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bimo大好きのブログ一覧

2013年01月10日 イイね!

インタークーラー

インタークーラー プリンター騒動も落着した年の暮れ、半端ではない寒波が弧状列島を襲った。それとタイミングを合わすかのように、床暖房のボイラーが壊れてくれた。見慣れないエラー・コードが表示されている。マニュアルには載っていないコードだ。

エアコンや温風ヒーターで室温は上げられるが、これがないと底冷えする。空気やオトーチャン同様に、「無くして初めて分かる有り難さ」。その偉大さと正比例して、家族のクレームも大きくなる。
「何とかしてよ!」「いつ直る!?」

世の中で良くあるパターンだが、原因が全く判らないのに、解決時期を確約しろと迫られても返事のしようがない。
雪のちらつく屋外で、冷たいスパナを握りながら原因を探る。
燃圧が低く、燃料が噴射されていない。ポンプをバラして清掃し点火成功。めでたく暖かい大晦日を過ごせた。

・・・が翌朝、タイマーで暖まっているはずの床が冷たい。
ポンプへの電圧が供給されていない。20個以上のコネクターを外し、プリント基板を抜き取った。
経年変化の筆頭、電解コンデンサーを交換し、ポンプ駆動回路のハンダ付けをやり直す。

組み立てて、試運転成功。 念のため再起動するとエラー。
最悪のパターンだ。おちょくられている。

再びパターンを追っかけ、部品もチェックするが、特に怪しい箇所はない。本体から抜き出さないと、パターンにアクセスできないので、通電しながらのチェックは不可能で辛い。止むを得ず通電しながらのチェック用に追加した、電線の数が増えてゆく。
正月の寒空の下、夜半まで格闘が続く。

どうやらCPUが噴射の信号を出していないようだ。
燃噴制御部の自作も考えたが、色々考慮するとモーテックを自作するに近い作業量になってしまう。

「クソー。もはやこれまで」

止めを刺す覚悟で半ばヤケクソで、ポンプを駆動するパワーFETのゲートに乾電池を繋ぎ、無理矢理噴射させた。FETとはスイッチの役目をする電子部品で、ゲートとはその引き金にあたる端子である。

 不安定な炎ながらも燃えてくれた。電線をショートさせるとポンプのピストンが1回動く。その頻度で噴射量を加減する。
早い話が自動車の燃料噴射を人力で制御するようなものだ。
慣れてくると結構うまくゆく。
この技に磨きを掛ければ、車が故障してもインジェクターを人力駆動し、走らせられそうだ。

余談だが、スプレー・ボトルにガソリンを入れ、マニホールドにシュッシュッしながらエンジンを回すという、無茶苦茶な裏技がある。コツは要るがキャブやインジェクターなしのエンジンでも、ちゃんと回る。もっと言えばCRCのブレークリンやキャブクリーナー、プロパン、ブタンガス・・・燃える物なら色々使える。

 ガラス窓の向こうの灯りがともった暖かい室内では、家族が菓子や暖かい飲み物を手に嬌声を上げながら談笑している。
オトーチャンは雪がちらつく夜空の下で、バーナーの炎を凝視しながら、電線を持った両手を、神業の如く素早く動かし、ポンプをストロークさせている。
この手の動きを止めれば、まるで温泉に浸かっているかのような床の暖かさと、家族の幸せは消え去ってしまう・・・

何だか「マッチ売りの少女」が身近に感じられた。


・・・その後、自分で回路図まで書き、さんざん悩んだ結果、毎度ながら意地で突き止めた。原因は点火スパークのノイズが炎の検知回路である「フレーム・ロッド」に乗り、コンピューターが誤作動していた。対策を施しめでたく解決した。

 当然ながら良くあることだが、エラーコードは苦し紛れのデタラメだった。スパーク中ならまだしも、点火シーケンス終了後にエラー表示と、ずれていたのも、原因究明を困難にしてくれた。
 ポンプのピストンが1回動くのもコンピューターが毎回指令を出している。何でもかんでもコンピューター制御というのは、故障時には修理にホント手こずる。

 ・・・で、このままで終わるのは面白くない。
かねてから感じていたことだが、排気熱量はかなり大きい。燃料費超高騰の昨今、この廃熱を何とか利用できないものかと、苦々しく思っていた。

