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risaSpecのブログ一覧

2025年05月23日 イイね!

カーポート完成しました

今日はいよいよのカーポート施工の日でした。
Tシャツに着替えて準備運動しながら業者さんの到着を庭で待ちました。
公務員時代、建築工事で業務監督員を年間何十本もやってきてるので、ひさびさに張り切ってます。
業者さんはお2人でやってきました。

わたしから元気よく挨拶です。

「おはようございます!」
「おはようございまーす」

「それでは簡単に朝礼をしまーす!そこに並んでください」
「ええ?ちょ、朝礼とかするんすか?」

「基本を忘れず。ケガにはくれぐれも注意してください!」
「は、はあ、、」

「何かわからないことがあったら無理に続行せず直ちにわたしに報告してください」
「え?お、お客さまにですか?」

「何かご質問は」
「いや何もないっす」

「オッケー!では、始め!」
「では作業開始しますね」

「じゃあまず墨出しからやりましょうか!君、レーザー持ってきて」
「いや、そういうのこっちでやりますんで」
「できるの?!そんなに若くて」
「は?」

2人の職人さんは最初に柱の位置を決めていきます。
わたしの指導監督のもとにね。

「お客さん、これが柱の位置になります。どうすか?」

仮決めしたとこよりもう少し後退させたかったので、男の子に言いました。

「ここ、あと6セン(土木業界の言い方でセンチのこと)後退できますか?」
「それだと屋根がちょっとこっちに出ちゃいますよ」
「じゃあ5センだったら?」

すると若い男の子が「5センチとか6センチとかにそんなこだわります?」と言うので、
「君はバスト80センの女性と86センの女性だったらどっちがいい?
じゃんじゃんじゃじゃんじゃん!・・・君は付き合って10年の80センのバストをいつまでもいつまでも揉み続けますか? はっ・・ダメウーマン!新しい86セン、欲しくない?・・・だって、世界に女の数は・・・35億!じゃんじゃんじゃじゃんじゃん」
「あ!6センチは全然違いますね!わかりました!6センチ下げます!」

柱の位置が決まって、コンクリートをハツるとき業者さんたちは何もつけずに作業してました。
わたしはお庭でゴーグルとマスクをつけ、原付のヘルメットをかぶってしゃがんで、離れたところから見ていました。
いや、ただぼーっと見てたわけじゃないですよ。そんなアホじゃないですよ。
ちゃんと「もっと腰入れて!そうそう」と適切な助言を与えながらですよ。

そしてどうせこいつらはすけべなビデオばっかり観てるだろうから、「お、奥さん」なんて迫ってこないよう、ときどき空手の型の練習をする真似もする抜かりなさです。

うちの土間コンは刷毛引き仕上げですが、新たに入れたモルタル表面も刷毛引きにしてくれたのには感激でした。そこまでやってる施工は見たことないです。
わたしもその作業をやろうとしましたが、わたしが柱のとこにしゃがんだ途端「僕がやりますからやめてください」と言われました。

刷毛引き一筋60年のわたしに向かっていつからそんな偉そうな口がきけるようになったのでしょうか。
しかしわたしの元でよくぞここまで育ったものだと、わたしはむしろ嬉しい気持ちでした。

結局わたしの指導と差し入れが素晴らしかったので、昼過ぎに工事は完了しました。

「お客さん。これで工事完了です」
「うんうん。よくぞここまで成長したね」

カーポートってさ。基本、ダサいよね。
最近はおしゃれなのもあるけど、わたしは安いのにしたので、どうも昭和チックというか、実家クオリティというか、それは仕方ないと覚悟してたけど、ついに自分の家にカーポートが建つと、なんだかとても立派に見える。

なんかね。
よそのうちのカーポートと明らかに違うんだよ。うちのがダントツに美しいのよ。
なんていうかたくさん交差するフレームが、英国の旧い建物を思わせる建築美のようでうっとりしてしまう。
カーポートは、いちばん安いのから二番目のやつなんだけどね。

