2007年10月29日
電気機器へ入力される外乱について考察
えーと、かなり時間が経ってしまいましたが表題の件についての考察をします。
実はちょっとずつ書いていたんですが、何か長くなってしまいました。。。
分割しようかと思ったのですが、面倒なので(笑)一気に載せます(^^;
おヒマだったらどうぞ(笑)
電気機器へ入力される外乱について考察します。
では、いわゆる外乱対策として売られている物にはどんな物があるのでしょう?
ここで、最近電気系の対策として売られている商品を挙げると....
①アーシング
②省燃費グッズ(コンデンサー系)
③静電気系
④他なんかありますかね?
これらの製品が電気機器に対する外乱に効果があるか?、過去のブログと重複す
る部分がありますが例題として考えてみます。なぜ『電気機器へ入力される外乱』
でこの①~④について考えるかと言うと、昨今の商品はその効果を複数うたって
いる物があるため、ここでその効果別けて考え、電気的に考えて正しいか検証します。
①アーシング
これは以前にも記載しましたがバッテリーから供給される電圧を正確に(電気機器へ)印加するまたはバッテリーへ電力を無駄なくチャージするという発想から成り立っています。
②省燃費グッズ(コンデンサー系)
燃費グッズで代表的なものはシガーライターに差し込むタイプが多いようです。
内容的には単純に電解コンデンサなどをぶら下げて、燃費改善やノイズカットを謳っています。
③静電気系は今まで考察してきたものですので今回は割愛します。
④その他
で、早速①~④を検証して行きます。
①アーシング
1-1.アーシング効果
バッテリーのマイナス(GND)を機器(車)の各ポイントに接続してGNDレベルをなるべく等しくする。これにより各機器はバッテリーからの電圧が正確に印加されるため、車(車の電気機器)は本来の働きをする。これは理屈から言えば全く正しいです。車のボディを解してバッテリーに接続されるよりバッテリーから最短距離で配線した方がロスは少ないです。ただし条件があります。当然アーシングポイントまでの距離が短くなる事と、配線抵抗が従来の経路よりも小さくなる事です。
では車にはどの程度効果があるか?ですが結論を言えば少なくとも電気機器への効果は少ないでしょう。理由は後述しますが、車載器のほとんどはバッテリー端子直結ではなく恐らくレギュレーターを介して電気回路を動作させているからです。
ちなみに、ワタシは以前の車ではアーシングしてました。もちろん上記を理解していました。理由ですが『なんとなくやってみたかった!」ってだけです。効果は....低速トルクがUPした!『気』がしました。がっ!本当の所は全然分かりません(笑)
②省燃費グッズ
2-1.ノイズ除去機能
省燃費グッズはでのうたい文句にノイズ除去が謳われている物があるのでそれをとりあげます。専門用語ではいわゆるバイパスコンデンサ(パスコン)と呼ばれているもので、電源に入り込んだノイズを除去するための王道中の王道の技術です。
で・す・が....
このパスコン自体は全く正しいのですが問題はその影響です。まずコンデンサは必ず周波数特性をもちます。ですから車の内部で発生しているノイズが何Hzか分からないとパスコンに効果は期待出来ません。ご存知の方がいるかは分かりませんが通常の電解コンデンサーは100kHz以上になるとインピーダンスが大きくなり、ノイズ除去の機能は著しく損なわれます。このコンデンサー系のグッズを売っているメーカーは何Hzのノイズが車内部で発生しているか分かっている必
要がありますし、分かっていないのであれば、適当に作った物と言えるでしょう。(経験上効果ありとかいうのかな?)念のため補足すると、種類の違うコンデンサ(セラミックやタンタル)を使う事は、正しい使い方で周波数特性を考慮したものと言えます。ですがこれもノイズの周波数を分かってこそのものです。
次に、そもそもこのノイズって燃費に影響するんでしょうか?確かにイグニッションプラグに印可される電圧が変わればプラグの火花の強さは変わるでしょう。ですがイグニッションプラグに印可される電圧って一般的に昇圧されてかなり高い電圧にあるんですよね?そのたか~い電圧に対してわずかなノイズの影響ってどーなんでしょうね?この件は良く分かりませんので判断は控えます。
2-2.電力補充系
バイパスコンデンサーと同様の使い方(接続)?ですがノイズ除去というよりは、バッテリーから放電するエネルギーを補うための物だとか。能書きとしては急激な電圧放出に対応出来ないバッテリーを補うためにコンデンサからエネルギー(電気)を供給するとの事。
無理ですっ!バッテリーのような大容量のエネルギーを持つ機器で対応出来ないエネルギーをたかがコンデンサー程度で補える訳が無い!第一、結局そのコンデンサーにエネルギーを供給するのはバッテリーなのでバッテリーからみればコンデンサも立派な負荷になります。つまりバッテリーはコンデンサと機器の両方の面倒を見ないといけないので負担は倍増ですよね?ちなみに6800uFのコンデンサを2個つけているのでバッチリ何て言うのもありましたが、全くナンセンス。。。。さらにバッテリーの放電能力は電解コンデンサより優れています。な・の・で、コンデンサを接続しても放電時間の影響の改善には役立ちません。応答速度の速い、セラミックコンデンサがありますが大容量の物はないので(せいぜい3000pF:ピコファラッド)、やはりバッテリーの放電の補助には使えません。
③静電気系なので割愛します。
④.その他
バッテリー端子に接続するタイプで中身は金属の塊だったもの。。。判定不能。。。。(-_-;
変り種では、バッテリー端子に接続して、バッテリーの電極劣化を防止する。これはバッテリーにいわゆる発振器を接続し、その電気振動?でバッテリーの電極に付着する異物を除去すると言うもの。
まずは、そもそもバッテリーに電気振動を加えて、電極に付着する異物を除去する事が本当に出来るか?これが分かりません。なのでココでは考察出来ません。(すみません、知識不足で)ですがいわゆる前記2-1.で述べたようなノイズ除去の観点からは180度逆の技術です。だってバッテリー端子でノイズ作っているようなもんですから。
【総括】
結局、ノイズ除去や省燃費グッズの効果は事実上証明出来ませんでした。百歩譲って電気的には正しいけど効果は??というところでした。実はバッテリー周辺の話に今回は絞りましたが、車の中の電気機器について言えば、必ずレギュレーターが使われていますので、バッテリーの電圧変動やノイズはほとんど影響が無いと言うのが実際でしょう。このレギュレーターは入力電圧の変動を抑制しほぼ一定の電圧を電気機器に印可するデバイスです。つまり、ノイズ(広義の意味で電圧変動)やバッテリー劣化による電圧変動もこのレギュレーターでほとんどチャラになります。振幅の大きな高周波ノイズは別ですが。なので、実際はアーシングもわずかな効果しか得られないでしょう。
ただし、今までの話は電気機器においての話で、オルタネーターやその他の電気系?(あるの?)機器の件はワタシの知識不足から影響度合いは不明です。あくまで電子デバイスに関連した内容ととらえて下さい。
非常に長くなりましたが、これらの考察を経て、ノイズ、静電気、低燃費グッズの効果はほとんど無いという結論になりました。これまでの考察において矛盾や考察不足があればご指摘下さい。納得がいかん!などのご意見ももちろん受け付けます。
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
これまで、オカルトグッズなるもので一くくりで片付けていましたが一応、理論的に考え効果が無いと言う結論にいたりました。皆さんの参考になれば幸いです。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2007/10/29 20:57:41
今、あなたにおすすめ