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2020年01月25日 イイね!

エンジンオイルについて考える②


今回は自分の中ではホットな話題だったアルキルナフタレン(AN: Alkylated Naphthalen)について。

ANはAPI GroupⅤに分類される基油ですが、その他という扱いなのであまり意味がないですね。


(KING INDUSTRY, KR Series 商品説明書より)
KING INDUSTRYの資料ではその他の基油との比較では上記の通り、酸化安定性、熱安定性、加水分解性、添加剤との相性、膜安定性全てにおいて良好な性能を有しています。


(ExxonMobile Chemical, ExxonMobile Advaced Synthetic Base Stocksより)
唯一VIのみが他と比べてやや劣るとされています。実際に上記はExxonMobileの商品のデータになりますが、PAOに比べると粘度が低いです。Synthetic 12であれば丁度良さそうなのですが、基本的にautomotive向けとされているのは粘度の低いSynthetic 5の方です。理由は調べきれていません。


(ExxonMobile Chemical, ExxonMobile Advaced Synthetic Base Stocksより)
また、Esterとの比較では共に添加剤の溶解性は良好ですが、Esterのように極性によって電気的に金属に吸着しないため添加剤の性能を阻害しないとされています。具体的には金属表面で効果を発揮するFM剤についての記載と思われます。

ANの特徴はその驚異的な劣化耐性にあると言えそうです。

下の3つのデータはKING IndustryのKR Seriesの商品説明書からの引用です。

熱酸化安定性

150℃の高温と空気、鉄・銅の触媒を混合して行う、熱酸化安定性を見る試験の結果です。上が酸化物質の経時的な量の変化、下は粘度増加の変化を表したグラフです。

ちなみにベースオイルは劣化すると粘度が上昇していきます。その成れの果てが乳化したオイルですね。

これを見ると経時的に見てもANが酸化されにくく、粘度も殆ど変化しないことが分かります。一方で面白いのはdiesterが酸化物が増加しても粘度増加はマイルドなこと。酸化防止剤(AO: AntiOxydants)を配合したGroup Ⅲの性能が意外に良いことです。勿論、他の基油も酸化防止剤を入れれば性能は上がるんでしょうが、結構良いじゃない⁉というのが個人的な見解です。

Group Ⅲ oilへの添加

このデータはANをGrup Ⅲの基油に配合したときの熱酸化安定性を測定したものになります。縦軸は酸化までの時間、横軸はANの配合率です。

当然ながら配合率が高い程酸化には強くなりますが、50%付近で効果が鈍化することが分かります。コストとの兼ね合いですが50%以上配合するのはコストパフォーマンスが悪くなりますね。

酸化防止剤との配合

Group Ⅲの基油とANにそれぞれ0.2%酸化防止剤を配合した場合の酸化までの時間です。

左から酸化防止剤無し、DTBP (Di-Tert-ButylPhenol)、ZnDTP (Zinc DialkyldiThioPhosphate)、DPA (DiPhenylAmine)を配合したものになります。

どの酸化防止剤もANとの相性が良いようですね(特にDPA)。ANを配合することで酸化防止剤の性能をboostできるかも知れません。

ANの配合率


(ExxonMobile Chemical, Synthetic lubricant base stocksよ formulations guideより)
ANはベースストックとしても非常に優秀ですが、コスト的に現時点では添加剤的に使用するのが主流のようです。

個人的にはANの最大の効果は熱酸化安定性にあると思います。また、酸化防止剤などの添加剤のboosterとしての効果もといったところでしょう。そういった観点からは添加することで寿命を延ばすことが最大の効果と言えるでしょう。

問題はどの程度添加するかと言うところですが、一つの答えが上記の資料だと思います。exxonmobileのformulationではANの配合量はエンジンオイルでは10%、ミッションオイルでは20%となっています。

となると、エンジンオイルでは自分の交換サイクルを考慮して5%位から始めて、交換までに劣化が気になるのであれば配合量を増やすのが良いのではないでしょうか。ただし、自動車用はVIが低いので配合量が多くなると柔らかくなるので注意が必要です。

長々と書いてしまいました。ANも購入してみたので、そのうちに実験してみたいと思います。
2019年11月08日 イイね!

