STELVIO・・・
君は、本当に「醜いアヒルの仔」なんだろうか?
ボクは、君のボディの上のミラーを見つめながら、ずっと自問してきた。
そりゃぁもう、このミラーとボンネット形状に対する言われ方は、
まったくもってひどいもんだ。
要約すれば、こんなカンジ・・・
> フェンダーミラー・・・、コレはオーテックの社長の桜井眞一郎が、ザガート社に主張して譲らなかったデザイといわれているが、まさにコレゆゑにステルビオという車全体の評価をも貶めている。
・・・これでは、「主犯・櫻井眞一郎」ぢゃぁないか・・・と、ボクは思う。
そもそも、クルマのデザインにとって一番大切なのは、「たたずまいの美しさ」や、「装飾美」ではなくて、
クルマが動いているときに自然と湧きたってくる「機能美」なんぢゃぁないかな?とボクは信じている。
デザイナーがことさらにイイワケめいた説明をしなくても、造形の中からきちんと伝わってくるメッセージ・・・
デザインとは、そもそもそういうものなのではないだろうか?なぁんて、デザインど素人のボクは、カッテに信じている。
そして、そんなことを考えるボクは、順々に<自問自答>の世界に沈潜する。
たとえば、ステルビオと一緒に疾る・・・
すると、ステルビオのボディは、風の下にすっと潜り込む。
たとえば、ステルビオと一緒にカーブにさしかかる・・・
すると、ステルビオのボディは、左右にかかる風圧の違いをサラッと受け流して、曲がる方向にボディを向けてゆく。
ドライバーがステルビオにそうさせるのではなく、ステルビオの意思でそうなるような感覚になる。
ボクは感じたものを、ずっと考えてきた。
「何がステルビオをしてそうさせるのだろうか?」と・・・
そして、答えは、この「特異なボンネット形状にあるんだ・・・」と感じた。
その視点から、あたらめてフロントの造形を見直してみた。
> で、問題のミラーだけど、何回見てもヘンだねぇ・・・。
・・・ 確かに、ステルビオがたたずんでいるときには、そうみえるかもしれないけれど、中心からのℓとmの長さを比べてみてほしい。
画像の左の部分(ℓ)は、ノーマルのボンネット形状風に描き直してみたんだけれど、幅は、明らかに「ℓ<m」になっているよね。
この幅が、向かってくる風をしっかりと受け流し、また、このミラーを収納している部分の形状が、いわばボンネットの上に流れる空気を使ってボディを下に押さえつけてゆくエアロの働きをしていると思うんだ・・・
そして、真ん中を抜ける風は、ルーフのダブルバブルの真ん中を通って、後ろに抜けてゆき、結果、ボディをしっかりと路面に押しつけてゆく・・・
あまり自動車関連の本を読まず、また、きちんと資料を調べ上げることが苦手なボクの見聞している範囲はとても狭いから、恐縮なんだけれど、
「えぇっと・・・、私がなぜステルビオのミラーをこうしちゃったかというとですねぇ・・・(^^);」
なぁんていう、<櫻井氏の説明>を、ボクはいままで聞いたことがないんだ。
櫻井氏は、「あえて説明をせずに、自分がステルビオに寄せたメッセージをドライバーに読み解かせよう」・・・そう思っていたんぢゃぁないかな・・・。そして、
「どうだい、<人馬一体>という私のテーマのひとつの解答がここにあるんだよ」って気づかせようとしたんぢゃぁないかな・・・。
> っていうことは、櫻井氏は「確信犯」だね。
・・・うん、それも、とびっきり、最高の確信犯だ・・・(^^)
Posted at 2010/08/08 04:46:11 | |
トラックバック(0) | クルマ