2012年インディ500公式プログラム紹介です

今年(2012年)のインディ500公式プログラムです。公式プログラム1冊と別冊YEARBOOKの2冊構成(昨年と同様)となっています。

公式プログラム表紙は昨年のシリーズ･チャンピオン、ダリオ選手のマシンをメインにインディアナポリスのメインストレートから第1ターンに向かって疾走する各マシンのイメージで、シンプルながら迫力があります。内容はドライバー紹介以外の部分だと、ダラーラの新しいマシンDW12と3社のエンジンサプライヤーによって競われる初めてのインディ500ということもあって、変化のあった部分をフィーチャーした特集が組まれています。そして昨年のインディ500ウィナーであり、最終戦ラスベガスの事故で亡くなったダン･ウェルドン選手の特集記事も。

興味深かったのは7ページにもわたって掲載された人名リスト。これはなんだろうと思って調べてみたら、インディ500のレースを25回以上、(つまり25年以上だ)チケットを購入して観戦に来たベテラン・ファンのリストなんだそうです。そもそもインディ500のチケットは、複数回観に行くと段階的なチケット料金割引や各種サービスが受けられるシステムがあります。このあたりに「なによりもファンを大切にする」アメリカン・スポーツの信念のようなものを感じます。それにしても25年以上って…さすがは100周年、96回開催の歴史を持つレースですね。(^_^;)

別冊のほうは「100th ANNIVERSARY INDIANAPOLIS 500 YEARBOOK」と銘打って2011年のインディ500を振り返る作り。故ダン・ウェルドン選手の言葉が添えられたインディアナポリスのレーストラック明け方の風景写真から始まります。

"I love Indianapolis. I love the people, I love everything about it...the tradition, the history."

「僕はインディアナポリスが好きだ。僕は(そこに集う)人々が好きだ。僕はそこにある歴史と伝統…そのすべてが好きだ」

※かなりかたよった意訳になってます。

インディ500の100年の歴史。そこに関わる人間とマシンが生み出すドラマ。2011年のインディ500にまつわる、さまざまな瞬間を切り取った写真たちが、詳細な解説文とともに収められた素晴らしい内容だと思います。

個人的な感想ですが、今年のプログラムは「インディ500の現在(いま)」を強く意識しているように感じられました。これまでは、どちらかというと「インディ500の伝統と歴史」が重要視されていて、その内容も記録全集的な意味合いが強かったのですが、100周年を迎えて編集方針にも変更があったのでしょうか。写真を大きく扱ったグラフィカルな誌面構成で「インディ・ジャパン」のプログラムの雰囲気に近くなったといえばわかりやすいかも？ なんにせよ、英語の読解力がほとんどない自分のような人間には、とてもありがたい変更でした。(笑)


※権利保護を考慮して、内容の写真は掲載していません。わかりにくくてごめんなさい。