そこで即席
「インター・クーラー」
の登場。

実際には熱交換機でヒーターなのだが。
全てあり合わせの材料で紙とテープが主体、道具ははさみといった、幼稚園での工作を思い出すレベルの手抜きの荒技で、プロトをでっち上げた。
予想を上回る効率で、吸入温度11度Cで30度まで加熱することができた。

もちろん消火器ありで、各部の温度が安全圏内であることを、確認しながら運転したが、周囲に一切の可燃物がない状況とはいえ、段ボール製では無人運転ができない。
実用化するには本物インター・クーラーを流用して効率をもっと上げ、全金属製とすべく板金工作も必要だ。あくまでも実験の域なので、どうかよい子の皆様は真似をなさらないで戴きたい。

 かくして大半を屋外で過ごすという健康的な正月であった。
Posted at 2013/01/10 07:14:42 | コメント(0) | 小ネタ | 暮らし/家族
2012年12月23日 イイね!

プリンター商法

プリンター商法巷には「XX商法」なるものが蔓延っている。
バブル期には「原野商法」、伝統的な長寿命もので「霊感商法」、そして世界制覇を成し得た日本企業が誇るものには、皆様ご存じの「プリンター商法」なるものがある。

ここ数日は日本全国の「おとーちゃん」方は、「クソー。また詰まりやがった」「ずれた」で年賀ハガキをパーにしたり、突然の「インク切れ」で車を飛ばし家電量販店のはしごへ・・・と、さぞかし腹わたを煮えくり返しながら、苦行にいそしんでいらっしゃることだと思う。
インク売り場には、端が霞んで見えるほどの膨大な種類のインクが。それでも少しでも旧型や、マイナー機種になれば、適合品に遭遇するのはUFO探しに近い確立となる。やっと見つけて大量に買い込んでも、何割かは使用不可・・・なんて。

例に漏れず、私もその一人。大のプリンター嫌いだが、年末はやむを得ず使用する。
家庭においては、以前まではインク・ジェット型をかなりの台数を買い換えたが、ノズルの掃除ばかりでインクを消費し、残量十分でも少し使わないと固まり、イザという時のためのスペアも固まっていた・・・馬鹿高いインク・セットを凄まじい数を消費してきた。

おまけにプリンター本体ROMに、自爆カウンターがあり、あるオン・オフ回数や枚数に達すると、それ以後使えなくなるようにできている。

本体を安価にする代わりに、意図的に本体価格を上回るインク価格や、自爆機能にほとほと嫌気がさして、年賀状専用ながらも、数年前からカラー・レーザーに換えていた。

「やっぱりレーザーはええわ」

と満足していた。
時々2~3枚一度に吸い込んで、1割程度は年賀状をパーにしてくれるものの、インク・ジェット式のストレスに比べれば、遙かにマシだった。

・・・が、ついに私も「プリンター商法」の洗礼を受けることになった。
「トナー交換」メッセージ出現。
「ん? まだカタログ値のA4印刷可能枚数の、3割程度しか印刷していないのに・・・」
印刷は専らハガキなので、A4の4倍以上の枚数はプリントできる筈だ。しかもベタの面積も意図的に抑えている。
しかも4色全部で警告が出ており、解せない。カタログでは個別に交換可能で経済的と謳っていた。

慌ててトナーの価格を調べると、4色揃えると、本体が値下がりした現在では、同じプリンターの新品がなんと、2台も買える。勿論それにはトナーが付属している。

ネットで探すも、国内はどこも強気価格だ。リサイクル・トナーであれプリンター価格を上回る。
USでは、運送費と関税の都合上、日本国内価格とは異なる。早い話が毎度の内外価格差、圧倒的に安い。純正で日本価格の4割、リサイクルで2割程度だ。送料を含めても十分メリットがあるが、いかんせん時期が悪い。クリスマス休暇に突入してしまう。
USやEU圏では、12月に入ると国全体がソワソワして、クリスマスの準備が最優先となり、まともに仕事しないので、年内入手は絶望的だ。

あと40枚ほど刷れれば良いので、何とかならないものかと、悪戦苦闘が始まった。
コピー機では定番の技、トナーを振って再装着するが、受け付けてくれない。
トナーを外してよく見ると、残量は十分にある。

