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2022年09月15日 イイね!

直伝! risaSpec流ブログの書き方講座 <わたしはブログをこう書く!>

自分で書いたブログの解説なんて前代未聞だけど、一回やってみたかった。
わたしはこういうふうに考えて書いてるっていうのを。

なんでもいいけど、前回のブログ「フーテンの理沙ちゃん」を素材に、わたしがどうやって書いたのかを解説したい。

このブログは、もちろん「フーテンの寅さん」をモチーフにして、その全編をセリフだけで構成。
ト書きはいっさい書かない。
この手法は「美魔女」ブログでも使っているけど、そうかんたんに他の人はまねできないだろうという自負がある。
ト書きはくどいし、読むのもだるく、どうしてもそこで読者が失速していってしまうんだ。
最初に出したカウントがritせず、最後まで同じテンポとリズムで流れていくために考えたrisaSpecの手法と言っていいと思う。

セリフだけで構成する場合、ふつうなら、

おばちゃん「ねえ、あんた! 今、表を通り過ぎたの理沙ちゃんじゃないのかい?!」

、、のように誰が喋っているのかを書くべきところだけど、これも意図的に排した。

これがどういうところでその効果を発揮するかというと、たとえばこの部分。

「あ、あの、番頭さん、この理沙ってやつはブラに2枚もパット入れてごまかしてるようなどーしようもねえ女なんですよ?」
「しっ!おまえさんは黙ってなさいよ!」
「ねーねー、パットってなあに?」
「光男!あっち行って遊んでなさい!」
「はあい」

ここで「ねーねー、パットってなあに?」っていうのは、いったい誰が話し出したのか読者にはわからない。
でもここでわかってしまっていると、いまいちおもしろくない。
誰が言ってるのかわからないままに、次の「光男!あっち行って遊んでなさい!」で、よくわからない緊張のあとに、ああ!光男だったか、と納得する緩和で、笑いに落とせると計算した。ここは後出しだから笑える仕組みなんだ。

しかし同時にこのために困ったところもある。
じつはこのブログで一個だけ矛盾したセリフがあるのだ。

「あ、あの、番頭さん、この理沙ってやつはブラに2枚もパット入れてごまかしてるようなどーしようもねえ女なんですよ?」
「しっ!おまえさんは黙ってなさいよ!」

「おまえさんは黙ってなさいよ」と言っているのはおばちゃん。
でもおばちゃんはおいちゃんのことを「おまえさん」とは呼ばない。「あんた」である。
このブログでも出だしはおばちゃんの「ねえ、あんた!」で始まる。
それがここでは「おまえさん」にしている。なぜか。

「あんたは黙ってなさいよ」とするのが正しいのだけれど、こうするといったい誰がしゃべったのかわからないんだ。
もっともおそれたのは、これを理沙ちゃんが言ったと受け取られたなら、全体が陳腐でほんっとにつまらなくなってしまう。
このセリフは外せないが、どうしてもそれはおばちゃんでなければならない。
そこでこの「あんた」を「おまえさんに」にしたのは、、「おまえさん」という表現は必ずその人の女房しかつかわない呼び方だからである。
理沙でもひろしでもさくらでも光男でもでもなく、おいちゃんを「おまえさん」と呼べるとしたら、ほんとはそう呼ばなくっても、それはおばちゃん以外にいないのだ。

いかにも寅さんに出てきそうなセリフで構成していかなければならないが、じつはいっさい映画を参考にしていない。
すべてわたしが頭の中で考えたオリジナルだ。

寅さんの映画からそのままセリフをパクってくれば寅さんそのものにはなるが、それではまったくおもしろくない。
たとえばものまね歌手が完コピしても、それでは芸にならないし、だったら本物聴いてりゃいいじゃんって話だ。
なので、どこかフェイクで、そしてだからこそリアルにするには、わたしがイメージする寅さんの登場人物が「こう言いそう」というのを書くのがいちばんだ。
それはかえってほんものの映画のセリフよりもデフォルメされたぶんほんもの以上のリアリティがあるはず。

そういう中で自分で「うまい!」と笑ったのが、さくらの「おねえちゃん、それがね・・・驚かないでね? ぽんこつどころか、ダイハツフェローMAXなのよ」というセリフ。
寅さんのご機嫌がわるくなりそうなリア充報告だけど、こういうときさくらは「お兄ちゃん、それがね・・・驚かないでね?」というのはほんとに言いそうなのだ。

さて、セリフづくりのもっとも重要な部分。
「ところで理沙、今度はずいぶん長い旅だったじゃねーか。いったいどこへ行ってたんだい」に続く、映画で必ず登場する寅さんの長ゼリフ。

ここは映画でも寅さんらしさを表現するおきまりの重要な部分。
場所は松山と決めていて、なんか尾張の国とか、そういう言い方がないだろうかとネットに探したけどなかった。
かわりに「お四国」という表現があるのを知った。
この「お四国」4文字に「ここは」という3文字を加えたら7文字で七五調ができてくる。