業者さんに、「なんかかっこいいよね」と言うと、「そ、そうすか?普通のカーポートっすけどね」と言うので、「まあ君はまだ若いから素晴らしい建築というのをあまり見たことがないからピンとこないんだね。金沢駅の東口には能楽の鼓をイメージしたガラスのドームがあるんだけど、あれにそっくりだわ。君もいつか見に行ってみるといい」と教えてあげると、「お客さんみたいな人って人生楽しいでしょうね」と言われた。





(そっくり!いちおう言っておくと下がうちのカーポートだよ!上だと思ってた?いやうそじゃないよ。ほんとに下がカーポートなんだってば!よく似てるよねえ。金沢駅は上の写真。あれ?そうだよね?わたしもどっちかわからなくなってきちゃった)



クルマ1台停めるだけなんだけど、間口は4800にして奥行きも5500に、それぞれ標準より2サイズ大きくしてもらいました。

うちって家の前の景観がとてもきれいで、そこに惚れ込んで決めた家なんですよ。
カーポートは最初につけるつもりだったけど、カーポートつけると庭やリビングからその景色がちょっと遮られちゃうので、ずっと考えた挙句つけないことにしたのです。
賃貸の頃はずっと青空駐車だったし、それでも今のクルマは電動ポリッシャーの研磨とコーティングで美しく保ててきた実績もあるし。

しかし2年前にヒョウが降ってルーフがボコボコになりました。
なぜかボンネットは無事でしたが、スクーターのシートには穴があきました。
クルマのガラスサンルーフは無事だったけどヒビが入っててもおかしくない状況でした。

それと鳥フン。
結構な頻度でクルマに落とされるので、自治体に電話をして、うちの近くの公園に、鳥にも公衆トイレを作ってあげてほしいと言ったんですが断られてしまいました。

この鳥フン被害はわたしはすごく疑問でした。
鳥が飛びながらフンをして、その下にたまたまクルマがあった、と思いますよね?
でも、毎回観察すると、周囲には落ちなくてほぼ必ず車だけに落ちるのです。
どうも鳥たちが意図的にわたしのクルマを狙ってフンを落としてるような気がして、調べたところ、やっぱりそうみたいなんですよ。
鳥は池とか沼とか水場にフンを落とそうとする習性があるそうで、クルマが濃色でキラキラと反射してると、水面だと認識してフンを落とすらしいです。
とくに、統計上、赤、黒、青のクルマは錯覚しやすく狙われるということです。

この2つのことと、新車を迎えることとでやっぱりカーポートをつけることにしたのです。

フレームは白にしました。
白ってわりと少ないんですよね。おもしろみがないからね。
お家がプロヴァンスデザインなので、アイアンをイメージして黒とも思ったんだけど、住宅街を散歩しながらいろんなカーポートを見てまわった結果、経年でもっとも古さを感じさせるカーポートが黒でした。
それとうちの窓の白いサッシとカーポートのメーカーは同じなので、白にすれば同じ色番の白なので統一感もあります。

屋根材は濃色ではなく、また太陽光の反射も鈍いクリアマットに。
家のエントランスでもあるので暗い雰囲気にしたくなかったし、黒い屋根で、しかもマットでなくツルツルだとフンの集中攻撃を受けそうです。

まさにパーフェクトな選択に満足していましたが完成から2時間でカーポートの屋根にフンを落とされました。(屋根を上から見た面はツルツルでした)


Posted at 2025/05/23 23:04:45 | コメント(5) | トラックバック(0) | 日記
2025年01月16日 イイね!