「さては自爆機能があるな」
と、リセット法をググッてみた。
分かったことは、トナーのカッセット内にカム・ギヤ(通称 トナー リセット・ギヤ、フラッグ・ギヤ)があり、その位置で寿命を関知しているとのこと。裏技として、それを新品位置にずらせば再使用可能。

私の例(HL-3040CN、トナー: TN-290)を、物理的にリセットするには
1.トナー・カートリッジ横のネジ2本を緩める
2.プラスチックのロック爪を解除し、カバーを外す。
3.右端のギヤを一旦抜き、反時計回りにずらし、バネが掛かる場所を新品位置(右端の溝)にする。
4.カバーを付ける

尚このギヤの回転方向は時計回りで、使用中位置まで回ると、それ以上は回転しない。歯車の歯は360度全周ではなく、一部分にしか刻んでいない。

・・・で、バラしてみたが、そのカム・ギヤがない!
プリンター付属のトナーには、それが省かれていたのだ。つまり、非公開のこの裏技を使うにも、必ず1度は本体価格の2倍するトナーを購入しなければならない。
「売り上げ3倍増秘技」が経営戦略として、漏れなく付いて来るのだ。

何だか1台売れる度に

「また一匹マヌケが釣れた」

と、ニヤついている姿が目に浮かんで来るような気がする。

メーカーにとって「日本のお客様は神様」。日本人は「最先端技術の結晶。厳格な品質管理の恩賜」として、素直に高い授業料を払ってくれるが、それに反して欧米のオッちゃんは黙っていない筈だ。「ダーティー・プレーには毅然と戦う」ヤンキー気質。やはりあった。

このカム・ギヤと補充用トナー粉が、ちゃんと売っている。ギヤは0.4$から。通称は「Toner Reset / Flag gear」。トナー リセット/フラッグ ギヤ 以外に、日本では通称としてスターター・ギアとも呼ばれることもある。
今回はギヤだけが欲しいが、間に合わない。国内でも通販であるが、弱みにつけ込んだ価格でUSの10倍ほどで送料も馬鹿高い。

・・・で何とか自力で切り抜けるしかない。

トナー・カートリッジをよく見ると、透明の小さな丸窓が両端に付いている。特許情報を調べると、カートリッジ内に掻き混ぜる回転羽根があって、それが掻き上げたトナー粉が光を遮断し、その遮断時間で、残量関知しているらしい。

プリンター本体側にも、LEDとフォト・トランジスターらしき受光素子がある。
カムに付いている円盤の円周上に半円形の切り欠き(光を透過するスリット)が2箇所ある。
この切り欠き位置は、透明の小さな丸窓と一致しており、カムが回転すると、丸窓を塞ぎ、一定時間遮光するような構造となっている。
歯車の歯は360度全周ではなく、一部分にしか刻んでいないので、使用中位置まで回ると、それ以上は回転しない。

この機構とトナー側のカムを利用して、

1.トナー新品購入時にはカムが新品=透過位置にある。
2.ウォーム・アップ運転でトナーのローラーが回転すると、カムが回転し、光学的に一瞬小窓を塞ぐ。
3.さらにカムが回転し、使用中=透過位置に移動する。
4.プリンター本体は遮光された時間により、トナーが新品に交換されたと関知する。想像だがこの遮光時間で、トナー・カセットが標準容量か大容量かの判断もしているのではと思う。
5.プリンター本体ROM内の印刷カウンターがリセットされ、ゼロとなる。
6.印刷の度にプリンター本体ROM内の、トナー/容量別印刷カウンターが加算され、警告規定枚数に達すると、「間もなくトナー交換」=残量少警告を表示する。
7.交換規定枚数に達すると、印刷不可になる。新品に交換しない限り、以後絶対に動かない。この枚数は内規で決めた数値で公開していない。私の場合は「間もなくトナー交換」メッセージは新品時から出ていた。警告というより「早くスペアを買わないと、酷い目に遭わすぞ」といった脅迫に近い。

昔のモデルでは「GO」ボタンを押せば、印刷品質は自己責任として、強制印刷できたが、それも「改善」され、無効になっている。


 こうなったら知恵比べ。意地でも動かしてやる。

・・・ならばと、丸窓をテープで塞ぎ新品を装ったが、騙せなかった。
ウォーム・アップ時にカムによる遮光時間や透過光量の変化率の推移でも計って、新品判断をしているようだ。

