
ワシは幼少期から中学生までは虚弱体質により、しょっちゅう町医者の世話になっていた。今で言うところのかかりつけ医だな。
そんな町医者の待合室には漫画本がたくさん置いてあったものだ。ワシの家庭は週刊少年ジャンプや少年サンデー、少年マガジン、少年キングといった漫画本は全く買って貰えなくて、たま~に付録がたくさん付いていた冒険王を買ってくれたりするのだが、クラスメートで話題になる漫画の話にはついて行けなかった。
そんなワシが町医者にかかると、診察室に呼ばれるまでの時間を漫画本を読み漁るのに費やすのは至極当然の成り行きであった。
そこで虚弱体質だったワシを虜にしたのは手塚治虫ではなく、石森章太郎という漫画家の連載で仮面ライダー。そのストーリーは現実味を帯びて少年の心に刺さる。
それから数年もしないうちに、テレビで仮面ライダーの放映が始まった。
リアルな2ストバイク(4スト単気筒、蕎麦屋の出前バイクのようなサイクロンのアイドル音は妙に親近感に溢れていたが)の排気音と白煙。
まだチャリの補助クルマが取れたばかりのワシには夢中になるだけの材料は十分過ぎた。そして漫画本で見た蜘蛛男。なんともリアルで不気味だった。ショッカーの戦闘員たちも、女性ばかりに見えて、しかも顔丸出しで網タイツ。時々白いパンツのはみ出し有り。現代のテレビドラマのクオリティからは想像も出来ない素人感も良かった。
そんな仮面ライダーのDVDを自宅部品部屋で見つけたので思わず観てしまった。
というのも最近、深夜のアニメ番組にちょっと気になるのが現れて楽しみになった。それは「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」というタイトルで、直近では、私はタックル。の回をやっていた。
ワシ自身はタックルの名前と立ち位置程度は知っていたが、どうやって野郎しかなれないライダーの仲間に入ったのかは知らない。というのは実は仮面ライダーのテレビ放映を全て観ていたワケではなく、一文字ライダーの変身ブームが到来する前にカルビー仮面ライダースナックのオマケ、ライダーカードの袋の中身よりも尋常小学校で卒業文集を一緒に構成、推敲することになった同級生ふたりの女子と放課後に残ってお菓子を食べたりして仲良く過ごすうちに、カラダを密着して来るふたりの肉体の服越しのやわらかさから、その中身が気になってしまい、ワシの心臓は破裂しそうでライダー、ショッカーどころではなくなった。
それは置いておくとして、東島がヒーローのこのアニメ、かなり愉快なので還暦を過ぎた仮面ライダーファンにはオススメである。画像はアニメではなくワシの観ていた仮面ライダーDVDの初回「怪奇蜘蛛男」の1シーン。
生身の人間だった本郷猛が初めてショッカーと出会い、意気投合する場面で、改造人間にされるキッカケと言える。
戦闘員は網タイツの女ばかり10人で、性欲漲る本郷猛が夢中になって深追いし、結果、蜘蛛男に拉致られて改造人間にされるのも納得である。しかしバイクは当時でも最新式ではなくその辺の空き地で拾って来たようなポンコツだらけ。余程制作費が少なかったんだろう。イヤ違うなショッカーの予算が足りなかった。ということにしておくか。予算が無くてショッカー日本支部には最高幹部さえ居なかった頃だ。
Posted at 2025/10/16 08:08:23 | |
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