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2006年12月18日 イイね!

通学快速 「下駄」  後編

通学快速 「下駄」  後編 文字通り物理的にも「下駄」として使っていたのだ。

校舎の回りにはコンクリート製の塀が張り巡らされている。施設間を移動する場合には,当然門まで遠回りしなくてはならない。
ところが,そのクラブの部員達は,部室がある建物の塀際に「下駄」を並べていた。そしてボンネットを踏み台代わりにして,塀を乗り越えてショートカットするのを常としていた。

確かに,ボンネットの高さ,下駄を思わせる水平で角張ったフェンダーといい,踏み台としてはこれ以上の車は見当たらず,お誂え向きだ。持ち主がいない時は当然のこと,持ち主の目前であれ,まるでお構いなしに,ヒョイヒョイと連なって,塀を乗り越えて行く。勿論持ち主もそうするし,他人が自車を踏み台にしようが全く動じず,一瞥すらくれない。

 そのクラブは種目柄,裕福な家庭の子息かつ,幼馴染みが集まっていたが,それにしても凄かった。
天寿を全うし後はスクラップにされるを待つのみの,ボコボコのポンコツならともかく,新車の時からであった。

車を道具として使い切っていたと言えなくもないが・・・
Posted at 2006/12/18 22:45:51 | コメント(2) | 通学快速 | クルマ
2006年12月18日 イイね!

通学快速 「下駄」  前編

通学快速 「下駄」  前編 発売当時,気の毒にも「ぷあまんず・POるシェ」という称号で,口の悪いジャーナリスト達に呼ばれていた車種があった。いくら同社のラインアップの中では安価とは言え,当時の価格を現代に換算すると,NSX辺りに相当すると思う。
 れっきとしたスポーツ・カーで,ごく一部のモデルを除き,エンジンこそVW流用だが,コーナリング性能とトータル・バランスはピカイチだった。ましてや学生にとっては,とても贅沢と言える車種だった。

 そんなスポーツ・カーを,体育会系のあるクラブの部員達は,色違いで揃え,通学に使っていた。昼間から練習をするクラブで,しかも練習場所は大学から遠い。彼らは兄弟ではないが,自ずから行動も共にすることが多かった。

 そこで,ほぼ毎日,午前中は同じ場所に,色違いの「下駄」が並ぶことになる。外野のカー・マニアは買えない者の僻みもあり,そのスタイルから「下駄」と呼んでいた。
校舎を挟んだ道路際の塀に沿って,カラフルで高価なスポーツ・カーが並ぶこと自体が異常なのに,彼らの行動は常軌を逸した,さらに驚くべきものだった。
Posted at 2006/12/18 08:25:59 | コメント(3) | 通学快速 | クルマ
2006年12月13日 イイね!

下駄を履かせる

下駄を履かせる 昨今ではスポーツカーやGTカーと言えども,基本機構の実用性は極めて高い。車外からですら,窓から手を突っ込みキーを捻れば,エンジンは簡単確実に掛かる。どんな高性能車であれ,そのまま放っておいても安定したアイドリングを,タンクが空になるまで続ける。
昔のウェーバー等の多連キャブ時代からすれば考えられないことだ。

ハンドルやクラッチは軽く,クラッチやシフトも自動化されているのも多い。
「XX乗りに相応しいのは・・・」なんて講釈は虚しく響き,はっきり言って,限界性能さえ試さなければ,誰にだって転がせる。勿論それですら,とてつもなく速い。そもそもオーナーですら,限界性能に触れず終いであることが多い。
ド派手な外観と周囲の目さえ気にしなければ,足車としても十分使える。

・・・で,「オッサン何が言いたいねん?」ということになるが,エキゾティック・カーと呼ばれる部類で,実用性を阻害する要因は「最低地上高のみ」と断言しても良い。鼻先とフロント・リップの都合で,アプローチ・アングルが取れない車種が,どんどん増えているのも災いしている。