そうして「どこって決まってらーな。ここはお四国、愛媛は松山、瀬戸内海に浮かぶ離れ小島よ。」という口上のような出だしができた。

「きたねえ今にも崩れそうな宿に疲れて帰ってくると、こう、味噌の匂いがぷうんとしてさ、番頭さんがとんとんとんっとネギを刻んでる音がしてるんだ。
あたしは横の階段に座ってさ、うちわでパタパタあおぎながら、おーい今日の晩飯はなんだい?って聞くと〜」まではすらすらできたが、このままふつうの料理が答えられると、寅さんの映画をコピーしてくればいい話になりかねないので、フランス料理のメニューと、高級ワインを当てて、さらにそれを粗末な夕食という表現にしてみた。

「フォワグラレーズンバターサンドとオマール海老ソテーのアメリケーヌソース仕立てっていうじゃねーか。
粗末な夕食だが、そういやガキの頃は白いご飯が食べられず、よくそんなものばっかり食ってたなあって懐かしくなっちまってさ。
貧しい食事が終わると番頭が来ておひとついかが?って、ありゃあ松山のどこか小さな酒蔵でつくった安酒のサントノ・デュ・ミリューを持ってくるんだよ。それをくいーって引っ掛けてると、番頭はもう出かけて行くんだ」

さて、セリフの中にはただのひとつもムダなセリフを入れてはいけない。
一気にスピード感が落ちてしまう。
なぜここでこんなセリフがあるのか?と読者に考えさせては、もうそこでぜんぶが水の泡になる。
しかしじつは2つだけムダなセリフも置いている。

「ごめんください」
「お?おばちゃん。表で誰か謝ってるぞ?」
「こんな夜中にいったい誰かしらねえ」
「おい。ヒロシ、いいか? フェローMAXは発売当初<40馬力のど根性>って謳い文句で登場したんだ。あのスズキのフロンティアをもってしても・・」
「おねえちゃん!たいへん!今四国からその番頭さんがおねえちゃんを訪ねていらっしゃってるわ!」

まず「誰か謝ってるぞ」っていうセリフ。
これははっきりいっておもしろくもなんともない。
あまりにつまらなすぎて失速する。
けれどこういうつまらないことも。ぽろっと寅さんは言いそうなのだ。
これがなくても「ごめんください」「こんな夜中にいったい誰かしらねえ」といっても話はおかしくない。

最後まで書いたあと、この「誰か謝ってるぞ」は削るべきか残すべきかかなり悩んだけど。残すことにした。
このおもしろくない感じが、音楽でいえばリズムの溜めにならないか?
あるいは和声進行でいえば、GのkeyでDの7thになって次のCに落ちる効果が得られないかなと思った。

そして続けて意味のないセリフでもうひとつ溜めたのは、「40馬力のど根性」の下り。
ここはほんとになくてもいい。

「こんな夜中にいったい誰かしらねえ」「おねえちゃん!たいへん!今四国からその番頭さんがおねえちゃんを訪ねていらっしゃってるわ!」で、ほんとはいいのだ。
問題なく繋がる。
しかしそれではあまりにもドラマと、それを読んでる感覚の時間軸と合わない。

ト書きを書けるなら、「表に出るおばちゃんとさくら。なにやら話したあと、さくらが驚いた声をあげる」みたいなのが必要なとこだ。

そこでその時間調整のために、無駄話をさせることにしたんだ。それがこの「40馬力」の話。

ト書きをなくしたためにもっとも難しかったのはどこかというと、寅さんが家を出ていくところ。

(1)「さくら、そろそろあたしはまた旅に出るよ」
(2)「おねえちゃん待って。駅まで送るわ」
(3)「さくら。こうして歩いてると、この街も随分と変わってしまったなあ」

(1)と(2)は家の中で、(3)は外である。
それをト書きなしでつたえるのがとってもむずかしい。
そこで唯一、しらけるけど「こうして歩いてると」という説明っぽいセリフになった。
ト書きをセリフに組み込んだ格好で、ここにわたしの文才のなさが露呈されている。

「人間ってーのは、そういう、ああ生きててよかったなあって、、そんなふうに思える日があるから生きてるんじゃあねえのかい?」

これはどこかであった実際の寅さんのセリフなんだけど、「こんなようなことを言ってた」という記憶だけで、セリフはわたしが考えた。
たしか映画ではさくらに、ではなく、光男へ向けたセリフだったと思う。

最後の「生きてるんじゃあねえのかい?」は、「生きてるんじゃねえのかい?」ではなく「じゃねえのかい?」と「あ」を入れるところにこだわった。

そして「・・・お、おねえちゃん」で終わるんだけど、もう一発ここで最後にだめ押しの笑いがほしかった。

このあと、寅さんは電車に乗る。
さくらはお財布からお金を渡そうとするだろう。
お金がないくせに「いいよいいよ」と寅さんは見栄を張る。
そこには何か映画をパロッたrisaSpec流の表現ができるはずだ。

でもやめた。
もうあまりにくどくなってしまう。
そこで主題歌の替え歌をつくることにして、原曲をYouTubeで聴いた。
まだできてないのに、もううまくいく自信は満々。

おおまかな歌詞を活かして、あるワードだけをピンポイントで変える。
変えるのはどこだ?

