ペットにかける年間支出、不況下でも20%増加
2月16日13時5分配信 MarkeZine
アニコム損害保険は、全国のモニターを対象に「ペットにかける年間費用について」のアンケート調査を行った。調査では、2008年2月~3月(有効回答数353)、2009年1月(有効回答数216)の2回にわたって行われ、そのデータを比較している。
その結果、犬猫ともに年間支出が前年を20%以上も増加しており、特に「病気やケガの治療費」や「フード・おやつ」に関する費用が大幅に増加傾向にある。年間の平均合計支出は、犬が24万8000円、猫が12万8000円とかなりの高額で、いずれも約20%の増加となっている。
また、ペットの「健康と食」に対する意識も高まりを見せており、「病気やケガの治療費」「ワクチン・健康診断等の予防費」「シャンプー・カット・トリミング費」など、健康に関連する費用について上昇傾向が見られる。治療費については、年間5万円を超える出費をした飼い主の割合が全体の10%からから18%に増加している。
ヤフーニュースってすぐ消えちゃうので、コピペっときます。
この手のニュースを読む時にまず、注意すべきなのは調査会社が何処なのかという事です。
アニコム損害保険、ペットを飼っていて動物病院に行った事があればチラシ位は見た事があるでしょう。
ペットの損害保険会社、要するに、
「動物病院で掛かった医療費の半額を負担します。」という保険を売っている会社です。
業界としては、かなり以前からありましたが、おりからのペットブームに多少乱立があり、
その後、幾つか破綻、撤退した所もありました。
その中でも、アニコムは業界の中でも最大手と言える規模です。
さて、タイトルに・・嘘っぽい・・と書いた訳ですが、軽く根拠を示して置きます。
1、サンプル数 353+216=569
現在、年間12万頭以上の犬が引き取り手が無い為に殺されている現実から比べて569件の
アンケート回答数が妥当なのでしょうか?
普通、日本の社会的傾向を調べるのに569人の動向で決定してしまうのでしょうか?
しかも、「全国のモニターを対象に・・」と先に言っちゃってる所が???
2.サンプルの思考偏差
「全国のモニター」と称してはいるものの、ペットの損害保険に興味を持ってインターネットで
検索したりしている人がこの569人の中には多いのではないかと想像出来ませんか?
雑種で、庭先に犬小屋を置き、鎖でつないで、10キロ2000円位のドライフードを
与えていればOK、去勢避妊必要無し・とか思っている人の意見がこの中にあるでしょうか?
更に、この内、既にアニコムの会員になっている人はいないのでしょうか?
元々、ペットに可能な限りの医療を施したいと思っている人なら、以前から高額の医療費を
惜しげもなく支払ってきている・・とは考えられないでしょうか?
3.犬の場合 1日あたり688円
医療費も込みとすると「かなり高額」なのでしょうか?これは、主観的な問題ではありますが、
報道の手法として、こういう形容詞や、副詞を使った言い回しがよく使われます。
4.動物の医療費は青天井
もし、出来るなら飼っているペットを連れて5軒位の動物病院を訪ねて去勢・避妊手術に掛かる
費用を聞いてみて下さい。5軒とも同じ料金という事は、絶対にないと断言出来ます。
検査、入院日数、投薬、抜糸まで入れれば意外と差がある事に驚かれると思います。
中には、移転をして新築のビルに移った途端に料金が高くなったり、診察の前の検査項目が
増えてしまう動物病院もあります。法的な決まりは全くありません。
5.年間5万円を超える出費をした飼い主の割合が10%からから18%に増加
この中に去勢・避妊手術は含まれているのでしょうか?
今まで、去勢避妊に無頓着だった飼い主が、その必要性を認識し始めて手術を施すように
なった割合は、確実に増えていますよ。
僕が言いたいのは、この記事は、「これだけ費用が掛かるんですから、保険に入りなさい。」
と言っている、単なる宣伝に過ぎないという事です。
個人的には、ペット保険は確かに有効だという事に異論はないです。
人もペットも、思わぬ時に思わぬ病気になる事に違いはありません。
転ばぬ先の杖、保険とは損得で考えるべきものではないと思っています。
ただ、企業のあり方として、このような、広告をニュースと見せてかけて展開するやり方は
いけないと思うのです。
写真は、犬の膀胱結石のレントゲン写真です。
今では、動物病院でもレントゲン写真をパソコンで管理して、飼い主さんに説明するんですね。
ペットを見る目もニュースを見る目も、もっと鋭くして行きたいと思っています。
Posted at 2009/02/17 01:53:56 | |
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