WISHは、あの遠い夏の秘密基地でした。(新車から15年・18万km乗りつづけた、乗り換え直前の総括)

WISHは、あの遠い夏の秘密基地でした。(新車から15年・18万km乗りつづけた、乗り換え直前の総括)3列シートのロールーフミニバンという新しいカテゴリーも、その後徐々に姿を消していきましたが、こういうパッケージには根強いニーズがあって、ディーラーの人も「WISHのお客さんだけはなかなか乗り換えてもらえない」と嘆いていらっしゃいました。
わたしもその一人です。
とにかくWISHのパッケージを上回るクルマが出てこなかったのです。
まもなく新しいクルマに乗り換えますが、このパッケージングの秀逸さを上回ることはできません。

全国37都道府県を車中泊で旅して15年。
日本のあちこちに、まるで、あの遠い夏の日の秘密基地のようにWISHは思い出をたくさん残してくれました。
Posted at 2025/01/16 22:21:39 | コメント(3) | クルマレビュー
2025年01月14日 イイね!

成人式に100円の缶コーヒーを想う 〜 risaSpecの教育論 〜

昨日は朝から大忙しでした、
成人式に出席するからです。
もういったい何度目の成人式かも忘れましたが、とにかく成人の日は成人式です。
そして毎年毎年、区長さんから「今日からみなさんも20歳の自覚を持って」と言われてるから、毎年毎年20歳として生きているので、また今年も成人式です。
じつはもうそろそろ2025年はやめてもいいんじゃないかのかなあ、と思い、去年親しい友人2人に聞いてみたのです。

「ねえ、わたしって20歳に見えてるよね?」

「20歳?それはさすがに無理があるんじゃない?」
「そうそう。いくらなんでも20歳には見えないよ。誰が見たって」

そうなんだ。
20歳に見えるように頑張ってきたつもりでしたが、どうやらまだ大人にはなりきれず、他人の目からはまだ18歳だか19歳にしか見られていないことがわかりました。

わたしはいったいいつになったら大人になれるのでしょうか。
もうガキっぽいのは嫌です!
早く、妖艶な熟女とか言われてみたいのです!

でもまあ自分では大人のつもりでも、みんながそう言うのなら仕方がありません。
今年もまたやっぱり成人式に行かなければなりません。

入口へ行くと区役所のおばさんに止められました。

「あらまあ、理沙ちゃん、今年もまた来たの?」

「はい。おばさんこんにちは」

「あのね、理沙ちゃん。去年もおばさん言ったと思うんだけど、成人式って一生で一回だけのお式なの」

「でもおばさんだって毎年来てるじゃないですか」

「そう言われちゃうとおばさんもちょっと恥ずかしくなっちゃうけどね。でも去年もうこれで最後よ、来年はもう来ちゃダメよって、おばさん、ミカンあげたと思うんだけど」

「もう食べちゃいました」

「うん、食べたとか食べないとかじゃないのよ。理沙ちゃん区役所からの案内ハガキ持ってないでしょ?」

「あ、待ってください。持ってます」

「え?持ってるの?・・・あ、理沙ちゃん、これはね、、よく見てごらんなさい?
<成人式>じゃなくって、<成人病>って書いてあるでしょ? これ成人病検診の案内ハガキなのよ」

「・・・・・」

「あ、ごめんなさいね。おばさんも悪気があって言ったんじゃないの。ちょっと間違えちゃったのよね。じゃあ中には入れないけどおばさんの横にいていいわよ。もうすぐお式が始まるから。声が聞こえるようにここのドアを開けておくわね。でも今年はぜったい入って行っちゃダメよ」

——— みなさん本日はご成人おめでとうございます。みなさんも今日から大人の仲間入りです。晴れてお酒も飲めるし、もう少年院ではなく堂々と大人の刑務所に入れるし、マクドナルドなんかでちまちま働かなくても胸を張って風俗店でアルバイトできるようになりました。

「理沙ちゃん。なんで興奮してるの?胸を張ってって言われたでしょ?胸が張った人でないと面接で落とされるから理沙ちゃんには関係ないのよ」

――― それでは新成人の皆さんで「翼をください」を大きな声で歌いましょう!

