今日はいよいよのカーポート施工の日でした。
Tシャツに着替えて準備運動しながら業者さんの到着を庭で待ちました。
公務員時代、建築工事で業務監督員を年間何十本もやってきてるので、ひさびさに張り切ってます。
業者さんはお2人でやってきました。
わたしから元気よく挨拶です。
「おはようございます!」
「おはようございまーす」
「それでは簡単に朝礼をしまーす!そこに並んでください」
「ええ?ちょ、朝礼とかするんすか?」
「基本を忘れず。ケガにはくれぐれも注意してください!」
「は、はあ、、」
「何かわからないことがあったら無理に続行せず直ちにわたしに報告してください」
「え?お、お客さまにですか?」
「何かご質問は」
「いや何もないっす」
「オッケー!では、始め!」
「では作業開始しますね」
「じゃあまず墨出しからやりましょうか!君、レーザー持ってきて」
「いや、そういうのこっちでやりますんで」
「できるの?!そんなに若くて」
「は?」
2人の職人さんは最初に柱の位置を決めていきます。
わたしの指導監督のもとにね。
「お客さん、これが柱の位置になります。どうすか?」
仮決めしたとこよりもう少し後退させたかったので、男の子に言いました。
「ここ、あと6セン(土木業界の言い方でセンチのこと)後退できますか?」
「それだと屋根がちょっとこっちに出ちゃいますよ」
「じゃあ5センだったら?」
すると若い男の子が「5センチとか6センチとかにそんなこだわります?」と言うので、
「君はバスト80センの女性と86センの女性だったらどっちがいい?
じゃんじゃんじゃじゃんじゃん!・・・君は付き合って10年の80センのバストをいつまでもいつまでも揉み続けますか? はっ・・ダメウーマン!新しい86セン、欲しくない?・・・だって、世界に女の数は・・・35億!じゃんじゃんじゃじゃんじゃん」
「あ!6センチは全然違いますね!わかりました!6センチ下げます!」
柱の位置が決まって、コンクリートをハツるとき業者さんたちは何もつけずに作業してました。
わたしはお庭でゴーグルとマスクをつけ、原付のヘルメットをかぶってしゃがんで、離れたところから見ていました。
いや、ただぼーっと見てたわけじゃないですよ。そんなアホじゃないですよ。
ちゃんと「もっと腰入れて!そうそう」と適切な助言を与えながらですよ。
そしてどうせこいつらはすけべなビデオばっかり観てるだろうから、「お、奥さん」なんて迫ってこないよう、ときどき空手の型の練習をする真似もする抜かりなさです。
うちの土間コンは刷毛引き仕上げですが、新たに入れたモルタル表面も刷毛引きにしてくれたのには感激でした。そこまでやってる施工は見たことないです。
わたしもその作業をやろうとしましたが、わたしが柱のとこにしゃがんだ途端「僕がやりますからやめてください」と言われました。
刷毛引き一筋60年のわたしに向かっていつからそんな偉そうな口がきけるようになったのでしょうか。
しかしわたしの元でよくぞここまで育ったものだと、わたしはむしろ嬉しい気持ちでした。
結局わたしの指導と差し入れが素晴らしかったので、昼過ぎに工事は完了しました。
「お客さん。これで工事完了です」
「うんうん。よくぞここまで成長したね」
カーポートってさ。基本、ダサいよね。
最近はおしゃれなのもあるけど、わたしは安いのにしたので、どうも昭和チックというか、実家クオリティというか、それは仕方ないと覚悟してたけど、ついに自分の家にカーポートが建つと、なんだかとても立派に見える。
なんかね。
よそのうちのカーポートと明らかに違うんだよ。うちのがダントツに美しいのよ。
なんていうかたくさん交差するフレームが、英国の旧い建物を思わせる建築美のようでうっとりしてしまう。
カーポートは、いちばん安いのから二番目のやつなんだけどね。
業者さんに、「なんかかっこいいよね」と言うと、「そ、そうすか?普通のカーポートっすけどね」と言うので、「まあ君はまだ若いから素晴らしい建築というのをあまり見たことがないからピンとこないんだね。金沢駅の東口には能楽の鼓をイメージしたガラスのドームがあるんだけど、あれにそっくりだわ。君もいつか見に行ってみるといい」と教えてあげると、「お客さんみたいな人って人生楽しいでしょうね」と言われた。
(そっくり!いちおう言っておくと下がうちのカーポートだよ!上だと思ってた?いやうそじゃないよ。ほんとに下がカーポートなんだってば!よく似てるよねえ。金沢駅は上の写真。あれ?そうだよね?わたしもどっちかわからなくなってきちゃった)
クルマ1台停めるだけなんだけど、間口は4800にして奥行きも5500に、それぞれ標準より2サイズ大きくしてもらいました。
うちって家の前の景観がとてもきれいで、そこに惚れ込んで決めた家なんですよ。
カーポートは最初につけるつもりだったけど、カーポートつけると庭やリビングからその景色がちょっと遮られちゃうので、ずっと考えた挙句つけないことにしたのです。
賃貸の頃はずっと青空駐車だったし、それでも今のクルマは電動ポリッシャーの研磨とコーティングで美しく保ててきた実績もあるし。
しかし2年前にヒョウが降ってルーフがボコボコになりました。
なぜかボンネットは無事でしたが、スクーターのシートには穴があきました。
クルマのガラスサンルーフは無事だったけどヒビが入っててもおかしくない状況でした。
それと鳥フン。
結構な頻度でクルマに落とされるので、自治体に電話をして、うちの近くの公園に、鳥にも公衆トイレを作ってあげてほしいと言ったんですが断られてしまいました。
この鳥フン被害はわたしはすごく疑問でした。
鳥が飛びながらフンをして、その下にたまたまクルマがあった、と思いますよね?
でも、毎回観察すると、周囲には落ちなくてほぼ必ず車だけに落ちるのです。
どうも鳥たちが意図的にわたしのクルマを狙ってフンを落としてるような気がして、調べたところ、やっぱりそうみたいなんですよ。
鳥は池とか沼とか水場にフンを落とそうとする習性があるそうで、クルマが濃色でキラキラと反射してると、水面だと認識してフンを落とすらしいです。
とくに、統計上、赤、黒、青のクルマは錯覚しやすく狙われるということです。
この2つのことと、新車を迎えることとでやっぱりカーポートをつけることにしたのです。
フレームは白にしました。
白ってわりと少ないんですよね。おもしろみがないからね。
お家がプロヴァンスデザインなので、アイアンをイメージして黒とも思ったんだけど、住宅街を散歩しながらいろんなカーポートを見てまわった結果、経年でもっとも古さを感じさせるカーポートが黒でした。
それとうちの窓の白いサッシとカーポートのメーカーは同じなので、白にすれば同じ色番の白なので統一感もあります。
屋根材は濃色ではなく、また太陽光の反射も鈍いクリアマットに。
家のエントランスでもあるので暗い雰囲気にしたくなかったし、黒い屋根で、しかもマットでなくツルツルだとフンの集中攻撃を受けそうです。
まさにパーフェクトな選択に満足していましたが完成から2時間でカーポートの屋根にフンを落とされました。(屋根を上から見た面はツルツルでした)