
昔から「屋根」ブランドの製品は羨望の的だが,最後に最も驚いたのはアロイス・屋根の語学力。ドイツ訛りの全くない,ネイティブな発音にも感心したが,何と凄いことに日本語の説明を,同時通訳しながら英語でしゃべっている。
才色兼備の同時通訳嬢は熱心さのあまり,しばしばアロイスのスピーチを追越してしまっている。しかし日本語が先行するぐらいなら,マイケルの「歌(わなく)って踊って」のコンサートみたく,口パクのほうが聞きやすいし,よっぽど清々しい。当然ながら明瞭度では,単一言語での説明のほうが遙かに勝る。
2カ国語放送をビデオ録画した後に,再生時に両方で喋られ,リモコン操作に慌てる時と,同じもどかしさを感じさる。
脱線するが,ある外資系企業主催の新製品に関する専門技術分野のセミナー。USの開発担当技術者が訪日して講師を務めていた。講師が英語で説明して,一区切りごとに日本人スタッフが和訳する,同時通訳ではなく逐次通訳だった。
その通訳を努めた日本人もその分野の専門家だったが,訳が凄まじく素晴らしかった。
講師の間違いの訂正は勿論のこと,大幅な捕捉説明,難解な箇所や矛盾点も,見事に整理して理路整然と訳していた。勿論周到すぎる事前準備をする真面目さを非難するつもりは無いが,はっきり言って時間の無駄だった。そのセミナーで費やした時間のうち半分は,カッコ良く見せるための演出に過ぎなかった訳だ。
それなら,そんな茶番は廃して,はなから日本人がメインの講師になり,USの開発担当技術者は最初に挨拶して,質疑応答や開発時の苦労話や裏話のバックアップに控え,そちらに十分に時間を割いたほうが,遙かに効率的で有意義なセミナーになっていたことだろうと思った。当事者本人が極東まで遠路遙々来るなら,書き物には残されない,ナマの声にこそ価値がある。
聴衆とて暇を持て余して,まる1日お座りしていた訳ではなかったし。
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屋根の上の風車回し | クルマ
Posted at
2007/03/14 03:26:11