
今回はJA11のウォーターポンプについて気になったことを書き連ねていきます。
まずはJA11の1型のウォーターポンプです。
JA11は1型のみウォーターポンプをタイミングベルトで駆動しているというのは有名な話だと思います。
2型からはタイミングベルトでの駆動は廃止になって
代わりにクランクプーリーにかかっているVベルトで駆動する方式に変更になりました。
ここで最高出力と最大トルクが少しだけ向上しています。
1型→2型でウォーターポンプの駆動方式以外にも変更になった個所がありますがメーカーの記述を見る限りではこのウォーターポンプの駆動方法の変更と直結ファンをカップリングファンに変更したのが出力とトルクの向上の主な要因のようです。
ここまではかなりの人が知っている話だとは思います。
が、実は3型以降でも変更になっている箇所があります。
それがウォーターポンプのプーリーの直径です。
2型→3型の時にウォーターポンプを駆動するプーリーの径が小径化しています。
プーリーの径を小径化すると何が起こるのかですが、
クランクプーリーが1回転する間にウォーターポンプが回転する量が増えます。
これにより低回転時でもウォーターポンプを多く回せることになります。
つまりウォーターポンプの吐出量の向上を狙ったのだと思います。
2型に乗っている人でプーリーの径が大きい物が付いている人はこの3型以降用の
プーリに付け替えることでウォーターポンプの能力を底上げできると思います。
(単純に3型以降仕様になるだけなんですけどね)
もしプーリーを変える場合はVベルトの長さが変更になっているのでそこだけ注意が必要ですね。
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ここからは余談です。
ウォーターポンプの回転数を上げた場合のデメリットですが、
回転数が増えるとそれだけ回転抵抗になります。
あとポンプの回転数があまり速くなりすぎると小さな泡がウォーターポンプのインペラ周辺で生まれます。インペラで冷却水を掻き出すときに局所的に圧力が下がる箇所があって、その部分の冷却水が沸騰することで泡が発生するのですが
この泡がエンジン内部に循環するとエンジンの冷却が急激に悪化します。
なのでこの泡を発生させない、もしくは発生してもすぐ消えるようにする必要があるのですがそのために冷却水は『ラジエターキャップ』で圧力をかけるようになっています。
んで、この圧力が高ければ高いほど泡の発生を抑えることができます。
よく高圧ラジエターキャップとかが社外パーツで売っていますがアレの効果は沸点を上げるというものです。(圧力が上がると沸点が高くなります)
エンジンがオーバーヒートする以上に沸点が高くなるラジエターキャップはこの泡を発生させない、発生してもすぐ消すためにあるのであってオーバーヒートの限界を高めるものではないので注意が必要です。(無意味につけてる車を時々見ます)
(泡が発生して消えた瞬間に衝撃波が発生するのですがこの現象をキャビテーションと言ったりします。)
ラジエターキャップで圧力を上げると当然デメリットがあって冷却水漏れのリスクが上がります。特に古い車両でラジエターホースや各所のガスケットが劣化している車両だと高圧ラジエターキャップをつけることで冷却水漏れが発生する恐れがあります。
以上ポンプの回転数について書きましたが
JA11の2型→3型でのプーリー小径化はこの泡の発生による冷却不足はほぼ無いとおもいます。(というかメーカーもテストしたうえでの改良だと思います)
他メーカーの車両だったりしますとチューニング車両の高回転での泡の発生を嫌ってわざとポンプの性能を落としたものもあるようです。(日産のRB26のN1ウォーターポンプが有名ですね)
JA11をチューニングなんかでㇾブリミットが9000回転とかまで上がると泡の発生によるネガが出てくる可能性はありますがノーマルで乗る分にはほぼ無視しても差し支えないとは思いました。
(元から高回転まで回るカプチーノなんかのツインカムはポンプの駆動がタイベル駆動のままです。Vベルト駆動ウォーターポンプは低回転でつかうであろうJA11だからこその改良なんだと思います。)
Posted at 2022/07/02 09:24:58 | |
JA11 | その他