次に考えるのは、本体側のカウンター・リセット。色々試したが、工場出荷状態に戻すための、公開リセット法ではクリアできなかった。
必ず「隠しコマンド」がある筈。ネット上では旧モデル用のが何種類かあったが、全て無効。コロコロ変えているようだ。意地でも見つけ出してやる・・・


トナー残量管理は、殆ど規定枚数で行っており、その値はカタログ上の印刷可能枚数より遙かに少ないようだ。枚数制限で使用不可になっても、黒トナーでビジネス文書主体を例にすれば、概ねトナーは半分から2/3程度残っているそうだ。
仮に1ページにシアン青単色で「.」1個だけを印刷しようが、規定枚数で3色とも「ハイ、それまで~~よ~~」となる。オッサンにとっては「ふざけやがって。ふざけやがって。ふざけやがって。こんちくしょ~~。泣~けて来ぅ~るぅ♪」なのだが。

いくらケチッて「トナー節約モード」にしようが、殆ど関係ない。そんな素人の浅はかさをあざ笑うかのように、ちゃんと自爆機能が備わっているのだ。日本の大手メーカー技術者は、とてもずる賢い。

勿論印刷内容によりトナー消費量は激変するので、カタログ値=参考値であることは、重々承知だが、それを免罪符に「やりたい放題」をしているような気がする。

 なお、規定枚数以下でも、物理的な残量が不足した場合にも、警告および交換メッセージは表示され、印刷不可となる。本来はこっちだけで管理すべきだが、「高度な経営判断」が加味されているらしい。

おまけを言えば、カラー・モードの場合、黒部分の印刷には黒トナーを使わず、わざわざ3色のトナーを重ね刷りしているのも、全く解せない。これも売り上げ3倍増に貢献する。技術的には色ズレとトナー浪費を招く、デメリットのみの動きだ。

他メーカー、他機種を含めたレーザー・プリンターの一般論だが、こんな苦情に対応して、割り増し価格で「大容量買い得」タイプも販売されている。ただし一部には、物理的なトナー量は同じままで、自爆カウンターのみを「増量」したものもある。
こうなってくると戦略の域を通り越して、「やってしまった」領域に入ってしまったと思えてくる。


 インク・ジェットの場合、「インク補充=お客様の誤った使用法」対策に、カートリッジ本体にもCPUが搭載され、それとプリンター本体が、電波で通信して残量管理と再使用不能の制御をする凝ったのまである。特許は勿論のことだが、経団連の重鎮が発行する「社長賞」の類も取っていそうだ。
そんなことにコストを掛けた使い捨て消耗品を、ユーザーは決して望まない。
同じ頭を使うなら、消費者が気持ちよく財布の口を開けることに、使って欲しいとつくづく思う。

インクの残量が1/3程度で使用不可とするものも多く、またインクの高額さ非難対策に、純正廉価版のインク・カートリッジを併売するモデルもあるが、こちらは高額版との価格差以上にインク量を減らしており、殆どはノズル清掃で消費し、印刷可能枚数は極端に少なく、結果的に「安物買いの銭失い」のお仕置きを受けることになる。

エコを推進するためとの謳い文句で、メーカーは使用済みのトナーやインクのカートリッジを回収して、善人振りを発揮しているが、主目的は別な気がしてならない。

悪あがきを続けること一晩、正確に言えば熟考と夢がごっちゃになった翌朝、結論として、目的達成した。
例のカム・ギヤを追加することなく、ソフト的に行った。

なお、この操作をすれば、カム・ギヤを内蔵したトナー・カートリッジでも、わざわざカートリッジを分解して、カム位置を新品位置にまでずらす作業は全く不要になると思われる。
ネット上ではカム位置が「使用中」位置になれば、トナーが使えなくなる旨の記述が全てだが、それは誤解ではないかと思う。このカムは新品時に本体内の印刷枚数カウンターをリセットするトリガー(きっかけ)のみに使われており、一度でもトナーを装着しウォームアップ運転すれば、カムは直ちに移動するからである。

人様の商売の邪魔はしたくないので、以下にコソッとヒントを解りにくく少しだけ、私の備忘録として記す。海の向こうでも悩んでいる方が多いので、気障ったらしいが「Japanglish」 で。
ファームのバージョンアップ時には、技術者の良心として、この機能を殺さないことをお願い致します。