キャリパー選び


まずは純正キャリパーの流用から考えていきます。

マウント方法はラディアルマウント(上からボルトを刺して固定するタイプ)でないと流用しにくいです。プレートが付いていて横からボルトで固定するタイプはほぼ車種専用品と考えたほうがいいです。

4 potキャリパー(モノブロック鋳造)であれば、ヤフオクでは

① ルノーキャリパー
② ランエボキャリパー
③ 日産キャリパー

といったところ。一応フェラーリ用とかもありますが・・・。ただランエボキャリパーはクリアが剥げてきているものが多く、激しい使われ方が予想されるため避けることにしました。

日産はさすがにマークが、ということで買うならルノーようですかねぇ。

<ルノー用>
メガーヌIII RS用

Disc: max 355 × 30 mm
Pot : ⌀ 40 - 40 mm

メガーヌII RS, ルーテシア III RS用

Disc: max 325 × 32 mm
Pot : ⌀ 40 - 40 mm

社外品(鍛造2ピース)だと

Lotus type
Disc: max 355 × 30 mm
Pot : ⌀ 36 - 40 mm

F360
Disc: max ??? × ?? mm
Pot : ⌀ 40 - 42 mm

F40
Disc: max 332 × 32 mm
Pot : ⌀ 38 - 44 mm

bremboはショップとの繋がりが強く、DIYには優しくなさそうです。本家のHPを見てもSPECが書いてありません。時々ヤフオクで中古も流れていますが、まぁまぁなお値段です。


CP6600

Disc: max 330 × 30 mm
Pot : ⌀ 38.1 - 41.3 mm

CP9200

Disc: max 330 × 28 mm
Pot : ⌀ 38.1 - 41.3 mm
(画像はAP racing.comから)

因みにキャリパー交換で問題になるマスターシリンダーですが、GT220はMegane RSと同じものが使われています。

GT220のフロントキャリパーは60 mm,1 potです。

potの面積でいうと
60 mm, 1pot
 → 60×60×2×π=7200π
⌀ 40 - 40 mm
 → 40×40×π×4=6400π
⌀ 36 - 40 mm
 → 36×36×π×2+40×40×π×2=5792π
⌀ 40 - 42 mm
 → 40×40×π×2+42×42×π×2=6728π
⌀ 38 - 44 mm
 → 38×38×π×2+44×44×π×2=6760π
⌀ 38.1 - 41.3 mm
 → 38.1×38.1×π×2+41.3×41.3×π×2=6314.6π

計算してみると純正がパッドを押し付けるのに必要なフルードの量が一番多いです(片持キャリパーは反対側の分まで仕事するので2倍)。

試乗した方は分かるかと思いますが、RSの方が早くブレーキが立ち上がります。これはローター・パッドが大きいからだけでなく、このpotの面積の違いによるものが大きいと思います。

いずれにしても4 potで極端なものを選ばなければマスターシリンダーの容量不足にはならないはずです。

パッドのサイズもDIXELのホームページで確認しましたが、パット面はどのキャリパーでもGT220純正よりも大きくなります。

個人的に一番気に入ったのはAP RacingのCP9200です。これにしましょう!というわけには行かないですね。


現状の使用方法、金額を考慮してやはり純正キャリパー + GT220純正ローターの組み合わせで行くことにしました。

ヤフオクで送料・ショートパーツ込みで3万円を切る値段で見つけてしまったので、Megane II RSキャリパーにしました。

これからオーバーホールして、キャリパーサポートをワンオフして装着していきます!
2019年10月29日 イイね!

