先週末は、お友達の口利きで、992型の911に試乗してきました。
992型、そうポルシェ911の最新型ですね。
昨年秋くらいからたくさんの評論家が試乗記を書いているので、ネットで熟読はしていました。いつものリサーチ癖ですね(笑)
ボディサイズ大型化による影響、991型ターボエンジンとはどう違うのか、質感向上などなど、基本的には991型と比較して書かれていますが、どの記事も高評価(提灯記事?)なわけで。
自分は991型に乗ったことが無いので比較は出来ないのですが、それら評論家の言葉を思い出しつつ自分が感じたことを、備忘録ついでに書いてみたいと思います。
「最新は最良」の言葉は本当か!? の体感検証です。
カミさんと一緒にお邪魔したのはポルシェセンター目黒さん。
ここは5年前に997の中古車を見に来たことがありました。
試乗の手続きを終え、外に出ると、ゲンチアンブルー(だと思う)の911カレラ4Sが待っていました。
「カッコイイ~」 が正直な第一声でした。
【エクステリア】
真っ先に目に入ったのは、リアフェンダー周辺のボリューム感。ワイドボディ感が今まで以上に強調されています。それはそうですね、車幅が1,852mmまで拡大しています。しかもこれまでワイドボディは4駆モデル専用でしたが、RRモデルにも展開されています。後輪が前輪よりも1サイズ大径な前後異径タイヤ(フロント20インチ、リア21インチ、扁平率30)が標準装備され、その大きな後輪を収めるためワイドフェンダーになったそうです。
フロントに回るとフード上の2本のプレスラインが目に入ります。これは空冷モデルを彷彿させるデザイン。水平基調のダッシュボードもそうらしいですが、最新のモダンなデザインを採りながら、クラシックな要素も与えているとか。
いや~カッコいいです。カミさんも迫力満点で驚いてました(笑)
【インテリア】
右ハンドルかぁ~とちょっと不思議な気持ちで、早速乗り込んでみます。
久しぶりに味わう低い着座姿勢。ワクワクします。ホールド感たっぷりのスポーツシートは座り心地も良い。
本当に久しぶりなので乗り降りがちょっとぎこちなかったです。
ただ、こんなに着座位置が低いのに、視界は良好で何の違和感も感じないです。
メーター周りを見ると、伝統の5連メーター。デジタル化されて未来感も併せ持ったデザイン。中央のタコメーターだけはデジタル表示ではなく、従来のメカ方式を残しており、ポルシェのこだわりを感じます。また、ディスプレイ内タッチパネル上のスイッチが多用される中、991後期型から採用されたドライブモードの切り替えスイッチや空調周りのスイッチはハードスイッチとして残しているところも走行中での使いやすさを考慮したんでしょうね。
水平基調のダッシュボード周りは上質感たっぷりです。
PDKのシフトセレクターも992の特徴になっています。991までのガングリップタイプから、指でちょんちょんと操作する小型のタイプに変更されています。
いよいよエンジン始動。
ブレーキを踏んで、ステアリング右下にある、キーのようなツマミを右に回すと、大き目なサウンドが響き渡りました。ぞくぞくします(笑)
小型のシフトレバーを人差し指で手前にちょんちょんと倒してDレンジへ。電子式のPブレーキを解除してスタート。
【走り】
土曜日の都内は結構混んでます。山手通も混雑していたので、ゆっくり走り始めました。すぐに感じたのは、なんと剛性感の高いこと。
普段乗っているC43だってそこそこ剛性高いですが、明らかにその上を行ってます。車線変更や左折時によく分かりますね。
ある評論家が「ランボルギーニみたいな剛性感だ!」と評していましたが、自分はランボルギーニに乗ったことが無いので比較は出来ませんが、こんな感じなのかと。。以前乗っていた997ともまるで違います。
ドアミラーから見えるリアフェンダーの張り出しがヤバいです。狭いところを抜ける時に擦ってしまうんじゃないの!?とビビるくらい張り出し感あります。
走り出してすぐに感じたもう一点は、とても初めて乗るクルマに思えないほど違和感なく運転出来ること。ボディも大型化しているにも関わらず、もうずいぶん前から乗っている自分の車のような感覚がありました。
また、フロント20インチ、リア21インチ、扁平率30というタイヤからは想像できないほど、乗り心地も良いです。段差を通過してもガツンという強いショックはなく、荒い路面を走っても不快なロードノイズも感じませんでした。快適で静かでまるで普通の乗用車のような乗り味です。
991に乗ったことが無い自分の一番の関心事は、ターボ化されたFLAT6はどうなのか? という点。
