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2022年03月27日 イイね!

S660 筑波サーキット、コース2000 ファミリー走行12回目 ③ RRタイヤ165でのセッティング考察

S660 筑波サーキット、コース2000 ファミリー走行12回目 ③ RRタイヤ165でのセッティング考察前回は、クラッシュした最終コーナーの、走り方の違いと、サスや車体の動きを考察したので、今回は、セッティングの方向性を考える為に、RRタイヤが195の時と、165の時のデータ比較を行いました。

GPSも、can-busのデータも途中でデータが無くなってるので、RaceChronoで直接比較出来ないのでまずは写真で走りをチェック。

上がRRタイヤ165でクラッシュしたラップ,下が195で今までのsec3ベスト(12秒9)の比較です。


色々と細かくチェックしたので、長くなるので結論を先に言うと、RRタイヤに195を使っている時と比較すると、

①コーナーエントリーでは195の時はFRにアンダーが出てるが、165の場合は前後タイヤがスライドする事で、同じようなラインになる。
②その為に、ボトムスピード近辺で、165の場合は速度を落とさないと向きを変えられない。
③したがって、165で195と同じような進入をすると、進入の慣性力をグリップ不足の為に受け止められず(特にRRタイヤが)におつりが来てスピンする。
④RRタイヤが195の場合は、進入でアンダーが出るが、RRが安定してグリップしているので速度が落ちるまで待てば、向きを変える事は出来るが、進入のおつりはその時にRRに来るので、進入速度を上げて行くと、165と同じ場所でRRからスピンする可能性は高い。(実際に、その辺りでカウンターを当てる事が多い)

といった結論で、ヘアピン系のコーナーと異なり、RRのグリップ不足のネガな部分がはっきり表れた結果となった。


それでは詳細チェック。

まずはオンボード映像の比較から。

1:ストレートエンドの位置取り
alt


alt
ちょっとアウトが余っているが、ほぼ一緒のライン。
(195の方が、10cm位はアウトからアプローチしている)


2:ステアの切り始めalt

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ちょっと画像の位置がずれている(195の方が若干位置が奥)が、ほぼ同じ舵角で同じ位置、向き。


3:スロットルの戻し始め
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alt
195は、画面ではまだ全開、can-busデータでは165と同じ開度。
センターメータも、数値とグラフに差がある。ので、165の方がデータが取れていれば、この時はスロット開度は小さいと予想(全閉になった位?)。
車体の位置、向きに差は無い様に見えるが、ほんの少し、165の方がインを向いている。
横Gは165の方が0.5Gと大きい。


4:スロットル全閉直前
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センターディスプレイでは、165はスロットル開度15%で横Gが0.7G、195は5%で0.6G。
車体の位置、向きに差は無いが、165の方が、RR下がりの車体姿勢になってる。(3までは、4ほど差が無い)


5:4の直後
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この時点で、舵角は165の方少ないが、車体はが若干イン側を向いている。


6:
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この位置では、5よりも車体の向きが同じように見えるが、横Gは165が1.0Gで、195が1.1Gと、差が出ている。(恐らく車速が違う?)


7:修正陀が入る
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195はステアを戻さず切ったままだが、165は殆どセンターまで修正陀を入れているが、向きは若干インを向いている。
また、前後の車体姿勢は、165のRR下がり度合いが少なくなっている気がする。


8:そしてスピンへ
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195でも、同じ位置で修正陀が入っている。
165は、既にノーズがインのガードレールに向かっているので、カウンターのタイミングが早くて大きくてスライドが止まった場合は、インに切れ込んでガードレールに突っ込んだかもしれない。


こうして比較すると、思ったよりもRRタイヤの195と165でライン取りや車体の向きに大きな差が無い。


次に、ロガーのデータをチェック。

今回、2/18 Y1(195)のHRCロガーのデータに、can-busのステア舵角とブレーキ圧、RRホイールスピードを重ねる事が出来たので、RRタイヤ195のデータは、より詳細にチェックが出来た。


