
「化石燃料はあと50年」と言われ始めてからも久しい。
実際には探索と採掘技術の向上で,年々「あと・・・」の年数は道路公団の償還年数同様に,延びていっているらしい。
ただし主に石油メジャーが作り出した危機意識,「中国のめざましい発展で石油消費量は膨大な増加を」「インドの・・・以下同文」「旧共産圏の・・・以下同文」で,取引上の需給バランスは逼迫して行く傾向にはある。ちなみにメジャー4社は2006年度の石油危機で12兆円ほどの史上最高益を稼ぎ出した。
確かにそれらの国々の,エネルギー需要の増大には戦慄すら覚える。石油を原材料とする化成品の重要性と,その代替品の確保の困難さからも,単純に石油を燃料として消費するのにも,もったいなさを感じる。
そこで今後も上昇傾向にある石油価格と「京都議定書」の観点からも,「燃料は何でも来い」の自動車を妄想してみた。蒸気機関と電池のハイブリッド・カーだ。
自動車の黎明期には蒸気機関のものがあった。燃料は石炭でサイズ,重量共にかなりのものであった。重いのは8トン~20トンとビルダーも蒸気機関車を踏襲していたため,いたしかた無かったのかも知れない。
難点はそれ以外に,着火後2時間程蒸気圧が安定するまで待ち,走行開始という代物であった。小型のものもあったが,いかんせんパワーも微力だった。大型大出力のものは農業用や産業用トラクターに用いられていた。
そこで現代の技術を持ってするなら,燃料は燃えるものなら何でも。蒸気源の液体はフロン等のもので,タービンを回転後に凝縮して大気に放出せず循環させる。タービンで発電した電気はバッテリーに充電。
屋根やボンネットの太陽電池も併用。ちなみに蒸気機関車では水の消費量も凄まじく,燃料のそれに負けない。
ハイブリッドにするのがキモで,走行開始までのリード・タイムを皆無にし,瞬発力も稼げる。
余談だが,戦中にあった「木炭自動車」は蒸気機関ではない。木材や木炭を蒸し焼きにして,発生した燃焼ガスをガソリンの代りにして走る。エンジン本体はガソリン・エンジンで,現代のLPGタクシーに近い構造だ。
内燃機関に拘れば,構造に適した燃料は限定されるが,外燃機関にすれば効率は多少犠牲になるが,燃料の種別の範囲はぐっと拡がる。
実用レベルでは,LNG,木材チップ,アルコール,石炭,メタンハイドレード等々になるとは思うが。
キャンピング・カーに仕立てて,山間の県道を「お爺さんは山に柴刈りに」よろしく燃料を自給しつつ,おまけに予熱で風呂を沸かしながらトロトロと走る。抜かされたところで,一向に気にならない。何と言ってもこっちは「燃料費タダ」だ。
駐車中には勝手にアスファルトや周囲の樹木を「モグモグ」して,燃料補給するロボット機能を持たせれば,なおさら可愛い。
食費は焼き芋の売り上げで稼ぐ。
自給自足で永遠に走り続けられる車で,のんびり温泉巡りも乙なものだと思う。
Posted at 2007/03/28 23:06:31 | |
妄想 | クルマ