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2013年01月10日 イイね!

インタークーラー

インタークーラー プリンター騒動も落着した年の暮れ、半端ではない寒波が弧状列島を襲った。それとタイミングを合わすかのように、床暖房のボイラーが壊れてくれた。見慣れないエラー・コードが表示されている。マニュアルには載っていないコードだ。

エアコンや温風ヒーターで室温は上げられるが、これがないと底冷えする。空気やオトーチャン同様に、「無くして初めて分かる有り難さ」。その偉大さと正比例して、家族のクレームも大きくなる。
「何とかしてよ!」「いつ直る!?」

世の中で良くあるパターンだが、原因が全く判らないのに、解決時期を確約しろと迫られても返事のしようがない。
雪のちらつく屋外で、冷たいスパナを握りながら原因を探る。
燃圧が低く、燃料が噴射されていない。ポンプをバラして清掃し点火成功。めでたく暖かい大晦日を過ごせた。

・・・が翌朝、タイマーで暖まっているはずの床が冷たい。
ポンプへの電圧が供給されていない。20個以上のコネクターを外し、プリント基板を抜き取った。
経年変化の筆頭、電解コンデンサーを交換し、ポンプ駆動回路のハンダ付けをやり直す。

組み立てて、試運転成功。 念のため再起動するとエラー。
最悪のパターンだ。おちょくられている。

再びパターンを追っかけ、部品もチェックするが、特に怪しい箇所はない。本体から抜き出さないと、パターンにアクセスできないので、通電しながらのチェックは不可能で辛い。止むを得ず通電しながらのチェック用に追加した、電線の数が増えてゆく。
正月の寒空の下、夜半まで格闘が続く。

どうやらCPUが噴射の信号を出していないようだ。
燃噴制御部の自作も考えたが、色々考慮するとモーテックを自作するに近い作業量になってしまう。

「クソー。もはやこれまで」

止めを刺す覚悟で半ばヤケクソで、ポンプを駆動するパワーFETのゲートに乾電池を繋ぎ、無理矢理噴射させた。FETとはスイッチの役目をする電子部品で、ゲートとはその引き金にあたる端子である。

 不安定な炎ながらも燃えてくれた。電線をショートさせるとポンプのピストンが1回動く。その頻度で噴射量を加減する。
早い話が自動車の燃料噴射を人力で制御するようなものだ。
慣れてくると結構うまくゆく。
この技に磨きを掛ければ、車が故障してもインジェクターを人力駆動し、走らせられそうだ。

余談だが、スプレー・ボトルにガソリンを入れ、マニホールドにシュッシュッしながらエンジンを回すという、無茶苦茶な裏技がある。コツは要るがキャブやインジェクターなしのエンジンでも、ちゃんと回る。もっと言えばCRCのブレークリンやキャブクリーナー、プロパン、ブタンガス・・・燃える物なら色々使える。

 ガラス窓の向こうの灯りがともった暖かい室内では、家族が菓子や暖かい飲み物を手に嬌声を上げながら談笑している。
オトーチャンは雪がちらつく夜空の下で、バーナーの炎を凝視しながら、電線を持った両手を、神業の如く素早く動かし、ポンプをストロークさせている。
この手の動きを止めれば、まるで温泉に浸かっているかのような床の暖かさと、家族の幸せは消え去ってしまう・・・

何だか「マッチ売りの少女」が身近に感じられた。


・・・その後、自分で回路図まで書き、さんざん悩んだ結果、毎度ながら意地で突き止めた。原因は点火スパークのノイズが炎の検知回路である「フレーム・ロッド」に乗り、コンピューターが誤作動していた。対策を施しめでたく解決した。

 当然ながら良くあることだが、エラーコードは苦し紛れのデタラメだった。スパーク中ならまだしも、点火シーケンス終了後にエラー表示と、ずれていたのも、原因究明を困難にしてくれた。
 ポンプのピストンが1回動くのもコンピューターが毎回指令を出している。何でもかんでもコンピューター制御というのは、故障時には修理にホント手こずる。

 ・・・で、このままで終わるのは面白くない。
かねてから感じていたことだが、排気熱量はかなり大きい。燃料費超高騰の昨今、この廃熱を何とか利用できないものかと、苦々しく思っていた。

そこで即席
「インター・クーラー」
の登場。

実際には熱交換機でヒーターなのだが。
全てあり合わせの材料で紙とテープが主体、道具ははさみといった、幼稚園での工作を思い出すレベルの手抜きの荒技で、プロトをでっち上げた。
予想を上回る効率で、吸入温度11度Cで30度まで加熱することができた。

もちろん消火器ありで、各部の温度が安全圏内であることを、確認しながら運転したが、周囲に一切の可燃物がない状況とはいえ、段ボール製では無人運転ができない。
実用化するには本物インター・クーラーを流用して効率をもっと上げ、全金属製とすべく板金工作も必要だ。あくまでも実験の域なので、どうかよい子の皆様は真似をなさらないで戴きたい。

 かくして大半を屋外で過ごすという健康的な正月であった。
Posted at 2013/01/10 07:14:42 | コメント(0) | 小ネタ | 暮らし/家族

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