2のステア切り始め
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195のエンジン回転数とステア舵角スロットルでチェック位置を合わせると、195は全開だが、165はスロットルを戻しているので、センターディスプレイとデータにずれがある。(今までの傾向からすると、センターディスプレイの表示が遅れ気味)

画像とデータをMIXして考えると、この位置では165,195共にステア舵角はほぼ一緒の筈だが、FRは約2mm、RRは約10mmも165の方がロールしている。


画像2では横Gが同じだが、画像3では165の方が横Gが大きく、車両がインを向いているので、旋回Gが高い為にロールも大きい傾向では有るが、ロガーデータを見る限り、ステア切り始めから165の方が特にRRのロールが大きいので、ステア操作に対してのロール剛性が165の方が低い?
恐らく、RRに20mmのワイトレを入れた事で、相対的にSPGレートが下がっているので、その影響では無いかと推察。


3のスロットルを戻している途中
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ロガー上でスロットル開度が揃った位置(上記2と3の間位?)では、195の方がFRが約6mm、RRが約5mmロールが大きくなり、車体姿勢が逆転。


165で、このラップ(ラストラップ)とラスト2ラップを比較した場合でも、このラップの方がロールが少ないので、165で高いスピードで最終コーナーへエントリーすると、この状態になる。

センターディスプレイの横Gは165の方が値が大きいので、前後共に滑り出して、スリップアングルが195よりも大きく付いている可能性が高い。
(スライドすると、グリップを失う為に、ロールが小さくなる傾向がある)


4のスロットル全閉直前~5の全閉の辺り
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195のエンジン回転とステア舵角で合わせると、スロットルは全閉になっているので、画像5の位置かも。

195でスロットル全閉にした直後は特にFRのロールが大きくなっていたのが、この辺りでは165とのロール差が小さくなってきている。
恐らく、195のFRタイヤのアンダーが出始めている。

165でのラスト2ラップとの比較では、このラップの方がRRがめくれ上がる様な車体姿勢だが、195と比較すると、ロールは抑えられているが、ノーズがインを向いている事からも、前後ともにスライドしつつもスリップアングルが大きくなっている状態で、動画を見ると165は小さな修正陀が多い。


6の位置
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画像では横Gが違うので車速が違うのかと予想したが、車速は殆ど同じで、ロールの傾向に変化は無い。

この時点で、サスストロークから前後のトータル荷重を計算してみると、
165はFR:390.8kgf / RR:461.5kgf / トータル:852.3kgf
195はFR:390.4kgf   / RR:469.0kgf / トータル:859.4kgf
となり、195の方がトータル荷重が若干高い。

画像からは、車体の位置や向きは同じように見えるが、195は修正舵を入れた直後で有る事から、FRのアンダーが収まってきた状態で、ノーズがインを向いた為に横Gが高くなり、165は前後共に滑りながら向きが変わっている状態であると推察。

車体の向きや位置が同じでも、195は前後共にグリップした状態で、165は前後共に滑っている状態だと思われる。

ヘアピン系のコーナーはカントが付いているので165の方がトータル荷重が高かったが、比較的フラットな最終コーナーでは、4輪に掛かる荷重に違いが無いので、単純にタイヤ幅の差が出ている。

 
7の修正舵が入った時
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195の表示データを追加。
RRホイールスピードを表示し、内外輪のスリップ率を表示させると、約3%のスリップ率。
LSDが入っていないので、ノーブレーキの減速中でも内輪の速度が2.6km/h低く、外輪が1km/h高い。つまり、RRが滑っている状態。

対して、165はcan-busのデータが無いので直接比較出来ないが、大きく修正陀が入っているので当然195よりもスライド量が多い状態の筈で、その為か、165の方が横Gが少ない。(195の方は、165よりも早いタイミングで一度修正舵が入り、この位置では切り増している事もその要因の一つかも)