「理沙ちゃん。またあのお歌だけど、今年は歌いながら中に入って行っちゃダメよ?」

――― いまー わたしのー ねがーいごとがー

「ちょっとみんな!その子を止めて!理沙ちゃん!理沙ちゃん!」

――― かなーうーなーらばー

「みんな早く止めて!あの1人で歌いながら入って行くおばさんを止めて!」

――― この大空に翼を広げー

「理沙ちゃん、両腕広げちゃダメ!止まって!気をつけ!気をつけして!止まれ!」

――― この大空に翼を広げ 飛んでゆきたいよー 

「理沙ちゃんが歌いながら体揺すり始めてる!教育委員会全員であのおばさん取り押さえてー」

――― 悲しみのない 自由な空へー 翼はためーかーせー 行きたいー

「110番!警察ー!!」


その後警察の人にも来年からはもう来ないように言われたんだけど、こっちも行きたくて行ってんじゃないんだよ。
わたしだって早く大人になりたいのよ。もう振袖も擦り切れて毛羽立ってるし。
帰るとき、たっくんとケンヤが「おー理沙、成人式終わったし飲み行こうぜー」って言うので、イライラしてたわたしはつい怒鳴ってしまいました。
「おいっ、二十歳のガキが大人に向かって偉そうな口をきくなっ」


自分の成人式の日。わたしはどこで何をしていたのかさえ覚えていない。
大学か、音楽スタジオか、冷たい手をさすりながらガソリンスタンドでバイトしていたかの毎日だ。
恋愛映画とか、青春ドラマだとか、そういうところとはずっと遠いところでいつも走り回ってた。
あの頃、わたしを大切にしてくれてた恋人を、わたしは女らしいやさしさで包んであげることができなかった。

レコード会社のディレクターにデモテープを持って行って、恋の歌を書け、人生がどうとかガキが歌っても響かないんだよ、こんなオーケストラみたいな凝ったアレンジいらないから歌いやすいメロディーで8ビートでシンプルに、あ、それとお前次のライブはミニスカートはけよ、パンツ見えるような、とか言われる。

でも彼だけは「理沙の音楽はすごいよ」って言ってくれた。
ラジオのテーマ曲に採用されたときは自分のことのように喜んでくれて、「理沙、サインしてくれ」って言ってた。

故郷を離れて、いつもお金がなく、力もないわたしたちは、バイト帰りの道で車が勢いよく跳ねた水たまりの水を被った。
「いつか見てろ」なんて言葉だけが空回りする二人の<20歳の子どもたち>に、この東京という街は大きすぎて、そして冷たすぎた。

彼が故郷へ明日戻るという夜、東京にはめずらしく雪が降って、川沿いの道で待ち合わせた彼はとてもやつれて見えた。
彼の頬に手を当てて「痩せちゃったね」って言いながら、人前で泣かないわたしなのに涙が溢れてきた。
別れの悲しみじゃなくて、明日からの孤独への怖さでもなくて、ただどうしてふつうの女の子のようにいっぱい笑顔をあげて、セックスをして、黒く焦げたハンバーグをつくって舌を出すことできなかったんだろう。そして。
そしてわたしはどうして「愛してる」のひとことをいつも言い忘れたのか。
それが、とても悲しかった。

「理沙、泣かないで」と彼は精一杯の笑顔で温かな缶コーヒーをわたしにくれた。
「理沙の恋人だったことは僕の誇りだ」そう言って去って行く後ろ姿に向かって、わたしはずっと頭を下げていた。
あの缶コーヒーの、もう頼りない温もりを、今でもわたしの手のひらは覚えてる。
それから30歳を過ぎるまで、わたしは恋人をつくらなかった。

若さは、なんでもできると思いながら、なんにもできない。
なんにだってなれると大人たちに言われながら、なんでもないのが若さだ。
かっこなんかつけたって、どんなに男の子たちから声をかけられても、ペラッペラだ。
でも、そのチンピラたちは、その時代をどう生きたかで、たった100円の缶コーヒーで人の温もりを知り、涙ってどんなときに流すべきかを知る。