この4Sは、先代カレラSより30ps増しの450psを6500rpmで発生。最大トルクは30Nm増しの530Nmを2300〜5000rpmで発揮する。そのパワフルさは勿論感じますが、そのスペックから想像する荒々しさは思いのほか感じないです。恐らく街中をさらりと流す程度だったので本領発揮とまで行かなかったからだと思います。但し、多少空いた道で、アクセルを踏んだ時の、少し重めのペダル感覚を感じながらリニアに、スムーズに回転が上がり続け、パワーが盛り上がっていく感じはNAの感覚だと思いました。明らかにターボ、ターボしていないと思いました。それが991後期のエンジンとはどのくらい違うものなのかは分かりませんが。。
但し、正直ノーマルモードではそこまでの切れ味ではなく、本領発揮はスポーツ以上のモードです。ドライブモードはスポーツ、スポーツプラス共に試してみましたが、好みはスポーツモードですかね。スポーツプラスになると、派手にブリッピングしながらダウンシフトしていきますので、ちょっとレーシー過ぎてうるさくなってしまい、普段はご近所さんに迷惑かけそうなので。。
元々はNA好きなのですが、この心地よさ、自分はアリと思いました。
そもそも素人の自分がちょっと乗っただけで不満に感じるような車をポルシェが作る訳無いですし(笑)
ブレーキは流石、違和感なく確実に効く、ポルシェのブレーキを再認識しました。
残念だったのは、試乗車にはオプションの「スポーツエグゾーストシステム」が装着されていたのですが、それをONするのを忘れてしまい、大後悔。。
ON/OFF操作はディスプレイ画面からタッチ操作で行うと聞いたので面倒だなと思って後回しにしたら忘れました。
後である記事を見て発見したのですが、ディスプレイ画面下にハザードやPDCC、ESPなどのハードスイッチが5つ並んでいるのですがそのうちの1つに好みの機能を割り当て設定する事が出来るらしいので、これを使えばスポエギON/OFFも簡単ですね。
ステアリングのダイレクト感も相変わらず素晴らしいです。ギア・レシオが見直されている事も影響しているようです。フィールはちょっと重めで、その重さが心地よいですね。
911も他のスポーツカー同様、アイドリングストップが装備されていますが、信号待ちからの再始動音は大きめで、目立ちます。不快な振動はそれほど感じませんでした。C43もそうしていますが、自分は普段はアイドリングストップOFFにして乗ると思います。
あとハンドル位置。RHDだと、ペダル位置などはLHDに劣るとよく聞きますが、自分は特に違和感は感じなくて自然に乗れました。
【便利機能】
レーダーを用いたアダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなど、最新型らしく、ADASの装備はしっかり用意されています。これからの時代は911 にも付くんですね。(ほぼオプションですが)
あと、驚いたのは、左側縁石に寄せた際に突然警告音が鳴り、ナビモニター画面が車両真上からの映像に切り替わりました。
これはサラウンドビューシステムと言い、フロントエプロンとドアミラーの下部、リアビューカメラとあわせて4個のカメラにより、車両を真上から見ているような映像を表示します。他の車でも最近は採用されている機能だと思いますがなかなか感動しました。縁石が近かったので自動で表示してくれたようです。狭い出口などでも視認性を高めることができるそうです。
個人的には狭い機械式駐車場での車庫入れに貢献してくれそうです。
そしてなんとこの機能は日本仕様は標準装備です。
【試乗を終えて】
試乗が終わるのが寂しかったー(笑)
とにかく感じた事は良い意味でも悪い意味でも高級乗用車になったんだなということですね。価格的にもスポーツカーからスーパーカーになってしまいましたね。
ただ、高級で上質感が増したから、スポーツカー的な要素がスポイルされたのか?と言うと決してそんな事は無い。
ポルシェのある開発責任者の「高級車とスポーツカーが両立できないとは思わない」の発言を思い出しました。
剛性感とダイレクト感、これだけで911を感じ取れました。
さて、試乗から戻って2階の商談スペースへ。
そこには991ターボ(新車)がありました! しばし観察です。
そしてその奥には、翌日納車予定のカレラが鎮座しており、カミさんが見るなり「良い色~!」と。
クレヨンというスペシャルカラーで45万円のオプションです。写真だとホワイトに見えますが少しグレーがかった色です。カッコイイです。カミさんは買うならこの色に決めた、と意思表明(笑)
ということで。
内外装のデザイン、装備、そして何よりも走りに文句の付けようが無いですね。
やはり、最新は最良でした。。。
先日のブログでは、991前期カレラS が最有力候補だったのですが、、、正直、一旦保留です(笑)
あとは価格の問題(これが一番の問題だな(笑))と、4ドアを手放せるタイミングがいつになるか、、、ですね。
心の中で、C43にゴメンねと言いながら家路につきましたとさ。。