そして8のスピン開始
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まだカウンターが当たっている状態なので、サスの動きに大きな変化が出ていないのが意外。
195はスロットルを開け始めた後ににRRがスライドして修正舵が入っているが、これは恐らくスロットルONによるスライドでは無く、最終進入の慣性力のおつりがここに出てる。

その為に、165ではここでいきなりRRが大きくスライドする。

コースのどの辺りにいるかをチェックすると、

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思ったよりも、最終のエントリー位置にいる。(赤いラインが195で、青は165で7ラップ目のデータ)
当然進入の慣性力が残っている位置なので、RRタイヤのグリップが不足していればスピンするのもうなずける。



従って、RRタイヤが165の場合は、最終コーナーに関しては、ロールが抑えられる事で内輪が仕事をしているとしても、その割合が小さいので、RRタイヤのグリップが不足する。
また、一見ロールが少ない165だが、単純にタイヤがスライドしている為にロールが抑えられているだけの可能性も有る。

当然、ジオメトリー的にロールが抑えられる部分も有るとは思うが、そのメリットよりも、内外輪のトータルグリップが不足しているネガが大きい。

速度が高く、慣性モーメントが大きいので、ステアを切り始めた段階でロールが195よりも大きい事が、非常に問題だと思われる。
ここで、外輪が荷重を受け止められずに前後共にスライドを開始する点を改善しないと、最終コーナーの問題点は改善しない。

正直、ヘアピン系のコーナーは、RRがスライドして向きが変わるので誤魔化せているだけで、よりペースを上げようと思えば、同じ事が問題になる。
(実際、タイヤがブレークする限界Gは、165の方が低い)


 

では、どうすれば良いかを考えると、RRタイヤが195の時と比べて、恐らくロール剛性が下がっている部分の修正が第一では無いかと考察。

RRのロール剛性を上げる為に、タイヤサイズを細くしてトレッドを広げたのだが、その手法が悪かった(順番的に仕方が無かったのだが)。

トレッドが広がった事で上がるロール剛性よりも、相対的なSPGレートが下がる事で下がるロール剛性の方が大きいので、慣性力が大きい高速コーナーではRR内輪が浮き上がる傾向になる。


1コーナーの比較
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1ヘアの比較
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ヘアピン系のコーナーは、195と比べて、ロールを抑えられる事でRR内輪に荷重が掛かる割合が大きいので、滑りながらも向きを変えられる点と、RRが低いのでハードブレーキングが可能な点が、195に対してのアドバンテージとなっている。


したがって、まずは、下がったRRのロール剛性を復活させる事を考える。

単純に考えればSPGレートを上げる方向だが、自分の目指すイメージ的にはもう少しコーナリング中の重心は下げたいので、むしろSPGレートは下げたい位。

なので、RRのアンチロールバーのレートを上げつつ、SPGレートも下げる。
そうする事で、外輪に荷重が掛かろうとしたときに、より早いタイミングで内輪の位置が下がる様にする。

ただ、単純にSPGレートを下げるだけだと当然ロールは増える方向なので、RR外輪のストロークが深い領域(50㎜位から?)でSPGレートが立ち上がる様に、アシストスプリングを使ってデュアルレートにする。

併せて、ステア操作初期からのロール量を抑える為に、前後共に車高を下げつつ、スタビリンク長も調整する。

FRの車高に関しては、バンプタッチする位置を確認して、現状のMAXストローク近辺でバンプタッチする様にセット長とプリロードを調整。

RRの車高は、セット長は短くしつつ、プリロードを掛ける方向でブレーキング時のRR位置は下げつつ、浅いストロークで下がったSPGレート分の反力もkeepする。

こんな感じだろうか。


あと、これらのセットとは別に、タイヤ内圧とキャンバーの最適化も行いたい。
特に、RRキャンバーは不足していると思うので、キャンバーボルトを使ってみるか、取付穴を改修する。

FRは既にキャンバーはMAXなので、アッパーマウントの改修が必要。


車両のバージョンアップとしては、トランクフードとルーフ部分の軽量化でロールを抑えるのと、アーム類の変更・改修。


併せて、データ取得関係では、センサーの追加やRaceDACの導入を行う。


クラッシュの修理も余り進んでいないが、パーツが揃うのに時間が掛かる上に、作業時間が取れないのが難点・・・。


Posted at 2022/04/02 21:45:10 | コメント(1) | トラックバック(0) | S660 | クルマ
2022年03月25日 イイね!

