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2007年01月26日 イイね!

通学快速 王室海軍中佐御用達

通学快速 王室海軍中佐御用達 将来,経営者の座を確約されているボン達は,就活なんぞ下須のやること,卒業後留学することが異常に多かった。
当然ながら,それに増して,夏休みに短期留学や海外旅行する者は多かった。

なお,私はそんなのとは無縁な生まれ育ち。当時は日本全体が危機の時代,「本年度採用予定無し」が常識で,就活も思い切り苦労した。内定後も自宅待機全盛の頃だ。自宅待機の新入社員をまるごとキャンセルして放り出すことや,他社に売り飛ばし。何でもありの時代だった。

 B君は入学早々,帝王学を学ぶ手始めに,夏休みに大英帝国にに短期留学することになった。
 ちなみにあちきは,アリスの歌そのまんまで「飛び散る汗と,炎の中で~~♪」の歌詞通り,昼間は溶けた鉄を浴びながらのバイト,夜は家庭教師と,殆ど死に体だった。

車好きのB君,留学先で暇なときには車屋巡りに明け暮れた。

ふと立ち寄った店に,まさに「それ」があった。ロンドンと言えども,そうそうその車が走っている訳ではない。
B君にとってはハリウッドの映画スターに,道で偶然会ったようなもの。
英国といえばジェームズ・ボンド。ボンドの愛車と言えば,今でもやはり明日豚がぴったし来る。
イタ車もいいが,やはり伝統から滲み出る気品は明日豚がピカイチだ。
それが放つオーラに,B君は圧倒されると共に一目惚れしてしまった。

「これクレ」

決済方法,輸送,通関,排ガス検査,新規車検登録,メンテナンス・・・
B君はそんな言葉すら知らないし糞くらえだ。意志決定さえ伝えれば,本国のスタッフ達が何とかする。幼少からの今までと同様に。
B君にとってはミニカー購入と,さほどの差異はない。縮尺が1/1になるだけだ。


 かくして樹木が色付く頃,「王室海軍中佐御用達号」が「なんちゅーのに乗って来るんじゃぃ戦隊」の戦列に加わることになった。余談だがメルセデスやGTRでは,ありきたり過ぎて戦列には加われない。
デカさもさることながら,映画からそのまま出て来た容姿は,やはり目立った。

以下は単なる妬みだが,デザインの優雅さとは裏腹に,とても想像できないが,まさに「漢の車」。操作系の重さを始め,とても荒削りな車だ。ドライビングは「流す」というイメージからは程遠く,「車と格闘する」が相応しい。

一言で言えば

「とても速いトラック」

 無骨さの例外として「フライ・オフ」式のサイドブレーキ・レバーは,右側運転席のさらに右側に位置してたと思う。左隣のお嬢様との楽しい語らいの一時を,何かと邪魔してくれる,忌々しいレバーは二人の間にはない。私には何のことかさっぱり分らぬが,その有り難みは分る人には分るそうだ。

まさかそのための設計とは思えず,サーが付く英国紳士にとっては,不要な計らいだろう。
彼等には,やはり氷いっぱいのバケツの中で,汗をかいた「ピンドン」と大粒の苺の山盛りを傍らに,汗をかいたお嬢様と語らうのが似合っていると思う。
Posted at 2007/01/26 22:10:53 | コメント(1) | 通学快速 | クルマ
2007年01月17日 イイね!

通学快速 アマガエル改

通学快速 アマガエル改「アマガエル号」を大破させてしまったA君,勿論同じ車種をまた買うことも,修復して元通りにすることもA家の財力をもってすれば容易いことだった。だがそれでは,あまりにも芸がない。かと言ってA君の用途に見合った能力の車種は,他には見当たらない。

転んでもただでは起きあがらないA君,修復ついでに大改装をすることにした。サスペンション,フェンダー,大きな羽根等々の外装,ホイール,タイヤを一新して「RSR仕様」に生まれ変わった。さすがにエンジンにまでは手を入れなかったが,それでもただでさえ部品は高額,増してや純正レース部品の価格は天文学的数字に近かった。
図太いスリックを履かせるホイールだけでも,国産車が2台買えた。

スリック・タイヤにへばり付いた小石を,一般庶民学生にぶちまけながら,元気に練習場に向けて出動する,戦闘力を増した「アマガエル改号」の姿が再び毎昼,見られるようになったのであった。

