
文字通り物理的にも「下駄」として使っていたのだ。
校舎の回りにはコンクリート製の塀が張り巡らされている。施設間を移動する場合には,当然門まで遠回りしなくてはならない。
ところが,そのクラブの部員達は,部室がある建物の塀際に「下駄」を並べていた。そしてボンネットを踏み台代わりにして,塀を乗り越えてショートカットするのを常としていた。
確かに,ボンネットの高さ,下駄を思わせる水平で角張ったフェンダーといい,踏み台としてはこれ以上の車は見当たらず,お誂え向きだ。持ち主がいない時は当然のこと,持ち主の目前であれ,まるでお構いなしに,ヒョイヒョイと連なって,塀を乗り越えて行く。勿論持ち主もそうするし,他人が自車を踏み台にしようが全く動じず,一瞥すらくれない。
そのクラブは種目柄,裕福な家庭の子息かつ,幼馴染みが集まっていたが,それにしても凄かった。
天寿を全うし後はスクラップにされるを待つのみの,ボコボコのポンコツならともかく,新車の時からであった。
車を道具として使い切っていたと言えなくもないが・・・
Posted at 2006/12/18 22:45:51 | |
通学快速 | クルマ