「えらい兄貴になりたくて」

ここしかない。
兄貴は姉貴になるが、どんな姉貴を期待されてるだろうか。

ここで「ブラに2枚もパット入れてごまかしてるようなどーしようもねえ女なんですよ?」の伏線回収ができたらおもしろいと思った。

「巨乳の姉貴になりたくて」

そして
「吸引 乳もみ 甲斐もなく」

「揉み込み」と「乳揉み」も迷ったけど、まあここは恥よりインパクトで行こう。

「今日も涙の 今日も肩ヒモずれ落ちる ずれ落ちる」

「肩ヒモ」というワードにこだわった。
原曲は「今日も涙の陽が落ちる」だけど、「陽が落ちる」と「ヒモ落ちる」をなんとか引っ掛けたかったんだ。
でもどうしてもうまく合わない。
せめて最後は「陽が落ちる」なんだから、「ずれ落ちる」ではなく「ヒーモー落ーちいる」にすべきなんだよ。
けれども、ずれ落ちちゃったほうが情けなくて笑える。そしてずれ落ちたほうが悲哀がある。
これはまさに寅さんの世界観だ。
なので正解はわかってるんだけど、敢えて「ずれ落ちる」を選んだ。

こういうことを実際に考えながら書いたんだけど、だからといって途中で止まって考え込んだわけではなく、おそらくみんながこれを読むスピードと同じスピードで書いていってる。
読むスピードと書くスピードは同じでないと、読むスピードや読むリズムの変化に気づくことができない。
同じスピードで書くから、どこで失速し、どこで加速し、どこでリズムがもたついてるのかがわかるんだ。
かなり頭は高速でぶん回してるのだ。

真面目な部分はラクだった。
こういうのはもういつでもすらすら書ける。

そして最後に出てくるのが、、、

アテもないのにあるよな素振り
「それじゃあ行くぜ」と風の中

これは替え歌ではなく原曲だが、レコードにもない幻の5番といわれる、寅さんをこよなく愛する人しか知らない歌詞だ。
書き始めたときから、どうしてもこの幻の5番をどこかに入れたかった。
だって、この5番、かっこいいじゃん!

そして寅さんの口上で、わたし流にしめくくる。

西へ行きましても東へ行きましても。
土地土地のカタギのおあにいさん、おあねえさんにごやっかいになりながら、わたしたちはいつでも胸を張って潔くフーテンの心で行こう。

いちばん最後の「よろしく頼むよ」の言い切りはものすごくだいじだった。
「よろしく頼むよ」か「よろしく頼むぜ」かで悩みに悩んだ。

わたしとしては「頼むぜ」がよかった。
わたしふだん「頼むぜ」ってほんとに言うから。
けれど、幻の5番の「それじゃあ行くぜと風の中」に「頼むぜ」だと被る。
それとブログの読者とすればわたしが「頼むぜ」っていうよりは「頼むよ」のほうがしっくりくるんだろうなっていうのもあって、、

お見苦しき面体お見知りおかれまして、向後万端(きょうこうばんたん)ひきたって、ひとつよろしく頼むよ。

ああ、わたしって、、かっこいい笑

Posted at 2022/09/15 04:24:00 | コメント(8) | トラックバック(0) | 日記
2022年09月12日 イイね!

《短いブログで、まるで長い映画を観終わった感動!》 risaSpec史上最高傑作ついに登場 「フーテンの理沙ちゃん 〜みんカラ望郷編〜」





「ねえ、あんた! 今、表を通り過ぎたの理沙ちゃんじゃないのかい?!」

「なにい?理沙のやつが帰ってきたって? そんな馬鹿な。あ、ほんとうだ。わざとらしくキョロキョロしてやがる。みんな!知らん顔していよう。そしたら入ってくるから!」

「おお。ここだったわ。小さくてシケた団子屋だからつい通りすぎちゃったよ。おいちゃんもおばちゃんも達者にしてたかい?」

「おねえちゃん!帰ってきたの?」

「おーさくら。いや、なにね、ちょっと近くを通りかかったもんだからさ。またすぐ今夜にでも出て行くから」

「そんな!今帰ってきたばかりなのに。ほら光男、裏の工場へ行っておとうさん呼んできて!」


「あ、ねえさん、おひさしぶりです」

「おおヒロシか。あいかわらずバカか?」

「おかげで元気に暮らしています。そういえばこのあいだ、ついに車を買ったんですよ」

「なに?車だって?どうせぽんこつの軽自動車かなんかなんだろ?」

「おねえちゃん、それがね・・・驚かないでね? ぽんこつどころか、ダイハツフェローMAXなのよ」

「え・・・フェロー? フェローってまさか、あの、銀座のこじゃれた奴が乗ってる高級車のフェローかい? フェローって言えばおまえ、角は一流中古車店の赤木屋黒木屋白木屋さんで紅おしろいつけたお姉ちゃんにください頂戴で頼んでも600万はくだらないシロモノだよ?」