Toner reset for HL-3040CN or HL-3070CW by software operations.
(No Toner Reset / Flag gear will be needed)

Operation_________________________Message
========================================================
1. Cancel (If tryed to print. Caution! Unprinted data will be lost.)
2. Open the Top (upper) cover.
___________________カバーが開いています。トップカバーを閉じてください
___________________Cover is opend. Close the Top cover
3. Press and hold CANCEL and SECURE PRINT at the same time.
___________________K.TNR-STD (cf. Black, Standard capacity)
___________________↑↓デセンタク&OKボタン
___________________The Toner menu
4. OK
___________________OK?
5. OK
___________________ウケツケマシタ (Accepted)
6. Down
___________________K.TNR-STR (cf. Black, High capacity?)
7. OK
___________________OK?
8. OK
___________________ウケツケマシタ (Accepted)
9. Down

Do the same operations(7 to 9) for
C.TNR-STD (Cyan)
C.TNR-STR
M.TNR-STD (Magenta)
M.TNR-STR
Y.TNR-STD (Yellow)
Y.TNR-STR
until K.TNR-STD will be displayed.

10. Back
11. Close the Top (upper) cover.
12. Have a can of beer and scream "I got it !"

蛇足:
これを逆手に取って、品のない「プリンター商法」をしようと思えば、トナーはプリンタ価格の2倍なので、
1.新品プリンターを購入
2.未使用トナーのみを売却
3.新品プリンターを2台購入
4.未使用トナーのみを2セット売却
5.新品プリンターを4台購入
6.未使用トナーのみを4セット売却
これを繰り返せば倍々ゲームが成り立ってしまう。

現状がまともな状態ではないのが、お分かり戴けるかと思う。あるいは、消耗品の交換を諦め、消費者が全て新品プリンターを使い捨てと割り切り、産業廃棄物の山を築くこともあり得る。
メーカーの見解では、日本人には持ち物に愛着を覚え大事にし、まだまだ使える物を捨てるのは、勿体なく忍びないという意識が強いため、たとえ消耗品が異常に高額でも、予想以上に素直に買ってくれるそうだ。日本人の美徳を押さえた戦略とのことだ。

また顧客の囲い込み戦略として、法人や官庁相手のルートセールス主体の販売店には、メーカーは無償で本体を卸しているケースもある。販売店はそれにリサイクル・トナーの束を付け、破格の好条件を提示すると、客は飛びついてくれる。消耗品と保守契約料で一気に初期投資を回収し、以後は継続的な固定収入が望める。

歪んだビジネス・モデルは、いずれ真っ当な第三者の出現で崩壊するかもだ。
本来の機能や目的以外の馬鹿げた対抗策に、お互いエネルギーや資金を投入するのは避けたいものだ。同じ知恵を絞るなら、双方が納得できる、未来に向けてのことに活かして欲しい。


 近い将来、「EV商法」なる言葉が出てこないことを祈る。
実は現状もこれに近いが、3年目の車検時にバッテリー交換より、買い換えた方が・・・てな。
ちなみに、法改正により給電ステーションの有償化が認可されると、ある試算では、走行可能距離をガソリン換算にすると450¥/L程度になるかもと聞いたことがある。ガソリン車で10Lで行ける距離は、EVで給電ステーションで充電するなら4,500円かかる。もちろん家庭で充電するなら遙かに安価。

まぁ、おうちで呑むよりお外のほうがや、おうちでカーチャンとより、お外でオネータンとのほうが馬鹿高く・・・。そんな例を考えれば納得できるかも。
Posted at 2012/12/23 23:41:39 | コメント(1) | いっと | パソコン/インターネット
2012年11月17日 イイね!

トレジャー・ハンター その4  楽器ではなく魂が音楽を奏でる

トレジャー・ハンター その4  楽器ではなく魂が音楽を奏でる 2012年10月に著名な日本人音楽家が、フランクフルトの空港税関でバイオリンの関税を求められ、差し押さえされた話はご存じの方も多いと思う。
結果的には著名人でもあり、日本政府関係からの力で奪還できたが、俗世間の決まりごとにはあまりご関心が無かったのかも知れない。
本来はカルネ=日本に持ち帰り前提の一時輸出手続きをするのがベターだったのではと思う。驚くのはそのブツが評価額6億円のストラデイバリウスで、しかも日本の音楽財団からの借り物だったとのこと。つくづく女性は度胸があると思う。