夕暮れの女子大の門前に毎日定刻に配置に付く「重大任務遂行中」の戦闘車両の群れの中でも,夕日に映し出された「アマガエル改号」はさらに一際精彩を放っていた。


 「スリック?」「そんなのウェットでは軽4にも負けるだろ」

ご心配には及ばない。A家では「一家に一台」という訳ではなく,望むなら,天候や状況に応じて使える車は他にも色々ある。
メルセデスだけでも,「おじいちゃんのベンツ」「おばあちゃんのベンツ」「パパの」「ママの」・・・以下省略。常時ハンドルか毛ばたきのいずれかを握っている運転手さんも,勿論一台毎に付いていた。一般受けする,前屈みのネーちゃんが鼻先で羽を拡げている車も,取り敢えずあった。「空飛ぶ天使」と言うそうだが。
Posted at 2007/01/17 11:14:18 | コメント(2) | 通学快速 | クルマ
2007年01月12日 イイね!

通学快速 アマガエル

通学快速 アマガエルそこでA君が出した結論は「通学快速 アマガエル号」であった。コンパクトなサイズで,きちんと曲がり止まれる。パワーも「おむすび号」に比べ遜色ない。A君の要求を満たせる4輪車はこれしかないという判断だった。価格と周囲の反応さえ無視すれば,当時としてはベストな解答だとも言える。

斯くして,あわれ「おむすび号」は僅か3ヶ月の愛顧をもって退役となった。リーサル・ウェポン「アマガエル号」は予想を全く裏切らない性能を発揮してくれた。

めでたくこれにて一件落着。ジャスト・イン・タイムに任務遂行を重ねる順調な日々がしばらく続いた。

が,思わぬ伏兵が。

総合性能はとてもハイレベルだが,それにも増して限界時の挙動も顕著。操縦に馴れてペースが上がるに連れ,「アマガエル号」は飼い主に反して牙を剥くようになった。お尻を振り出したら止まらない。
厄介なことに他の車はお尻を振り出したら,アクセルを緩めるのが常道だが,こいつは状況に依ってはさらに踏み込んで後輪荷重を増やす必要がある。人間心理に逆らう操作で,一瞬の判断が明暗を分ける。

 乗り出してから季節も変わらぬある日,それは起こった。住宅地のコーナーをぬえわの速度で抜ける時に。日常それまで飽きるほど抜けている自宅のすぐ近くのコーナーだ。
幸い乗員は無傷であったが,あわれ「アマガエル号」は大破してしまった。「おむすび号」より短命だった。

A君やっちゃった。


Posted at 2007/01/12 21:42:24 | コメント(2) | 通学快速 | クルマ
2007年01月11日 イイね!

通学快速 おむすび

通学快速 おむすび入学とほぼ同時に免許を取ってすぐに,おむすびがクルクル回る車を買って貰ったA君。国産車の中では比類無き高回転のスムーズさ,パワー,燃料消費量を誇っていた。
ダッシュは国産最強。とても速かった。真っ直ぐ走る限りにおいては,動力性能には何らの不満はなかった。曲がったり,止まったりさえしなければ。

 A君が所属する体育会は少し特殊な種目で,練習や試合には広大な敷地を要する。従って毎日の練習場所は遠くの山の中。日没前に練習を終えた後には,A君には毎日欠かさず遂行しなければいけない大事な任務がある。決められた時間までに戻り,遅れは決して許されない。

道中は山あいのワインディングで信号も通行量も少なく,かなりのペースで走れる。真っ直ぐの1本道なら「通学快速 おむすび号」でも間に合うのだが,当然曲がったり,コーナー直前ではブレーキングも必要だ。
車の能力いっぱいを使っても遅れる日が目立ってきた。今と異なり携帯電話のような文明の利器はまだ無かった時代。遅れを知らせる通信手段は狼煙ぐらいなもの。

遅れるとA君は強烈な叱責を受け,その後の予定もキャンセルされることもしばしであった。

「通学快速 下駄号」は曲がる,止まるに関しては要求水準に合致するが,いかんせん非力で直線区間では「おむすび号」の後塵を拝する。

「通学快速 牛号」はかなりの水準だが,いかんせん幅が広く山道ではペースが鈍る。舗装の荒れた所ではお腹を擦ってしまう。何より練習時に必要な道具を載せるスペースがない。

「通学快速 秘密諜報員英国海軍中佐御用達号」も,今一そのコースには不向きだ。当時メンテとパーツ供給に不安があり,一旦工場入りしたら退院時期はおぼつかない。またその車体の特殊構造ゆえ,クラッシュしたら国内での修復はほぼ望めない。

A君困った。
Posted at 2007/01/11 06:13:28 | コメント(2) | 通学快速 | クルマ

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