スポーツ・モデルで車高調整が,車内からでも臨機応変にできる車種は,思いつくところでは超希少車であるMBの「190E 2.5-16 EVO」,フェラーリ 「F50」ぐらいしかない。
シトロエンは荒れ地や非常時用,MBのSLは逆に高速で下げるもので意味合いが違う。

 エアやガスのサスではなく,スプリング・マウントの上下やハブ・キャリアの偏芯とかで,室内から臨機応変に変化させられる機構があってもいいと思う。「何かライバルにないものを付けなければ」という電子制御てんこ盛りのお節介装置より,余程有り難いのではと思うのは私だけであろうか?
画像上段にある程の車高調整を欲しがるのは,私ぐらいだと思うが,40mmの変化だけでも,かなり状況は変わる。

 回し者ではないが,下の関連情報URLは車高調整が室内からできる後付けマウント。ファミリーカーが買える価格と,コンプレッサーとエア・タンクの体積に目をつぶれるなら,なかなか面白い製品だと思う。ただし,装着にあたっては自己判断&自己責任でお願いします。

 念のため付け加えておくと,先刻ご承知であろうが,他にも実用性を阻害する要因は,ドアの厚みと前後長,シート・サイドの張り出し,「性能を発揮できないことによる,いたたまれない欲求不満の蓄積と爆発」もある。

 余談だが画像の「浜ー」はシャコタンではない。その独特の機構でデフとドライブ・シャフト位置が極めて高く,床下の突起は極少だが,岩を乗り越えた後に,岩でアームを折ることがある。4輪のアームを折るとこうなる。
Posted at 2006/12/13 07:10:26 | コメント(2) | 優れ物 | クルマ
2006年12月11日 イイね!

通学快速 ツートン・カラー

通学快速 ツートン・カラー年齢の近い男兄弟は仲が良く,小さい頃から遊ぶ時も行動を一にすることが多い。そんなある男兄弟の話。
 二人とも無類の車好きで,同じ大学に通っている。一台の車を共同で使っているため,通学も遊ぶのも一緒にが,どうしても多くなる。

 ある日,車を買替えることになった。どの車種にするかは趣味もセンスも似通っている二人,比較的スムーズに決まった。ところが,どうしてもお互い譲れないことがあった。

ある夜,普段から殆ど喧嘩もしない二人が,夕食後に何やら揉めている。最初はぼそぼそ声で始まった言い争いが,徐々に熱を帯び,お互い声を荒げている。

離れていた所で,仕事から帰りくつろいでいた父親が,何事かと二人の間に割って入った。段々とエスカレートし,一向に収まる気配がなかったからだ。

今回の購入車種は,アメリカ人の間でも「キャディ」つまりキャデラックと同時所有するのが,成功の証とされているスポーツ・カーである。大排気量アメ車の中でも特に高額な車種だが,それを購入すること自体は父親も承認済みだ。

「二人共,何を大きな声で喧嘩しているのだ?」

家庭内の揉め事が大嫌いな父親まで,巻き込んだ事態に兄弟は少し後悔した。でも譲れない一線でもあった。

興奮で顔を赤らめた弟が口を開いた。

「兄貴がどうしてもオレンジ色にすると言って聞かない。白のほうが絶対似合う」

「何,言ってるんだ。白なんぞありふれていて,面白くもない。オレンジに決まっているだろうが」

「あんなケバケバしい色のどこ良いのだ。ケバイのは女だけにしとけ」

中古車なら状態とか価格を優先し,色は後回しになるのだが,新車購入ということで,選択肢が広いのが災いしている。双方一向に譲る気配はない。
 普通の父親なら,今回は兄貴を立てて次回は弟の好みを,ジャンケンで,真ん中を取ってクリーム色,いっそ橙白のツートン・カラー,左右で塗り分け・・・とかを提案するだろう。
しかしこの父親は息子達でさえも,考えが及ばなかった解決案を提示した。常識ではまず考えられない。