 20%の関税を求めた税関職員は、日本のメデイアや民衆から叩かれているが、彼らにしてみれば規定通りの職務を遂行したに過ぎない。それに彼女はドイツ在住でもある。外交官特権というものはあるが、芸術家特権というのは多分なかったと思う。

 確かにドイツのお役人は、生真面目で杓子定規でネチネチとしつこく、私も痛くもない腹を探られて、不愉快な経験をしたことがしばしあった。
ある地方国際空港にて、乗客全員が別室に連れて行かれ、手荷物を爆薬検出器で入念に調べられたこともある。
 考えようによっては、そのクソ真面目さと熱心さで、安全性や公平性が担保されているともとれる。むしろ美点として褒めてあげるべきかも知れない。

 ドイツ入国時には現在では430ユーロ(現時点。ただし規定はコロコロ変わる)を超える物品には、必ず申告が必要となる。短期間でドイツ国外に持ち帰る物は、カルネの手続きを、予め出発国にて済ましていれば免税となる。ビジネスマンで最新型のパソコンやデジカメを持ち込む方は要注意だ。転売価値が高いので、無申告だと密輸と見なされ、揉める要因になる。
カルネは自分の車やバイクで海外旅行する人にとっては、当たり前の前準備だが、楽器という手軽さが失念させたのだろう。

 今回のバイオリンの件ではカルネ発行の保証料と手数料合わせて、総額20万円前後だろう。日本で発行したカルネの書類を携え、申告レーンを通れば問題にならなかった筈だ。
もし私なら、超高額な借り物なら、ビビッて慎重すぎるほどの下調べと手続きをすると思う。その前に怖くて借りないとは思うが。

 その2ヶ月前の2012年8月にも同様のケースで、日本音楽家のガルネリが没収され、国を動かして取り戻したばっかりだったのも、ご存じだった筈だと思うが。貸し出した財団も、貸し出し条件に手続きも含めるのが安全かと思う。保険も重大な過失時には無効になる。


 余談だが、以前ある腕の良いバイオリン職人のお話しを聞いたことがある。勿論その方の作品は素晴らしく、評判も良い。

「失礼だがストラディバリやガルネリを越せると思うか?」

「絶対無理。私が作ったバイオリンも、やっと本当に良い音を出せるようになるのは、150年経ってから。最低そのぐらいの月日が必要だ」

とのこと。ルネッサンスの名画と同じで、名声と価値が上がるのは作者の没後。金銭的な恩恵に浴せるのは、都心に立派な店を構える楽器商と画廊というのも、なんだか少し虚しく悲しい。


・・・で、ここで本題に入る。

打って変わって安価な楽器で、最近鳥肌が立った例。



偶然見かけたのだが、ダイナミックな演奏に鳥肌が立った。荒削りな面もあるが、そんなことを吹き飛ばすだけの魅力がある。
キーボードのブランドが「CASIO」なので、
「ん? 最近またプロ用に手を出始めたか?」
と一瞬思ったが、そうではなさそうだ。ハード的な音自体はショボイ。それを魂の演奏で吹き飛ばしている。

少し調べたところ、ヤフオクで5千円で買った中古のキーボードとのこと。もちろんプロ用ではない。
不遇な少年時代を過ごし、家族が住むところを無くし、野宿生活の経験もあるとのこと。
 上辺ではなく哀愁に満ちあふれた演奏も、そういった今までの辛い万感の思いが、聞く者にも実感として伝わって来るのかも知れない。



ピアノは独学で憶え、もちろん楽譜なんぞ買える余裕はない。全て耳コピで体で憶えていらっしゃる。
できることなら篤志家が付いて、角を矯めて牛を殺さない音楽教育が受けられたら、きっと日本の宝になると思う。


 次のは友人の結婚式に招かれて、その場で出会ったバイオリン奏者と、即興で演奏したと思われる例。これもコンサート用のキーボードではないと思われる。
演奏者と参列者の祝う気持ちが、何とも言えない暖かさを醸し出している。予期せずして途中から入ったオッサンのコーラスが、これまた実に良い。



