
昨夜、愛川町半原にある松葉沢ホタルの里に蛍を観に行ってきました。
夕方5時前に家を出発、たまにはノンビリと下道で行こうっと珍しく空いていた246号を快調に南下、厚木の妻田伝田を右折すぐ妻田中村をまた右折、現在は市道となった旧国道412号線を北上して公所海道で走り易くバイパス化されている現道412号線に合流して、あとは道なりに北西に向かえば愛川町半原です。
余談ですが、ここからそう遠くない平塚市と大和市の公所はグゾと読みますが、厚木の公所海道の公所はグジョと読むようです。読みは異なりますがいずれも公所と言う字面からして、鎌倉時代辺りの役所やそれに準ずるような集落を司る機関が在ったことに由来しているのではないかと思えます。
そんな厚木の公所辺りで6時、まだ陽は高く明るいので蛍は出て来ないだろうっと早めの夕食をにしました。
ここ6、7年のような気がしますが、新旧412号線沿いにはエスニック料理や台湾料理のお店があれよあれよという間に増え、いつの間にか街の光景として馴染んでしまったように感じます。夕食はそんな一軒、上荻野のコンビニ跡を改装した様子の台湾料理福満園さんで美味しく頂きました。メニューも豊富でとてもリーズナブルです。
腹ごしらえをしたところ夕闇も迫ってきたので山あいは暗くなる頃だろうと半原に急ぎます。現地の8台位停められそうな駐車スペースはほぼ埋まるところでなんとか端に停めることができました。
松葉沢ホタルの里はイメージしていた立ち入れる小さな河原敷とは違って、目測で15メートルから場所によっては20メートル以上もある深い渓谷状の所でした。
中津川支流の宮沢川のこの辺りを通称松葉沢と呼ぶようで、ここに架かる小さな橋の上が観賞の特等席なのか既に20人ほどの地元の方や大型三脚を据えたカメラマンで賑わっています。
愛川周辺は以前はよくハイキングに訪れていましたが、このような処があるとは最近まで知りませんでした。
ハイキングに触れたのでついでに加えると、半原からこの松葉沢の水源であろう高取山へ登りそして仏果山、革籠石山へ、そこから半原越へ下って経ヶ岳へと登り返して田代半僧坊に至るコースは、一部に瘦せ尾根があるものの最後には堰堤下り(ちゃんと袖階段付き)もあったりと半原を基点にした手軽ながらも多彩でとても気持ちの良いハイキングが楽しめます。ただ、この時期はヤマビルファイター持参が必須ですし(>_<)、枝葉が生い繁って眺望が今ひとつなので、個人的には秋から春にかけてがお薦めです。
7時半前はまだ明るいのか蛍は現れません。
それから5分ほどの後に、渓流斜面の茂みにひとつ、ふたつと黄色味かかった薄緑色の淡い光を放つ蛍が飛び始めました。
するとまるでそれを合図に待っていたかのように川面や渓流上空に次から次と多くの蛍が舞いだしました。
写真は巧く撮れなかったので実際の様子は想像して頂くしかありませんが、静かに歓声があがるほどでした。
ただ地元の方の言うところでは、毎年幼虫を孵化させ放流してきた松葉沢ホタル保存会の会員さんの高齢化等の事情もあり、今年は幼虫を放流しなかったので例年と比べると蛍が少なく寂しいとのことでした。
地元の方々のご努力に感謝感謝です。
今月末までは鑑賞出来るとのことですので県内近郊の方は夕涼みがてら行かれてはいかがでしょうか。
この橋の架かる道の傍には馬坂という石標が立てられています。各地に馬坂という坂がありますが、いずれも急坂で馬が登れず引き返すとか馬から降りて人が曳いて登る等の由来が多いように思います。この松葉沢の馬坂も昔はもっと山深く馬も難儀する道だったのかもしれませんね。
次々と鑑賞に訪れる方の車の駐車待ちも発生しだす賑わいなので1時間ちょっと滞在して帰宅の途につきました。
帰路も有料道路は使わず、水郷田名からすっかり垢抜けた上溝の街を経由して淵野辺から16号に入って、空き空きの保土ヶ谷バイパスを快適に走り抜け新桜ケ丘IC、環状2号線を通って帰宅ナイトドライブを楽しみました。
帰りの車では、子供(幼稚園だったような)の頃、父親がどこからかもらってきた蛍を蚊帳の中に放って、仄かに点滅する蛍の光を姉とふたりで不思議に思いながら眺めていたことが懐かしく想い出されました。
そしていつまでも蛍をはじめ生きものが共生できる環境を維持出来るような社会であり続ける為に、たとえ幾許かでも自分なりに出来ることは行っていきたいと思ったそんなホタルの夕べでした。
Posted at 2022/06/18 00:00:34 | |
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四方山話 | 日記