RaceDACを注文しました。

RaceDACを注文しました。RaceChrono用のアフターパーツ?として、RaceDACという物があります。

簡単に言うと、外部のアナログ入力電圧を、RaceChrono上で見られるパーツです。

最近、S660にストロークセンサーを取り付けて、HRCロガー(廃番)でデータをロギングしていましたが、データをチェックする際に、どうしてもステアリングアングルとブレーキ液圧と、左右リアホイールスピードは欲しかった。

最初は、2個目のHRCロガーにアナログセンサーを追加しようと思いましたが、Circuit Toolsという、RaceChronoがデータ出力可能なソフトを手に入れたので、can-busのデータにストロークセンサーのデータをMIXする方法を選択しました。

まあ、多分、ナックルアングルセンサーと、ブレーキペダルポジションセンサーと、Gセンサーは、将来的には追加する事になると思いますが・・・・。


今一つ、使い方が分からない点がありますが、物が来てから試行錯誤します。


発送まで5~10日との事ですが、海外発送なので、恐らく届くのは1か月後位だと思います(通関しだいですね)

これで、RaceChrono上でも、サスストロークが見られます。


さらに、もう一つ秘密兵器を・・・?
Posted at 2022/03/25 03:15:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | S660 | 日記
2022年03月19日 イイね!

S660 筑波サーキット、コース2000 ファミリー走行12回目 ② Y2 最終コーナークラッシュ原因を考える

S660 筑波サーキット、コース2000 ファミリー走行12回目 ② Y2 最終コーナークラッシュ原因を考える走行記録メモ

TC2000 Y2 14:50~15:10


9.7℃/22%   
路面温度:記録忘れ 20度位だった筈
走行中、メーター読み外気温 10℃

車両スペック(前回走行と基本的に同じ)
タイヤ:AD08R / FR42L/ RR15L
サイズ:FR・165/55R15
    :RR・165/55R15
サス :TEIN FLEX Z/Fr:4kg RR:5kg/EDFC;ALL16→8(9LAP目のバックストレート)
ブレーキ:STD
パッド:FR/700C (TC1k:60L+TC2k:151L) RR/ドリパ(TC1000:22L+TC2k:151L)
EXH:STD
タービン:STD
ECU:SEEKER OPDM
Oil:純正/365km

タイヤ内圧(→天日干し後ADJ)
 FrL:150(→-5)/FrR:155(→-5)
 RrL:155(→-5)/RrR:165(→-5)

走行後内圧(クラッシュ回収後)
 FrL:190/FrR:187
 RrL:200.75/RrR:200

走行後タイヤ温度(各部2回測定,左が1巡目、右が2巡目)プローブ(φ3)突き出し5mm
FrL/ out   / mid          / in             // FrR/ in     / mid          / out
34.4,32.4 / 32.7,31.4 / 31.8,31.0 // 27.8,27.2 / 23.2,24.9 / 23.7,24.0
39.5,35.9 / 37.3,34.8 / 37.7,35.2 // 32.2,30.9 / 28.9, 29.2 / 28.2,29.6
RrL/ out   / mid          / in            // RrR/ in     / mid           / out
34.7,30.3 / 38.0,30.2 / 34.0,31.3 // 28.4,24.5 / 26.1,24.4 / 27.4,24.9
44.7,39.3 / 43.6,39.8 / 41.3,37.9 // 38.1,33.0 / 34.3,31.0 / 33.4,29.9



alt


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今回は、前後165で、再度データを取得する為に、セッティング変更は無しで、吸気、換気ファンは作動させて走行データを収集予定だったが、恐らく、GPSレシーバーの問題でデータが記録できず。

