むかし、イイねランキングでいつも1位だった頃は同時にアンチも多くて、「おまえは自分を女優かなんかだとかんちがいしてんのか?」というコメントがきましたが、今お答えしましょう。
女優ではありませんが、「女優か何か」の「何か」です。
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さて、もみじ峠の白い獅子とのバトルを終えた黒い女豹はどこか近くに道の駅はないかと探しておりました。
みなさんには信じられないかもしれませんが、黒い女豹でもおちっこはしたくなるのです。
もう運転しながらガマンの限界で左足をばんばんばんばん床に打ちつけながら「あーーー」と絶叫します。
北上をつづけてきて、深夜だと、もうここがサイタマンなのかグンマーなのかもわかりませんが、わりと大きな道の駅に滑り込みました。
車を降りたわたしは、カール・ルイスよりも速く・・・たとえが古いな・・・たとえも古いし、さすがにカールルイスよりも速くは走れないしな。
でもダイハツフェローMAXよりは確実に速くトイレに駆け込んだ。
トイレから出てくるとこんな深夜なのに駐車場には車がたくさんいた。
さっきまでわたしの視界にはトイレの看板しかなかったので気付かなかったが、同じクルマが何台もいて、その外におおぜいの若い男たちがいる。
みんカラのプチオフだろうか。
むかしならこういう集団がわたしはとてもこわかった。
しかし今は平然とその横を歩く。
もう大人だからね。笑
むかしならこういうときは必ずちょっかいをかけられたものだ。
しかし誰もわたしに声をかけてこない。
もう大人だからね。泣笑
周囲は真っ暗だが、建物もなく、閑散としていた。
田んぼの真ん中に、不自然に道の駅が建てられたのだろう。
そのままたくさんの車を通り抜けて田んぼのほうまで行ってみようと思った。
いったい何をしてるんだかどの車も男の子が1人で乗っていてスマホかなんかをいじってるようだった。
その中でぽつんと1台、軽自動車がいた。
なんていう車種だかわからないけど、古い車。
もしかしたらフェローMAXかなあと思ったが、前回のブログを書いた今となっては、思い起こすと、もうフェローMAXだとしか思えない。
わたしはうしろから近づいたのだが、ナビ画面のAV映像が丸見えだった。
何やってんだこいつは、と通り過ぎるときにちらっと運転席を覗いてあわてて目を逸らした。
やばいやばいやばい。ヘンタイヘンタイ。
道の駅の裏にはやっぱり田んぼがあったよ。
ほんとに真っ暗。
こんなに真っ暗な世界は、東京にいるとふだんは目にしない光景だ。
近くに川があるのか、かすかに水の音がして、星がとても綺麗だった。
なんだか心が洗われるようでしばらくそこにしゃがんで再び道の駅に戻った。
すっかり心が洗われきれいになったわたしの目の前に、また変態フェローMAXが!
さっきよりすこし距離をおいて通り過ぎる。
でもやっぱり横目でチラッと見てしまった。
・・・おおお・・・
その先にはまた軽自動車が停まっていた。
車種はわからないが、たぶんだけど、おそらくフェローMAX。
そこに乗っていたのは50歳くらいの男女で、女が男の肩にもたれている。
こんな時間に、50歳の男女が・・・
隣にはぴったり誰も乗っていないダイハツミラが停まっている。
もうまちがいない。不倫である。
さらに歩くと今度はおじいさんが声を出しながら下着姿で体操をしていた。
もうなんだかおとぎの森をお散歩していろんな小動物たちと出会うお姫様のような気分である。
はじめてお城から出たお姫様には見るもの聞くものすべてが新鮮なのだ。
のどがかわいたので自販機でお茶を買った。
そこで飲むのはちょっとお姫様らしくないので、そばの喫煙所に入ってごくごく飲んでいるとタバコを吸いに若い男の子が入ってきて、わたしを見ると元気に「こんばんは!」とあいさつしてきた。
Tシャツ姿だが、下は作業ズボンだったので、「トラックの人?」と聞くと、「いえ、仕事が終わったので帰るとこです」と言う。
すかさず「なんの仕事?」と聞いた。
もちろん任意だけどね。
外構工事の仕事だというので、わたしは目の色をかえて彼の隣に座った。
これもいずれブログに書くけど、3年前に家を買って、今自分でお庭を作ってる最中なんだけど、さいしょに平らにだけはしてもらおうとユンボで整地してもらってからというもの一気に水はけがわるくなってしまったのだ。
「ああ、それはユンボでがっちり踏み固めちゃったから浸透していかなくなちゃったんですね」
「でももうどんどん庭を作っちゃっていまさら戻せないのよ。浸透枡をつくってみたけどただたまるだけで・・」
「水が浸透するより、地面を流れるスピードのほうが早いんですよ」
「溝をつくればいいの?溝を見ると反射的に溝落とししちゃうけど」
「溝落としってなんですか?」
とても律儀で、言葉遣いも態度もいい。
東の空が明るくなってくるまで、そのまま2時間近くも話し込んだ。
独身で彼女もいなくて仕事一筋。
東京にも遊びに行ったことはなく、お金がないからイオンにも行かないのだそうだ。
じつはわたしはけっこう露出の多い服装だったのだけど、そういうとこをちらりとも見てこない。君たちと違って。
だから思わず聞いてしまった。
「ねえ、これは念のために訊くんだけど、君の車ってフェローMAXではないよね?」
「ちがいます。タントです!」
やっぱり違うのか。
でもやっぱりダイハツであるのだなあ。
彼は去年やっと独立したのだという。
「すごいね。でも商売は技術よりまず営業だよ」
「それはお世話になった親方が回してくれるんですよ」
「え? 仕事をただで回してくれるの? 下請けではなくて? すごい親方だね」
「はい!親方はすごい人です。ほんとに尊敬しています!」
わたしはこの青年にすっかり感心して、警官たちからもらった30万円分のお礼の小切手を彼にぜんぶあげてしまった。
すこし明るくなってきたので「じゃあね」と立ち上がると、彼はわざわざ立ち上がって「はい!お話できて楽しかったです!小切手もありがとうございました!」と言ってくれた。
この殺伐とした現代で、なんと清々しい若者だろうか。
彼はきっと、人を疑ったことなんてないのだろう、とクルマに向かいながら思った。
そう思うと胸がいっぱいになり、すぐにまた彼のところに走って戻り、こう言った。
「ねえ、君、カレンダーってほしくない?」
青春は孤独であるべきだと思う。
孤独な若者は、みんなと仲良くパーティーしたりキャンプに行ってる人を羨ましく思うのかもしれないが、それはちがう。
「他」の中で相対的に自分を位置付けようとする者は、人としてたいへんもろい。
なぜなら人は、相対の中に身を置く、絶対の世界の住人だからだ。
道の駅には、若者だけではなく、車上生活者もいた。
そしてみんなが孤独である。
孤独という共通項があって、ここに集まりながらも、みんな手をつなごうとはしない。
それはみんなが哀しい孤独を愛そうとしているからだ。
いつか誰かと幸せな家庭を築いても、道の駅のそばを通るたび、彼らは孤独に打ちひしがれながらも、なんとか自分だけでも自分の味方になろうとした日々を思い出すだろう。
人は愛する者を探し、出会っては喜び、手をつなぐけれど、自分とは一向に向き合おうとしない。
自分を探し、自分と出会って、自分と手をつなぐために、若者はどうか孤独であってほしいと思うのだ。
(p.s.)わたしの愛車紹介ってイイねが99しかないんだけど、なんとかならない?かなり写真がんばってると思うけど。