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2007年05月30日 イイね!

ワカメ取り

ワカメ取りある日の夕方,いつものように砂浜で,ポン友とヨタ話をしていた。
体育座りをした2人の眼前には,波が寄せては帰し,傍らには2台の自転車が立っていた。

背後から「ポロポロポロ」と2ストローク・エンジンの,玩具のような排気音が近付いて来る。ジムニーはその軽さを生かして,波飛沫を上げながら波打ち際を走り去った。車体の床辺りまで水に浸かっている。
エンジン音が遠ざかり,5分ほどすると,また近付いて来た。
水から上がると,前後のバンパーには海草が少しぶら下がっていた。

しばらく経った別の日のこと。
同じように砂浜でポン友とヨタ話をしていた。

「もし,将来お金持ちになってXXXX万円あったら何買う?」

「フェラーリ XXX」

「いや,あれはXXXがXXXだ。むしろランボルギーニのXXXがいい」

「そんな,こたあない。ランボはメンテがXXX」

「ならXXXでポルシェを買って,残りで普段の足にXXXを買う。XXXは修理費用に残しておく」

「そういうセコイ使い方はダメだ」

・・・カブすら買えないガキが,将来を真剣に語っていた。
人間,全く目処がつかないほうが幸せな場合がある。

そんな時に,背後から一台の白い乗用車が近付いて来た。もちろん砂浜を走る乗用車なんぞ始めて見る。
その車はそのまま波打ち際へ。

「海でも見に来たか? 珍しいな」

停まる筈と思った予想に反して,海面へズブズブと入って行く。

「車ごと入水自殺!?」

あっけに取られた2人の目前で,その車はついに海面に浮かぶと,そのままスイスイとさざ波を立てながら,沖合に走り去ってしまった。

「エッ? エッ? 何?」

小一時間ほど経っただろうか。
再び視界に現れたその車は,何事もなかったように上陸し走り去った。
バンパーやサスペンションから垂れ下がった,いっぱいの緑や茶色の海草を引きずりながら。


今考えると,ジムニーと同一人物だった気がする。
その海岸に車を乗り入れる御仁は皆無で,その2台以外には見たことがない場所だ。
ジムニーでの水中走行に限界を感じて,車庫証明なんぞ不要な時代,ポンと買って来たのかも知れない。

西ドイツ製で車名は「アンフィカー」
残念ながら水上7ノット/時という,中途半端な速度ゆえか,商業的には成功しなかった。
水陸両用の市販乗用車は空前絶後でこれのみ。ちなみに「シュビムワーゲン」と同じ設計者による。

5台輸入された内の一台に,遭遇できたとはラッキーだった。

なお,不発ゆえの希少性で,第二次大戦中に製造された「シュビムワーゲン」の,数倍の相場というのが皮肉だ。最近では911の新車並の値が付いている。



Posted at 2007/05/30 12:47:00 | コメント(1) | うみ | クルマ

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