もちろん楽器は良い物に越したことはないが、ショボイ楽器でも演奏者の人柄と魂が籠もってさえいれば、時には音源が何ビットやへったくれ等々、道具なんぞどうでもよくなるほどの、揺さぶりと感動を与えてくれる。
 このピアノのオッサンが世に知られるようになったきっかけは、ほんの偶然だった。小さな田舎町にあるたまたま通りかかったピアノ店に入り、「少しだけピアノの練習をさせて欲しい」と、店主に頼んだことによる。
演奏を聴いてぞっこん惚れ込んでしまった店主が、音楽ビデオの作成を勧め、それがようつべで注目されるようになった。

前出のニーチャンを含め、お二人とも「友達がスタインウェイを買ったので、自分専用のを、ボストンにするかスタインウェイにするかで、深刻に悩む8才女児」とはかけ離れた生い立ちで、「世界XXコンテスト グランプリ」とか言った勲章の類とは無縁で、陽の当たる音楽家街道を歩んで来た人達ではないが、奏でる調べは心の襞に染み渡り、細胞の一粒一粒を震わせてくれる。

「楽器ではなく、魂が音楽を奏でる」

と思う。

そんな時、全身に鳥肌が立ち、なぜだか目から汗がこぼれる。


All of Me written and played by Jon Schmidt

補足:
写真にあるストロー奏者は、神谷徹氏。縁有って、私も生で聴かせて戴いたこともあるが、この方も聴衆の涙をそそる達人だ。もっとも感動ではなく笑いすぎてだが。
「町の発明おじさん」と思われがちだが、ちなみに本業はプロのリコーダー奏者で、音大の先生でもある。自称本業と他称本業との境界線が滲んではいる。

スタインウェイ(グランド)の価格は最廉価モデルでケイマンぐらい、上でGT2ぐらい。私も8才の頃、ヤマハにするかカワイにするかで悩んだことがある。結果は有無を言わさず廉価なカワイ・ハーモニカだった。

例として、
「ラフマニノフ練習曲作品39の1 10小節目の高音のフォルテ」や
「ラフマニノフ練習曲作品39の1:44小節目や、作品39の9:18~21小節目の不気味な低音」
はスタインウェイのB以上もしくは、5年以上弾き込んだボストンでないと、容易には出せない。他メーカーや他モデルでは実質不可能。・・・だそうです。

ということで、ボストンなら音が出る前に下取りなので、ケイマンスタインウェイのBに決定。一般的には音大の院を出るまでに2台弾き潰すので、次期戦闘車両はGT2スタインウェイのDに決定。車と違いこのクラスになると下取り価格は高い。

 半ばやっかみとも取られかねない、勿体ないという意見もあるが、私はそれが許される環境なら、幼少の頃より一流の道具に慣れることは、やりようによっては強みにすら成り得ると思う。スタインウェイは下手さもスケベ心も邪心も全てさらけ出してくれる。・・・だそうだ。
将来、演奏会場のはスタインウェイとは限らないとの意見もあるが、ホロビッツのように、自前のピアノを担いで世界中を飛び回る生業を目指せば良い。
 恵まれた環境なら、それを最大限に生かして、その中でベストを尽くせば良いだけの話しだ。もちろん自分が別格で偉いと勘違いして、他を見下すといった下品な真似は身に付けずに。

それにしても8才にしてこの見識。大人顔負けの論理構成と文章力。将来が楽しみだ。

・・・で、
「そういうオマエは?」
当然ながら、昔々秋葉で値切って買った、庶民の味方、世界に誇るそろばんブランド、CASIO。

ボリュームの抵抗膜が腐って、音量が最小か最大かの二択という、潔い漢らしさ。
フォルテはキーが下にネチョッとへばりついて、しばらく上がって来ない「オート・サステイン300ms」機能装備。ラフマニノフは弾かないので痛痒は感じない。ぞうさんを弾くのには何らの問題もない。
Posted at 2012/11/17 19:10:34 | コメント(0) | トレジャー・ハンター | 音楽/映画/テレビ
2012年11月05日 イイね!