「そうなのよ!しかもMAXなの。おねえちゃんのカレンダーで稼いだお金で買えたのよ」

「ふうん。そりゃてーしたもんだな。あ、いいよいいよ、乗せてくれなくっても。そんなセレブ様が乗る車なんてケツがこそばゆくっていけねーや」

「まあ、おねえちゃんったら!」

「はっはっは」

「わっはっはっは」

「やだよーほんとに おっほっほ」

「ところで理沙、今度はずいぶん長い旅だったじゃねーか。いったいどこへ行ってたんだい」

「どこって決まってらーな。ここはお四国、愛媛は松山、瀬戸内海に浮かぶ離れ小島よ。
きたねえ今にも崩れそうな宿に疲れて帰ってくると、こう、味噌の匂いがぷうんとしてさ、番頭さんがとんとんとんっとネギを刻んでる音がしてるんだ。
あたしは横の階段に座ってさ、うちわでパタパタあおぎながら、おーい今日の晩飯はなんだい?って聞くと、フォワグラレーズンバターサンドとオマール海老ソテーのアメリケーヌソース仕立てっていうじゃねーか。
粗末な夕食だが、そういやガキの頃は白いご飯が食べられず、よくそんなものばっかり食ってたなあって懐かしくなっちまってさ。
貧しい食事が終わると番頭が来ておひとついかが?って、ありゃあ松山のどこか小さな酒蔵でつくった安酒のサントノ・デュ・ミリューを持ってくるんだよ。それをくいーって引っ掛けてると、番頭はもう出かけて行くんだ」

「え?そんな夜中に番頭さんどこへいらっしゃるの?」

「知らねーよ。なんだかヤマハのバイクでひとりヒメシャラ休憩所とかに行ってるそうだよ」

「まあ、ずいぶんと変わった番頭さんねえ」

「わざわざ山道を走ってまで休憩所へ行くくらいだったら、最初っから家で休憩してりゃあいいじゃねーかってわたしも言ったんだけどね。でもああみえて、あの番頭もむかしは仲間のおやじさんが持ってたフェローMAXに乗ったことがあるそうだよ」

「あらまあ、元は上流階級のご子息だったのかねえ。人生なにがあるかわからないもんだねえ。」

「ごめんください」

「お?おばちゃん。表で誰か謝ってるぞ?」

「こんな夜中にいったい誰かしらねえ」

「おい。ヒロシ、いいか? フェローMAXは発売当初<40馬力のど根性>って謳い文句で登場したんだ。あのスズキのフロンティアをもってしても・・」

「おねえちゃん!たいへん!今四国からその番頭さんがおねえちゃんを訪ねていらっしゃってるわ!」

「なに? 番頭が? もうこりごりって言ってたのにまた瀬戸大橋渡って来たってーのか」

「理沙さん。昨夜、勇気をもって四国からアクセラで一生を決めるお話をしに参りました。」

「なんだよあらたまって。それに一生って。おおげさなやつだな。結婚するわけでもあるまいし」

「その結婚なんです!一目お会いしたときからずっと忘れられなくて、ついに東京まで追いかけて来てしまいました」

「お、おねえちゃん!」

「り、理沙ちゃん。わたしはこの日が来るのをどんなに・・」

「あ、あの、番頭さん、この理沙ってやつはブラに2枚もパット入れてごまかしてるようなどーしようもねえ女なんですよ?」

「しっ!おまえさんは黙ってなさいよ!」

「ねーねー、パットってなあに?」

「光男!あっち行って遊んでなさい!」

「はあい」

「あ、いや、まあそのなんだ、ハハハ、堅いあいさつはそのへんにしてぱーっと・・おばちゃん、ほら、あの芋の煮っころがしがあったろ。ああいうのをさっとご用意して・・」

「いいえ理沙さん!聞いてください!僕は真剣なんです!」

「へええ・・真剣、なの?」

「はい!真剣です!東京からうちの民宿に泊まりに来てくれたマチエさんのGカップを一目見てからというもの、あの胸が毎日頭から離れないのです!」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「まあ、あれだよ。あんたがそれでいいっていうんならさ、、それで、いいんじゃないの? 
人生何があるかわからない。もしかしたら将来そのマチエとかいう娘さんは看護師さんとかになるかもしれないからな。
男がそうと決めたんなら善は急げだ。さっさと行って来い!よし、今すぐ行け!
少年!気持ちをつたえられなきゃそれは愛してないのといっしょだよ?」

「ありがとうございます!やっぱり先に理沙さんに相談してよかった。今からさっそく行ってきます!」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「ねーねー、おねえちゃんまたフラれちゃったの?」

