
最近ひょんなことから,アロイスが最初に作り上げた,「カエルのたー坊」に接する機会があった。試作とテストを繰り返した車体で,ボディーも継ぎ接ぎだらけ,タービン回りも試行錯誤の跡があり,見た目はボロボロだ。
正体を知らない人の目には,まだらのくすんだ色で,まるで素人が塗ったかのようで,タイヤだけが広く突き出た,ただのカエルの族車に写ることだろう。
だが,私にとっては若さと情熱が,その工作の稚拙さに凝縮されているようで,却って夢を感じさせた。しばしのタイム・スリップに浸った。「あの頃は自分も・・・」と。
最近でも御大は,第一線でまだまだ健在のようだ。ノーマルのたー坊の高出力化や,げんばら等のライバルとのパワー競争で,往年に比べれば,いささか影は薄いようだが。
下記の関連情報URLのリンク先は,アロイス御大自らの解説と,フジにおけるデモ走行シーンの動画だ。
コンプリート・カーの「えるてー12」は530bhp,オプションで最大650bhpまでパワー・アップできる。柔軟性のアピールのため,スタートはアイドリングで,2速でもアイドリングで這いずりまわっている。
最初は価格だけでなく,足車に使える柔軟性も「さすが屋根。凄い!」と思ったが,よく考えればノーマルのたー坊も呆れるパワー,ベース・モデルはそれの+50hpなら,昨今の電子制御を持ってすれば当たり前か。
かろーらGTでも同様だが,最近の500hpオーバー・モデルは,スロットルに載せた右足が踏みたい衝動でムズムズする,ドライバーの欲求不満さえ無視すれば,町中を這いずり回ることも平気でこなす。
デモ走行では,できればノーマルたー坊,そして996げーてー2との同時走行をして比較して欲しかった。敢えて2駆を望む潜在顧客は,それらとの差異が気になることであろう。パーツ価格とその取り寄せ日数に,ゼロが1個余分に付くげーてー2に,後々のことを考えて躊躇している潜在予備軍も,少なからずいることだと思う。
別に目くじら立てるつもりもなく,どうでもいいけど,このドライバーさんノーヘルでコースを走ってる。「ガイジン」さんだから良いのかな? もちろんペース・カー主導の「サーキット体験走行」レベルでなく,放し飼い走行だ。
Posted at 2007/03/11 19:39:29 | |
屋根の上の風車回し | クルマ