わたしには子どもがいない。
なのになぜか、もし子どもがいたら、母としてどう育てるのか、何を教えるべきかを考えることがある。
子どもには子どもの考えがあり生き方があるから、それは実際に子どもがいなければ何が正しいのかわからないけど、ただできるだけ子どもを助けたくないと思う。
おいしいご飯を20歳になってもつくってあげたりしてたら、何にも言ってないのにその食後においしいコーヒーなんか淹れてたら、「酸味強いわ。ブラジルあったっしょ」なんて言わせてたら、あの暗く寒いコンビニの駐車場の隅にうずくまって一人で食べるヤマザキの肉まんのおいしさに小さく笑顔になったり、100円玉で買えてしまう缶コーヒーの温もりに誰かのせいいっぱいのやさしさを感じることはない。

子どもが河を飛び越えようとするとき、手を貸してはいけない。
その子が勇気を振り絞って自分で跳ぶまで、対岸であなたはただ待つんだ。

だけど、その子が怖くて泣きながら、それでも覚悟を決めて飛んだときに。
よろしいか。どんな角度から飛んできてもぜったいにその子を抱きとめるんだ。
どんなことがあっても、ぜったいに落としてはいけない。それが、親だ。

夢とは、つかんだときじゃなくて、それを追いかけてるときの風景に何を感じて走り続けるのかがいちばんだいじなんだ。

それを伝えるために、また来年も成人式に行こうかと思うんだけど、どうかな。




p.s.「成人式のご案内」と「成人病のご案内」ってとこ、わたし天才だよなあ。
自分でしびれた。
Posted at 2025/01/14 03:00:44 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2024年12月31日 イイね!

After all "ALL"

駅からの帰り道。

歩道橋の上、マフラーをかけ直しながら寒い夜空を見上げると、公園の高い木の枝はまるでほうきのようで、冬の星たちを掃いているかのようだった。

今年も1年が終わる日に。
風景をこんなふうに切り取り、ひとり笑顔になれることは今年も幸せだったということだ。

人はみんな生まれた場所が違う。
同じ頂上を目指しても、登山口はみんなちがうから、登山道の景色だってみんながちがう。
その道が楽しいとか、つらいとか、誰かの感想なんて聞いたところで、なんの頼りにも参考にもならないし、誰かの真似をしても道が違うんだからうまくいくはずはない。

人生は After All Alone だ。

けれどもね。
みんながいろんな登山口から、それぞれのいろんな道を歩いて、いつか頂上にたどり着いてみれば、誰もが同じ空と海が描くひとつの景色をそこで見るはずだ。

そのときにわたしたちはきっとわかる。
なぜここまでがつらかったのか。
なぜあんなに悲しかったのか。
なぜ歩いても歩いてもいつもさびしかったのか。そして。
どうしてわたしはあなたと巡り会ったのか。

そこでは。すべてが、いっしょにこの景色を眺めるためにあったことを知るだろう。
After all aloneの人生は、<After All ALL>だったんだ。

だからさ。
その風景にたどり着くまで。
わたしたちって、まだこんなとこでくたばってるわけにはいかないんだよ。

悲しいからって、なんだ。
つらいからって、だからなんだよ。
誰も自分のことをわかってくれないからって、そんなことがなんだっていうんだ。

黙って自分で立ち上がれ。
わたしが隣を歩くから。


It all starts after you walk out.

may 2025 be a happy and great year for you. (理沙)

Posted at 2024/12/31 01:07:20 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2024年12月25日 イイね!

21グラムの愛

ドラッグストアのポスターに「ひとつでも思い当たることがあったら頻尿です」と書かれていて、その中に「夜中に1回以上トイレに行く」っていうのがあってびっくり。
何度もじゃないけど1回は行くでしょ。それってフツーじゃない?