「これ!光男!あっち行ってなさい!」

「はあい」

「さくら、そろそろあたしはまた旅に出るよ」

「おねえちゃん待って。駅まで送るわ」


「さくら。こうして歩いてると、この街も随分と変わってしまったなあ」

「おねえちゃん。わたしときどき思うことがあるのよ。ああ、人間ってなんのために生きてるのかしらって」

「さくら。<ああほんとに生きててよかったなあ> って、そんなふうに思えることはねえのかい?」

「それはあるわよ。ヒロシさんと一緖になったときとか。光男が産まれたとき。それからフェローMAXの華々しい納車式とか。ゴールドの大きな鍵をもらって、張り合わされた新聞紙をぱーっとめくったら夢のフェローMAX! あのときの感動は忘れられないわ。」

「人間ってーのは、そういう、ああ生きててよかったなあって、、そんなふうに思える日があるから生きてるんじゃあねえのかい?」

「・・・お、おねえちゃん」


あたしがいたんじゃお嫁に行けぬ
わかっちゃいるんだ 妹よ
いつかおまえが喜ぶような
巨乳の姉貴になりたくて
吸引 乳もみ 甲斐もなく
今日も涙の
今日も肩ヒモずれ落ちる ずれ落ちる

ドブに落ちても根のあるやつは
それでも峠を攻めてゆく
意地を張ってもタイヤは外れ
泣いているんだMAXは
旧さで車が売れるなら
こんな苦労も
ガリバーのみんなにかけまいに かけまいに



なぜ寅さんは、こんなに日本人たちに愛されるのだろう。
たとえばサラリーマンやOLは、いつもの駅のいつもの朝の時間に、ふと反対側のホームの電車に乗ってみたくなることがある。
その逆方向の電車に乗って終点まで行けば、もしかしたらそこには何かとてもすばらしいことが待ってるような気がするのだ。
でもそんなのは小説や映画の中の話で、行ったところできっと何もなく、明日上司に叱られるだけだと、またいつもの電車に乗り込むのだろう。

わたしも寅さんにあこがれ、大阪の商人宿に1人で泊まったことがある。
そのときのことはおもしろおかしく以前ブログに書いたが、じっさいにはおもしろくはなかった。
すりガラスの窓に大阪のネオンがぼんやり映り、真っ暗な畳で1人ポツンといるのは「いったい何をやってるんだ」とそれはそれはわびしかった。

鳥かごの鳥は、かごの中から空を見て自由にあこがれるが、かごのおかげで守られている。
人間は賢いので、さいしょから自らの意思でかごの中に入る。
なのに、矛盾したことに、そのかごの隙間から青空を覗いては今なおあこがれ続ける。

わたしは社会の枠組みの中でだけど、好き勝手に生きてきた。
そのときそのときで、やりたいことをやってきた。
ミュージシャン〜テレビ局〜フリーランスエンジニア〜公務員〜そして今のお仕事。
それから、わたしのブログのseason2.5を読んでた人なら知ってる華やかで悲惨なあの「黒歴史」の時代が公務員のすぐ前にある。
でもそれはみんな孤独なわたしの旅の風景たちであるだけ。

いつも閉まりかかるシャッターにぎりぎりで滑り込んで行っては、また次のシャッターの隙間に飛び込んでくような人生で、いくつものラッキーがあったからだけど、今はなんだか社会の中でうまくいった人のように言われる。でもわたしは本質的には、むかしっから「フーテン」なのだ。
目の前の丘に登っては、その登りつめた丘の上で達成感に浸ることなく、またその次の景色を眺めてるとこがある。

フーテンになろうよ。
失敗をおそれるな。
そして、そもそも君がおそれてる、君の言う、その「失敗」っていったいなんだ?

音痴を笑われるのがこわくて、大人の顔でカラオケマイクを握ろうとしない君。

夢から醒めることがこわくて、誰にも夢を語らない君。

お金がないことを恥じるから、さらにお金のない人を下に見る君。
だからお金のある人にいつもいいように使われてることに気づかない君。

抜かれることがこわくて、「背中を見ておぼえろ」と、じつは後輩に教えたくない君。

いつまでも忘れられない恋をいいわけにして、目の前の愛にまた扉を閉ざす君。

「ごめん」の短いひとことが言えず、ごめんを言わなくて済む長い長い言い訳を考えてる君。

risaSpecへのコメントにはなにかそれなりのこと書かなきゃと、また空回りして送信ボタンを押せなかった君。笑

それは「ちょっとケツの穴が小せえんじゃねえか?」と寅さんの声が聞こえてきそうな気はしないか。
まあ、もっとも。ケツの穴が大きいと素晴らしいのか?っていう疑問はあるけどもさ。

朝のホームで急ぐ人の波にかんたんに突き飛ばされてく肩のような、そんな小さなプライドのために、おまえ、いったい何をやってるんだ。いい歳こいて。

アテもないのにあるよな素振り
「それじゃあ行くぜ」と風の中
止めに来るかと後振り返りゃ
誰も来ないで汽車が来る
男の人生ひとり旅 泣くな 嘆くな
泣くな嘆くな 影法師
影法師

西へ行きましても東へ行きましても。
土地土地のカタギのおあにいさん、おあねえさんにごやっかいになりながら、わたしたちはいつでも胸を張って潔くフーテンの心で行こう。

お見苦しき面体お見知りおかれまして、向後万端ひきたって、ひとつよろしく頼むよ。(理沙)






special thanks to
今回ブログで初めてみん友さんを登場させました。
彼には事前に承諾をとったんですが、「ぜひ変態役で」という本人の強い要望があったにもかかわらず、risaSpecをフるという大役でした。
おつかれさまでした笑 どうもありがとう。
Posted at 2022/09/12 18:30:49 | コメント(9) | トラックバック(0) | 日記
2022年09月10日 イイね!

