ずっと免許はゴールドでちたが、7年前、原付スクーターで前の車を追い越ちて信号で止まりまちた。
すると若い警官がはちってきてここにサインちてくださいというので、てっきりみんカラのわたちのファンかと思ってサインちてあげたらなんと割り込み運転ということらちいのです。
あれ、いまだにちょっと納得はいかないち、ゴールドだから軽微な違反は免除されると思ったのでちたが、点数は引かれず満点でも違反歴があるとゴールド免許はちっこうするらちいのです。
おかげで次の更新では5年ブルーでちた。
ちかち!
それを乗り越え、やっと今回はれてゴールド免許に復帰ちたのであります!
警察署では後日の受け取りになるので即日発行の免許センターへ行きまちた。
写真を撮るので宝塚みたいなメイクで。
新ちい免許証をもらって免許センターを出るとなんだかにやけてちまい、ゴールドをまじまじ見たくて宝塚なままカフェに立ち寄りまちた。
ラテを受け取り座ろうと思ったら、あれ? 席が空いてない。
え?これはいったいどういうこと?
スタッフではラチがあかないので店長さんを呼んでもらいまちた。
「お客さま、どうかなさいましたか?」
「座るとこないんだけど。これはいったいどういう扱いなの?」
「そうおっしゃられましても、当店のお席は予約制ではないので、、」
「あのね、、わたちゴールド免許なんだけど?! ほら!」
「えええっ た、たいへん失礼しました。今すぐご用意いたします」
そうちて店長さんは3人組の大人の女性たちのテーブルへ行って席を立つよう言ってくれたのだけど、ママ友軍団はそう簡単には納得せず、わたちに向かって「なんなのこの女。あんたあとから来たんだからそこで立って待ってなさいよっ」と怒鳴るのです。
店長さんが慌ててわたちに「お客さま、申し訳ございません。この下品なブルーどもにもう一度例のものを」というのでちかたなくゴールド免許を出ちて「どけっ 大人ブルーどもっ」と一喝すると3人ともコソコソと出ていったのでちた。
「お客さま、本当に失礼いたしました」
「いえいえ、レジでゴールド免許を提示ちなかったわたちもわるいのでいいですよ」
「さすがゴールド免許の方はお心まで寛大で、そこらへんのブルーどもとは器が違いますね。あ、それとゴールドのお客様はストローは取り放題のサービスとなっておりますのでどうぞご利用ください」
「そうなの?なんだかわるいわね」
ストロー7本で飲むとさすがにSサイズのラテは一口で飲み終えてちまいまちた。
カフェを出て歩いていると不良に囲まれ「金貸してくんないかなあ」と言われたけどポケットから免許証を出すとチラッと見えただけで「やっべ。す、すいませんでした」と逃げていくち、警察署の前を通ると警察音楽隊がファンファーレを鳴らすち、歩行者信号はわたちがたどり着いた途端に赤から青に変わるのでちた。
あの信号はいったいどういう仕組みでわたちがゴールド免許保持者だってことを認識ちているのでちょうか。
それからいつものスーパーへ行ってお買い物をちたんだけど、レジで「お支払いはカードですか?現金ですか?」と聞かれたので、「ゴールド免許で!」と元気よくいうと「か、かしこまりましたっ」とペコペコしながら免許をピッとされただけでお買い物ができまちた。
スーパーを出るとちょうど目の前の道をおばあさんが渡ろうとちていて、そこに猛スピードでトラックが突っ込んできます。
「あっ あぶないっ」
すばやくトラックめがけてゴールド免許をぴゅっと投げつけるとトラックは吹っ飛び、空中で大爆発ちてちまいまちた。
「おばあさん!だいじょうぶでちたか?」
じつは免許取り立ての頃はスピード違反で捕まりまくって120日免停になったこともある。
それからは40km/hの道は必ず40k/hで走る習慣ができて、高速道でもほんとに100km/h以上では走らない超安全運転の今のわたしができあがった。
どんなに短時間でも必ずコインパーキングに入れるし、信号のない横断歩道の近くに人がいたら渡るか渡らないかがわからなくっても必ず一旦停止するし、ファミレスに行ったら必ずレジでお金を払うようにもなったし、急におしっこがしたくなってもきちんとトイレまで行くようにもなった。いいか!見渡す限りの大平原でもだぞ!人が10km四方いないのにだぞ!(それならするか、今でもふつーに。へへへ)
なのでわたしはあの点数制度は1年でクリアになることも含めてとてもいい制度だと思ってる。
人間も生まれたときに、もしかしたら1人1人に点数がついてるのかもしれない。
人を傷つけたらマイナス2点。
誰かを助けたらプラス1点。
大きく道を踏み外すと免停にもなるけど、それでも投げやりにならずまた1からやり直す人の前歴はクリアされ満点に戻ることができる。
そうやって繰り返し死んでいくときわたしたちはせめて生まれたときに持ってた点数に戻れてるんだろうか。
この世の価値としての人間の点数は、年収が高くて、いい車に乗って、豪邸に住めば高まるはずだけど、その人はほんとの意味での人間の点数としては免停のまま一生を終えるのかもしれないし、家もなくお金もなく人からはバカにされ、けれどいつも笑顔を絶やさない人は最後の最後にゴールド免許かもしれない。
ただ難しいのは、今の自分の点数が何点なのかがわからないこと。
免停になってもそのお知らせすら来ないこと。
自分の感覚でいいと思ってしたことがほんとの意味では減点になってるかもしれないということ。
何をすれば点数が増えて、何をやったら減点になるのすら、わかってるようでじつはわかってない。
信じるのは自分の感覚だけだけど、そもそもその感覚がほんとに正しいものなのか自信がない。
だから人は愛によく似たものを愛と勘違いし、人を恨み、自分を傷つけ、立ち上がることのできない世界へと自ら進んで行ってしまう。
愛によく似たものに翻弄される人は、きっとどこまで行っても愛のその指先にすら触れられることはないでしょう。
法律とか判例とかじゃない。
相手が誰だからとかじゃない。
どこかの雑誌に書いてあったからとかじゃない。
「だってみんなそうしてるから」とかじゃない。
それが損だとか得だとかじゃない。
わたしたちはただ、自分の信じる自分のきもちが示す正義だけに忠実に生きよう。
それで免停になったらくじけることなくまた立ち上がって棒切れで地面に線を引くんだ。
人生は、いつだって、どこにだってスタートラインを引き直せる。
「そんなことはないよ」と自分の人生を振り返る人は、ただその一本の線を自分で引こうとしなかったことに気づけ。
頑張れ、愛しいブルーども。