そして、車体フィーリング的には、やはり最終コーナーの限界が掴めず、ペースがつかめない中、少しずつペースを上げて行き、ラストラップなので、さらに少しペースを上げたらスピンしてクラッシュしてしまった。

ヘアピン系のコーナーはRRを滑らせる事で向きが変わるので、195と比べても余りペースダウンしなかったが、最終コーナーはどうしてもペースを上げらずにクラッシュしたので、その原因を色白と探ってみた。

ロガーでセクター3の走りをチェックすると、クラッシュしたラップと、その2ラップ前のデータが非常に似ていたのでデータを比較した。

まずは、動画のチェック。

分かりやすく70%のスロー再生。

まずラスト2ラップ



クラッシュしたラストラップ



進入スピードがやや高い分、スロットルの戻し方が違うが、アプローチ自体にそれ程大きな差を感じない。
デフィロガーの車速(外径補正無し)だと、2Km程進入スピードが速いが、フラッシュエディタのSPDでは、トップスピードの維持時間が違う感じ。
GPSが機能していないので、車速の比較がやり難い。

走行フィーリング的には、やはり奥まで突っ込んだらRRが滑ってスピンした感じ。

ロガーのデータを見ると、

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まずはスロットル戻し始め。

ラスト2ラップではまだ全開だが、ラストラップは車速が2Km程速いので、早めにアクセルを戻し始めている。
感覚的には奥まで突っ込んでいる=奥までスロットルを戻していない感じで、感覚と実際の操作に差がある。

その際の車体姿勢は、ラストラップの方が、速度が高いせいか、前後共にロールが大きくなっている。
(ここで、ロガー上で旋回Gや、ステアリング舵角の違いを確認出来れば、非常に違いが分かりやすいと思った。)


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次に、車速がMAXの時。

ラストラップはスロットルを17%まで戻しているが、ラスト2ラップは55%までしか戻していないので、車速差が1㎞まで詰まっているが、まだラストラップの方が速い。

この時、恐らく、ステアリング舵角が小さい為に、ラストラップの方が、ロールが少ないが、前後のピッチング量はほほ同じ状態。
多分、ラストラップの方が、減速Gが大きく、旋回Gが少ない状態なのではと推察。


と思って、動画をもう一度チェックすると、大体同じ位置+車速では、ラストラップ方が、ステアリングアングルは多い様に見える。

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これがラスト2ラップ

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こちらが、ラストラップ

画像で見る限り、位置が同じ場所では、ラストラップの方が、ステア舵角が大きい。
しかし、ロガーデータでは、ロールが少なくなっている。
また、Gサークルを見ても、ほぼ同じ様に見える。

この事から、既にRRタイヤが滑り出している為に、ロールが減り、RR外輪のストロークも減っているのでは無いかと推察。


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そして、ラスト2ラップで最もスロットルを戻した時。

ラストラップはスロットル全閉だが、ラスト2ラップは8%までしか戻していない(スロットル全閉にしていない)。

その為、この時点で、ラスト2ラップの方が車速が2Km高くなっている。
また、この時、スロットル開度の違いから、車体姿勢はラストラップの方が、FRはロール少な目で深くストロークしているが、RRはめくれ上がる様な姿勢になっている。
ロール量は少ないが、RRの荷重が抜けて、RRがスライドしている状態だと思われる。



alt

すると、じきに車体姿勢がほぼ一緒になる。

ややFR外輪がストロークしているが、ロール、ピッチングがほぼ一緒の状態に。
しかし、恐らくラストラップの方は多めのスリップアングルが付いている為に車速の落ち幅が大きくなり、ロールも大きくなっている状態。
要するに、車体が横を向いてロールしながら減速している状態。
つまり、この時点ですでにスピンモードに入り始めている。


alt

そして、さらにスリップアングルが大きくなり、FR外輪が沈み、RR内輪が浮き上がる。

この辺りから急激に車速が落ち始めるので、本格的にスピンモードに入ったと思われる。


alt

そして、車体姿勢は変化せずに、大幅に車速が下がってスピンし始める。
(この時の横Gや、ステアリング舵角が分かると、自分の操作が適切かどうかが判断できると思われるが、現状は残念ながら正確な判断は出来ない。)