深夜の道の駅は ぼくらのワンダーランド

むかし、イイねランキングでいつも1位だった頃は同時にアンチも多くて、「おまえは自分を女優かなんかだとかんちがいしてんのか?」というコメントがきましたが、今お答えしましょう。

女優ではありませんが、「女優か何か」の「何か」です。

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さて、もみじ峠の白い獅子とのバトルを終えた黒い女豹はどこか近くに道の駅はないかと探しておりました。

みなさんには信じられないかもしれませんが、黒い女豹でもおちっこはしたくなるのです。
もう運転しながらガマンの限界で左足をばんばんばんばん床に打ちつけながら「あーーー」と絶叫します。

北上をつづけてきて、深夜だと、もうここがサイタマンなのかグンマーなのかもわかりませんが、わりと大きな道の駅に滑り込みました。

車を降りたわたしは、カール・ルイスよりも速く・・・たとえが古いな・・・たとえも古いし、さすがにカールルイスよりも速くは走れないしな。
でもダイハツフェローMAXよりは確実に速くトイレに駆け込んだ。

トイレから出てくるとこんな深夜なのに駐車場には車がたくさんいた。
さっきまでわたしの視界にはトイレの看板しかなかったので気付かなかったが、同じクルマが何台もいて、その外におおぜいの若い男たちがいる。
みんカラのプチオフだろうか。

むかしならこういう集団がわたしはとてもこわかった。
しかし今は平然とその横を歩く。
もう大人だからね。笑

むかしならこういうときは必ずちょっかいをかけられたものだ。
しかし誰もわたしに声をかけてこない。
もう大人だからね。泣笑

周囲は真っ暗だが、建物もなく、閑散としていた。
田んぼの真ん中に、不自然に道の駅が建てられたのだろう。
そのままたくさんの車を通り抜けて田んぼのほうまで行ってみようと思った。
いったい何をしてるんだかどの車も男の子が1人で乗っていてスマホかなんかをいじってるようだった。
その中でぽつんと1台、軽自動車がいた。
なんていう車種だかわからないけど、古い車。
もしかしたらフェローMAXかなあと思ったが、前回のブログを書いた今となっては、思い起こすと、もうフェローMAXだとしか思えない。
わたしはうしろから近づいたのだが、ナビ画面のAV映像が丸見えだった。
何やってんだこいつは、と通り過ぎるときにちらっと運転席を覗いてあわてて目を逸らした。
やばいやばいやばい。ヘンタイヘンタイ。

道の駅の裏にはやっぱり田んぼがあったよ。
ほんとに真っ暗。
こんなに真っ暗な世界は、東京にいるとふだんは目にしない光景だ。
近くに川があるのか、かすかに水の音がして、星がとても綺麗だった。
なんだか心が洗われるようでしばらくそこにしゃがんで再び道の駅に戻った。

すっかり心が洗われきれいになったわたしの目の前に、また変態フェローMAXが!
さっきよりすこし距離をおいて通り過ぎる。
でもやっぱり横目でチラッと見てしまった。

・・・おおお・・・

その先にはまた軽自動車が停まっていた。
車種はわからないが、たぶんだけど、おそらくフェローMAX。

そこに乗っていたのは50歳くらいの男女で、女が男の肩にもたれている。
こんな時間に、50歳の男女が・・・
隣にはぴったり誰も乗っていないダイハツミラが停まっている。
もうまちがいない。不倫である。

さらに歩くと今度はおじいさんが声を出しながら下着姿で体操をしていた。

もうなんだかおとぎの森をお散歩していろんな小動物たちと出会うお姫様のような気分である。
はじめてお城から出たお姫様には見るもの聞くものすべてが新鮮なのだ。

のどがかわいたので自販機でお茶を買った。
そこで飲むのはちょっとお姫様らしくないので、そばの喫煙所に入ってごくごく飲んでいるとタバコを吸いに若い男の子が入ってきて、わたしを見ると元気に「こんばんは!」とあいさつしてきた。

Tシャツ姿だが、下は作業ズボンだったので、「トラックの人?」と聞くと、「いえ、仕事が終わったので帰るとこです」と言う。
すかさず「なんの仕事?」と聞いた。
もちろん任意だけどね。

外構工事の仕事だというので、わたしは目の色をかえて彼の隣に座った。
これもいずれブログに書くけど、3年前に家を買って、今自分でお庭を作ってる最中なんだけど、さいしょに平らにだけはしてもらおうとユンボで整地してもらってからというもの一気に水はけがわるくなってしまったのだ。

