
エアコンの回路図です。(画像はエアコンオプション車の回路図)
エアコンの冷えない場合の診断は整備書の故障時のフローチャートを見れば治るんですが見る箇所が多い&どこから見ればいいか分からないと思います。
当てずっぽに部品を変えてみたりする方もいますがきちんと診断して修理したほうが金銭的や気持ち的に良いかと思います。
エアコンが効かない場合マグネットクラッチがONになっているかどうかで見るとこが変わってきます。今回はONにならない場合で考えます。
(ONになる場合はガス量か冷媒サイクルの不良を疑ってください)
自己流で整備書のフローチャートはガン無視でエアコンの故障個所の切り分けの流れを書こうと思います。
※準備するもの※
サーキットテスター
デュアルカットスイッチ(圧力スイッチ)短絡用の導線
エンジンがかかった状態で風量最大、エアコンがスイッチON、内外気切り替えレバーを内気側、温度調節レバーを最強冷の位置に持っていきます。(正常時にエアコンが冷える状態ですね)
次にエンジンルームのデュアルカットスイッチ(エアコンの圧力スイッチ)のカプラーを抜きます。
抜いた状態の車両側カプラーに準備していた短絡用の導線で短絡させます。
短絡させた状態でマグネットクラッチがONになる場合はガス量が極端に少ないか多すぎます。
変化がない場合は
短絡用の導線を取り外してデュアルカットスイッチのカプラーのピンク線側とボデーアースの間をサーキットテスターで電圧を測定します。

ここで電圧が0V(1Vぐらいあるかも)の場合はデュアルカットスイッチのカプラーより上流側(配線やカプラー、エアコンアンプ、各種スイッチ類など)に原因があると思います。
ここで電圧が12V以上(バッテリー電圧)あればデュアルカットスイッチのカプラーより上流側はすべて正常になります。
12V以上ある場合はデュアルカットスイッチより下流側(配線やカプラー、マグネットクラッチ本体やコンプレッサーの温度センサー)に故障があると思われます。
以上が故障時の切り分け方法になります。
余談ですがコンプレッサーの温度センサー(サーモスイッチとも言います)についてですが整備書には一切記載がありません。
この温度センサーは通常時はONになっていて電気を通すようになっています。
ガスの入れすぎなどでコンプレッサーの温度が異常に上昇するとコンプレッサーの焼き付きを防ぐために温度センサーがOFFになって電気を通さない=マグネットクラッチがONにならなくなります。
一度温度センサーがOFFになるとコンプレッサーの温度が下がるまで何をしてもマグネットクラッチがONにならなくなります。
もし温度センサーが怪しいようなら温度センサーとマグネットクラッチの間にギボシがあるのでそこを外して導通を測定すれば良いかと思います。

↑赤丸の部分がコンプレッサーの温度センサーです。
ブログ一覧 |
JA11 | その他
Posted at
2022/08/20 03:03:53