ブレーキ系を考える・・・


ローターがそろそろ寿命なので、次期ブレーキシステムについてあれこれ考えています。急ぐ程ではないので冬の間にゆっくり準備する予定です。

何はともあれ今回は対向キャリパーを導入したいなぁと。

と、その前にそしてブレーキ容量をどうするか?アップするのか、現状維持か?ブレーキの容量自体で困ったことは今のところなく、サーキットでブレーキを詰めて行きたいわけでもないしなぁと。

案としては
① 流用キャリパーと純正(形状)のローター

(eBayを徘徊していたら、海外にはMegane III RS用の無塗装キャリパーがあるよう)
 恐らく1番格安。問題は流用キャリパーの調達とキャリパーサポートのワンオフ。効果はブレーキフィーリングの向上と容量の若干アップ。

② 社外キットのワンオフ

(DECKさんのHPより)
 DECKさんでAP Racingのキットを作ってもらうとか。APキャリパーは異径ピストンを使用していたりと魅力的。憧れの2ピースローター。
 ローターサイズによってはブレーキバランスの面からリアの強化をどうするかが問題に。
 予算が高額でそこまで必要か??

③ RSのブレーキシステムの移植
 RE○ POINTさんがこれですね。リアも同時に容量アップしています。

(DIXCELのHPより。上がGT220用、下がRS用)
 GT220とはサスペンション形状が違うのでハブとオフセット量も違います(ホイールもそうですね)。フロントはスペーサーを利用してRS用ローターを移植、リアはRS用のローターでサイズアップします。フロントに合わせてトレッド幅が広いので恐らく軸の部分もRSからの流用が必要(品番も異なります)。
 フロント、リア共にオフセット用のキャリパーサポートが必要です。これもかなり大ががりですね。
 利点としてはRenault Sportが考えた前後のバランで組めるので、ブレーキバランスが最適化されていることでしょう。これもきっと高額。

④ CEIKAのブレーキ


(CEIKAさんのHPより)
 社外のブレーキを安くと考えると出てくるのがCEIKAさん。
 調べてみると実はMegane III用のものがキット化されています。誰かが採寸して作ったのでしょう。
 好きなローター径が選べるのが特徴ですが、前後のブレーキバランスは考慮されていない感じなので、どちらかというとドレスアップ志向のように思えます。リアもXSmallもあるとはいえ4PODしかなく、FFにはオーバースペックではないかと。
 フロントを社外で容量アップしたい場合にリアの強化の一案として良いかも知れません。(個人的にはキャリパーの造形は余り好きではないんですが・・・)。実はリアブレーキは電動パーキングブレーキの配線をポン付けで流用できるようです。車検は非対応というのをどこかで見た気はしますが、特に駄目な理由もない気はするのでこれは結構大きなメリットですね。

どうしようかなぁ〜
2019年10月10日 イイね!

軽量フライホイールのお勉強

K-TEC Racing(KTR)の軽量フライホイール、入れてみて非常に満足はしてます。が、意外にノイズが大きいことにびっくり。というより勉強不足でしたね。


今回はKTRのSingle Mass Flywheel (SMF)。純正はDual Mass Flywheel(DMF)なのでMegane IIIではクラッチ機構のフライホイール側にダンパーが付いています。


今回組みあせたのは純正のクラッチキット。当然ダンパー機構はありません。

KTRの軽量SMF+純正クラッチキットを組むことで
① 構造的に軽くなる
 (特にクラッチを切った際)
② ダンパーが無くなる


ということになるんですが。じゃあなんでSMFからDMFにメーカーが変えて来たのか?ここが勉強不足でした。

参考になったのはUUC MotorwerksさんのTECH TIPS

エンジンからの振動がギアボックスに伝わってカタコト音が鳴るのを防ぐためにDMFが開発されてきたようです。

ダンパー機構でエンジンのトルクの波をなだらかに、そして重量を上げることでエネルギーあたりの振動の量を軽減する。このように二重に振動対策をしていたんですね。

ということで両方を無くすことでギアボックスのギア鳴りがこのように酷くなると。

デメリットはこのくらいですね。
一応フライホイールの重量が減る分、慣性が小さくなるのでクラッチをつなぐ際に止まりやすく(エンストしやすく)なる。が、あまり気になりません。