「ああ、それはユンボでがっちり踏み固めちゃったから浸透していかなくなちゃったんですね」

「でももうどんどん庭を作っちゃっていまさら戻せないのよ。浸透枡をつくってみたけどただたまるだけで・・」

「水が浸透するより、地面を流れるスピードのほうが早いんですよ」

「溝をつくればいいの?溝を見ると反射的に溝落とししちゃうけど」

「溝落としってなんですか?」

とても律儀で、言葉遣いも態度もいい。
東の空が明るくなってくるまで、そのまま2時間近くも話し込んだ。

独身で彼女もいなくて仕事一筋。
東京にも遊びに行ったことはなく、お金がないからイオンにも行かないのだそうだ。
じつはわたしはけっこう露出の多い服装だったのだけど、そういうとこをちらりとも見てこない。君たちと違って。
だから思わず聞いてしまった。

「ねえ、これは念のために訊くんだけど、君の車ってフェローMAXではないよね?」



「ちがいます。タントです!」

やっぱり違うのか。
でもやっぱりダイハツであるのだなあ。

彼は去年やっと独立したのだという。

「すごいね。でも商売は技術よりまず営業だよ」
「それはお世話になった親方が回してくれるんですよ」
「え? 仕事をただで回してくれるの? 下請けではなくて? すごい親方だね」
「はい!親方はすごい人です。ほんとに尊敬しています!」

わたしはこの青年にすっかり感心して、警官たちからもらった30万円分のお礼の小切手を彼にぜんぶあげてしまった。

すこし明るくなってきたので「じゃあね」と立ち上がると、彼はわざわざ立ち上がって「はい!お話できて楽しかったです!小切手もありがとうございました!」と言ってくれた。
この殺伐とした現代で、なんと清々しい若者だろうか。
彼はきっと、人を疑ったことなんてないのだろう、とクルマに向かいながら思った。
そう思うと胸がいっぱいになり、すぐにまた彼のところに走って戻り、こう言った。

「ねえ、君、カレンダーってほしくない?」

青春は孤独であるべきだと思う。
孤独な若者は、みんなと仲良くパーティーしたりキャンプに行ってる人を羨ましく思うのかもしれないが、それはちがう。
「他」の中で相対的に自分を位置付けようとする者は、人としてたいへんもろい。
なぜなら人は、相対の中に身を置く、絶対の世界の住人だからだ。

道の駅には、若者だけではなく、車上生活者もいた。
そしてみんなが孤独である。
孤独という共通項があって、ここに集まりながらも、みんな手をつなごうとはしない。
それはみんなが哀しい孤独を愛そうとしているからだ。

いつか誰かと幸せな家庭を築いても、道の駅のそばを通るたび、彼らは孤独に打ちひしがれながらも、なんとか自分だけでも自分の味方になろうとした日々を思い出すだろう。

人は愛する者を探し、出会っては喜び、手をつなぐけれど、自分とは一向に向き合おうとしない。
自分を探し、自分と出会って、自分と手をつなぐために、若者はどうか孤独であってほしいと思うのだ。


(p.s.)わたしの愛車紹介ってイイねが99しかないんだけど、なんとかならない?かなり写真がんばってると思うけど。
Posted at 2022/09/10 16:29:49 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2022年09月08日 イイね!

深夜の公道バトル

YouTubeでイニシャルDを観た翌日の夜、わたしは国道を北へ走っていた。
国道に側溝がないので、やる気満々だった「溝落とし」ができずイラついていた。
制限速度は60km/h。
わたしはアクセルを踏み込み速度を上げていく。

50km/hを超えたとき、「50km/h突破!」とひとりで叫んでしまった。
つい大きな声が出ちまったぜ。
関東最速といわれるわたしの横をさっきからいろんな車がびゅんびゅん追い抜いていく。
たぶん80km/hは出てるだろう。
でもああいうやつらはいいのだ。

たとえば君の年収が500万円で同期のヤツが700万円だったら「ちくしょー!負けた!」って思うだろうが、無職の男が銀行強盗して1億円もってても「負けた」なんて思わないでしょ?
犯罪者と比べてもしかたがない。
まっとうな仕事で、決められたルールの中で勝負しなければ意味がない。
つまり60km/h以上で走る犯罪者と競っても意味はないのだ。

わたしのWISHのスピードメーターが限界速度の60km/hに達した。
ルールの中で、もうわたしの右に出る者は誰もいないのだ。

そのときだった!
ふいに前方に白いプリウスが入ってきた。

な、なに!
まさかわたしに勝負を挑む気なのか?

