ホンダが満を持して復活させる「プレリュード」。かつて“デートカー”として名を馳せたクーペが、2025年秋にハイブリッドスポーツカーとして登場する。しかし、市場のトレンドがSUVや電動化にシフトする中、600万円台の2ドアクーペがどこまで支持を得られるのかは未知数だ。
対するは、2025年3月に発売されたBMWの「2シリーズ グランクーペ」。こちらは4ドアクーペとしての実用性を備えつつ、M235i xDriveという高性能モデルも展開し、価格は528万〜734万円。価格帯的にプレリュードと重なる部分も多いが、果たしてプレリュードは勝負になるのか。私なら幅が1800mmのBMWのベーシックグレードを買う(笑)!
今回は、スペック、価格、マーケット動向などを踏まえ、プレリュードの立ち位置とその可能性について考察していく。
1. ボディ・パッケージングの比較:2ドア vs 4ドアの壁
車種 全長 全幅 全高 ホイールベース ボディタイプ
BMW 2シリーズ グランクーペ 4,550mm 1,800mm 1,435mm 2,670mm 4ドアクーペ
ホンダ プレリュード(予想) 4,400〜4,500mm 1,820〜1,850mm 約1,400mm 2,650〜2,700mm 2ドアクーペ
BMWの2シリーズ グランクーペは4ドアを採用することで、セダン的な実用性を兼ね備えている。一方、プレリュードは2ドアクーペであり、後席の利便性はどうしても犠牲になる。
クーペ市場はすでに縮小し続けており、特に日本市場では「2ドア」というだけで選択肢から外れるケースが多い。BMWも従来の2シリーズ クーペとは別に、4ドアの「グランクーペ」を用意することで、より幅広いニーズに対応している。
プレリュードはクーペらしい美しいシルエットを持つと予想されるが、現代の消費者にとっては「使いにくい」という印象を与えるリスクがある。
2. パワートレインの比較:プレリュードのハイブリッドは魅力的か?
車種 エンジン 出力 駆動方式 特徴
BMW 220i 1.5L 直3ターボ+48VマイルドHV 約156PS FF 燃費性能重視
BMW 220d 2.0L 直4ディーゼルターボ+48VマイルドHV 約190PS FF 高トルク & 低燃費
BMW M235i xDrive 2.0L 直4ターボ 306PS AWD 圧倒的な動力性能
ホンダ プレリュード 2.0L 直4 e:HEV 約250PS(予想) FF ハイブリッドスポーツ
プレリュードは新世代のe:HEVハイブリッドを採用し、電動モーターを活かしたトルクフルな走りを実現するとされる。また、新機能「ホンダS+シフト」によって、疑似AT変速を楽しめる点も新しい。しかし、このシステムが「本当にスポーツカーらしい走りを提供できるのか?」は未知数だ。
一方、BMWは従来のターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、220dではディーゼルの低速トルクを活かした力強い走りを実現している。最上位のM235i xDriveでは306PSを発揮し、AWDのトラクション性能も相まってプレリュードを圧倒する加速力を持つ。
プレリュードの250PSという出力は悪くないが、650万円という価格を考えると、M235i(734万円)と比較されることになる。果たして、この価格差に見合うだけの価値があるのかは疑問が残る。
3. 価格とコストパフォーマンス:プレリュードは割高か?
車種 価格(税込)
BMW 220i グランクーペ 528万円
BMW 220d グランクーペ 548万円
BMW M235i xDrive 734万円
ホンダ プレリュード 600〜650万円(予想)
プレリュードは、220iや220dよりも高価で、M235i xDriveよりは安い価格設定になりそうだ。しかし、M235iは306PS・AWDという圧倒的な動力性能を誇るのに対し、プレリュードは250PS・FFのハイブリッドクーペ。
もし「ハイブリッドスポーツ」という付加価値が十分に伝わらなければ、M235iのほうが「スポーツカーらしさ」を求める層に選ばれてしまう可能性が高い。
また、650万円の価格帯は、ポルシェ718ケイマンやメルセデスAMG A35などの欧州勢とも競合する。これらのモデルと比較した際、プレリュードのブランド価値がどこまで通用するかが課題となる。
4. 結論:プレリュードは勝てるのか?
結論から言えば、プレリュードがBMW 2シリーズ グランクーペに対して明確なアドバンテージを持つのは難しい。
ボディスタイルの不利:2ドアクーペ市場は縮小傾向で、実用性では4ドアの2シリーズに劣る。
動力性能の不利:M235i xDrive(306PS・AWD)に対して、プレリュード(250PS・FF)は動力性能で見劣りする。
価格の不利:650万円という価格帯では、BMWやメルセデスAMG、ポルシェなどの強力なライバルが存在する。
ブランド価値の不利:ホンダのスポーツカーとしてのブランド力はNSXやタイプRにはあるが、プレリュード単体で見た場合、BMWのプレミアム感には及ばない。
唯一の強みは「ハイブリッドスポーツ」という新しいアプローチだが、それが市場でどこまで受け入れられるかは未知数である。
総じて、プレリュードは話題性はあるものの、販売台数の面ではBMW 2シリーズに勝つのは難しい と予想される。
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2025/03/07 09:59:22