G CUP大好きracer 公道朝練 1/3

G CUP大好きracer 公道朝練 1/3
G CUP大好きracer 公道朝練 1/3

G CUP大好きracer 公道朝練 2/3
G CUP大好きracer 公道朝練 3/3


窓の外に朝靄が漂う中,そっと床から抜け出す。一般車との性能差を考えると,楽しむにはこの時間帯しか無い。
無音かつ無駄のない動きで身支度を整え,小用を済ませる。収納後に少し滲むが外から目立つほどではなく結果オーライ,無かったことにする。
昨夜のビール,正しくはその他酒類は「のどごし生」で,入る時は「キレのいいやつ」の筈だが,出る時の切れは悪い。
耳毛と共に年を感じさせる。

ガレージの扉を開け,目玉がカエルを思わせる愛車の軽量ドアを開け,片手で軽く持ち上げすら可能な超軽量シートに身を沈める。
トーションバーが捻られ航空機技術を駆使した軽量ボディーが沈む。

薄いサイド・ウィンドーを開け冷えた外気を流し込む。パワー・ウィンドーなんぞの軟弱装備はない。とりあえず走ることのみに特化した1トンを大きく割る超軽量マシーンだ。

蒼いスパルコのレーシング・グラブにさっと指を通す筈が,穴から出た指を通し直す。サーキットでは,まる1日走ればシフト回数はあっさりと数千回に達する。新品グラブですら1日しか持たない。
ただし使い込んだグラブの穴の拡大と共に,指のタコも逞しく成長するので問題ない。「なら,元々いらんやろ?」はトーシローのほざき,バトル・スーツの1アイテムとして外せない。
指を通す儀式が身を引き締めるのだ。装備の弱点は体の強化で補う,それが「漢」・・・男というものだ。

少し長いクランキングの後,一瞬詰まり「ワンッ」と瞬間的に吹き上がった。ショート・ストロークの強制空冷水平対向エンジンに火が入る。
ガスケットを使用しない,超高精度仕上げのメカニカル・サウンドが精緻なビートを刻み,冷却ファンが高周波を歌う。
比類無き心地よい響きで,無用にレーシングしたい衝動を理性で抑える。

ガレージから滑り出し道路の脇に停車する。今日のコースをイメージ・トレーニングしつつ,往年の超高回転向けエンジン・オイルの王道,植物油の温度が上がるのをしばし待つ。
Posted at 2012/11/05 17:05:19 | コメント(0) | おか | クルマ
2012年11月04日 イイね!

G CUP大好きracer 公道朝練 2/3

G CUP大好きracer 公道朝練 2/3
G CUP大好きracer 公道朝練 1/3

G CUP大好きracer 公道朝練 2/3
G CUP大好きracer 公道朝練 3/3


そろそろ良い頃だ。ルーム・ミラーを直しざまに目をやると,いつの間にやらアルミ・フィンとタービンの如き独特のエンジン音を聞きつけ,スクランブル出撃した二輪車がミラーに映る。
血の気の多い近所の若者が跨っている。

「性懲りもなく。またあいつか」

幾度の挑発にも勝利してきたが,日を追う毎にパワー・アップし,テクも向上し差は詰まって来ている。油断はできない。
ウィリーを押さえるべく,ハンドルに覆い被さるように体重を前に掛け,一瞬のスタートの遅れも辞さない態勢だ。

1速に入れ,2度レーシングし,高回転で神経質なクラッチを繋ぐ。
ミシュランの大径ラジアル・タイヤが一瞬スリップするや否や地面を蹴る。タイヤのトレッド幅も、国内では入手困難な常識外れのサイズだ。
間髪入れず後続の二輪車も,さらに前屈みになり前輪荷重を増やすと共に鮮やかなスタートを切った。ライダーの目は大きく見開き,闘志に燃えている。


強制空冷独特のタービン音と共に一瞬で吹け切った1速から,ストロークの短いシフト・レバーを2速に叩き込む。
僅差で後続する二輪車。必死の形相がミラー越しに映る。

フル・スロットルをくれてやると2速も一瞬で吹け切る。3速に叩き込んだ頃には,二輪車はじりじりと離される。
4速に入れた頃にはミラーの中の追尾を断念した二輪車は点となった。さすが欧州の道路で鍛えられた車だ。
これ以上の速度は公道では危険だ。スロットルを緩めると共に心地よい水平対向のビートを刻み定速走行に移る。

勝利の喜びに身をゆだね,値上げに伴い最後の一本となった煙草に火を移した。

「この俺様に勝負を挑むとは十年早いわ」

「まだまだおまえ如き鼻垂れには」
Posted at 2012/11/04 14:34:48 | コメント(0) | おか | クルマ

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