え? わたしって頻尿なの?
お医者さんに行ったほうがいいのかなあ。

「えーっと 今日はどうされましたか?」
「はい どうやら頻尿になったみたいです」
「えええ! 貧乳の次は頻尿ですか どうやら合併症ですね」

うーん。お医者さんにはちょっと行けないな。。

いい歳になってきたのでわたしも健康に気を遣いだした。
気がついたらいつの間にかわたしも来年でいよいよ18歳だよ。
ついに洋子ちゃんとおんなじ歳だよ。
18にもなるとさすがに血圧とか更年期とか気になってくるでしょ。

今年の夏も、体育館に女子だけ集められた夏休み前の諸注意でも言われたんだから。

「明日からいよいよ待ちに待った夏休みです。
若い君たちもハメを外したいところでしょう。
新宿とか渋谷へ行って知らない男の子から声をかけられるかもしれません。
もっとも本校の場合、そういう女の子は理沙ちゃんだけかも知れませんが、まあ一応ブサイクなその他の生徒も聞いてください。

君たちは大人のつもりかもしれないが、まだいろんなことに自分では責任を取れない子どもです。
思春期であると同時に更年期という人生でいちばんたいせつな時期だということを忘れずに行動してください。
ちょっとでもめまいとか立ちくらみがあったら知らない男性にはついて行かず、日陰ですぐに休息と水分をとること!わかりましたか? 
それではみなさん!2学期には正常な血圧でまた学校で会いましょう!」

ブサイクなみんなは「あっつ〜」って言いながらスカートをバタバタさせてこの諸注意を聞いてなかったけれど、わたしは胸に響いたな。
一生懸命拍手した。パチパチパチパチ。

そうだ、わたしはまだ子どもだ。
青春真っ盛り。若さいっぱい更年期のど真ん中を駆け抜けるのだ。
とにかく体はだいじ。健康がいちばんなのだ。


君の体は、君のものだ。
君のためだけに動く。
右手を上げようと思えば右手が上がる。
わたしがどんなに念じても君の左手を上げることはできない。
でも君なら、君の呼吸を10秒だけ止めて、そしてまた呼吸を再開することもできる。
まあ自分の体なのだから、思いどおりに動かせるのは当たり前だ。

でも、それなら疑問に思うことはないか。
自分の体だから自分が支配していて、自分の思い通りに動かしたり、その動きを止められるのが当然だというなら、じゃあ君は10秒だけ十二指腸の動きを止めてその後にまた動かすみたいなことがなぜできないのだろうか。
そもそも十二指腸とか胆嚢がどこにあって何をやってるのかすら知らないだろう。
しかしそんなこととは無関係に十二指腸も胆嚢も休むことなく働き続ける。
心臓も、肺も、胃も、肝臓も、膵臓も、すべてそうだ。たとえ君が眠っていても、君の意思なんかとは無関係に働き続ける。

するとこの体は自分のものだと勘違いしているだけで、本当は自分のものなんかではないのではないか。
ではいったい誰のものか。
そして体が自分ではないとするなら、自分とは一体何で、この体のどこにいるのか。

脳ではない。
脳だって、君は考えたくないことを勝手に考えるし、考えなくちゃいけないことを考えてなかったりする。
まったく自分が支配できてるものとはいえない。

肉体はいつか必ず滅びる。
今も日々、朽ちていってる。
心臓の寿命は3億回くらいと言われる。
個体差があってもう少し短かったり、もう少し長くなったりするけれど、その個体の性能は生まれるときに決まっている。
それが寿命だ。
運命とかいうより、肉体的にはじめから決まっているのだ。
そしてわたしたちはそれに従わざるを得ない。

しかし自分の体が自分だと強く思い込む人は、このときにどうしても素直に従えない。
どうしても自分が死んでしまうことを受け入れられない。
どうしても自分が消滅するなんて想像がつかない。
だから、恐れてしまう。どうしても。

けれども考えてみれば、もともとそれは車のようなものかもしれない。
君の車は君のものだ。
動く仕組みはよくわかってないかもしれないけれど、とにかく君がコントロールできる、君のものだ。
でもその車もいつかは寿命がきて動かなくなる。
走ることも、曲がることも、止まることも、そしていつかエンジンが壊れればそこで終わる。
でも君がそこで終わることはなく、また別の車に乗り換えていつもの顔で高速道路を走ってるだろう。

