれてマハラジャで踊り、金曜日には不倫をしないとおしゃれじゃないとテレクラにダイアルを回した世代、子ども叱るときも敬語を心がけた世代。
あかんかったよなあ。
安保に反対した今の70歳は、今、ロシアと中国を前に、アメリカが守ってくれるってどの口で言ってるんだって思うよ。
そういえばその世代のアーティストにはユーミン、チューリップ、矢沢永吉、オフコースがいて、彼らだけは反戦を歌わなかったという。
ただ、オフコースの曲にひとつだけこういう歌があって、21世紀のわたしたちに今も呼びかける。
これ、わたしには憲法改正の歌に聞こえてしかたないんだよね。
そしてやっと戦争を知らないわたしたちも、今年わかったよね。
敗戦国だったことが。
多くのあやまちを ぼくもしたように
愛するこの国も戻れない もう戻れない
あの人がその度に許してきたように
ぼくはこの国の明日をまた思う
広い空よぼくらは今どこにいる
頼るもの何もない あの頃へ戻りたい
生まれ来る子どもたちのために何を語ろう
何を語ろう
君よ 愛する人を守りたまえ
大きく手を広げて
子どもたちを抱きたまえ
ひとり またひとり
友は集まるだろう
ひとり またひとり
ひとり またひとり
真っ白な帆をあげて
旅立つ船に乗り
力のつづくかぎり
ふたりでも漕いでゆく
その力を与えたまえ
勇気を与えたまえ
(生まれ来る子供たちのために・小田和正)
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Posted at
2022/08/01 03:22:35
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