
通学快速「アマガエル改号」で「重大任務」の遂行に励んでいたA君。学年が上がるにつれ,メキメキと全方位で頭角を現し,昼のクラブ活動では,遂に学生チャンピオンになってしまった。
昼のみならず,夜のクラブ活動もベテランの域に達していた。当時小遣いだけでも,駆け出しサラリーマンが得る額面の5倍程度は費やしていたA君,財閥の御曹司が夜な夜な勢揃いする高級クラブでも,しっかり「顔」になっていた。
「アマガエル改」号就役当初は,まだまだ初で特定の女王様に仕えていたA君も,場数を踏み第二の専攻科目「心理学」を熱心に学ぶにつれ,その方面でも,達人の域に達しつつあった。
「心理学」といっても特定の人種が対象で,幼少時代から一貫して同性のみの学校に通い,無菌培養された,純粋無垢の白百合達の「女性心理」を熱心に研究していた。
「ガイシャ」と聞いただけで,目の色変えてホイホイと乗り込み,天井から安っぽいビニール製の帯が無数にぶら下がった半地下駐車場に,乗り入れても平然としている「白百合モドキ」はノー サンキュー。
容貌は当たり前として「性格,知性,教養,育ち」も,そして何よりも潔癖を好み,親の期待通りに今までも,幾多のあらゆる誘いを排除して来た,強い警戒心も重要な必須条件で,険しい高嶺の人跡未踏地に咲くもののみを対象としていた。
そんなA君の良き相棒であった「アマガエル改号」は,故障らしき故障もせず,水平対向の6気筒の排気音を響かせながら,昼も夜も主とお姫様を乗せて,忠実に東奔西走していた。
しかしA君が学んだ「心理学」の成果を遺憾なく発揮するには,もう一押しのサプライズが欲しかった。
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通学快速 | クルマ
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2007/02/13 23:50:34