ねえ、それではその新しい車に乗ってる君は誰だ。
それが君だというなら、じゃあ、あの肉体はいったい誰だったんだ。
あの肉体は君自身ではなかった。
そしてその新しい体が走るのは、いったいどこへ向かう道だろうか。

今から120年くらい前に、アメリカの医師が、「人は死んだ瞬間に、どんな人でも必ず体重から21グラムが消失する」という論文を発表した。
この医師はさまざまな人で実験を繰り返し、その論文で「魂の重さは21グラムだ」と結論づけている。

肉体はわたしたちにいろんなことを教えてくれている。
わたしたちは正義を信じて悪を嫌う。
そしてそれこそが正しいと信じている。

確かに肉体も汚いものを食べると死んでしまうから、きれいなものしか体に入れない。
なのに、だから、その結果、汚いものを排泄することになる。
汚いものは嫌だからと排泄を嫌うと、それはそれでやっぱり死んでしまう。
つまり肉体とはきれいなものだけでは成り立たなくて、きれいなものと汚いものの両方を等しく認めないと維持できない。そのようにできているのだ。

「この人は好きだけど、あの人は嫌いだから会いたくない」「こういう仕事は好きだけどあんな仕事はやりたくない」・・・それでは成り立たないのだ。

だから愛とは、善も悪も、きれいなものも汚いものも、好きな人も嫌いな人も対等に受け入れることなのだろう。
こういう相反したものを一元的に捉えることは、つまり、相対ではない絶対ということなんだけど、きれいなものを食べて汚いものを出す肉体を持つと、どうしても好き嫌いという思い方が染み付く。

でもその肉体から離れるとは。
21グラムが離れていくとは。
そのときに素直に絶対的な思い方になれるかどうかが問われる。

もう消しちゃったけれど、以前写真付きで「驛」という詩をブログにあげた。
あの中で「わたしはそこで肉体を脱ぐと」という一節があるが、伝わる人にしか伝わらなかったかもしれないけど、そこにはまさにこれから相対の価値観を超えて絶対の世界へ向かう、という意味を込めた。

そしてわたしが何度も何度も「人はひとり」と言い続けてるのは悲しい独り言なんかじゃない。
モテるかモテないかで言ったら、わたしずーっとモテてきてるからなっ

そういうことではなくて、絶対の世界へ向かうとき、心細くても誰かと手を繋いで行くことはできないんだ。
21グラムは他の21グラムとはぜったいに交わったり結合したりしない。
21グラムは21グラムでしかないのだ。

ただ、それでも、そのときたった1人だけ、あなたと手を繋いで一緒に旅をしてくれる人がいる。
その人が誰かは最初はわからないかもしれないけれど、よく見れば、それはあなた自身だとわかるだろう。

だからさ。

だから今、自分を裏切ったり、自分を傷つけたり、自分のことをいじめたり、自分を嫌ったり、自分をごまかして生きてちゃダメなんだよ。
それじゃあ最後の最後で、最後の最後の最後の友をあなたは失ってしまう。
だから、ずっと、それを言い続けてる。

最初のお笑いから読んできて、もうほとんどの人がここまで読みつづけてきてないんだろうから(笑)、だから書いちゃうけど。


わたしがたったひとり愛してる人への、たったひとつだけの願いは。

それは、これから何十年先なのか、それとも何百、何千年先かわからないけど。

どこか、遠い、宇宙の縁の辺りで、不意にすれ違って振り返ったときに。

もう体のない21グラムのわたしをまっすぐに見て、ひとこと言ってほしいんだ。


「あなたのことを、憶えている」と。
Posted at 2024/12/25 05:08:38 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「日本のあちこちを巡るための ふたつめの、あの遠い日の「夏休みの秘密基地」 http://cvw.jp/b/2273104/48561981/
何シテル?   07/25 12:55
身長 / 168センチ 体重 / 52kg  スリーサイズ / B:貧乳  W:ふつう  H:ふつう  年齢:そこらへんによくある ごくふつうの年齢
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