よく言われている低速トルクが・・・っていうのはこのことを言っているのだと思いますが、エンジンそのものの特性を変えているわけではないのでギアがつながっている状態で比較するとトルクは落ちないはずです。

メリットは
① エンジンの吹け上がりが良くなる
(クラッチを切った状態で回転数の落ちも早くなります)
② クラッチの回転数あわせがしやすくなる
(フライホイールの慣性が小さくなる分、エンジンの回転数が合わなかった場合のフライホイールからの入力される力が減るため)
③ シフトフィールの改善
(ダンパーがないカチッと決まる気がします)

メガーヌ3のクラッチキットの選択肢としては
① 純正

② KTR軽量SMF+純正クラッチキット

③ Xtreme Clutch


の三択でしょうか。

① デメリットは金額でしょう。K-tec racingで購入するとかなり安く②と遜色ないレベルに。

②、③は共にSMF になるのでDMFのガタなどの不具合は回避できます。

② 値段は安いですが騒音が酷くなります。
③ Stage Ⅰ organic sprungにしておけばクラッチ側にダンパー機構も残り、システム総重量も純正より軽く②より重くで騒音は小さめにできそうです。ただお値段がやっぱり高いですね。それでも日本で純正一式買うよりは安いですが。

今だったらXtreme Clutchにしてしまうかもしれませんねぇ〜、誰か入れてみませんか?(←無責任)
2019年05月11日 イイね!

サスペンションのお勉強③

次にショックアブソーバーについて考えてみます。正直に言うとあまりユーザーにいじれることは少ないと思われますが、後学のために勉強してみます。

取りあえずはそれぞれの文字の表すものから。

: 減衰係数比

: 輪荷重

: ばね定数

: 粘性減衰係数

: ショックアブソーバーの減衰力

: 臨界減衰係数

: ピストン速度(m/sec)

臨界減衰係数はスプリングを一発で振幅を収めるのに必要な減衰力をピストン速度で割ったものです。

減衰係数比は30~50 %程度が良いとされていますが、ピストン速度によって減衰力は変わってくるので複雑です。

公式上は

 ⇛ 



これを減衰力にする場合には係数にピストン速度を掛けることになるので



 

減衰係数比は30~50 %が良いとされていたので



となります。ばね定数(スプリングレート)が
決まれば減衰力も大体決まることが分かります。ただし、実際のアブソーバーはどのピストン速度でも同じ減衰係数比にはならないので難しい調整が必要なものと思われます。

また、縮み側・伸び側に関しては縮み側を減衰力を弱くして衝撃を少なく、伸び側の減衰力を強くしてスプリングの蓄えているエネルギーをしっかりと吸収するようにセットされているようです。

今まで、オーリンズのDFVの説明を見てもいまいち良さが伝わって来なかったんですが納得出来ました。

乗り心地に関わるところでは縮み側を弱くしないといけないが、そうすると伸び側がどんどん減衰力が上がってしまう。そうするとスプリングが伸びるのが遅くなって路面の追従性が落ちてしまうのが問題になる。

スプリングが伸びるときには加速度も加わるのでピストン速度も上がるはずですが、その際に上がりすぎてしまう減衰力をDFVでキャンセルして帳尻を合わせるということでしょう。言葉で書くのは難しいですが、理解できるとイメージできます。

元々物理は真面目に勉強していないので頭がイタくなってきました。さて、自分のメガーヌはどうしましょうかね。

(それにしても式が大き過ぎだな・・・)

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「@みつかしわ  お久しぶりです。この黒マンガン電池懐かしいです。アルカリ電池が出る前はよくお世話になってました。それにしてもこの自販機は相当な年代物のはずですが綺麗に残っていますね😀」
何シテル?   11/03 15:16
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