プリウスの後ろにはもみじのマークがついていた。

あのマークはなんだろう。
どこかで見たような気が、、、
そ、そうか!
あれは群馬県のもみじ峠のチームのマークにちがいない。
もみじ峠の下り最速はこのプリウスだったのかっ

ふっふっふ。
ひさしぶりに本気にさせてくれる相手が見つかった。

40km/hでぴったりとプリウスの後ろにつけ、アクセルを踏み込み、急加速して右車線に躍り出た。
45km/h、、50km/h、、、そろそろWISHのエンジンが悲鳴を上げ始めている。
しかしこの勝負、断じて負けるわけにはいかないのだ。
プリウスもぴったりと同じ速度につけてきた。

「さすがはチームもみじ峠。やるじゃないか。さすがにこれだけの速度になると前のタイヤがたれてきやがる、、」

後方からはこのバトルに興奮した走り屋達がさかんにパッシングしたりクラクションを鳴らしてわたしを応援している。
ちっ!シフトノブを握る左手が汗ですべりやがる!
(まあDレンジから動かさないので滑ってもいいわけだが・・)

2台は60km/hの前人未到のルールの限界点でその速度を保ったまま並走し続けたが、ふいにプリウスは国道沿いの山岡屋に入っていった。
そのときヤツの顔がちらりと見えた。
70歳くらいの男女が笑顔で何かをしゃべっている。
ついにこの極限の緊張に耐えられなくなり戦線を離脱した負け惜しみの笑いなのだろう。
もみじ峠の老いたる白い獅子よ。
あんたの走りも最高だったぜ。
けっしてわたしのほうが勝ったとは思ってない。
峠で再会する日を楽しみにしてるわ!

左車線に入って通常の速度に落とした。
右車線からはものすごい勢いで何台もの車が走り抜けていく。
その全員が「ありがとう!いいバトルを見せてもらったぜ!」というお礼のけたたましいクラクションをわたしに鳴らして行く。
見たこともないバトルに興奮のあまり、追い越しざまにわたしを見るその顔は、みんな怒ってるような表情にさえ見える。

さて、プリウスの老夫婦は山岡屋へ入るとラーメンを2つ注文していた。
白い獅子は奥さんのためにチャーシューを追加した。
そうだ、今日は彼らの結婚50年の金婚式のお祝いなのだった。

「あなた、さっきの黒いWISHのお嬢さん、ものすごい走り方だったわね。ついにあなたが負けるんじゃないかと思ったわ。」

「ふっふっふ。はっはっは。わーはっは。お嬢さんだと? あの女はお嬢さんなんかじゃねえ!前に国道20号で見かけたことがある!」

「ええ!じゃ、じゃあ、あのお嬢さんはまさか、、」

「そうさ!甲州街道の黒い女豹だ!」

「黒い・・女豹・・・」

「京子。いや府中街道のお京!おまえのセリカハイブリッドをもってしてもどうしても勝てなかった相手だよ」

「おまえさん、その名前はよしとくれよ。もう50年も昔の話じゃないか。50年前のあの日、夜明けのコンビニであんたのモンスターZに出会ってから、あたいは女になったのよ。こんなすごいクルマが公道を走ってるのかと驚いたわ」

「Zか。なつかしいな。俺のZはそんじょそこらのZとはわけのちがうZだった。そこらへんのフェアレディが震えあがるようなけたたましいエキゾーストサウンド!
その名もダイハツフェローZ!」



「そうね。わけがちがったワケあり中古車だったわね」

一方歴史に残るバトルを終えたrisaSpecはコンビニで缶コーヒーを買っていた。
駐車場へ戻るとWISHを何台ものパトカーが取り囲んでいた。

「これ、あんたのクルマ?」

「そうですけど、、、何かありましたか?」

「じゃあやっぱり!あなたが黒い女豹、risaSpec様ですか?」

「あ、うん。まあ昔の話よ」

「今は警官ですが。俺たちはみんな元走り屋で、あなたの走りに憧れてたんす!よかったらサインしてもらえませんか?」

「うん、まあサインくらいならいいけど?」

「やった!ここにお願いします!」

「risaさん!俺もサインしてもらっていいですか? あと、できれば指紋フェチなんで名前の横に拇印を押してもらえるとうれしいです。あ、くるーっと回すように」

「うん。君、名前は? 翔平くんへ、とか書かなくていい?」

「あ、それは書かなくていいです!」

「あのーrisaさん、すごくあつかましいんですが、俺は赤い紙にサインいただけますか?」

「うん、べつにいいよ。青でも赤でも」

「やったああ! おいおまえもこの機会だから赤い紙にたくさん書いてもらえ」

「あれ?この紙はなに? 2万円とか3万円とか。小切手かなんか?」

「あ!それはサインをいただいたささやかなお礼です」

「いいよいいよ。こんな何万円も」

「いえ!それでは俺たち走り屋の気持ちがおさまりません!どうか受け取ってください!」

「そーなの? なんだかわるいね」

そうして黒い女豹は走り去って行ったのだった。



んーもういい?
書いてるうちにめっちゃ本題からそれてしまったわ。
「risaSpec深夜の道の駅へ行く」というのを書きたかったのに。
それはまた次回。

ちなみにわたしは毎日が楽しい。


<いちおー念のため、risaSpecはゴールド免許です>
Posted at 2022/09/08 13:50:07 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記

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