車速の落ち方から、結構なスリップアングルが付いている筈だが、ストロークに変化が出ていないので、ステアリング操作が遅れている(カウンターステアになっていない?)様に思われる。

車載画像とロガーデータがリンクしていれば、車両がどちらに向いているかも判断しやすいのだが・・・。




そして、その後は、スピンしてクラッシュといった結果を辿る事に。


これらの現象をを考察すると、
まず高いアプローチスピードの為に、スロットルを大きく戻している。
その為に、RRの荷重が抜けてスピンを起してしまった。

タラればになってしまうが、スロットルを全閉にしなければ、スピンしなかった可能性が高いと思われる。
(当然、曲がれずにオーバーラン気味になると思うが)

セッティング面で考えると、

①スピードを落とさずに曲がれる様に、もう少しロールを抑える又は、外輪の設定加重を増やす事で、旋回限界を上げる。
②動的な前後バランスを、RR下がりにする(車高か、前後のSPGレートバランス変更)事で、RRの接地性を上げる。

等が考えられる。
RRタイヤが195/45R16の時のFRストローク量を見ても、FR外輪のMAXストロークが60mmを少し超えた辺りで止まる傾向が有るので、恐らく重心高とのバランスで、これ以上は外輪がストロークせずに内輪が浮き上がる状態になると思われるので、
まずは、FRのSPGレートを上げてプリロードを下げる方向にする事で、FRの限界は上がる様に思われる。

ただ、前後のバランスを考えると、FRのロール剛性が上がる分、RRもバランスを取る為に、RRのアンチロールバーか、SPGのレートを上げる必要が有ると思う。

RRの車高も、もう少し下げても良いかも。







と、考えていたが、よくよく考えると、車速MAXの状態、つまり、限界まで突っ込んだ状態で、ステア舵角がラストラップの方が大きいが、ロールは少ないという現象は、RRが流れているのではなく、FRがプッシュアンダーな状態なのでは?

上記の画像を比較しても、サイドミラーに映っている景色が殆ど変わらないので、RRが流れているとは考えにくい。

ラストラップでは、ステアを切り始めた時点で車速が高く、ロールが大きくなっている。
その為に、旋回Gに対してFRのトータルグリップが不足してアンダーになる。

アンダーが出始めた状態では、外輪のグリップが下がっているのでストロークが減り、その為にロールが減少(荷重が抜けるので、サスが伸びてしまう)

その後、アンダーステアで曲がらないので、ステアを切り増すので、再度ロールが大きくなり前後共にグリップを失いスライドを始める。

恐らく、この時点で車体に大きめなスリップアングルが付いて、乗っている本人的には向きが変わっている様に感じているが、車体の進行方向はもっと外に向かっていて、結構な勢いで失速していくと、FRをRRが追い越してカウンター状態になるが、もともと大き目なスリップアングルが付いているので、体感的なRRのスライド量に対しての(RRのヨーモーメントに対しての)カウンターステアでは舵角が不足してスピンしたのでは無いかと考察。
(RRが195の時は、この進入だと、RRはグリップしているので、スピンはせずに、単にアンダーで曲がらないだけだが、今回はスピンになってしまった。)

この状態は、恐らく、カウンターステアの量が足りてスピンが収まった場合は、インに切れ込んでガードレールにFRから突っ込むパターンで、自分がカウンターを当てた時にガードレールに突っ込みそうと感じて躊躇したのはこのせいだったのでは無いだろうか?