「何をつまらないことで揉めているのだ」
「たかがそんなことで喧嘩するな。大事な兄弟,これからも仲良くしろ」

かくして,大学の近辺で一心同体かのごとく,ぴったりとくっついて,走り回るのが見かけられるようになった。ただでさえ目立つ大型スポーツカー,腹にも響く合計16気筒のインパクトは二倍どころではなかった。


その頃の私はもっぱら解体屋さん巡りをしていた。
もし私がそのお宅に生まれていたら,2台分を1台にまとめてお馬さんにグレード・アップし,もう一度喧嘩をおっ始めていたかも知れない。
Posted at 2006/12/11 16:54:39 | コメント(1) | 通学快速 | クルマ
2006年12月07日 イイね!

マグネシウム合金

マグネシウム合金  虫の知らせというものがある。
取引先の社員だった方で,出張が多い技術者。
その日は出張先から帰京する日だった。本来なら仕事も終わり,やっと自宅へ戻れるので嬉しい筈だが,朝から気分が優れない。別に体調が悪いという訳でもなく,本人にも理由が分らない。

珍しく寝坊をして予定がずれ込み,ぎりぎりの時間になった。急げばまだ間に合う。しかし,空港へあと少しという所で,どうしても厭になって,引き返してしまった。航空券は購入済みである。社費で購入した航空券。サラリーマンにとっては,通常ならとても,認めてもらえる行動ではない。狂気の沙汰だ。

その日,彼を地上に残し飛び立った便は,滑走路を目前にした羽田沖の進入コース途上で逆噴射をした。
それ以来,その方は移動を陸路に限っている。


 その逆と言えるケースもある。随分昔になるが,友人のS子と会った。どうも様子がおかしい。沈んでいて口数が少ない。
聞けば,S子の親友であるA子が関わった事柄が,S子をそうさせていた。

 ある日,A子の親友B子が東京へ,泊まりがてら遊びに来た。
最終日に東京滞在の締めくくりとして,ドライブに行くことになった。
A子,彼氏のC,その友人D,そしてB子の計4人。

Cの車は2人乗りなので,Dも車を出すことになった。ダブル・デートよろしく2台の車に分乗し,少し遠くまで足を延ばすことにした。
御殿場周辺でさんざん遊んだ。思いの外楽しく,時間の経つのも忘れた。
いざ,帰る段になって気が付くと,B子が予約している東京発の便まであまり時間がない。
関東の地理に疎いB子は,移動に要する時間が読めていなかった。また折角の楽しい雰囲気に水を差すのも,内気なB子としては,はばかられたのだろう。

かなり急がないと無理だ。
それまでB子はDの車に乗っていた。当時の若者には一番人気の国産車だった。
だが,所詮「スポーティー」車,性能的には本場のスポーツカーである,Cの車とは比べ物にならない。
そこで,B子はCの車で,東京まで送ってもらうことにした。Cのなら,なんとか間に合う。

高速道路に入ったCの車は,豪快な金属音と排気音を残して,一気に加速する。前に見える全ての車を抜き去って行く。後ろ姿が見る見る内に,小さくなり,点となり,瞬く間にA子とDの視界から消え去った。

結果を言うと,残念ながらB子は帰りの便に間に合わなかった。

・・・S子の話をそこまで聞いて,私は数週間前にニュースで見た,ある映像を思い出した。
東名高速上り車線上にて,白い粉にまみれた,鉄でできた基本骨格のみを残して,殆どの部分が消滅したものを。ニュースではイタリア製高級スポーツカーとのみ伝えていたが,その特徴ゆえ,私には車種はかろうじて分った。
マグネシウムやアルミニウムは焼夷弾の装薬にもなる。


なお,画像の個体は本件とは関係ない。車種を除いて。
Posted at 2006/12/07 20:43:36 | コメント(1) | おか | その他

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