
ja11のエアクリ前、このサクション部分についてまとめました。
ここにファンネルを付け吸気効率を上げようと思うのですが、このエルボーの長さ、形状、硬さ、向きについてのまとめです。
✴︎ファンネルの効果
空気も液体と同じ様に "重さ" "粘り気" があり流体力学上、気体は壁面を伝わる
通常エアーファンネルを付けていない状態(吸入口が切りっぱなしの状態)パイプの端面が鋭角の場合はその部分で空気の流れが切断されてしまうため、空気を取り入れた場合、吸入口の内壁付近には空気の渦が出来、澱んで実際の吸入口径を狭めてしまい、その口径の前面にある空気を吸うのが精一杯。
さらに、吸入口端からシリンダーまでの距離が短い為、空気が整流されずに流速が遅い。
これを「ファンネル形状」とすると吸入口がトランペットの様に広がっているので入り口に空気の渦が出来ない。空気の流れがスムーズになり口径が広がったように作用する。さらに入り口が広がった分多くの空気を取り込む事が出来る。
※ ”カールファンネル”の様に外側の方までカールしてファンネル外壁付近の空気を強制的に引きずり込んでくれるモノもある。
極端な言い方をすれば、内径が無限大に広がったのに近い形になり、負圧による流速を加味すると、実口径の何倍もの空気を吸い込むことができるようになることにより、燃焼室に空気を多く導いて圧縮比を上げたと同じような効果と言われている。
ファンネルの長さ・先端角度・大きさ・形状・・・・・
基本的にファンネルは全回転域でのパワーアップといった事はあまり望めない。
「高回転狙い=短いファンネル」
「低回転狙い=長いファンネル」
と言われる。
✴︎エルボー硬さ
吸気管の動的影響
硬い→慣性効果・・・・低回転時、圧力振動が充填効率を向上させる作用
柔らかい→脈動効果・・・・高回転時、圧力振動が充填効率を向上させる作用
✴︎エルボーの長さ
吸気管の長さや太さによって効果が変わってくる。
吸気管の長さが短い時、正圧波が新気をつれて戻ってくるまでの時間が短くなるので
容積効率のピークは高回転にシフト→(短いファンネルが高回転・高出力タイプ)
反対に長くなれば低回転にシフトし→(長いファンネルが低回転・トルク重視)タイプ
レースセッテイングの本によると、ファンネルは段付きを極力少なくし、テーパー状とし・・・
(ファンネルのテーパー角度はサージタンク(BOX)内など閉空間では10~12度が最適開放型のファンネルはテーパー角度14度くらいが良いようである)
「ただのストレートパイプではなく、必ず入り口はカールさせる」とある。
このカール部分で吹き返しガスが外気のほうに行かず戻され、次の新気が入る際には
新気と一緒になって押し込まれるようです。
入り口の大きさもあまり大きく開くと高回転ではパワーダウンしてしまう。
多く詰め込むと入らなくなるのと同じなのだろう。
小さく開いてカールで周りの空気を集めるのが正解のよう。
①もっとも効果を出したい領域に最適な長さや角度にしながらRで繋ぐこと。
②限られた寸法と形状からファンネルのRは途中で切らずに、できるだけ大きなRをとれるようにする
③ファンネルを最外径からさらに裏側まで回り 込ませた形状。
これが最も効率が良いとされている形状 通称「カールファンネル」
パワーアップについて…
一般には「空気の動的効果」をうまく使えば吸入効率が10%上がると言われる。
ただし、これはエンジンの仕様と吸気管長が"ピッタリ合った回転域"だけで全回転域でのパワーアップ」は出来ない。
よって「どれだけのパワーアップが見込めるか」はその車両の吸気口径、ピークパワー値、バルブタイミング、シリンダー容量、吸気温度等などが関係してくる。
また、実際にはパワーチェックをしないと体感で判断するのは正直難しい。
エアークリーナーBOX・インダクションBOX・・・・
「吸入口付近には邪魔な物を置かない」→障害物があると吸入効率が落ちてしまう。
純正の場合は ファンネルよりも前に インダクションBOXや吸気配管が加わる・・
一般公道も走る場合は低中回転のトルクも重要でドライバビリテイを大きく左右するため
吸気配管長がある程度あったほうが、全域気持ちよく使える
流体が流れる配管なので 吸気管の長さには効率の良い管長がある。
純正の配管ではその点、スペース的な制約の中で 可も無く不可もなく・・管長を上手くまとめている。
純正のメリット
・防滴性にも優れて気温や湿度にセッティングが左右されにくく雨天での使用にも対応し
・吸気の「音消し」の効果も狙って、ゴムやプラスチックを使用しています。
デメリット
・スペース的な要因「サクション吸入口がボックスの壁面に近い」から、壁面に近い部分にはデッドエリアが生まれ、実際の口径よりも意外に吸えていない。
・理想的な吸気管長を確保しにくい。吸気の変化がマイルド=レスポンスが甘い。
エアークリーナーにむやみに多数の穴を開けたりして管長を短くしてしまうと高回転は良くなるご低中回転は充填効率が下がってしまう。
インダクションBOXの役割を果たす「タメ」がないとかえって全開時以外のレスポンスは悪くなる。
例えばバイクでは、その間隔(タメ)は少なくとも"キャブ口径の1/2程度は必要"なのでどうしてもファンネル長に制限が出る。その長さをキャブ→エアークリーナー間スペーサーにて「全体的な吸気管長の調整」を、してやるのがやはり ”BEST”高効率?!と思われる。
最近では、本来それだけでは「吸気抵抗はなくなるがパワーアップにはつながらない」とよく言われる"パワーフィルター”にも内部にファンネルを備え なおかつ吸入口端正面部分をすり鉢上にした大容量・高効率な構造のモノも存在している。
✴︎温度
吸入エアーの温度を下げるのはら温度が高くなると空気が膨張して酸素吸入量が減ってしまうから。
なるべく冷たい空気を吸ったほうが爆発力は高まる。
吸気管を断熱すると少しだが効果があり。(黒い樹脂部分)
✴︎向き
ラム圧
ラム圧とは走行風を利用して圧力を上げてやること
エアクリーナー前後の圧力差が大きければ、スロットルを開いたら、いつでも空気をしっかり吸い込むことができる
エアクリーナー前に10の空気があっても、エアクリーナー通過後には抵抗によって7ぐらいに落ちてしまう。
ラム圧によってエアクリーナー前に13の空気を送り込んでおけば、エアクリーナー通過後は10の空気を吸い込める。
パワー自体は体感できるまで上がらないが、アクセルのレスポンスやフィーリングは上がる。
しかし市販車は限られたスペースや吸い込み口しかないためラム圧でパワーアップ!はかなり厳しい。
パワーアップ 〉フィーリング
純正のサクションパイプはよく考えられてこうなっているってことか。
でもファンネルはつける。