こう考えると、色々とクラッシュに至るまでのサスの動きと、感覚、実際の結果の辻褄が合う様に思われる。


なかなかデータを見ていても、しっくりこなかった事が、ようやくスッキリした感じ。

従って、サスセットの方向性としての、①は悪くないと思うが、②は逆方向なのでは?

実際は、RRの車高を下げれば、状況は(RRのグリップ不足)は改善するので一見良くなった様に感じると思うが、アンダー傾向が強くなる筈で、恐らく、フィーリングは良くなったが、タイムに反映されないパーターンになるのでは?


また、進入でアンダーが出ている原因の一つに、FRタイヤ内圧が上がっている事も、その一つだと思われる。

今までRRに195を使っていた時は、FR内圧が200とかはあり得ない。
ここまで内圧が上がると確実にグリップダウンを感じていた筈が、どうも前後165にしてからは、内圧が上がってもグリップに違いを感じにくかった。

その原因はまだよく分からないのだが、それが原因でアンダーが出ている事に気付いていないのかも知れない。

RRの内圧に関しても、コーナー進入でRRが滑ると一気に内圧が上がるので判断が非常に難しい。
内圧が上がるから滑るのか、滑って発熱するから内圧が上がるのか?

セッティングを進める上でも、まず前後の適正内圧を判断する事が必要かも知れない。


また、最終進入でアンダーが出ているとすれば、どうすればその状態が改善するかを考えると、FRタイヤ2本のトータルグリップを向上させる手法を考える必要が有る。

単純に考えるとRRの車高が低いので(タイヤ外形差を補正していないので)その分を上げる方法が考えられるが、それをすると今度はヘアピン系でRRのスタビリティが下がる筈。


そもそも、最終進入でのFRアンダーは、スロットルがまだ開いている状態で、RRに荷重が掛かっている&FRに荷重移動していない段階で、速度が高い為に(横Gが大きい)ロールが大きくなる事が原因なので、前後の車高をいじっても恐らく根本の改善にならない。

とすると、現状では、RRのロール剛性を上げる事で、FR側のロールを抑えて、内輪を接地させる方向性なのでは?


何か、いつも同じ結論に達する事が、自分の考え方に偏りがある気がしてならないが、そもそもRR165にする狙いが、前後のロール剛性バランスの変更が目的なので、この方向でセッティングを進めようと思う。


従って、すると、今後のテスト項目としては、

Ⓐサスアームのフルピロ化、および、エンジンマウントを強化する事で、ハンドリングの改善を行う(コントロール性の向上と、車体の動きに無駄をなくす)
ⒷRRアーム長の延長(ワイトレ外し)によるロール剛性UP?
©RRスタビ強化

等が考えられる。


まだ、ヘアピン系のコーナーのデータ解析が出来ていないので、また予定が変わるかも知れないが、クラッシュの修理して、ロガー関係のアップデートを行い、チェック走行→アーム類のフルピロ化の順番でテストしたい。

レース関係が非常に忙しかったが、諸事情で時間が取れる様になる可能性が有るので、月末の走行に間に合わせられる様に、まずはマシン修復して、チェック走行を兼ねて、内圧の適正値テストする。

そして、同日にテスト出来る内容を考えると、©のスタビ変更を行い、後日にⒶのアーム類の変更とⒷのアーム延長をテスト。
さらに後日に、Ⓐのマウント強化の順番だろうか?


まずは、月末の走行に、修理が間に合うかが問題。


本業でもつい先日まで同じことをしてた・・・。


Y2ALL.


2ヘアはカウンター大会。
Posted at 2022/03/19 07:16:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | S660 | クルマ

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「[整備] #S660 S660 電装系のアップデート番外編/ECUの純正戻し https://minkara.carview.co.jp/userid/2377114/car/2854125/8169673/note.aspx
何シテル?   04/01 12:28
@zawaです。よろしくお願いします。 N2Fという開店休業中の様な店をやりながら、2輪のレースメカニックをしてます。 一応仕事の筈ですが、趣味の世界でビ...
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