たいせつな人、好きな人へ送る手紙は自分の文字で書こう。
へたな文章でもいい。
気持ちがじょうずに伝えられなくってもいい。
だけど自分の文字で書いてみようよ。
そして、お店で相手が好きな色の便箋を一生懸命選ぼう。
それが気持ちを送る人への「誠意」なんだ。
誠意の器にペンで気持ちを注ぐんだ。
21世紀の渋谷の夜のあちこちで少女たちは。
手のひらに乗せたタブレットの光の上に指をすべらせてかんたんに愛を飛ばせるのだという。
けれど、君が好きなあの人は。
君の友は。
「君の文字」を知ってるだろうか。
君にも将来、娘が生まれて。
いつかその子も大人になって君の手を離れ、一人ぼっちの寒い都会のアパートで。
故郷から送られてきた荷物の宛名に書かれた君の文字に、その子はなつかしさに涙するだろうか。
わたしたちって。
都会で生きるわたしたちってさ。
女の子だけじゃないよ。
いきがってる男の子たちだってさ。
いつだって遠い故郷の母親の、その拙い文字に泣かされてきたんだよ。
荷物の中身なんかより、配達伝票の、次第に老いてきたそのクセのある文字に泣かされるんだ。
何度も。何度も。
そしてまだ自分はこの世界でひとりぼっちじゃないことを。
そしてやっぱりここまでひとりで生きてきたんじゃなかったことを、遠く東京の空の下まで行って、やっとそこで知るんだよ。
コンビニ弁当やレトルトを家族の夕食に出してたら、子どもが「おふくろの味」を知らないように。
2バイト文字の羅列なんかで、愛が伝わりなんかするものか。
↓わたしが愛用しているPARKERのボールペン。
お仕事では別に黒軸のWATERMANを使ってます。
どちらもリフィルはジェットストリームに換装。
お仕事で自分が書く文字や署名にはプライドと責任を持つため、使い捨てのボールペンは使わない。だから仕事もフェアに、誠実を尽くすんだ。(わたしの自宅の書斎のデスクです)
Posted at 2025/12/05 17:20:34 | |
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