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2006年12月06日 イイね!

通学快速 世界最速猛牛

通学快速 世界最速猛牛初任給が5万円前後だった頃の,随分昔の話。
ある高校の3年生が自動車の運転免許を取った。
放課後の帰宅時間になって,彼は回りの友人達に「今日は車で来た」と話した。
車種は明かさなかったが,グランドに停めてあるという。グランドは校舎からは公道を隔てて少し離れており,直接は見えない。

みんなで見送りすることにした。

「思い切り良くて,GTR。せいぜい良くてスカGかな?」

車に少なからずの興味を持つ年代,初代スカイラインGTRが憧れの的であった頃だ。誕生日の都合で免許をまだ取れない連中は,免許を取ったらGTRは無理としても,スカGが夢の対象だ。

男子校ゆえ,やんちゃ集団がワイワイ・ガヤガヤと騒ぎながら,グランドに連れ立った。グランドのゲートを入った少し奥に,回りに思いっ切りスペースを取って,ぽつりと1台の車が停めてあった。巨大なハエ叩きで叩かれると,このぐらいになりそうだと思わせる,尋常ではない低さだ。
彼が乗り込む。重苦しいスターターの音がする。なかなかエンジンが掛からない。
「ブルン。パッスン。ポン!」
「バオ~~ン」
「ポン。パンッ!」
何とか掛かった。
「ギャワウォ~ン!」
吹かすと聞いたことのない音だ。

「ブワーン」「ボロロロ」「パスッ!」
クラッチを繋ぐ前は回りに轟く爆音だが,繋いだ途端に意気地のない音に変わり,エンストを繰り返す。

何度もエンストを繰り返しながら,思いっきり大きな円を描いて,グランドの中央近くでUターンして,重いハンドルと格闘しながら,表の道に這いずり出して行った。

12マイナス6気筒ぐらいの轟音をバラつかせながら。全部は未だ燃えていないようだった。

当時の貨幣価値から換算すると,今で言えばさすがにエンツォまではいかないが,マクラーレンSLRか,かろーらGT辺りに相当する。性能的にも当時の序列においては同様だ。メーカーは300km/hと豪語していたが,実測では250辺りだったと思う。夢を与えるのを良しとする,イタリアンのサービスだ。

いきなりゴール・ラインからスタートしたようなもので,次に乗る車に迷う楽しみを奪われてお気の毒だ。やっかみから出た,余計なお節介に過ぎないが。
Posted at 2006/12/06 20:45:53 | コメント(3) | 通学快速 | クルマ

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